廃棄物管理にAIを活用するGreyparrotがシードで約2.4億円を調達

英国ロンドンを拠点とし、コンピュータービジョンAIでリサイクルの効率化を進めるGreyparrot(グレイパロット)が、シードラウンドで182万5000ポンド(約2億4000万円)を獲得した。以前プレシードで調達した120万ドル(約1億3000万円)を上回る。欧州のアーリーステージのテック企業へ投資するSpeedinvestがリードし、英国を拠点とするアーリーステージのB2B企業へ投資するForce Over Massが参加した。

2019年創業で、TechCrunch Disrupt SF battlefieldにも参加した同社は、機械学習モデルを訓練し、ガラス、紙、段ボール、新聞、缶、プ​​ラスチックなどのさまざまな種類の廃棄物を認識させ、選別をより効率的にすべく、廃棄物管理業界にデジタル化と自動化をもたらす。

Greyparrotは「世界中で毎年生成される20億トンの固形廃棄物の約60%がダンプカーで運ばれ、最終的に埋め立てられ、環境への悪影響を引き起こしている」と指摘する。グローバルのリサイクル率はわずか14%。非効率的なリサイクルシステム、人件費の上昇、リサイクル品に求められる厳しい品質が原因だ。同社が大きなチャンスとして注目したのは、廃棄物認識ソフトウェアによりリサイクル効率を高め、不純物を減らし、スケーラビリティをサポートすることだ。

同社によると、ハードウェアを選ばないソフトウェアを産業用リサイクルプロセスに組み込むことで、すべての廃棄物の流れをリアルタイムで分析できるため、効率性が向上すると同時に、リサイクル品の品質を買い手に保証し、リスクも軽減できるという。

現在、監視または監査されている廃棄物の量は1%未満だと同社は説明する。この作業を手動で行うと費用がかかる。つまり、環境や資源の状況を改善するこのAIは人間の仕事を奪うわけではない。基本的には人間の手を煩わせる仕事ではないからだ。

Greyparrotの最初の製品は廃棄物自動監視システムだ。選別施設のコンベヤーベルトに設置され、大量の廃棄物の流れを測定する。さまざまな種類の廃棄物の識別を自動化するとともに組成を分析し、リサイクル率を高める。

韓国最大のリサイクルシステムインテグレーターであるACIと提携し、製品と市場の早期適合に取り組んだ。新しい資金により製品開発を進め、グローバル市場全体に拡大する。また、ソフトウェアを統合するために、スマートゴミ箱や仕分けロボットなどの次世代システムのサプライヤーとも協力している。

「いま当社が取り組んでいる問題はデータの不足だ」と同社の共同創業者でCEOのMikela Druckman(ミケラ・ドラクマン)氏は声明で述べた。 「より循環的な経済へ移行するための洞察を得ようと、消費者、製造業者、政府、廃棄物管理者からの需要が高まっている。ディープラーニングを使用したデジタル化と自動化により廃棄物管理を最適化する喫緊の要請がある」。

「廃棄物は巨大な市場であるだけでなく、世界的な危機にも発展し得る。世界人口と1人当たり消費量の増加に伴い、廃棄物管理は我々の生活様式を維持するために重要だ。Greyparrotのソリューションは、リサイクルコストを削減し、プラントで廃棄物からの回収率を高めるのに役立つことが証明されている。最終的には廃棄物の価値を解き放ち、目に見える良い影響を環境にもたらす」とSpeedinvest IndustryのリードパートナーであるMarie-Hélène Ametsreiter(マリー・ヘレネ・アメッツレイター)氏は付け加えた。

Greyparrotの取り組みはEUの戦略的重点分野とも整合している。EUは従来型産業のデジタル化、産業データの共有AIへの投資、循環型経済への移行のための政策計画などに今後5年超にわたって取り組む。欧州委員会は5月27日、広範な新型コロナウイルス復興計画の一部として上述の取り組みを進めるため、750億ユーロ(約8兆9000億円)の汎EU支援策を発表した

画像クレジット:Aiko, Thomas & Juliette+Isaac / Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(翻訳:Mizoguchi

コンピュータービジョンでごみ処理を改善するGreyparrot

英国ロンドン拠点のGreyparrot(グレイパロット)は、ごみ処理の改善を目指している。とくに同社は、ごみ処理の各段階における選別を、コンピュータービジョンを利用して効率化する。GreyparrotはTechCrunch Disrupt SFで、Startup Battlefieldのワイルドカードに選ばれた。

同社は機械学習のモデルを訓練して、ガラスや紙、段ボール、新聞、紙、プラスチックなどを見分ける。プラスチックはPET、HDPEなど、その素材も識別する。

そしてGreyparrotはシンプルなカメラをコンピューターに接続し、個々のごみを一瞬で選別する。

このような技術にはいろいろなユースケースがあるが、特に有望なのはごみの分別施設だ。分別施設はすでに多くの機械を使って、ごみの大小や、金属とプラスチックの違いなどを分別しているが、でも最終的には人間の目が、機械が犯す間違いを修正している。

分別を100%正しく行うことは不可能だが、できる限り100%に近づきたいものだ。分別施設ではPETプラスチックの巨大なキューブを作って地球の裏側の国々に送り、そこでいろんなものに加工されている。

そのキューブが、汚れていることがよくある。そこでたとえばインドネシアなどは頻繁に、ごみのコンテナを米国やヨーロッパに送り返している。

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Greyparrotは、分別工程の特に最後の段階を助ける。そのプロダクトは、コンベアベルトの汚れをチェックできる。また問題のあるオブジェクトを見つけた場合は分別ロボットを調整して、不純物や汚れたごみを自動的に拾い上げるようにする。同社はそのソリューションを、英国と韓国でテストしてきた。資金はこれまで、120万ドルを調達している。

Greyparrotには、今後の新しいユースケースのアイデアがある。例えば、ごみ集積容器がその技術を組み込めば、最初の時点でごみを自動的に分類できる。また、自動販売機の隣りにある空き瓶空き缶返還器をGreyparrot化すれば、ユーザーのアカウントにごみの種類に応じてお金が入るだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa