今週、LatchがSPACの行列に加わる最新の企業になった。2014年に創業したニューヨークに拠点を億Latchは2年後にステルスを脱して、スマートロックシステムをローンチした。その後、多くの例に漏れず同社も単なるハードウェア企業を超えて、アパートオーナーのためのインターネット接続されたセキュリティソフトプラットフォームを提供し、ソフトウェアにも進出した
Latchは、ブランクチェックカンパニーであるTS Innovation Acquisitions Corp.との合併により株式公開を予定しているが、パートナーシップとしてはTishman Speyer Propertiesがこの戦略的に理に適っている。ニューヨークの商用不動産企業であるTishman Speyer Propertiesは、現在、住宅用集合住宅にのみ技術を導入しているLatchにとっては、ふさわしい相手だ。
Latchの創業者でCEOのLuke Schoenfelder(ルーク・シェーンフェルダー)氏は、取材に対して次のように語っている。「標準的なIPOでは、すべての銀行が大口の投資家を相手にしてくれます。私たちは、このプロセスの一環としてより高いレベルの戦略的パートナーシップと、より高いレベルの製品拡張の機会がここにあると感じました。このパートナーシップにより、ヨーロッパおよび商業オフィスへの進出が大幅に加速しています」。
SPACの事例はここ数カ月の間でかなり増えており、最近ではTaboolaのような例もある。Crunchbaseによると、Latchはこれまで1億5200万ドル(約157億7000万円)を調達している。同社は2020年に、堅実な成長を遂げ、このパンデミックの中でハードとソフトの二兎を追う企業としては、異例の存在となっている。
TechCrunchのAlex Wilhelm(アレックス・ウィルヘルム)は米国時間1月25日のExtra Crunchで「ざっと計算すると、Latchの予約の売上は2019年から2020年にかけて50.5%伸びた、その間にソフトウェアの売上は37.1%増、ハードウェアは70%ほど増加した」と述べている。
「何年も前から私たちはLatchの顧客であり投資家です。私たちの顧客、つまり弊社の建物に住んでる人たちはLatchの製品を愛しています。そのため現在、私たちの住居用物件すべてにLatchを採用しています。私たちはLatchにとって、パートナーとプロダクト開発の両面でお役に立つことができるでしょう」とTishman Speyerの社長でCEOのRob Speyer(ロブ・シュパイアー)氏と語っている。
Latchには商用オフィスにも拡張していく計画があるが、これまでのところアパートが主な収入源だ。一般の戸建て住宅の鍵と競合しない点も強みとなっている。今後、Amazon(アマゾン)などと競合することになれば、ソフトウェアも扱う専門企業であることが同社の強みになる。またLatchがTishman Speyerのような不動産企業と提携している点も、同じく強みだ。
シェーンフェルダー氏によると、同社は自社技術のテストとなるような提携を目指しているという。「私たちの製品は集合住宅の分野で長い歴史がある。商用オフィスになると、利用のパターンがやや異なってきます。その違いはわかっているつもりですが、実用レベルで展開しその結果を確認することが、何よりも重要です」と同氏は語る。
この取引でLatchの評価額は15億6000万ドル(約1618億5000万円)、SPACによる買収の完了は第2四半期と予想される。
カテゴリー:ハードウェア
タグ:Latch、SPAC
画像クレジット:Latch
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)