産業用ニーズに応えるRaspberry Pi Compute ModuleがCM1からPi 3搭載のCM3へアップデート

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Raspberry Pi Foundationが、Raspberry Pi Compute Moduleをアップデートした。この、Piを搭載した超小型マイコンボード(上図)は、製品の制御や、多機能機能化などのパワーアップを、マイクロプロセッサーの力を借りてやりたい企業向けのモジュールで、最近の例ではNECの40/48/55インチ大型ディスプレイが内蔵している。

同Foundationによると、アップデートしてCM3となったモジュールは、より柔軟性のあるフォームファクタと、より強力な内部を持ち、昨年新登場したPi 3を載せている。なのでプロセッサーのスピードは最大1.2GHz、RAM 1GBとなり、最初のCompute Module(CM1)に比べてスピードは10倍、RAMは2倍になっている。

最初のCM1ボードは、2014年にリリースされた。

Foundationの注記によると、CM3ではWindows 10 IoT Coreを動かせるので、IoTのプロジェクトをPi 3からCM3を使ったカスタムのシステムに“きわめて容易に”ポートできる。ピンの並びと構成はCM1と完全互換だが、モジュールの高さはCM3の方が1ミリメートル高い。

またプロセッサーの電源装置VBATへの負荷も大きくて、高負荷状態では発熱量も多い、という。

CM3には二つのバージョンがあり、通常のCM3は4GBのeMMCフラッシュストレージを搭載、CM3 Liteはストレージがなく、代わりにSDカードソケット用のピンがある。ただし、ユーザーがフラッシュストレージを後付けすることはできる。

価格はCM3が30ドル、CM3 Lite isが25ドルだ(送料と税を除いて)。CM1は今後も生産されるが、価格は25ドルになる。

アップデートされたブレイクアウトボードも発売されたが、Foundationによるとそれは、三つの機種(M3, M3 Lite, M1)のどれでも載せられるそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

これは驚き! ―新しいRaspberry Pi Zeroはなんと価格5ドルだ

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シングルボードコンピュータの価格競争ではなんといってもRaspberry Piファウンデーションがトップを走っている。そのRaspberry Piがファミリー向けマイクロプロセッサーのシリーズに有力な新製品を発表した。Pi Zeroは価格が5ドルだ。外国からの購入者にはプレミアムが上乗せされるのは間違いない。それにしても機能完備したコンピューターの価格が5ドルなのだから驚く。

ではこのPi Zeroのターゲットはどういう層だろう? ロボットやモジュール式のガジェットなどコンピューターを利用するさまざまな製品のメーカーはまず最初に行列に並んだ方がよい。しかし5ドルなら一般ユーザーが衝動買いしても大丈夫だ。実際、Pi Zeroはファウンデーションが発行しているMagPiという雑誌の表紙にオマケとして無料でついてくる。

Pi Zero

Raspberry PiでZeroの次に安いモデルはModel A+で、こちらは20ドルだ。Raspberry Piには最近ライバル(クローン?)が現れてOrange Piを15ドルで売っている。いずれにせよ低価格コンピューターはますますわれわれの手が届きやすい価格になっていく。

ではこの5ドルのPiで何ができるのか見てみよう。 ハードウェアだが、コアは1GHzのチップだ。実はオリジナルRaspberry Piに使われていたのと同じものだ。ただしクロックがわずかに速められ、それに応じて能力も若干アップしている。ボードにはこれに加えて512MBのRAM、micro-SDカード・スロット、mini-HDMI端子、micro-USBポートx2が装備される。〔詳細スペックは原文参照〕

このボードに載っていないものは、と眺めてみると、まずEthernetとWi-Fi接続機能だ。こういうパーツを用意するのは5ドルでは無理なのだろう。Wi-Fiが欲しければmicro-USBポートにドングル形式でパーツを接続することになる。

ボード自体のサイズは65mm x 30mm x 5mmときわめてコンパクトだ。接続パーツはボードの一方の側に手際よく並べられている。使い勝手もよさそうだが、コスト削減にも役立っているのだろう。なんといってもRaspberry Piはこの数年で500万台以上も製造されている。ただしPiファウンデーションは非営利団体だ。

ファウンデーションは子供向けのプログラミングの課外講習を行う組織、Code Clubと最近、合併した。「世界のあらゆるコミュニティー」にプログラミング教室を拡大するのが使命だという。今月初めにチームを取材したときにこの話を聞いたが、そのときはあまりにも野心的な目標ではないかと驚いた。しかし5ドルのコンピューターが発売されたのを見ると、この目標も実現性は高いのかもしれない。

私はこのときRaspberry Piファウンデーションの共同ファウンダー、Eben Uptonと話した。Pi Zeroが普及しそうかどうか尋ねると、Uptonは「Pi ZeroにはTV向け〔HDMI〕出力が装備されている。これは特に途上国で古いデジタルTVを手に入れてコンピューターを作ろうとするユーザーにたいへん便利だ」と述べて自信を見せた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+