アプリ分析サービス「App Ape」運営のFULLER、4.2億円の資金調達でアジアに進出

Fuller共同代表の渋谷修太氏(左)と櫻井裕基氏(右)

Fuller共同代表の渋谷修太氏(左)と櫻井裕基氏(右)

アプリデータ分析サービス「App Ape」を展開するFULLERは7月19日、いばらき新産業創出ファンド投資事業有限責任組合、地方創生新潟1号投資事業有限責任組合、セガゲームス、VOYAGE VENTURES、Global Catalyst Partners Japan 投資事業有限責任組合(既存株主)、朝日新聞社(こちらも既存株主)を引受先とする総額約4億2000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

FULLERは、2011年11月の設立。高専から筑波大学に進学した代表取締役の渋谷修太氏らが茨城県つくば市で立ち上げたスタートアップ(現在は茨城県柏の葉にあるコワーキングスペース「KOIL」に拠点を置いている)。2012年9月にリリースしたバッテリー・メモリ管理アプリ「ぼく、スマホ」をリリース。同アプリは現在100万ダウンロードを達成。このほかにもスマホの端末管理アプリを国内・アジアで展開している。

またこれと並行してアプリ分析サービスのApp Apeを提供。こちらのサービスは現在2000社以上(無料版含む)が利用しており、「昨年度は年商で億越え。2年前から比較すると5倍。成長はすごいので、早期に2ケタ億円を目指したい」(渋谷氏)という状況だという。もともとAndroid向け限定の分析サービスだったが、現在は一部iOS向けの分析機能も提供を開始している。

Fullerが今回の資金調達で目指すのは(1)海外展開、(2)事業提携、(3)地方創生の3点だ。

(1)については、すでに5月より韓国でApp Apeの展開を進めているが、これと新規事業をアジア圏に広く展開していく予定だ。また(2)関しては今回Fullerに出資したセガゲームス、VOYAGE VENTUREの親会社であるVOYAGE GROUPなどと提携した事業を展開していく予定だという。詳細は明らかにされなかったが、例えばセガゲームスはゲームアプリ向けのマーケティング支援ツール「Noah Pass」などを展開しているので、このあたりでの連携を進めるのではないだろうか。

(3)では、渋谷氏の出身地である新潟県に拠点を設立することなどを検討しているという。渋谷氏によると、「地方に残って働きたい」という高専卒エンジニアは多く。彼らとの接点作りを目指しているという。確か代表が高専出身のjig.jpなども、福井県で同じような取り組みを行っている。

なおFullerでは今回の資金調達発表に先駆け、6月に渋谷氏と創業メンバーである櫻井裕基氏の共同代表制に移行している。今後渋谷氏は海外進出と新規事業を担当。櫻井氏が既存事業を担当する。

端末データを子どもの見守りに利用、FULLERとKDDIがサービスを共同開発

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スマートフォンアプリの解析サービス「App Ape」などを提供するスタートアップのFULLERは1月28日、KDDIと子ども向けのスマホサーポートサービスを共同開発したことを明らかにした。

FULLERではアプリ解析サービスと並行して、おもに10代後半〜20代をターゲットにした端末管理アプリなどを提供している。今回共同開発したサービスのベースとなる「スマホスピタル」は2015年5月のリリース。スマホ依存症の予防・改善のために、ユーザーがスマホの利用状況を確認できるAndroid端末向けアプリだ。

ユーザーの所持アプリなどの情報をもとにユーザーの「スマホタイプ」を診断。年代性別ごとの平均と利用状況を比較できる。また電池を消耗している起動中アプリの確認や停止といったバッテリー管理機能も備える。日本のほか韓国でも利用されており、ユーザー数は10万人以上となっている。

一方のKDDIでは、子どもの安全なスマホ利用に向けてスマホ利用時間やアプリの制限、電話帳登録の制限、防犯ブザーと連動する位置情報取得、不適切な言葉の入力を警告するあんしん文字入力といった機能を備える子ども向け端末「miraie」を2015年1月より提供している。今回、そのmiraieの機能を追加すべく、スマホスピタルをベースにしたスマホサポートサービスを共同で開発するに至ったのだという。

「miraie」

「miraie」

「KDDIでは『子どものスマホ利用』を1つの(研究の)テーマとしていた。またFULLERとしても端末の利用データを子供の見守りに使えないかという構想があった。そこでVCなどの支援もあって、タイミングよくお声がけいただき、共同開発に至った」(FULLER代表取締役の渋谷修太氏)

FULLERによると、3月以降は順次他キャリアのユーザー向けにも機能を提供していく予定。今後の展開については「Google Playがそもそも13歳以上でしか使えないため、そこの世代にニーズがあるのかを利用状況を見て検討したい」(渋谷氏)

アプリ調査の「App Ape」を提供するFULLER、2.3億円の資金調達で世界進出へ

FULLERは2月27日、既存株主のM8 CAPITAL FUNDに加え、Global Catalyst Partners Japan、朝日新聞社、インフォテリア、オプト、コロプラ、日本交通およびnanapi代表取締役の古川健介氏ら個人投資家複数名を引受先とする総額2億3000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

FULLERは、筑波大学の卒業生(さらに言うと、高専出身者が多い)を中心にして2011年11月に設立。現在は千葉県・柏の葉にあるオープンイノベーションラボ「KOIL」に拠点を置く。不要なアプリを停止したり、アンインストールしてスマートフォンのバッテリー管理をすると同時に「おじさん」のキャラクターを育成する「ぼく、スマホ」や、Androidアプリ視聴率調査サービス「App Ape」を提供してきた。

2014年11月に公開したAndroidアプリの市場・競合調査サービス 「App Ape Analytics」が好調で、開始2カ月で無料会員数2000件を突破。通信キャリアやアプリ開発者、広告代理店などを中心に有料会員も拡大しており、「現在20〜30社程度が有料会員。間もなく単月での黒字化も達成する」(FULLER代表取締役社長の渋谷修太氏)という。

FULLERでは今回の増資をもとに人員体制を強化。App Apeの機能拡充やカスタマーサポートの強化、さらにはサービスの世界展開を進める。またこれと並行して新サービスも開発するという。今回、ベンチャーキャピタルに加えて事業会社や個人投資家からも資金を調達しているが、これについて渋谷氏は「ITという共通点はあるが、BtoBや交通といったさまざまな分野の知識を持っている人たち出資してもらっている。また30代前半で比較的年齢の近い株主から50代のキャピタリストまでいる」と、その多様性をアピールする。ちなみにFULLERでは、2013年に日本交通とコラボアプリ「タクシーおじさん料金検索!」も提供している。そういった交流が今回の調達に結びついているようだ。

新事業に関しては、世界で利用されるスマートフォンアプリのほか、「IoT関連を検討している」とのこと。冒頭でふれたとおり、FULLERには高専出身者も多く、これまでにもハードウェア関連のプロダクトを試験的に制作している。3年前には「Kinectで動くミニ四駆」なんかを制作してイベントで展示するといったこともしていた。