平均的で正常な人間がホバーボードの試作品に乗ってみたいと思うかどうかは疑わしいが、インターネットにはぜひとも乗ってみたいと考える変人が大勢いるらしい。そういう人々を惹きつけてきたのは本物に見紛うほどよくできた製品から、違う種類(かつ危険な)のデバイスに恥ずかしげもな誤解を招く名前をつけた製品までさまざまだ。しかしArcaという会社がウェブサイトで本物のホバーボードの予約を募っている。
ArcaBoardはかなり巨大だ。怠惰の極致といえそうな大人一人を空中に浮揚させる動力とメカニズムを収容するためにはやはりこの大きさが必要だったようだ。それだけに機能については広告に偽りなく作動するものと期待したい。
このガジェットにはビデオに見られるように、35基の強力な電動ダクテッドファンが組み込まれている。トータルの推力は430ポンド(195kg)だという。ArcaBoardには自動安定化ソフトが組み込まれており、専用のスマートフォン・アプリが用意される。ユーザーはこのアプリでホバーボードを操縦する。アプリをオフにして体重移動で進路をコントロールすることも可能だという。
Arca Space Corporationはルーマニアの企業で、同国政府や欧州宇宙機関のために成層圏まで上昇する気球やロケットなど航空宇宙関係のデバイスを各種供給してきた。GizMagによれば、同社はこの経験を生かしてドローンその他の飛行デバイスを手がけてきたという。つまりArcaのエンジニアはプロであり、飛行マニアだということだ。
そのためか、この製品の仕様は人を驚かせるようなものではない。 能力は控え目で、最高速度は時速12.5マイル(20km/h)に過ぎず、バッテリー駆動時間は体重の軽いユーザーで6分、240lbs(108kg)以上のユーザーの場合、3分以下となる。
とはいえ、Arcaではこのボードはコンクリート、水面、砂を含むどんな地形でも1フィート(30cm)程度の高度を飛行できることを保証している。
ArcaBoardはかなり分厚く、初期の大型フラットテレビくらいのサイズだ。運ぶには大人が2人必要だ。明るい方に目を向けるとバッテリーの充電には35分しかかからない。
ArcaBoardはインターネットで大評判になっているが、誰かがこのデバイスをテストしたという確実な記事はまだ発見できないことを付け加えておこう。それでもぜひ一番乗りで所有したいのであれば予約はこちらからできる。予価は1万9900ドルだ。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)