英国キッズのタブレット保有率は34%。ニッチ・ソーシャルネットワークも人気上昇中

昨年10月に、Ofcom(英国情報通信庁)が子供たちの間でのタブレット利用率が上がっているというレポートをリリースした。この度、新たに2014年版年次レポートがリリースされたが、どうやらタブレット利用が広がっていくトレンドは継続中であるようだ。今やイギリスの若年層におけるタブレット保有率は3人に1人というレベルに達しているらしい。

たとえば、5歳から15歳の層におけるタブレット保有率は34%となっているのだそうだ(これは両親保有および学校のものを除いた数字だ)。この数値は2013年版では19%となっていた。

さらに低い年齢層でもタブレット保有率は増加傾向にある。3歳から4歳の子供についても、10人に1人(11%)がタブレットを保有しているといの結果が出ているそうだ。これも昨年のレポートではわずか3%となっていた。

また、5歳から15歳の層がネットワークに接続する際に利用するデバイスとしても、タブレットの率が上昇している。すなわち2013年には23%だったものが、今回の調査では42%となっているのだ。

こうした傾向により、ノートPCやデスクトップ機が退潮を示しつつあるという見解も示されている。インターネット接続にあたって、PCないしノートPCを利用している子供の割合は、2005年の調査開始以来初めて低下することとなったそうなのだ。昨年比で3%低下して88%となっているようだ。

一方で、子供たちのスマートフォン保有率については横ばいという状況にある。8歳から11歳については20%、12歳から15歳については65%がスマートフォンを保有しているとなっている。

調査を見る限り、どうやら子供部屋におかれたテレビはタブレットへと姿を変えつつあるようだ。テレビの保有率は2009年の66%から2014年の46%へと3分の1ほども減らしている。但し、タブレットを使ってのテレビ視聴の習慣は増えている。こちらの方は2013年の15%から2014年の20%へと、逆に3分の1ほどを増やしている。

もちろんゲーム機としてのタブレット利用も増えつつある様子。昨年の23%から2014年には30%となっている。ゲーム専用機は昨年の81%から2014年の77%へと減少している。

多様化しつつあるらしいソーシャルメディア

また、イギリス若年層が利用するソーシャルメディアについての分析もなされている。どうやらマイナーなサービスにも利用者の目が向いているのではないかという結果が出ているのだ。

Ofcomの調査を見れば、イギリス国内の子供たちの間でも一番人気はFacebookだ。調査対象となった12歳から15歳の子供たちのうち、96%はFacebookに登録しているのだとのこと。これは2011年以来ほぼ変わらない数値となっている。

しかし「メインで利用しているソーシャルネットワーク」にFacebookを上げる割合は減っているのだ。この割合は2013年に87%だったものが、2014年には75%となっている。

その一方で、ソーシャルネットワークのバリエーションが増えてきているようなのだ。たとえば「メイン」にInstagramを上げる子供もいれば、SnapChatやWhatsAppを上げる子供たちの割合はいずれも増えている。もちろん、割合的にはまだまだFacebookの天下であるともいえる。しかしFacebook以外のソーシャルネットワークに注目する若年者が増えているという傾向は見える。「親がいないところ」を探してニッチなサービスを利用しようとする若年層もいることを示しているのだろう。

ちなみに現在のイギリスにおいては、「ニッチ」の中でInstagramが人気を集めているようだ。調査対象の36%が「使っている」と回答し、また9%がInstagramをメインに使っていると回答している。

次点はSnapchatで26%が使っていると述べ、20%はWhatsAppを利用していると回答している。InstagramおよびWhatsAppはFacebookのサービスとなってはいるが、しかしSnapChatの方は独立したサービスで、さまざまな買収提案を蹴り続けている。

ところで人気が低下しているサービスはとみれば、イギリスの若年層の間ではTwitterの人気が低下中であるようだ。3年連続で利用率が増えていて昨年は37%を記録していたが、今年は28%となってしまった。ちなみにGoogleのYouTubeの利用率も若干の低下を示しており、26%から22%となっている。

尚、レポートからは若年層グループにおける人気のうつろいやすさをはかり知ることもできる。たとえばソーシャルネットワークのBeboは2009年にはほぼ半分(49%)の利用率を示していたのに、2014年にはわずか3%となってもいるのだ。

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(翻訳:Maeda, H


FacebookがWhatsAppを買収した190億ドルを、いろいろ比較してみた

つい先ほとFacebookはWhatsAppを買収したことを発表した。月間アクティブ4.5億人世界的メッセージングプラットフォームで買収金額は190億ドルだった。これは、2001年にHPがCompaqを250億ドルで買収して以来、最大級のIT系買収だ。

つまり、2011年の開業以来比較すれば貧弱ともいえる800万ドルを調達してきたWhatsAppが、今や200億ドル近い価値になったことを意味している。

古き良き日を思い出してほしい。あの誰もが仰天した10億ドルのInstagram買収や、LenovoがMotorola Mobilityを29億ドル買ったことを。

単純な時代だった。

190億ドルのいう金額は、われわれの頭で考えるにはあまりにも大きすぎるので、他のあきれるほど価値のある物、会社、人物と比較してみることにした。

友よ、お楽しみあれ。

190億ドルとは・・・

  • BlackBerryの時価総額の4倍
  • Fordの時価総額の約1/3
  • GroupOnの時価総額の2.8倍
  • Gapの時価総額とほぼ同じ
  • Sonyの時価総額よりやや多い(約10%)
  • Deltaの時価総額の約3/4
  • Mark Cuban、7.5人
  • HPの時価総額のほぼ正確に1/3
  • 原子力潜水艦2隻
  • Twitterの時価総額の62%
  • バージン・ギャラクティックの宇宙旅行7万6000回
  • Sprintの時価総額の約60%
  • Instagramの買収25回

上記の数値は以下のデータに基づいて計算した。買収金額は総額190億ドル相当。これには締結後従業員に与えられる制限付株式を含む。他社の時価総額はGoogle Financeの終値による ― 時間外取引は考慮せず。このようにしてわれわれは、比較対象の公正市場価値と今回の買収総額を比較した。

画像:Shutterstockの写真を元に構成

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


FacebookがWhatsAppに190億ドル注ぎ込んだ理由:ヨーロッパと発展途上市場参入のため

【本稿はJosh ConstineとKim Mai Cutlerの共同執筆】

月間ユーザー4.5億人、新規登録者1日100万人のWhatsAppには、Facebookが国際モバイルメッセージング競争で追い付くためには、あまりにも水をあけられすぎていた。本誌が昨年作った上のグラフを見ればわかる。Facebookは、海外におけるモバイルソーシャルネットワークの要になることを諦めるか、金を頼んでWhatAppがこれ以上大きくなる前に買収するかしかなかった。そして後者を選んだ

Facebookは数週間前の収支会見で、11月に改訂したMessengerアプリの利用が70%増加し、送信メッセージ数も増えていると話した。しかし、その殆どは米国とカナダであると思われる。そこはメッセージングアプリ戦争がまだ決着をみていない。

世界的に見ると、Facebookはメッセンジャー祭りに出遅れついる。Facebookが参入したのは、2011年にBelugaを買収した後のことであり、当時はSMSが極端に弱かったグループメッセージに力点を置いていた。

WhatsAppは2009年、身軽ですっきりして早いモバイルメッセージアプリという正しい焦点と共に登場した。そして、世界のメッセージング市場が驚くほど断片化していた時、WhatsAppは主要な存在を勝ち取ることに成功した ― Facebook Messengerのいない場所で(上のグラフ参照)。

パソコンベースのソーシャルネットワークと異なり、モバイルメッセージングには突出した市場リーダーがいない。それでもWhatsAppは、米国以外のヨーロッパ、インドにおいて完全に市場を支配している。

[アップデート:WhatsAppはいくつかの主要発展途上市場で、Facebookよりはるかに人気が高いことを、Jana Mobileが実施してThe Information(有料サイト)が発表した小規模な調査によるデータが示している。インド、ブラジル、メキシコで、最もよく利用するメッセージングアプリにWhatsAppと答えた回答者は、Facebookと比べて12~64倍だった。いずれもFacebookが必要としている大量ユーザーを抱える大国である。]

またFacebookにとって、例えば中国のメガ巨人Tencentが世界消費者製品として期待するWeChatのような、一部のアジアのライバルを買収することも不可能だ。

このため、WhatsAppがFacebookにとって戦略的興味の対象であったことは明らかで、両社が時折話し合っていたことをわれわれは知っている。

上のマップはOnavoのデータを元にしている。イスラエル拠点の会社で、Facebookが・・・競合情報収集のために買収した。昨年10月にFacebookがOnavoを1億ドル以上で買収したため、それ以降アクティブ利用データは入手できていない。唯一外部者が見ることのできるデータは、アプリストアのランキングだが、これはダウンロード数を示唆するだけで現在の利用量はわからない。

では何が去年起こったのか? WhatsAppは、発展途上市場でFacebookのはるか先を行き、追い付くことが不可能なところまできた。Mark Zuckerbergは今日の投稿で、同アプリがユーザー10億人を達成しようとしていると言っている。

われわれは、Facebookが2~3年前からWhatsApp買収に興味を示していたことを聞いている。2012年に本誌は、FacebookがWhatsAppと買収交渉中であると報じた。しかしこの1年間で、FacebookはWhatsAppとそのチームを手に入れるために必要な額をいくらであっても払うしかないことが明らかになった。

そして、Facebookの問題の答は、結局190億ドルになった。

どうやらこれが、Jan KoumとSequoia Capital(かつてZuckが嫌がらせをしたファンド)の出資者たちが手を打った経緯のようだ。これ以上少しでも待てば、数字は大きくなるばかりだったに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook