都市の行政機関がブロック単位で大気汚染の状況を把握できるとしたら、行政の判断は変わるだろうか?これがHawa Dawaの背景となっている発想だ。同社は、TechCrunch Disrupt Berlinのスタートアップバトルフィールドでトップパッターとして登場した。衛星や専用の大気観測装置などのデータを組み合わせて大気汚染のきめ細かいヒートマップを作成し、これをサブスクリプションのAPIとして都市や企業に販売している。
同社は、このサービスはハードウェアに依存しないが、企業や都市に大気を測定するセンサーがまだない場合には独自のIoTセンサーを用意すると説明している。
ところでHawa Dawaとは不思議な名前だが、共同創業者のKarim Tarraf(カリム・タラフ)氏によれば、これはスワヒリ語、トルコ語、ペルシャ語など多くの言語で「空気のきれいさ」または「航空医療」の言葉にだいたい似ているそうだ。
こうしたデータを基に、都市行政では特に大気汚染のひどい道路で車の排出ガスを減らすために交通のルートを変更したり、そのような変更が大気に実際にどの程度影響があるかを監視したりすることができるだろう。不動産会社なら、喘息などの肺の問題を抱える顧客にその界隈で空気が最もきれいなところにある物件を紹介できるかもしれない。海運会社はこのデータを使って、排出ガスの影響を最小限に抑える海上ルートを計画できる可能性もある。
Hawa Dawaは現在、ドイツ、スイス、英国で20以上の都市に対応している。同社はこれまでに120万ユーロ(約1億4500万円)以上を調達し、近々また別の「プレシリーズA」ラウンドを終了する計画だ。
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(翻訳:Kaori Koyama)