スキマ時間にすぐ働ける「タイミー」と引越しトラックシェア「Hi!MOVE」が連携

ワークシェアサービス「タイミー」を運営するタイミーと引越しシェアリングサービス「Hi!MOVE」(ハイ!ムーブ)を運営するグライドはは3月22日、業務提携を発表した。

今回の業務提携は、大手引越し業者の業務停止による引越料金の高騰によって引越ししたくてもできない「引越し難民」が増えている状況の打破が狙い。追い打ちをかけるように、大手不動産賃貸会社の施工不良問題で数カ月以内の引越しを余儀なくされる人も出てきている。新生活を始める人が多い3月、4月に需要と供給のバランスが大きく崩れると見られている中、両社の連携は画期的だ。

タイミーは、面接不要ですぐに働けるマッチングサービスを提供。これまで飲食店中心だったが、Hi!MOVEとの提携で引越し業務の分野に本格進出することになる。Hi!MOVEは、引っ越しトラックの空きスペース、空き時間をシェアするサービスを提供。引越しの日時を細かく選べないぶん、相場より3〜4割安い引越し料金を実現している。そもそも引越しのアルバイトは、面接不要で日払いのケースが多い職種なので、タイミーとの相性はかなりいいはず。

具体的には、引越し会社が人手が必要な日時を「Hi!MOVE」のプラットフォームに登録→Hi!MOVEが引越し会社に代わって募集内容を「タイミー」へ登録・手配→タイミーがスタッフ募集のプラットフォームを提供、という流れになる。

家具レンタル「airRoom」が引越トラックシェア「Hi!MOVE」と提携

家具のシェアリングサービス「airRoom」や家具を一時預かりするサービス「airRoomトランク」を運営するElalyは2月21日、引越しシェアリングサービス「Hi!MOVE」を運営するグライドとの業務提携を発表した。

Hi!MOVEは、引越トラックの「空きスペースと空き時間」を有効活用して低価格での引越を実現するサービス。引越予定日や現住所、引っ越し先の住所と間取りなどを入力し、荷物の写真を撮るだけで即座に見積もりを確認できる。1台のトラックをシェアして複数宛先の荷物を運ぶため作業時間は指定できないものの、一般よりは3〜4割は安い引越価格を提示できるという。


今回の提携により、airRoomユーザーには引越や輸送の手段としてHi!MOVEを、Hi!MOVEユーザーには引越費用を抑えるための一時的な保管場所として「airRoomトランク」をそれぞれ紹介する。

引越料金はトラックのサイズ、移動距離、日時で決まる。あまり使っていない家具などを一時的に「airRoomトランク」に待避させることで、トラックのサイズダウンを図り、料金の引き下げを狙えるとしている。airRoomトランクの利用料金は、月額750円、1000円、2000円だ。

一方、月額500円からの家具を借りられるairRoomは、長距離の引越で費用を抑えたい、新生活で家具をそろえたいといったニーズに応えられるという。

物置き版Airbnbの「モノオク」が資金調達、年内に全国1万箇所目指す

物置のシェアリングサービス「モノオク」運営のモノオクは2月12日、エンジェル投資家の杉山慎一郎氏ならびに高梨大輔氏より第三者割当増資による資金調達を実施したと発表。調達額は非公開。同社は2018年7月にベンチャーキャピタルのANRIを引受先とし数千万円を調達していた。

モノオクは荷物を預けたい人と、空いたスペースを活用して荷物を預かりたい人をマッチングするC2Cの物置シェアリングサービス。収納・保管に悩むものを手軽に預けられることが可能だ。2017年9月にサービス提供を開始し、現在の登録ユーザー数は5000人を突破。

モノオクには部屋の押し入れやクローゼット、使っていない倉庫や空き部屋など個人が保有しているスペースを登録することができる。ホストと呼ばれる荷物の預かり手となるユーザーは、これらの空きスペースを活用して荷物を預かることで収益をあげることが可能だ。契約期間の縛りは特になく、ホストと相談して必要な期間だけ荷物を置くことができる。

モノオクは2月6日、引越しシェアリングサービス「Hi!MOVE」との業務提携も発表していたことも記憶に新しい。Hi!MOVEはトラックをシェアすることで「少しでも引越し料金を抑えたい」というユーザーに新たな選択肢を提供するとともに、荷物の写真を撮ることで手軽に見積もりを算出できるサービス。Hi!MOVEに関しては以前にも紹介しているので、こちらの記事を参考にしてほしい。

同業務提携ではHi!MOVEは「処分はしたくないが、収納場所に困る荷物がある」などの悩みをかかえたユーザーに対し、モノオクをリコメンド。また、引越し日を分散し、引越しのトータルコストを抑える手段の1つとしてもモノオクを紹介する。モノオクは荷物の配送を検討中のモノオク利用者に対し、「Hi!MOVE」を紹介する。

モノオクは今回の調達のリリースで、年内に全国1万箇所までスペースを広げるとコメントしている。

引越しシェアの「Hi!MOVE」はトラックの共有で低価格実現、荷物写真を使った即時見積もりも

時間が経つのは本当にあっという間だ。つい先日2019年がスタートしたと思いきや、気づけば1月もすでに半分以上が経過した。今の時期と言えば、4月から新たな環境でチャレンジを始めるにあたって、そろそろ引越しの準備を本格的に始めようという人もいるのではないだろうか。

本日1月18日にリリースされた「Hi!MOVE」は、シェアリングエコノミーの概念を取り入れた“新しい引越し体験”を提案するサービスだ。トラックをシェアすることで「少しでも引越し料金を抑えたい」というユーザーに新たな選択肢を提供するとともに、荷物の写真を撮ることで手軽に見積もりを算出できる仕組みを構築した。

荷物写真を用いて即時見積もり、トラックのシェアで低価格実現も

同サービスでは引越し予定日や現在および新居の住所・間取りといった最低限の住所を入力し、荷物の写真を撮るだけで即座に見積もりを確認することができる。

一般的な引越し会社のサイトや一括見積もりサービスの場合、最初の段階で名前や電話番号といった個人情報を求められたり、家財情報など多くの項目を入力しなければ次のステップへ進めないケースも多かった。一方でHi!MOVEは基本情報と荷物写真から算出された金額にユーザーが納得した場合のみ、詳しい情報を入力して手続きを進めるフローを採用している。

手元のスマホを使って対象となるモノの写真を取ればその場ですぐに料金が表示され、その情報を基に申し込みの意思決定ができるという点は「CASH」を始めとする即時買取サービスの体験にも似ているかもしれない。

またHi!MOVEは単に見積もりをすぐに確認できるだけでなく、一般的な相場よりも料金を安くできるのも特徴だ。

上述した通り同サービスでは1台のトラックを複数の引越しでシェアするほか、作業時間フリーを前提とすることでトラックの空き時間や空きスペースを有効活用。運営元のGLIDEで代表取締役を務める荒木孝博氏によると「(一般的な貸切型の引越しと比べて)だいたい3〜4割は安い価格を提示できる想定」だという。

もちろん多少高くても時間をピンポイントで指定したいユーザーにとっては従来の仕組みの方が使いやすいかもしれない。ただ近年話題になっている「引越し難民」のように、料金がネックになって引越しができずに困っている人には新しい選択肢になりうるだろう。

Hi!MOVEではまず1名の引越しを対象に、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県からスタートする計画。サービスの利用状況などを踏まえながら対象ユーザーやエリアの拡大を進めるほか、相場確認から支払いまでをスマホで完結できるクレカ決済やQRコード決済機能(現時点の決済方法は指定口座への振込み)、トラックの空満状況を表示する機能、不用品の買取オークションサービスなども検討していくという。

「引越し一括見積もりサイト」を5年続ける中で見つけた課題

2014年1月創業のGLIDEは、これまで5年間に渡って「引越し達人セレクト」という引越し一括見積サイトを運営してきた。

約20年ほどの歴史があるというこの業界においては後発ながら、ここ2〜3年で着実に実績を積み上げてきた同社。その反面いくつかの課題にも直面し「件数が伸びてきた中で今後もこのモデルだけで続けるのはどうなのだろうということもあり、何かしら新しいサービスにも取り組みたいと考えていた」(荒木氏)という。

実際に引越しを検討するユーザー側にとって、一括見積サイトは一度情報を入力すれば複数社の見積もりが確認できるという点では効率が良い仕組みだ。ただ僕自身も経験があるのだけど、各社からひっきりなしに電話がかかってきて、毎回似たようなやりとりを繰り返すのはなかなか大変。人によっては相当ストレスに感じるかもしれない。

荒木氏の話でも、やはり引越し会社とのやりとりで不便を感じているユーザーが一定数いたほか、見積もりをすぐに調べたいというニーズや、(最初の段階で)個人情報を提供するのに抵抗があるという声も多かったという。

引越し業者としても一括見積サイトは重要な集客チャネルとなっている反面、相見積もりが前提となるため成約率が低いことや、特に中小の業者ではスタッフの人数が限られていて十分な対応ができないことが課題だ。

これらに加えて、近年は引越し業者の人手不足などが原因となり引越し難民のような新たな社会問題も生まれている。

「昔は繁忙期で需要があれば何が何でも対応するという企業もあったが、今は労基問題や人手不足などもあり1日あたりに対応できる件数が限られてきている。取扱件数が減少すれば引越し料金の高騰も続くので、引越し難民問題を解決するには引越し業者の生産性向上をサポートし、人手不足を解決する仕組みが不可欠だ」(荒木氏)

Hi!MOVEの場合は同サービスが引越し案件を集客し、引越しが確定したユーザーのみをプラットフォーム上で業者にマッチングする。具体的にはユーザーからどのような依頼が来ているのかを示す「発注依頼表」のようなものを共通のデータベースで共有し、それを各業者が取りにくるような構造だ。

業者の視点では確定した案件だけが紹介されるので営業人件費などのコストを削減できるほか、空いている時間やスペースといったリソースを有効活用できればトラック1台当たりの受注を増やすことにも繋がる。これまで十分な対応ができず、取りこぼしてしまっていたような案件をカバーできる可能性もあるだろう。

イメージとしては「ラクスル」に近いという旨の話もあったが、確かにシェアリングを軸に業界の仕組みをアップデートするという意味では共通する部分がありそうだ。

「(双方にこの仕組みがどれほど受け入れるかなど含めて)ハードルとしては結構高く、自分たちにとっても大きなチャレンジ。引越し会社の賛同がないと難しく、そこも含めて構想からここまで時間をかけて取り組んできた。引越しで不便や課題を感じている人たちをサポートするとともに、良いサービスを提供している引越し会社を少しでも応援できる仕組みを目指していきたい」(荒木氏)