IBMはLotus Notes/DominoをインドのHCLに$1.8Bで売る…まだまだユーザー企業は多い

IBMが昨夜(米国時間12/6)、同社が1995年に行ったLotusの買収の残存部位をインドのHCLに18億ドルで売却する、と発表した。

IBMは当時Lotusに35億ドルを投じた。その中の大物は、NotesとDominoとPortalだった。これらは長年、IBMのエンタープライズビジネスの大きな部分を占めていたが、しかし昨年Big Blueは撤退を始め、開発の部分をHCLに売り、営業とマーケティングは手元に置いた。

今回の発表で、このラインへのIBMの関与は解消する。このプラットホームの開発部分が手を離れ、そしてRedHatに340億ドルを投じたIBMは今キャッシュが欲しい。だから、Lotusの他の部分を持ち続けることには意味がない、と決断したのだ。

インドのエンタープライズIT大手HCLにとっては、Notes/Dominoビジネスの構築を継続できる機会を、この買収でより確実なものにできる。HCL Technologiesの社長でCEOのC Vijayakumarは、次のように声明している: “これらのプロダクトの大規模なデプロイは、世界中の何千もの多様な業種と市場の企業に接近できる絶好の機会をわが社に与える”。

Constellation Researchでエンタープライズのコラボレーション分野の注視を続けているAlan Lepofskyは、この売却が、IBMがこのところ疎遠にしてきたソフトウェアにとって再出発の機会になる、と見ている。“IBMの最近の10年間に比べると、HCLはNotes/Domino にもっと本格的な関心を持っている。今後積極的に投資して、ブランドの若返りに努めるだろう”、と彼は語った。

Lepofskyによると、NotesとDominoを古いと感じる人も多いと思われるが、実際にはさまざまな企業で現役で使われている、とくに多いのがEMEA(Europe, Middle East and Africa)ヨーロッパ中東アフリカとAP(Asia Pacific)アジア太平洋地域だ、という。

彼によると、今回の売却によってIBMはコラボレーションの分野から完全に手を引くことになった、という。“IBMのコラボレーションは終わりだ。いち抜けだ”、と彼は言う。

IBMは今、独自のクラウドビジネスを開発中だから、それとNotes/Dominoは方向性が違いすぎる。10月のRedHat買収が示すように、同社はプライベートとハイブリッドのクラウドをサービスとプロダクトのメインに据える気だから、Lotus NotesやDominoのような古顔の出番はなくなってきた。

この売買を規制当局が承認し、完了するのは、来年半ばと予想されている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Slackの単純な線形のメッセージ集合に文脈性と構造性を与えるSlackボットPingpad

Business people talking in office

昨年、消費者向けのモバイルアプリをローンチしたPingpadが、本日(米国時間8/9)方向転換をして、人気の高いエンタープライズコミュニケーションプラットホームであるSlackの機能を高めるコラボレーションツールを発表した。同社は、こちらに専念するために、消費者アプリを最近閉鎖した。

PingPadのファウンダーの一人であるRoss Mayfieldは、いわゆるEnterprise 2.0ブームの初期のころから活躍していて、2000年代の初めに登場してきたWebベースのツール、ブログやwikiを真似て、それらの機能を企業のコラボレーションツールにしよう、という趣旨のサービスSocialtextを立ち上げた。

Mayfieldは今回、そのときの経験をベースにして、Slackに欠けているものを提供しようとしている。それは総合的なコラボレーションツールで、彼が初期のころ参考にしたwikiのように、チームのメンバーにコンテキストと構造性を与える。言い換えると、Slackのあくまでも線形の会話から、話の脈絡を取り出す。

このSlackボットは、Slack上の会話を組織化して、検索やそのほかの利用が可能なドキュメントを作り出す。

このボットは、その後の会話からも情報を取り出して、リアルタイムでそれらのドキュメントに加える。またユーザー自身が、/noteなどのコマンドでコンテンツを加えることもできる。

Pingpad Slackbot organizing tasks by person and color coding them.

画像提供: Pingpad

Slackは、これまで多くの人が失敗したエンタープライズコラボレーションで成功し、その成功の鍵は、オープンなコミュニケーションプラットホームであり、またデベロッパーにとってもフレンドリーだったことにある。その成長に刺激されたPingpadは、方向転換を実験的なサイドプロジェクトとして開始したが、すぐに、Slackという馬に乗らない手はない、と悟った。

ビジネスモデルは、1チーム100ノートまでは無料、それ以降は、1ユーザー1か月あたり4ドルで、サポートは無制限だ。

Mayfieldは、彼が昔作ったマイクロブログツールSocialtext Signalsと、今のSlackがとてもよく似ている、と感じている。“SlackのメッセージボタンみたいなものはSocialtext Signalsにもあった。サードパーティアプリとの統合性も良かった。通知機能や、他のアプリとの対話機能、メッセージを送って記録されているデータを変えることもできた”、と彼は昔を振り返る。

2002年にローンチしたSocialtextは、その後2012年にPeoplefluentに買収されたが、今日のSlackほど大々的に、エンタープライズ市場を捉えることはできなかった。

Mayfieldは、今回のように、他のプラットホーム(Slack)に乗っかる形にはリスクがあることを認める。でも、Slackよりも前にコミュニケーション/コラボレーションツールを作ってきた彼は、Slackにある種の因縁を感じている。彼は、Slackに賭けてみたいのだ。この分野ですでに14年の経験がある彼は、今度はうまくいく、と感じている。

この、‘Slackのためのwiki’は、最初のステップにすぎない、と彼は言う。これが離陸したら、ほかのツールも作りたいし、スタンドアロンのモバイルアプリもいずれやりたい、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))