光ファイバーのAcacia、今年2社目のIT系IPOで35%の急騰

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IT企業のIPOにとっては最悪の年だ。これまでにIPOに踏み切ったのはSecureWorksだけで、その結果は芳しくない。

しかし、Acacia Communicationは今日(米国時間5/13)株式を公開し、予測を上回る好調さだ。1株当たり23ドルの価格で、1.035億ドルを調達した同社は、公開初日に30ドルを上回り、時価総額は10億ドルを越えた。

Matrix Partners、Capital Ventures、Summit Partnersらの支援を受けるAcaciaは、堅調な光ファイバー通信事業を静かに構築し、成長を続けると共に利益を上げている同社は、今が上場できる財務状態だと考えた。

「IPO市場は非常に低調で難しい状況だった」とCEO Raj Shanamaugarajは言った。しかし上場することで「さらに大きな機会を追求できる規模が実現できる」。

高速光ファイバー通信による消費者の利益は容易に理解できるが ― Netflixがバッファーするのを待ちたい人はいない ― 業界や政府も光ファイバーの広い普及による効果を期待している。クラウドサービスやスマート都市の拡大には、光ファイバーの速度と力が必要だ ― そして、それはまさにAcaciaがやっていることだ。

Acaciaは、ファイバー市場の大規模部分を受け持っており、長期離接続(6000マイル以上の海底ケーブルを設置している)やデータセンター間の接続等の大規模システムの光ファイバー通信を推進している。同社の提供するスピードは、100~400ギガビット/秒で、クラウドサージスの膨大なデータの高速転送を可能にしている。

Acaciaは、光ファイバー接続を改善するハードウェアの革新もいくつか行っている。同社は、半導体光相互接続装置を開発し、大きくて電力消費も多い従来の装置を置き換え、温度管理も容易にした。同社はさらに、光ファイバーの設置に必要な保守や較正を自動化することによって、光接続の全体コストも引き下げようとしている。

Acaciaは、Nasdaqにティッカーシンボル”ACIA” で登録されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

音声の場合と同じ原理によるノイズキャンセル技術が地球サイズの長距離光ファイバの帯域を5倍にアップ

最近の研究によると、ノイズキャンセル技術は、長時間のフライトで隣の席の赤ん坊の泣き叫ぶ声や男女のおしゃべりをブロックするだけでなく、インターネット接続の品質と信頼性とスピードを高めることができる。VentureBeatが見つけたNature Photonics掲載の研究論文が、そう述べている。ノイズキャンセル技術はバックグラウンドノイズを排除するわけだから、光ファイバ上の信号を掃除して接続の速度と質を増進することもできるのだ。

長距離光ファイバネットワークの上を旅する主信号に付随するノイズを、それらを打ち消す光線を照射してキャンセルすると、スピードを最大でそれまでの400%に上げることができる。Bell Laboratories(ベル研)のXiang Liuが率いる研究チームが、そう述べている。それにより、12800キロメートルを超える長さのケーブル上で毎秒400ギガビットの送信が可能になる(サイクリストのRyan Stotlandが2009年に南米の7か国を自転車ツアーしたときの全走行距離は、これよりも短かった)。すなわち、複数の大陸にまたがる高速インターネットが可能になる。

国際データ通信において、接続インフラの感度を上げるための高価なハードウェア投資をしなくてもすむようになる、という意味でこの技術の価値は大きい。しかもこの研究がもたらす変化はスループットの今後の段階的な改善ではなくて、一挙に400%の改善だから、世界中で日に日に急速に増加する一方の帯域需要に即応できる可能性がある。それはGoogleがKansas CityAustinやユタ州のProvoなどで実験している野心的な超高速光ファイバインターネット事業よりも、はるかに大きな可能性だ。

実用化試験はまだまだ先のようだが、ネットワーク技術者や科学者たちを長年悩ませてきた、ノイズによる信号の劣化という問題を解決するエレガントなソリューションとして期待は大きい。Google的に全米を高速光ファイバでおおうと110億ドルぐらいかかるらしい。こちらのノイズキャンセル技術の、実用化費用はどれぐらいになるのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))