ソフトバンクがWeWork株3210億円買い戻しの約束に尻込みか

Wall Street Journalによると、SoftBank(ソフトバンク)は、WeWorkの既存株主から30億ドル(約3210億円)相当の株を買い取る約束を回避する手段として、規制当局の捜査を利用している。

WeWorkの華々しいIPOの失敗は、数十億ドルの価値がある後期ステージ投資を行った人々にとって良い時間に終わりがくる前兆だった。そして株式の買取りプランは、ソフトバンクの数ある投資先の中で最も問題を抱える高額高価値の非上場スタートアップの問題を、少しでも軽減しようとする取り組みの一部だった。

買い戻し計画から外れることになる1人は、元CEOのAdam Neumann(アダム・ニューマン氏)で、自身のWeWorkの持ち株に対して9.7億ドル(約1040億円)を受け取ることになっていた。

Wall Street JournalはWeWork株主宛の通知を引用し、もしソフトバンクが買い戻し行わなければ、WeWorkに命綱の50億ドル(約5350億円)を与えるという同社の約束を守ることもなくなるだろうと報じた。

WSJの記事によると、株式買い戻しの契約自体は取り消されておらず、新型コロナウィルス・パンデミックによる世界経済の減速を鑑みて再交渉することになるとみられている。

これまでのところSEC(証券取引委員会)と米司法省、およびニューヨーク州議会はソフトバンクに対して、WeWorkのビジネス慣行および投資家との意思疎通に関する情報を提供するよう求めている。

画像クレジット:Theo Wargo / Getty Images

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ダイレクトリスティングを控えてSlackは売上が順調に増加し損失率は低下

職場のメッセージングは、いまやSlackで決まり。そのSlackが、6月20日と予想されているダイレクトリスティングに備えて米証券取引委員会(Securities and Exchange Commission、SEC)に、修正S-1を提出した。

その文書でSlackは今後の黒字化への道のりもやや改定し、前期2019年Q1の決算は売上1億3480万ドルに対し損失3180万ドルと報告している。売上は前年同期比67%の増で、2018年Q1では8090万ドルの売上に対して損失が2480万ドルだった。

2019年1月で終わる会計年度では、同社の売上は4億60万ドルに対し1億3890万ドルの損失だった。前会計年度では売上2億2050万ドル、損失が1億1億4010万ドルだった。

Slackは今、ニューヨーク証券取引所におけるダイレクトリスティングに必要な準備過程の最後の段階に来ている。ちなみに同取引所におけるSlackのティッカーシンボルは「WORK」になる。ダイレクトリスティングは株式市場へのアプローチの仕方のひとつで、それにより有名企業は、新株を発行する代わりにインサイダーや社員、投資家などが持つ既存の株を市場に直接売り出す。この方法だと企業は、会社説明など売り出しにあたってのロードショープロセスを省略でき、またウォール街に相当な額のIPO手数料を取られずに済む。

Spotifyは2018年にダイレクトリスティングを完了し、もうひとつの価値の高いVC支援企業Airbnbも、2020年にダイレクトリスティングを行うと噂されている。

Slackは現在、70億ドルの評価額とされている。これまで同社は累計12億2000万ドルを、Accel(同社の株式24%を保有)、Andreessen Horowitz(13.3%)、Social Capital(10.2%)、ソフトバンク、T. Rowe Price、IVP、Kleiner Perkinsなどから調達している。

関連記事: The Slack origin story(Slackの起源、未訳)

画像クレジット: TechCrunch

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ブラウザーのOperaが上場申請

ノルウェー拠点のブラウザーメーカー、Opera Ltd.が米国で上場申請した。提出されたF-1書類によると、同社は1.15億ドルの調達を目標としている。

2017年にOperaは1.289億ドルの経常利益を生み、純利益は610万ドルだった。

多くの人はウェブブラウザーのOperaに馴染みがあるだろうが、会社自身は激動の歴史を経験してきた。Operaの株主らは会社を2つの実体に分割した——ブラウザーメーカーと広告運営会社だ。

現在広告会社の部分はOtelloと呼ばれている。そして中国企業の共同体がウェブブラウザーと消費者向け製品とOperaブランドを買収した。今回上場するのは後者の部分だ。

現在Operaはデスクトップパソコン向けウェブブラウザー以外に、携帯電話向けウェブブラウザーをいくつか提供している。Androidでは、Opera、Opera Mini、およびOpera Touchをダウンロード可能だ。iOSで利用できるのはOpera Miniだけだ。最近同社は、スタンドアロンのOpera Newsアプリも公開した。

Operaには全体で1.82億人の月間アクティブユーザーがいる。デスクトップブラウザーの月間アクティブユーザーが5740万人、Opera Newsのユーザーがブラウザーとスタンドアロンアプリ合わせて9020万人いる。両社のユーザー基盤にはある程度重複がみられる。

また、Operaの収入源が3つしかないことは興味深い。主要な収入源は2つの検索エンジンとの契約から来ている。デフォルト検索エンジンは、ロシアではYandex、世界のそれ以外の場所ではGoogleだ。同社のユーザー基盤が増えるにつれ、パートナーはデフォルト検索エンジンのままでいようと、さらに高く払う。

「わずかな数のビジネスパートナーが、収益の大部分に寄与している」と同社はF-1書類に書いた。「2017年、上位2社のビジネスパートナーを合わせて経常利益の56.1%を占めた。Googleが43.2%、Yandexが12.9%だった。」

それ以外は広告とライセンス事業だ。OperaのスピードダイヤルにはBooking.comやeBayなど様々なウェブサイトが事前登録されていることに気づくだろう。これらが広告パートナーだ。一部のメーカーや通信会社は端末にOperaブラウザーをプレインストールしている。同社はそこからも収益を得ている。

ブラウザー市場は非常に競争が激しくOperaはGoogle、Apple、MicrosoftといったIT巨人らと戦っている。その一方で、人々は多くの時間をブラウザーで過ごしているので、おそらくOperaのような小さなブラウザー会社でも、入り込む余地があるということなのだろう。同社はNASDAQに上場しティッカーシンボル OPRA で呼ばれる。

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Airbnb CEO、「来年のIPOは可能、だけどないかもしれない」

Airbnbは年間数十億ドルの売上をもたらし、EBITDAベースで黒字なので、この宿泊シェアリング会社がいつ上場するのか多くの人々が注目している。今日(米国時間5/30)のCodeカンファレンスで、Airbnb CEO Brian Cheskyは、「来年IPOはできるだろうが、するかどうかはわからない」と言った。

Airbnbが上場するときは、それが間違いなく会社にとって大きな利益になることを考えなくてはならないと付け加えた。いくつかの質問のあと、Cheskyは「上場することに問題はない。上場は可能だ」と語った。

一方Airbnbは規制問題に関しては2010年以来苦闘を続けている。中でもサンフランシスコとニューヨークは規制の観点から見てもっとも困難な2都市だとCheskeyは言った。

たとえばニューヨークは2010年以来停滞状態にある。Cheskyによると、彼はニューヨークの問題は解決にあと数年かかると予想している。

「この挑戦には終わりがないように思える」とCheskyは言った。Cheskyによるとこの問題には、ホテル業界および「この終わりのない戦いに人々を駆り立てた」組合も関係しているという。

ほかにAirbnbに対する批判として、家賃の上昇と立退きの問題が挙げられている。Cheskyはこれを単なる経営判断だとして付け加えた。ニューヨークには「住む価値がなかったということだろう」。しかしCheskyは、Airbnbで収入を得ることに依存しているホストもいると言う。

CodeカンファレンスでCheskyは、AirbnbのExperience製品を説明し、同社の宿泊サービスの10倍以上の速さで伸びていることを自慢した。Airbnb ExperienceはAirbnbが2014年にテストを始め、正式には2016年にスタートした、旅行者が世界中の都市でなにかを見つけるのを手伝うサービスだ。

スタート当初、Airbnbはそれぞれの体験について調べていなかったが、悪い体験がいくつかあって以来、Aibrnbは検証を始めた

「非常にうまくいっている」とCheskyは言った。さらに、「Experience経済」は成長中であり、「おそらく各種の体験を中心にして大きな経済が生まれるだろう」と付け加えた。

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MuleSoftは上場初日に46%アップで終わる、エンタープライズ系テク企業への市場の信頼厚し

今年最初のエンタープライズ系テクノロジー企業のIPOは、レースの始まりを告げた。

MuleSoftは企業顧客、たとえばNetflixやSpotifyなどが、いろんなサービスやアプリケーションのAPIを統合的に使って自らのビジネスニーズを満たすタスクを助けている。その同社は今日、17ドルのIPO価格に対して24ドル75セント、46%のプレミアムで引けた。その17ドル自体も、予想レンジの14-16ドルより上だった。

同社はIPOで2億2100万ドルを調達できたが、17ドルではなく20ドルだったらもっと調達できただろう。銀行家たちは通常、初日のご祝儀として20-30%の短期上昇を期待する。同社の価格が低すぎたら、彼らはお金を“テーブルの上に残した”(持ち帰らなかった)ことになる。

Snapの場合も同様で、やはり17ドルのレンジを超え、初日には大きく上がった。しかし2週間後の現在は、すでに20ドル以下になっている。

主に機関投資家と、引き受け銀行と仲の良い高資産の個人たちが17ドルでアクセスするのがIPOのスタンダードだが、今日(米国時間3/17)のMuleSoftは24ドル25セントで明けたから、24ドル75セントの仕舞いは、ふつうの投資家にとってかなり小さな儲けだ。

MuleSoftは金曜日(米国時間3/17)に、“MULE”というチッカーでニューヨーク証券取引所に上場した。NYSE(ニューヨーク証券取引所)にとってそれは、Snapの上場に続く再度の勝利だ。

MuleSoftは昨年の売上が1億8770万ドルで、2015年に対し1億1030万ドルの増、前年比では5760万ドルの増だ。純損失は4960万ドルで、前年の6540万ドルから減った。

【中略】

同社の最大の株主(17.1%)であるLightspeed Venture PartnersのパートナーRavi Mhatreによると、彼は初期からMuleSoftが良い投資対象だと認識していた。なぜなら同社は、ファウンダーたちが“明確なビジョンを”持っていたからだ。LightspeedはSnapとNutanixの最近のIPOでも投資したが、Mhatreが言う、勝者を見分けるコツとは、それが“スケーラブルで粘り強い”企業であることだ。

Battery VenturesのDharmesh ThakkerはMuleSoftへの投資の機会を逸したが、一般的にエンタープライズ系企業のIPOに対して楽観的だ。消費者向け企業のIPOと違ってエンタープライズ系のIPOは、“爆発的な上がり下がりがなくて安定成長が期待できる”からだ、と彼は言う。エンタープライズ系企業は、そのビジネスモデルに関しても、将来の予期不能の激変がないことが期待できる。だから、上場企業として適格なのだ。

【後略】

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MuleSoftのIPO価格は予想を上回って17ドル、エンタープライズ系スタートアップの上場ブームとなるか

エンタープライズソフトウェアのMuleSoftが明日(米国時間3/17)上場するが、そのIPO価格は17ドルとなり、提案されていた14-16ドルよりもやや高い。

明日の上場先はニューヨーク証券取引所で、チッカーシンボルは“MULE”になる。2006年に創業したMuleSoftは、いろんなところのAPIを駆使して複数のアプリケーションを統合化したい、という企業のビジネスニーズに奉仕する。

同社の獲得資金は約2億2100万ドルになり、MuleSoftは上場の一環として1300万株の普通株を発行する。これにより同社の総評価額は21億4000万ドルとなり、この前プライベートに資金調達をしたときの15億ドルを大きく上回る。

このところ、うまくいっているIPOが多いから、明日のMuleSoftも上々だろう。

Snapchatの親会社Snap Inc.は先週上場して39億ドルを発行、価格は予想を上回る同じく17ドルだった。SNAPは初日の売買で44%アップし、最近株価は下がっているものの、商い額はIPO価格より上だ。今朝はラグジャリーグッズのメーカーCanada Gooseが上場して2億2500万ドルを獲得、終値はIPO価格12ドルを25%上回った(その12ドルも予想域より高い)。

MuleSoftのIPOは、大手エンタープライズソフトウェア企業の上場としては今年初めてである。それが成功すれば、そのほかのエンタープライズソフトウェア企業も後に続くだろう。先週は消費者テクノロジー企業Snap Inc.のまあまあの成功を見ているだけに、なおさら気が逸(はや)るところだ。

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検索結果に位置データを入れるYextが赤字持続のままIPOを申請

検索結果に位置データをつけているYextが、IPOを申請したことを公表した。上場の予定は、4月と早い。

調達目標は1億ドルとされているが、それは今後変わるかもしれない。今後の方針変化等については、その都度お伝えしよう。

Best Buy, McDonald, Marriottなどが同社の顧客だが、Yextのおかげでこれらの企業の検索結果やソーシャルメディア、地図などには位置情報が入る。同社は当初、その企業のWebサイトへ行かなくても近くのお店の場所が分かることを、目標としていた。

昨年の、10月で終わる9か月の売上は8860万ドル、損失が2860万ドルだった。売上は前年同期の6400万ドルよりアップ、しかし損失も1820万ドルからアップした。

同社はIPO申請書のリスク要素のところで、“弊社はこれまで一貫して損失を計上しており、今後も利益を上げないこともありえる”、と言っている。サードパーティのリセラーへの依存にも言及しており、それが売上の大きな部分を占める、と言っている。

協同ファウンダーはその多くがSalesforce出身者で、Yextの一部の社員はカリスマ的リーダーHoward Lermanを尊敬し、SalesforceのトップMarc Benioffに似ている、と言っている。

2006にローンチしたYextは、数年前から上場の噂があった。これまでは、5億ドルの評価額で1億1700万ドルあまりを調達している。

Yextの23.6%を握るSutter Hill Venturesが、IPOの幹事会社となり、またInstitutional Venture Partners, Marker Financial Advisors, Insight Venture Partnersらの持ち分も大きい

この申請によりYextは、スタートアップから株式市場への旅路を歩んだニューヨークの数少ない企業の仲間入りをする。EtsyやOnDeckも、最近の仲間だ。

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光ファイバーのAcacia、今年2社目のIT系IPOで35%の急騰

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IT企業のIPOにとっては最悪の年だ。これまでにIPOに踏み切ったのはSecureWorksだけで、その結果は芳しくない。

しかし、Acacia Communicationは今日(米国時間5/13)株式を公開し、予測を上回る好調さだ。1株当たり23ドルの価格で、1.035億ドルを調達した同社は、公開初日に30ドルを上回り、時価総額は10億ドルを越えた。

Matrix Partners、Capital Ventures、Summit Partnersらの支援を受けるAcaciaは、堅調な光ファイバー通信事業を静かに構築し、成長を続けると共に利益を上げている同社は、今が上場できる財務状態だと考えた。

「IPO市場は非常に低調で難しい状況だった」とCEO Raj Shanamaugarajは言った。しかし上場することで「さらに大きな機会を追求できる規模が実現できる」。

高速光ファイバー通信による消費者の利益は容易に理解できるが ― Netflixがバッファーするのを待ちたい人はいない ― 業界や政府も光ファイバーの広い普及による効果を期待している。クラウドサービスやスマート都市の拡大には、光ファイバーの速度と力が必要だ ― そして、それはまさにAcaciaがやっていることだ。

Acaciaは、ファイバー市場の大規模部分を受け持っており、長期離接続(6000マイル以上の海底ケーブルを設置している)やデータセンター間の接続等の大規模システムの光ファイバー通信を推進している。同社の提供するスピードは、100~400ギガビット/秒で、クラウドサージスの膨大なデータの高速転送を可能にしている。

Acaciaは、光ファイバー接続を改善するハードウェアの革新もいくつか行っている。同社は、半導体光相互接続装置を開発し、大きくて電力消費も多い従来の装置を置き換え、温度管理も容易にした。同社はさらに、光ファイバーの設置に必要な保守や較正を自動化することによって、光接続の全体コストも引き下げようとしている。

Acaciaは、Nasdaqにティッカーシンボル”ACIA” で登録されている。

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