MITが米商務省のブラックリストに載った中国のAI企業SenseTimeとの関係を見直す

マサチューセッツ工科大学(MIT)によると、同大は現在、中国のムスリム系少数民族に対する人権侵犯の疑いで米商務省のエンティティリストに載せられた8つの中国企業のひとつであるSenseTimeとの関係を見直している。

MITのスポークスパーソンはBloomberg(ブルームバーグ)に次のように語っている。「MITには長年、堅固な輸出管理機能があり、輸出管理に関する規制やコンプライアンスを常時注視している。MITは合衆国商務省のエンティティリストに加えられた団体とのすべての既存の関係を見直し、必要に応じてその関係のあり方を変更する」。

SenseTimeの代表者はBloombergに対し「合衆国商務省のこの決定には深く失望している。すべての関係当局と密接に協働して、状況を完全に理解し解決したい」とコメントしている。

ブラックリストに載ったいくつかの企業は、ウイグル族などのムスリム少数民族を迫害するために中国政府が使ったと思われる大量監視システムにソフトウェアを供給した、中国の技術的にも業績的にも上位のAI企業である。

現在100万人以上のウイグル族が収容所に拘置されていると信じられている。人権監視活動家の報告によると、彼らは強制労働や拷問に苦しめられている。

SenseTimeは時価総額が世界最大のAI企業で、CCTVカメラなどを使用する中国政府の国営監視システムにソフトウェアを提供した。同社は昨年ローンチしたMITのIntelligence Quest構想に最初に参加した企業で、それは「世界の大きな課題に直面する可能性のあるAIに技術的突破口を開くこと」を目標としている。この計画はこれまで、MITの研究者たちによる27のプロジェクトに資金を提供した。

今年の初めにMITは、経済制裁に違反したとされるファーウェイとZTEとの業務関係を終了した

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ムスリム少数民族に対する人権侵犯に加担した8つの中国企業が米商務省の禁止リストに載る

SenseTimeやMegviiなど、中国のテクノロジー企業8社が、ウイグル族など中国の少数民族に対する人権侵犯に加担しているとして、合衆国政府のエンティティリストに載せられた。米商務省の発表によると、これらの企業を含む、多くが中国政府の政府機関である28の組織は、新絳(シンジャン)ウイグル自治区における「ウイグル族やカザフ人などムスリムの少数民族に対する弾圧や不法拘禁、ハイテクによる監視などの実施に」関与している。

国連によると、新絳地区のムスリム住民の最大12人に1人、すなわちおよそ100万人が抑留所に拘置され、強制労働や拷問の対象になっている。

エンティティリストに載った企業は、米国のサプライヤーから製品を購入するためには新たに許可証を申請しなければならない。しかし承認を得るのは困難で、実質的には米企業とのビジネスを禁じられた形になる。今年始めにエンティティリストに載ったファーウェイの創業者でCEOのRen Zhengfei(レン・ツェンフェイ、任正非)氏は、そのほかの財務的影響に加え、同社は300億ドルを失うことになると述べた

米国時間10月7日にエンティティリストに置かれた政府機関は、新絳ウイグル自治区人民政府公安局とその関連機関だ。テクノロジー企業はビデオ監視メーカーDahua TechnologyとHikvision、AIのYitu、Megvii、SenseTime、およびiFlyTek、デジタル鑑識企業Meiya PicoとYixin Technology Companyだ。

時価総額が世界最大のAIスタートアップSense Timeは、中国政府に国の監視システムのためのソフトウェアを供給した。そのシステムは、CCTVカメラや警官が装着するスマートグラスなどから成る。

Face++のメーカーMegviiとYitu Technologyはともに、顔認識技術に特化し、監視社会的な大量監視システムで使用するソフトウェアに関して中国政府と協働した。The New York Timesによると、Hikvisionは 少数民族を見つけるシステムを作ったが、昨年それを徐々に廃棄し始めた。

Human Rights Watchの2017年の報告書によると、音声認識技術のiFlyTekは新絳省の警察局に声紋技術を供給した。それは、大量監視のためのバイオメトリクスデータベースの構築に使われた。

ブラックリストに載ったことの影響の大きさは、各社の米企業との関わりの深浅にもよるが、しかし貿易戦争以降、米国の技術への依存を減らし始めた中国企業が多い。例えば、鑑識技術のMeiya Picoは中国の国営誌Chinese Securities Journalで、売上の大半は国内企業向けであり、海外は1%に満たない、と言っている。

TechCrunchは8社にコメントを求めたところ、Hikvisionのスポークスパーソンは声明で次のように述べた。「Hikvisionは本日の米政府の決定に強力に反対する。その決定は世界中で人権を改善しようとするグローバル企業の取り組みを妨害するであろう。セキュリティ産業のグローバルなリーダーであるHikvisionは人権を尊重し、米国と世界の人民を真剣に保護すべき責任を担う。Hikvisionは過去12か月政府職員たちと関わってきたがそれは、会社に関する誤解を解消し、彼らの懸念に応えるためであった」。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

著名アナリストがアムネスティインターナショナルによる虐待批判を擁護してからTwitter株激落

著名な株式市場ジャーナリズムCitron ResearchTwitterを、“ソーシャルメディアのHarvey Weinstein”*と呼び、20ドルという低い目標価格を設定してから、同社の株は11%下げた。今日(米国時間12/20)現在では株は11%よりさらに下がって29ドル29セントになっている。〔*: Harvey Weinstein, #MeToo運動の契機になったセクハラ常習プロデューサー。〕

Citronの歯に衣着せぬ記事は、Twitter上では虐待が氾濫しているとするアムネスティインターナショナルの報告を根拠にしている。Citronはこう書いている: “Citronは長年Twitterを見ているが、発表されたばかりのアムネスティインターナショナルの報告を読んだときにわれわれは直ちに、その株が投資不適格になり、広告主たちは近いうちに確実に、Twitterのスポンサー(広告の出稿者)であることを再検討せざるを得なくなる、と判断した”。

Citronがそう反応したアムネスティインターナショナルの報告書は、Twitterが虐待や人身攻撃をやめさせるための十分な努力をしていない、と言っている: “私たちは女性に対するネット上の嫌がらせに関する、世界最大のクラウドソースなデータ集合を構築した。…。Twitterは、人種差別や女性蔑視、同性愛嫌悪が基本的に無チェックで氾濫することを許されている場所である”。

その報告書はさらに、Twitterは何もしていない、と言っている: “このプラットホーム上の虐待的ツイートを分析することは、人権擁護団体である私たちの仕事ではなく、Twitterの仕事である。しかし同社はこの情報の公開を拒否し、他方では虐待/嫌がらせ/人身攻撃等が基本的にチェックされることなく繁茂することを許している。そのため私たちは、同社を調査対象にせざるを得なかった”。

Twitter自身は、同社がいじめや脅(おど)し、威嚇などを厳しく禁じており、それらを事前にに排除するための技術の改良にも投資している、と反論している。また同社の法務のトップVijaya Gaddeは、アムネスティインターナショナルの‘虐待的ツイート’や‘問題のあるコンテンツ’の定義が明確でない、と批判している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa