ザックの見解:ARはヘッドセットでなくモバイルでメインストリームになる

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MagicLeapやHoloLensではなく、SnapchatのセルフィーレンズやポケモンGOに注目だ。これから到来する異質なヘッドセットやメガネではなく、モバイルでARはメインストリームになるとザッカーバーグは考えている。これは、Facebookが次のコンピューター・プラットフォームにいかに適応するかに関して重要なヒントにもなる。

FacebookのセンセーショナルなQ2の決算報告で、ポケモンGOに関して問われた気軽な質問に対し、ザッカーバークは真剣な回答を返した。

Facebookのアナリストとして有名なRBC CapitalのMark Mahaneyは「ポケモンGOの規格外とも言える成功を見て、どう思いますか?」と尋ねた。

ザッカーバーグは以下のように回答した(注目部分はこちらで字体を強調している):

「誰もがポケモンGOを楽しんでいるように、私も楽しんでいます。これから弊社がVRに加え、ARに投資していくにあたり、ポケモンGOから得られる最大の学びは、スマホがメインストリームのコンシューマー・プラットフォームになるだろうということです。メガネや顔に何かしらをつけるのではなく、メインストリームのAR機能の多くはスマホに実装されるでしょう。

これはすでにいくつかの場面で見て取れます。ポケモンの出現する場所だったり、顔にフィルターをつけることだったり。これに関してはMasqueradeアプリの買収について先に触れたとおりです。これは他の人とのソーシャル体験を拡張する面白い方法です。そのようなプラットフォームを構築することやその周辺にもっと機能を足していくことには大きな可能性があると考えています。

そして、ここで主題となる大きなテーマの1つは、動画が先にくるということです。これまでユーザーはFacebookでテキストや写真を投稿してきたように、今後はさらにリッチな方法で自分たちを表現したいと考えるでしょう。将来的には動画が増え、このような拡張現実ツールは、そういった体験を届けること、そして楽しく自己表現をするという面においても大きな役割を担うようになるでしょう。

つまり、ザッカーバーグは高額で野暮ったく、誰もまだ所有していないおかしな見た目の端末より、誰もがポケットに入れている端末によってARが広範囲に普及する可能性が高いとみているということだ。

The MSQRD augmented reality selfie filter app Facebook acquired

Facebookが買収したMSQRDのARセルフィーフィルターアプリ

これはAppleのCEOであるTim Cookが、今週行われた決算発表で言っていたことに近い。Tim Cookは、すでに人気のあるプラットフォームでなら、プロダクトのユーザーベースを瞬時にスケールさせることができると話していた。「ARやポケモン現象で起きていることは驚くべきことです」とCookは言う。「エコシステム、そして開発者がボタンを押すだけで自分たちのプロダクトを世界中に届けられる世界でイノベーティブなアプリがどうなるかを示すものです」。

Facebookはこの現象をOculus RiftとGear VRの対比でも見て取れた。Riftのほうが機能的だが、自宅でテザリングし、高額で、多くの人が持っていない高水準のゲーミング・コンピューターが必要となる。一方、Oculusの手がけるGear VRは安価なヘッドセットで、Samsung Galaxyのスマホ端末で使用できる。持ち運びができ、比較的お手ごろな価格で、すでに多くの人が持っている端末で利用可能だ。なので、Gear VRはすでに100万人のアクティブユーザーを獲得したのに対し、RiftはハードコアなゲーマーやVRの熱狂的な支持層の間で広まるに留まっている。

SnapchatのアニメーションがついたセルフィーレンズやポケモンGOは、人々がVRで遊ぶことに積極的な姿勢であることを示す。ただ、特別なハードウェアを必要としないということが条件だ。物体認識や強調されたグラフィックは、VR技術の最も突出した用途ではないだろう。しかし、Facebook、Instagram、Messenger、WhatsAppにしてもモバイルの最も突出した用途ではないが、最も人気のあるアプリにはなった。

Facebookは MSQRDの買収でARにも投資することを公にしている。MSQRDはSnapchatに似たアニメーションのセルフィーフィルターを付けるアプリだ。またザッカーバーグはこれまでもFacebookの長期的なロードマップにおいてARは重要な分野だと伝えてきた。

Gear VR Camera

Facebookで共有する動画を拡張するようなアプリが同社の次のステップなのかもしれない。またGearVRはGalaxyの背面カメラを活用すれば、現実世界の様子を写し、そこにフィルターを加えることで拡張現実を再現することが可能だろう。ただ、HoloLensのような透明のレンズ越しに現実世界を見るのとは違い、映像はいくらかぼやけて、映像に遅延も生じるかもしれない。

いずれにしろこれらの新たなコメントからFacebookは独自の「マジック・ホロ・リープ」のようなヘッドセットをローンチすることに対して急いでいないと言えるだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

VRコンテンツの進化に欠かせない視界捕捉(viewcapture)ツールをOculusがGearVR互換スマートフォンに提供

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つまりこうだ: 複数の画面の情報を目が三次元の仮想空間へまとめようとしているときは、もはやそれは“スクリーンショット”とは呼べないし、それは、そんな経験を言い表す適切な言葉でもない。そこでそれを、ビューキャプチャ(viewcapture, 視野・視界を捕捉する)と呼ぼう。

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スクリーンショットなら簡単

もうひとつの別の問題は、今あるVRヘッドセットやVRプラットホームはどれも、製品自体にビューを捉える機能がないこと。サードパーティのソリューションはもちろんあるが、でも、まるでスクリーンショットをとるときのように簡単にVR体験を記録できることが、VR製品の理想的なあり方だ。

まだそこまで行っていないけど、OculusがGearVR互換フォーンに対して行ったアップデート(Road to VRに初出)は、少なくともその方向への第一歩だ。[back]ボタンを押し下げると出るユニバーサルメニューの”Utilities”のところに、捕捉(キャプチャ)ツールがある。

jaycap

ネイティブに捕捉されたショットは、単眼で1024×1024という、ささやかなものだ。オーディオをビデオとは別に録音しなければならないから、この内蔵ツールは使えない、という人もいるだろう。でもそれは安上がりのVRのための安上がりのソリューションだから、今後は良くなる一方だ。

これはまったく新しい機能ではなく、デベロッパーには前から提供されていたが、アップデートの公式ロードマップには数か月前から載っていた。そして、今回のパッチ1.17.7で、一般供用になった。

しかしVRコンテンツの普及を阻む大きな障害がある。ヘッドセットがないとトライできないし、しかもあんなものを装着したいと願う人間は、世の中にあまりいない。VRの大衆的普及のためには、それが、今の、アーリーアダプターしか手を出さないようなものから徐々に、シンプルな技術へと進化していく必要がある。そして、今のお粗末な地下室の多くが、本物の洞窟(のVR)へと変わっていくべきだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))