スマホで手軽に経費精算できるアプリ「Staple」、Android版の提供を開始

会社員ならば誰もが経験するであろう経費精算。大っ嫌いな人も多いんじゃないだろうか。毎月それなりの時間を取られるし、Excelで処理するにしても、は業務システムと連携した経費精算システムに入力するにしても、とにかく1つ1つの項目を埋めていくのは手間がかかる。

そんな面倒な経費精算を、スマホで手軽に入力できるアプリがクラウドキャストの「Staple」だ。クラウドキャストでは2014年9月にiOS版をリリースした(クラウドキャストでは同時にIMJ Investment Partnersからの資金調達を発表している。調達額や出資比率は非公開)が、本日3月9日にAndroid版をリリースしている。

Stapleは個人および10〜20人規模の程度の中小企業や企業の部門、イベントなどの短期プロジェクトでの利用を想定した経費精算アプリだ。タップ操作で経費を登録したり、カレンダーとの連携機能などを実装している。経費はCSVでの出力も可能。

クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏

「システム管理者の視点ではなく、従業員が迷わず利用できるかどうかが重要。また社員数10〜20人規模の企業だと、経費精算に使うのは紙とエクセルというケースが9割以上。いかにこれを置き換えるかを意識した」(クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏)

個人での利用は無料。法人・チーム向けの管理機能を利用する場合、1チーム月額980円(年額で支払う場合は9800円)となっている。法人向けのユーザー登録数や保存データ容量は無制限。決裁権限を持つ人間による承認ワークフローを備える。

クラウドキャストは2014年1月に経費精算アプリ「bizNote Expense」を公開している。これはアプリでの経費入力から会計システムへの取り込みまでの機能を提供していた。Stapleはそこからユーザーのニーズにあわせて経費入力の機能を切り出した(といってもあくまで機能面での話。アプリ自体はスクラッチでおこしているのだそうだ)ものとなる。bizNote Expenseは既存ユーザーにはサービスを提供し続けるとのことだが、サイト上ではStapleにサービスを移行したと説明。Stapleの新規登録を促している。

なおAndroid版の提供にあわせて、クラウドキャストがTechCrunchの読者向けにクーポンコードを発行してくれている。クーポンコード「TechCrunch2015」を入力して年間プラン法人・チーム向けにサービスに登録した先着20チームは、年額の9800円で18カ月間サービスを利用できる。クーポンコードの有効期限は3月12日。


企業の財務分析の「脱Excel」を目指すThinknumが$1Mを調達、プライベートスペースとポートフォリオツールをローンチ

21世紀の企業の財務分析をMicrosoft Excelから卒業させたいと、決意したフィンテック(fintech, financial tech)スタートアップThinknumが、同社の将来に賭ける投資家Pejman Mar Venturesが率いる投資ラウンドにより100万ドルのシード資金を獲得した(同VCはこれまで、DropboxZooskLending Clubなどのシードも担当した)。今回のラウンドに参加したそのほかの投資家は、Signature CapitalGreen Visor Capital500 Startups、645 Angels、そしてHKB Capitalだ。資金は主に、ソフトウェア技術者の増員に充てられる。

2013年にGregory UgwiJustin Zhenが創業したThinknumは、財務分析をスプレッドシートの縛りから解き放ち、経営を数値で把握するためのもっと良いツールを企業に提供したい、と考えている。それは、重要な財務データへのアクセス性が良くて、しかも、スプレッドシートをあっちこっちやりとりすることに比べて、ずっと良質なコラボレーションや情報共有が可能なツールだ。また、グローバルな投資コミュニティとは無縁な途上国の企業にも、優れた財務分析ツールを提供していきたい、と願っている。

 

 

本誌は今年の3月にThinknumを比較的詳しく紹介したことがある。

しかしその後同社はユーザインタフェイスを一新し、企業のためのプライベートな(非公開、外部アクセスなし、社内コラボレーションのみの)ワークスペースを月額200ドルでローンチした。またその一方、数千にものぼる公開企業の業績や財務状況を分析し比較できるポートフォリオツールもリリースした。それらの分析モデルにはユーザが作って提供しているものも多く、今では合衆国の公開企業の92%をカバーしている。

Zhenはこう述べる、“GregとぼくがThinknumを始めたのは、自分たちがウォール街のアナリストでありながら、ユーザが独自のデータを作ったり分析できる、柔軟性が大きく視界の広いツールがどこにもないことに気づいたからだ。今は、専門家のトレーダーやアナリストでさえも、スプレッドシートの即席の曲芸でモデル作りをやっている。ThinknumはWeb上で財務モデルの制作や操作ができる初めてのツールだ。財務データの市場は250億ドル規模の市場だが、それをディスラプトしたい”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. <A H