ベルリンでは、それ〔ドイツ語Welt〕は“世界”という意味だ。そのことについて、いろいろ深読みもできるかもしれないけど、今のぼくはここ数日IFAを取材しておりまして、忙しすぎるのであります。
このガジェットがデビューしたのは1月のCESだったが、そろそろ潮時かもしれない。CESやIFAなどの見本市に登場するだけでなく、この製品はこのほど、配布日を来年の1月としてKickstarterに登場した。 SGNLのような圧勝ではないが、期限までまだ1か月以上あるのに、すでに目標額を突破している。
この製品を作ったのはSamsungからスピンオフした小さなハードウェアスタートアップで、フィットネス追跡機能をベルトに収めることをねらっている。そういう製品は前にもあったが、今回のがいちばん良い出来栄えのようだ。WELTという名前以外の疑問点としては、フィットネス追跡製品が世の中にいろいろある中で、なぜわざわざ、ズボンがずり落ちないようにするための品物に、そんなものを組み込まなければならないのか?
実は、ぼくには分からない。しかしKickstarter上の230名あまりの支援者たちは、分かっているようだ。ベルトが得意なことといえば、腰回りを測ることかな。IFAの会場には、体脂肪を測る秤(はかり)などもいろいろあるが、そんなデバイスが提供している情報には、人をその気にさせるものもあれば、かえって、読む者をがっくりさせるようなのもある。
結局のところ、これらのウェアラブルには、究極の、そして共通の問題があるのではないか。たしかに、正しいデータを提供してくれるだろうけど、人間を悪い生活習慣から抜け出させてくれる能力はあるのか?と。