10ドルのRaspberry Pi Zero Wは最初からWi-FiとBluetooth内蔵の超便利なラズパイだ

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5ドルのRaspberry Pi Zeroが出たときには、みんなが大歓迎して、ありとあらゆるものにそれをくっつけようとした。1GHzのシングルコアのCPUで動く超小型ゲーム機が作られたり、Pi専用のアドオンボード(ブレークアウト基板)Hatをいろいろ作って、ロボットやセンサーを動かす人たちもいた。そして今度からは、Wi-FiやBluetoothのドングルを使わなくても、それらすべてができるようになった。

その10ドルのPi Zero Wは、ワイヤレスを内蔵したZeroだ。mini-HDMIとmicro-USBのポートがあり、Hat用の40ピンのヘッダもある。コンポジットビデオやCSIカメラのコネクターもある。

Raspberry Piを作ったEben Uptonはこう書いている: “ほとんどの場合、ハブは必要だから、汎用のコンピューターとしてはこの方が使いやすい。Bluetoothの周辺装置を使いたい人にとっては、USBのポートだけあっても嬉しくないからね。しかもこれなら、いろんなIoTアプリケーションの実験ができる”。キーボードやマウスも、ワイヤレスを使えるから便利だ。

Pi Zero Wには使いづらい面も多少はある。ZeroもZero Wも同じLinuxコンピューターだが、Zeroはとても小さいからデスク上などには実装しづらいだろう。しかしIoTには格好で、先輩のArduinoにも劣らない。なお、フルサイズのUSBポートがないと、初心者は困るかもしれない。

Wには、シャーベットカラーのケースがついている。ケースはボードによくフィットしており、ピンやポート用の切れ込みもある。カメラ用のリボンコネクタもある(下図)。

Wi-Fi内蔵のマイコンが10ドルは、かなりの労作である。しかもこんな小さなボードが年月とともにさらにどんどん小さく(そして強力に)なるのも、快挙だ。ぼくはツイートの自動化と印刷をPiにやらせているが、何かがおかしくなったら、簡単に交換できるのも気軽で良いね。Piファンが作ったこのビデオを見てみよう。とにかく、すばらしい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

これは驚き! ―新しいRaspberry Pi Zeroはなんと価格5ドルだ

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シングルボードコンピュータの価格競争ではなんといってもRaspberry Piファウンデーションがトップを走っている。そのRaspberry Piがファミリー向けマイクロプロセッサーのシリーズに有力な新製品を発表した。Pi Zeroは価格が5ドルだ。外国からの購入者にはプレミアムが上乗せされるのは間違いない。それにしても機能完備したコンピューターの価格が5ドルなのだから驚く。

ではこのPi Zeroのターゲットはどういう層だろう? ロボットやモジュール式のガジェットなどコンピューターを利用するさまざまな製品のメーカーはまず最初に行列に並んだ方がよい。しかし5ドルなら一般ユーザーが衝動買いしても大丈夫だ。実際、Pi Zeroはファウンデーションが発行しているMagPiという雑誌の表紙にオマケとして無料でついてくる。

Pi Zero

Raspberry PiでZeroの次に安いモデルはModel A+で、こちらは20ドルだ。Raspberry Piには最近ライバル(クローン?)が現れてOrange Piを15ドルで売っている。いずれにせよ低価格コンピューターはますますわれわれの手が届きやすい価格になっていく。

ではこの5ドルのPiで何ができるのか見てみよう。 ハードウェアだが、コアは1GHzのチップだ。実はオリジナルRaspberry Piに使われていたのと同じものだ。ただしクロックがわずかに速められ、それに応じて能力も若干アップしている。ボードにはこれに加えて512MBのRAM、micro-SDカード・スロット、mini-HDMI端子、micro-USBポートx2が装備される。〔詳細スペックは原文参照〕

このボードに載っていないものは、と眺めてみると、まずEthernetとWi-Fi接続機能だ。こういうパーツを用意するのは5ドルでは無理なのだろう。Wi-Fiが欲しければmicro-USBポートにドングル形式でパーツを接続することになる。

ボード自体のサイズは65mm x 30mm x 5mmときわめてコンパクトだ。接続パーツはボードの一方の側に手際よく並べられている。使い勝手もよさそうだが、コスト削減にも役立っているのだろう。なんといってもRaspberry Piはこの数年で500万台以上も製造されている。ただしPiファウンデーションは非営利団体だ。

ファウンデーションは子供向けのプログラミングの課外講習を行う組織、Code Clubと最近、合併した。「世界のあらゆるコミュニティー」にプログラミング教室を拡大するのが使命だという。今月初めにチームを取材したときにこの話を聞いたが、そのときはあまりにも野心的な目標ではないかと驚いた。しかし5ドルのコンピューターが発売されたのを見ると、この目標も実現性は高いのかもしれない。

私はこのときRaspberry Piファウンデーションの共同ファウンダー、Eben Uptonと話した。Pi Zeroが普及しそうかどうか尋ねると、Uptonは「Pi ZeroにはTV向け〔HDMI〕出力が装備されている。これは特に途上国で古いデジタルTVを手に入れてコンピューターを作ろうとするユーザーにたいへん便利だ」と述べて自信を見せた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+