保険セールス向けSaaSサービスの「hokan」が2.5億円調達、Sansanと資本業務提携

保険セールス向けSaaSサービスの「hokan」が2.5億円調達、Sansanと資本業務提携

保険セールス向けSaaSサービス「hokan」を開発するhokanは12月14日、シリーズAラウンドにおいて、エクイティファイナンスにより総額2.5億円の資金調達を完了したと発表した。引受先は、リード投資家のArchetype Ventures(既存投資家)、Sony Innovation Fund、Sansan、BEENEXT。テクノロジーを駆使した保険業界のアップデートをさらに推進すべく、併せてSansanと資本業務提携契約を締結したと明らかにした。

調達した資金は、システムの開発・販促体制強化を目的とした人材採用およびセキュリティ・データ活用技術を中心とした技術投資のために利用する。

hokanがメイン事業として展開する保険営業向けクラウド型顧客・契約管理システム「hokan」は、2019年1月に販売開始。週1回以上のアップデートを続けながら、現在は全国31都道府県・127拠点で利用されているという。

2021年に予定されている金融仲介業の規制緩和によって、保険販売に関与する新規事業者が増えることが見込まれており、多事業展開における顧客データ基盤の統一や営業生産性の維持・向上の観点から、現代的な顧客管理システムのニーズはますます増えると予想されるという。

こうした業界全体の成長トレンドもふまえて、同社が掲げる「保険業界をアップデートする」というミッションの実現に向けた取り組みを加速させるべく、資金調達を実施した。

また保険業界の営業活動においては、非対面における新たな顧客との接点構築や関係強化が難しくなっていることや、出会いのきっかけづくりが属人的・根性論的になっているといった課題が存在するという。紙書類をベースとした事務作業も依然として多く存在しており、さらなる業務の効率化が求められている。

そこでhokanは、名刺情報を起点とした出会いから生まれる新たな価値の創出や、アナログ媒体のデジタル化において、圧倒的な技術と実績を誇るSansanとの提携を実施。同社との提携の先には事業化を見据えており、すでに複数の大手保険会社や保険代理店との協議を進めている。

営業活動のDXや紙書類のデジタル化・データ化を通じて、保険業界全体のアップデートと顧客価値向上を目指していくとしている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Sansan(企業・サービス)資金調達(用語)hokan保険(用語)日本(国・地域)

保険セールス向けSaaSの「hokan」が6000万円調達、保険証券を見える化

保険セールス向けのSaaSサービス「hokan」を開発するhokanは3月13日、500 Startups japanBEENEXTMIDベンチャーキャピタルを引受先とした第三者割当増資を実施した。調達金額は6000万円だ。

「保険証券ってどこにある?」と聞かれたとき、すぐに答えられる人はどれくらいいるのだろうか。保険証券とは、保険契約の内容や給付金の支払い条件などが明記された契約書だ。ただ、これは大切な書類ではあるが頻繁にチェックする類いのものではないので、どこに保管してあるか分からないという人も多いだろう。

hokanのメイン機能は、この保険証券の見える化だ。保険営業員が顧客の保険証券の画像をアップロードすることで、書面をオンラインで確認できるようになるほか、保証内容や解約払戻金の額をグラフで表示する。

保険証券を見える化し、グラフやデータをもとにした営業活動を行えるようにするのがhokanの役割だ。hokanによれば、同社が200人を対象に行ったオンラインアンケート調査で、保険を契約する人の90%は自分の保証内容を正確に把握できておらず、全体の40%は保険証券がどこに保管されているか把握していないことが分かったという。

また、hokan代表取締役の小坂直之氏は、「オンライン化することで、(保険証券を)すべてデータとして扱えるようになる。営業員に対して、同じ補償内容でもより安くなる保険をレコメンドしたり、契約日から1年などの節目で訪問すべき顧客をレコメンドするなどを行う」と今後の目標について語る。将来的には、hokanにCRMなどの営業支援機能を追加することで営業員向けSaaSサービスとしての利便性を強化していくようだ。

また、hokanは年内にも一般消費者向けに「家計簿アプリの保険版」をリリースする予定だ。これは、ユーザー自身が保険の補償内容や、解約払戻金の金額などをスマホで確認するためのアプリだという。ただ、正直このアプリのマネタイズは難しいのかもしれない。

給料は毎月支払われるし、それに合わせて貯金額は増えていく。だから、例えば家計簿アプリの「マネーフォワード」を頻繁に開くというユーザー行動は理解できる。僕も自己満足のために3日に1度くらいはアプリを開いている。でも、その一方で、保険の保障内容や解約払戻金の金額を確認したいと思うのは1年に1度あるかないか。それだけC向けの保険管理アプリを普及させるのは苦労しそうだ。

それに対し小坂氏は、「C向けの保険管理アプリとしてのマネタイズは考えていない」としたうえで、将来的にはこのC向けアプリに保険募集人とメッセージのやり取りができる機能を追加し、保険内容をいつでも確認できるだけでなく、保険に関する相談ができる窓口として同アプリを位置づけていくと話す。

hokanは4月1日に営業員向けサービスのベータ版を公開し、その後7月1日に正式版をリリースする予定だ。価格はまだ未定だが、月額5000円に加えて、保険証券のアップロード数に応じた従量課金方式を採用する予定だという。

代表取締役の小坂氏は元々保険の営業マンだった。その後、複数の保険会社の商品を取り扱う保険代理店を開業した。その経験から、「未だに保険は保険営業員から加入する人も多い。そのため、営業員が活用できるインフラを作っていくことこそが、日本における金融流通の革新に寄与できる」と考え、2017年にhokanを創業した。

写真前列の左より、hokan COOの尾花政篤氏、CEOの小坂直之氏、CTOの横塚出氏。ちなみに、hokanは尾花氏と小坂氏の両者がともに”代表取締役社長”と名乗るちょっと変わった体制だ。