これが長らく噂になっていたGoogleのPixel 4だ。Googleのハードウェアイベントで実機に触ることができたのでご紹介しよう。現場で撮影した写真も何枚か掲載した。
Googleの日頃の水準からしても新しいスマートフォンに関する情報は大量にリークされていた。このリークは頭打ちのスマートフォン需要を喚起するためにGoogleが意識的に情報を流していたのだと一部では推測している。いずれにせよ新Pixel 4の出荷は10月24日、799ドルから(日本での公式発表は間もなくの予定)となる。.
新デバイスのフロント側の見た目はさほど大きく変わってはいない。標準のPixel 4には従来どおりかなりの幅のベゼルが天地にある。フロントカメラは流行の切り欠きやスクリーン透過式で設置されてはいない。
しかしリアは大きく進化している。ここ2世代ほど単一カメラで来たGoogleだが、ついにトレンドのカメラアレイを採用した。 iPhone 11に似た四角い枠の中に2台のカメラが設置されている。
水平に並んだ2台のカメラの上にセンサー、下にフラッシュがある。カメラは広角と望遠で、それぞれ12メガピクセルと16メガピクセルだという。 撮影した写真は下を見ていただきたい。ほとんど理想を実現したカメラだと感じた。本格的レビューは落ち着いてテストができるようになってからとなるが、とりあえずの印象はお伝えできるかと思う。
正直、このカメラには興奮させられた。Googleは(いつものとおり)人工知能、機械学習には圧倒的な力を発揮した。単一カメラでもソフトウェアによって高い撮影能力を実現していたが、今回デュアルカメラに進化したことで現在の市場で最高水準のカメラに仕上がっているようだ。
詳しくはカメラのレビューを中心とした記事に譲るが、撮影能力はあらゆる面で進化してる。現行モデルでも非常に優れている夜景モード、ポートレートがさらに改良され、AIを活用したハイブリッドズーム機能が加わった。これは新しい望遠レンズによる物理的ズーム画像とデジタル処理によるズームをAIによって最適に組合わるものだという。今日のイベントにはエリザベス女王のポートレートを撮影したことでよく知られている世界的写真家のアニー・レイボヴィッツ氏が登壇してGoogleと共同でPixel 4を使った撮影プロジェクトを進めていると語った。レイボヴィッツ氏に十分ならもちろん私にも十分以上だ。
録音機能も進化しており、特に我々のようにインタビューを仕事の重要な一部としているジャーナリストには大きな期待を抱かせるものだった。正直、今回は周囲があまりに騒がしく十分なテストができなかったが、これも後日、ちゃんとレビューする予定だ。ともあれ、いちいちクラウドにアップせずにデバイス内で音声の文字起こしができるようになったのは大進歩だと思う。
これによりレスポンスが速くなったのはもちろんだが、機密性の高いインタビューの場合でもプライバシーがはるかによく守られるようになることが大きい。録音をスタートさせると、録音中を示す灰色の帯が音声を探知するとブルーに変わる。ここで「文字起こし」(transcript)をタップすればその場で結果が表示される。その後はソーシャルメディアに投稿してもいいし、Googleドライブに保存してもいい。
Googleがマイクロジェスチャー認識とデバイスを握ることで反応するアクティブエッジ機能したのは興味深い。他のメーカーも各種試みたもののあまり成功していない分野だ。Googleが採用したレーダー処理チップが指のジェスチャー認識の向上にどの程度の効果を発揮するのか検証してみたい。
Googleはマイクロジェスチャーを認識するSoli機能を普及させるためにピカチューに手を振る、指差すなどの動作をすると応えてくれるポケモンゲームを作っている。正直言って私はそれらの効果にやや懐疑的だ。指のジェスチャーを高精度で認識できるというのは画期的テクノロジーだが、ユーザーに新しいインプット方式を学習させるのは容易なことではない。
ただしデバイスを取り上げて覗きこめばアンロックされる機能は便利だし、ユーザー側で新しい動作を学ぶ必要はない。ここでもPiexl 4内蔵のレーダーがユーザーの顔の認識精度のアップにひと役買っているという。
Piexl 4の出荷は10月24日から、価格は799ドルからだ。準備ができしだいもっと本格的なレビューをお届けする。
【Japan編集部追記】 Pixel 4他の新ハードウェアに関してはGoogleストアで間もなく(10月16日朝)公開の予定。ジェスチャーを認識するSoli機能は端末発売時には日本はカバーされないものの「近日対応」とのこと。小出力レーダーが日本の技適をクリアしていないためという情報がある。
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