アップルが各OSをアップデート、iPadOS 13.4はトラックパッドをサポート

 

AppleはiPhone、iPad、Apple Watch、Apple TV、Mac用のOSアップデートをリリースした。最大の変更があったのはiPadだ。新しいiPadOSではマウスないしトラックパッドをiPadとペアリングし、ディスプレイ上のカーソルを動かせるようになった。

Appleは先週、新しいiPad Proを発表 したとき、iPadOSのトラックパッドサポートを発表した。またAppleはトラックパッドを内蔵した新しいMagic Keyboardの売り込みを図っているが、ユーザーは新しいiPadやアクセサリを買わなくてもトラックパッドを使うことができる。

トラックパッドをペアリングすると、画面に新デザインの丸いカーソルが表示される。カーソルを載せた対象によってカーソル形状が変化する(上のスクリーンショット参照)。ボタンをクリックしようとする場合、カーソルは消えてボタンがハイライト表示になる。Apple TVでアイコンを動かすときのような感じだ。

テキストカーソルは垂直のバーになる。Pagesドキュメントでテキスト領域のサイズを変更する場合は、背中合わせの矢印になる。トラックパッドを使用している場合、iPadOSはジェスチャーをサポートしており、アプリの切り替え、スイッチャーの起動、Dockやコントロールセンターのアクティブ化を行うことができる。

今回リリースされたiOSおよびiPadOS 13.4には、トラックパッドのサポート以外にもいくつかの機能が追加されている。iCloud Driveフォルダは他のiCloudユーザーと共有できるようになった。これはDropboxの共有フォルダとほぼ同様の機能だ。

Memojiステッカーに9種類の絵文字が追加された。ハートつきの笑顔、つないだ手、パーティーの顔などが登場している。メールアプリのアーカイブ/削除、移動、返信、作成、メール送信などを行うためのボタンのデザインが微調整された。

またAppleは、iOSだけでなくMac App Storeを含むすべてのApp Storeで単一アプリのバイナリをリリースする機能を追加した。つまりデベロッパーはMacとiPhoneの双方で有料アプリをリリースできるようになった。このアプリはどれか1つのストアで購入すれば他のデバイスでも利用できる。

また、macOS 10.15.4には利用時間を制限する機能が追加されている。これは、iOSにすでに存在する機能と同様で、 メッセージとFaceTime通話に時間の上限を設定できる。

watchOS 6.2ではチリ、ニュージーランド、トルコのユーザー向けに心電図機能のサポートが追加された。またApple Watchアプリのデベロッパーはアプリ内購入が設定できるようになっている。

アップデートにはバグの修正とセキュリティパッチが含まれる。ソフトウェアのアップデートを自動にしていない場合は、デバイスの設定を開いて手動でOSのアップデートを行うことができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新しいiPad Proはマウスとトラックパッドのサポートでノートパソコン化の道へ

アップルは、いくつかの新しいハードウェアに関するニュースを、プレスリリースを通してオンラインで発表した。とはいえ、すべてこの現実世界に関するものだ。今後の数週間から数ヶ月の間には、いずれも実際に手にすることができるはず。そのころにはアップルも、オンラインの世界での現実に慣れているかもしれない。MacBook AirMac miniに加えて、クリエイティブなプロ向けのiPad Proも、いくつかの新機能を装備してアップデートされた。

またiPad Pro用のオプションとして、新しいMagic Keyboardも追加された。価格は、11インチモデル用が3万1800円、12.9インチモデル用が3万7800円となっている。これは、iPadを単なるタブレットではなく、極めてポータブル性の高い生産的なデバイスに仕立てようという、アップルの長年の夢を実現するためのものと考えられる。

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この新機軸を支えるのが、新しいiPad OS 13.4だ。ノートパソコンのようなスタイルのマウスカーソルをサポートしている。新しいiPad Proは、すでにこのバージョンを搭載し、オプションのキーボードケースのトラックパッドで、カーソルが有効となる。まだiPad Proの新モデルに出資する準備ができていないという人のため言えば、この機能は、ここ2、3年の間に発売されたほとんどのiPadがサポートするはずだ。

とはいえiPadOSは、良くも悪くも、macOSではない。現にアップルも、一般的なデスクトップのカーソルとは異なったアプローチを採用したとしている。プレスリリースによれば、以下の通りだ。

Appleは、macOSでの体験をそのまま持ってくるのではなく、トラックパッドの対応はiPadのために一から作り直しました。ユーザーがトラックパッドの上で指を動かすと、ポインタが洗練された形で変形してユーザーインターフェイスの要素をハイライト表示します。トラックパッド上のMulti-Touchジェスチャーは、手を全く持ち上げることなく、システム全体で素早く、簡単に操作することができます。

iOSとiPad OSを分離することになった大きな動機として、この種のアップデートが念頭にあったのは確かだろう。こうしてiPadは、モバイルとデスクトップの間のあいまいな領域で、独自の道を切り開こうと、ますます努力しているのだ。タッチスクリーン付きのMacはまだないが、タブレットをメインのコンピューティングデバイスとして使うことを検討しているユーザーに対して、アップルは確実にその移行を容易なものにしたと言える。

新しいiPad Proは、すでに注文を受け付けている。Magic Keyboardも5月には発売予定だ。iPadOSの新バージョンも、3月24日には利用可能となる予定。このアップデートにより、システムはアップル製のMagic MouseとMagic Trackpadのおのおの最新バージョン、およびサードパーティ製のBluetoothマウスとも互換性を持つようになるはずだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)