Android 5.0 Lollipop タブレット版レビュー

Nexus 9を皮切りにGoogleの次世代モバイルOSの一般公開が始まった。以下、概要をレビューした。

デザイン

Android 5.0 Lollipopでもっとも目立つポイントはデザインの革新だといっていいだろう。Lollipopは大胆なカラー・スキームとアニメーションを特徴とするマテリアル・デザインと呼ばれるUIプラットフォームを全面的に採用した初のAndroidだ。一部に例外はあるもののGoogleのAndroidアプリは全面的にマテリアル・デザインに移行した。

このデザインは現実世界の素材(マテリアル)のように一つの要素が他の要素に重なり合ったり動いたりする。また背景に影を落とし、アイコンから展開し、最小化する際にはアニメーションが加えられている。全体の印象は一種の絵本をのようで、複雑だが、直感的に理解できる。原色を多様したフラットなデザインでフォントもエレガントだ。

LollipopのUIをしばらく使ってから在来のAndroidに戻ると、いかにも古臭く感じられる。Nexus 7上のAndroid 4.4.4でさえ前時代のモバイル環境に見えてしまう。Android 5.0のUIはモバイル・ソフトウェアにドラマチックな革新をもたらしたといってよいだろう。

下にアプリのドロワーを開閉するアニメーションのGIFを貼った。以前のAndroidは全体としてWindows以前のパソコンのDOS画面のトップにメニューが固定されている泥臭いGUIを思わせるところがあった。Android 5.0はついにそうした重苦しさを払拭し、裏で複雑なコードが実行されているなどということを忘れさせる軽快に体験に進化した。

Android 5.0のUIはほとんどのユーザーに歓迎されるだろう。特にカード式のマルチタスク切り替えはあまりによく出来ているので、ときおり意味なくぱらぱらとめくって見たくなったほどだ。

機能

もちろん5.0でのAndroidの変化はUIだけではない。今後大きな影響を与えることになりそうな重要な改良が多数含まれているが、その一つは暗号化だ。

Android 5.0デバイスではすべてのデータはデフォールトで暗号化される。そして(有効にしてある場合)ユーザー・セキュリティー・コードによって守られる。このため、デバイスを紛失したり盗難にあってロック画面がバイパスされ、直接メモリにアクセスされた場合で第三者が読み出すことは非常に困難だ。

さらに日常的に利便性の高い新しいセキュリティー機能はスマート・ロックだ。Lollipopデバイスは他のLollipopデバイスを「信頼デバイス」として指定することができる。するとペアリングしただけで、自動的にロックが解除される。いちいちロック解除のパスコードを入力するのが面倒なためタブレットではとかくパスコードの設定を怠りがちになるが、スマート・ロックを利用すれば面倒なパスコードの入力なしにセキュリティーが大幅に高まる。

私はNexus 9をAndroid Wear搭載のLG Gスマートウォットと自宅のインターネットラジオとBluetoothでペアリングするよう設定した。これでこれらのデバイスの付近にいるかぎり、Nexus 9は自動的にアンロックされる。スマートウォットは外出中常に身に着けているデバイスでから紛失のおそれは他のデバイスより格段に少ないので安全性が高い。.

Lollipopではキーボードのデザインも一新された。デザインは紙に印刷されたイラストのような印象で、キーを囲む区切り線は廃止された。使ってみたところではこのデザインのほうがミスタッチが少ないようだ。

GmailとCalendarアプリも大きく改良された。 新しいGmailアプリはGoogleが先ごろローンチしたInboxメール・クライアントに近づいている。ただしGmailアプリはInboxほどソフトウェアによる自動振り分けを行わない。

カレンダー・アプリについては別の記事で詳しく紹介している。.

少々残念な点

とはいえ、新旧のAndroidユーザーが戸惑うような点がないではない。たとえば通知トレイで設定メニューを表示する方法は一見しただけでは分からない。ユーザー・アカウントのアイコンをクリックすると設定ページが開くとか、このアイコンをダブルタップすると実際のユーザー・アカウント設定ページが開くとかは、そうと知らなければ気づかないだろう。シンプルな幾何学図形のアイコンも何を意味しているのかわかりにくい。</p

Gmailやカレンダーのような重要なアプリが一新されたのは良いことだが、イノベーションから漏れたアプリもある。中でもHangoutsがバージョンアップされなかったのは残念だ。

またOSのメジャー・バージョンアップではやむを得ないことだが、まだあちこちにバグが残っており、ときおり再起動が必要になる。私がテストした限りでは5.0のバグはさほど深刻なものではなかった。

結論

Lollipopは、 Android環境を完全に一新した。いささか重苦しくパソコンのGUI的だったこれまでのAndroidに代わってエレガントで軽快な使って楽しいUIになった。

ペーパークラフト的なメタファーを多用する新しいUIはある種の絵本を思わせるが、決して幼稚な印象は与えない。Googleにとって今後の重要課題は多くのサードパーティーのデベロッパーに対し、Lollipopの特長を活かしたキラー・アプリを開発するよう説得できるかどうかだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Nexus 6およびLollipopの第一印象


 
先週、Googleは2つの新しいデバイスを発表した。スマートフォンのNexus 6と、Nexus 9タブレットだ。

ちなみに、どちらの機種も発表会場での大々的アナウンスというわけではなく、ブログ記事によりリリースされたというのが面白い。すなわち、リリース時点では誰も実機に触れられずにいたわけだ。

そんなデバイスではあったが、実機に触れることがあったのでレポートしたい(Nexus 9についてのレポートは昨日投稿してある)。

触れたのはほんの僅かの時間で、細かなところまでは確認できていない。しかし第一印象をお伝えするのも有益なことかと考えたわけだ。

ごく簡単にまとめるのなら「ゴージャス」なマシンであると言えるだろう。


Nexus 6

まず、値段を見ると、Nexus 6はNexus 5の倍ほどとなっている($650 vs $350)。その価格差通りというべきか、まずは外見が大きく変わっている。もちろんNexus 5も安っぽいという感じはない。「高級」ではなかったかもしれないが、まあ「ジェネリック」(generic)と評価すべきできだった。しかしNexus 6は一層洗練され、いかにもハイエンド機といった外見になっているのだ。

大きさについても気になっていたが、触ってみればさほど気にはならない。もちろんNexus 5よりは大きいが、iPhone 6 Plusが扱えるならば、このNexus 6についても問題はない。サイズ的は両者はほぼ同じサイズであり、目を瞑った状態であれば、ボタンの配置などを確認するまで両者を区別することもできないほどだ。

搭載されている13メガピクセルのカメラも、ほんの少しだけ使ってみたという程度ではある。ただ、ひと目でその進化は確認できた。起動速度も速く、通常モードでの連射速度も十分に満足行くものとなっているように思う。


Nexus 9

Nexus 9の第一印象記事はこちらに掲載している。


Android 5.0(Lollipop)

Nexus 6に搭載されているOSは、最新のAndroid 5.0だ。伝統的に菓子からとっているコードネームは「Lollipop」となっている。デベロッパー向けには、いろいろと新しいAPIが提供されている(Googleによると7000ほどなのだそうだ)が、まず目につくのはインタフェース面での変化だ。

動作速度的な面でいえば、少なくとも新しいNexus 6の様子を見る限りは、非常になめらかに動作する。さまざまなアニメーション(Lollipopで採用されているMaterial Designではさまざまなアニメーションが活用されている)も快適に動作している。たくさんのアプリケーションを連続して立ち上げても、全くつっかえるような様子はみられなかった。

Lollipopで目につくポイント

  • 画面アンロックに顔認識を利用している場合、ホームスクリーンに表示されるニュースを読んでいる際にも顔認識が行われるようになった。画面に自分の顔は表示されないが、カメラの方は利用者の顔をしっかり認知しているわけだ。顔認識に成功すれば、PINコードを入力することなく、ロックスクリーンの解除を行える。
  • Nexus 6や9の設定時、他のNFC対応デバイスを近くにおいておけば、設定状況を簡単に引き継ぐことができるようになっている。設定の引き継ぎには、もちろんpinコードを入力する必要がある。
  • ロック画面になっているときでも「OK、Google」コマンドが使えるようになった。デバイスによってはこれまでにも可能だった機能だが、LollipopにてOSレベルでサポートされたわけだ。これはAndroidデバイスがローパワー認識チップを採用するようになったことを意味する。

デバイスが広く入手できるようになった際には、Nexus 6およびNexus 9、そしてAndroid 5.0についてより詳細なレビューをお届けしたいと思っている。11月の一般向けリリースをお待ちいただきたい。

[Videography by Kyle Russell]

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(翻訳:Maeda, H


Android Lollipopのイースターエッグは、Andy the Android版Flappy Bird

間もなくAndroid 5.0 Lollipopがやってくる。まずは新しいGoogleのNexusデバイスに搭載されることとなっている。ただ、このLollipopに同梱されるイースター・エッグについては、既にデベロッパー・プレビューにて確認することもできる。起動するには「Settings」メニューからAndroidのバージョンナンバーのところを繰り返しタップする。すると大人気となったFlappy BirdのAndroi Lollipopバージョンをプレイすることができるのだ。

やはり、なかなかおもしろいゲームだと思う。これがAndroid 5に無料で同梱されるわけだ。もちろん現在公開中の開発者バージョンが、そのまま正式版になるわけではない。一般向けの版にも実装されるのかどうかについては、Nexusが出てくるのを待つ必要があるだろう。しかし、これまでのGoogleのやり方をみれば、こうしたイースター・エッグを潜ませておくのはいかにもありそうな話に思える。

いずれにせよ、本家Flappy Bird作者のDong Nguyenのように、なんだか難しい理由からゲームを取り下げて、ベトナムに隠遁するというようなことはなかろうと思う。きっとみんなが遊べるようになるのではないかと、期待している。

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(翻訳:Maeda, H