iOS 8とiWatchでは健康チェックが最大の機能に, Appleの役員とFDAが会談

震源地が自分である噂に関しては以前から確度の高い9to5Macによると、Appleは来(きた)るべきiOS 8で、モバイルデバイスによる健康チェックに革命をもたらす。そのiOS 8でやってくるマーキーアプリケーションは”Healthbook”と呼ばれ、健康とフィットネスとトレーニングに関するすべての情報をモニタし、iWatchがモニタする生命徴候信号も読み取る。9to5Macの筋によれば、大量のセンサを搭載したiWatchは目下、“順調に開発が進められている”そうだ。

そのヘルスモニタリングアプリ”Healthbook”は、最初からiOS 8にインストールされており、Fitbit、Nike、Runkeeper、Withingsなどなど、この分野の既成勢力にとっては大打撃になる。それは、歩いた(走った)歩数や距離、燃焼カロリー、体重の変化、血圧、体や皮膚の含水率、脈拍、などなどなどなどをモニタし報告する。

AppleがiOS 8でヘルスチェックに力を入れることは、今週のいくつかの報道が裏書している。たとえば今朝のThe New York Timesは、Appleの役員たちが昨年の終頃FDAと会談してモバイル機器の医療的利用について議論した、と報じている。またAppleは2013年の7月に医療機器大手Masimo Corporation(日本法人)の医学担当最高役員Michael O’Reillyを引き抜いた、とされている。とくにO’Reillyは、パルスオキシメトリー(脈波型酸素飽和度測定)の権威として知られている。この技術は、指先などにつける簡単な光学センサ装置で、人に痛みや不快感や傷を与えることなく、重要な生命徴候信号を読み取る。

9to5Macの記事は、”Healthbook”の機能の説明が詳しい。まずその名前はPassbookにあやかっているのだろう。ユーザはカードを次々とスワイプして、ひとつひとつの生命徴候データを見ていく。全部見終われば、その時点の自分の健康状態や診療関連の状態が分かる。ただし、記事に書かれている機能やインタフェイスは、今後のFDAの介入などによって変わる可能性がある。

iWatchに関してはあまり情報がないが、リリースは年内で、Healthbookにデータを供給するためのセンサ群を搭載するらしい。ただしHealthbookは、Appleの規格を満たすサードパーティ製のモニタや機器からでもデータを読み取ることができる。iWatchでもうひとつおもしろいのは、これは地図が最重要なアプリとなるスマートウォッチで、腕時計ならぬ腕ナビとして使えることが、最大の売りになるらしい。

今Appleに問い合わせ中なので、何か情報が得られ次第この記事をアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Appleの「M7」モーションセンサーは、iPhone 5sの隠し玉だ

Appleは先日の発表イベントの壇上で、iPhone 5sの隠された新兵器を見せた。しかしその真のインパクトは、サードパーティー・デベロッパーがフルに活用するようになるまで当分見ることはないだろう。私が言っているのは、M7モーション・プロセッサーのことで、移動や距離の検知を最小のバッテリー消費で行い、著しいインパクトのある新しい使い方を可能にする。

M7は、サードパーティーのサポートがなくてもiPhone 5sにとって大きな恩恵だ ― 例えば、iPhoneがいつ特定の機能を有効にするか、何かをスローダウンするかの管理を高度に行い、ネットワークの検出頻度を減らすことによってバッテリー消費を抑えられる。これらの仕事に関してだけでもメインのAシリーズプロセッサーよりも効率が良く、これだけでもバッテリーを節約できるため、M7はすでに内蔵バッテリーの能力を最大限まで引き上げている。即ち、これまで以上に通話時間が長くなる。

M7は、iPhone 5sの電源管理や効率を高める方法をAppleに提供するだけでなく、サードパーティー・デベロッパーがこれを活用することもできる。すぐにわかるのが健康関連センサー市場で、プレゼンテーションの中で紹介されたMoveやNike+などのソフトウェアはこれまで以上に効率よくiPhoneのセンサーを活用できるようになるだろう。

M7の内蔵は、誰もが別のデバイスを持ち歩くことなく、Fitbitなどと同様のセンサーを手に入れたことを意味している。Bluetoothで同期したり、概して小さいこの手の品物を失くす心配も、新たに何かを腕に巻く必要もなくなる。そして、M7のCoreMotion APIはあらゆるデベロッパーに開放されているので、事実上全ユーザーが非常に強力なモーション・トラッキング装置を持ち歩いていることになり、その可能性を制限するのはデベロッパーの想像力だけだ。

よって将来は、ジェスチャー制御によるゲームや(iPhoneが、Apple TVに映し出されるタイトルをAirPlay経由でコントロールするところを想像してほしい)、フィットネス・トラッカー、さらにはCoreMotionを使ってバッテリー消費を最小限にしたり、使用する場所と時間によって機能を変えるなど、モーションセンサーを使った様々なアプリを見られるようになるだろう。例えば、自宅にいる時と外出中とで全く異なるモードを提供するアプリが考えられる。

AppleのiPhone 5sは、その変更部分の多くが真の革新的技術進歩である注目すべきアップグレードだ。指紋センサー、カメラ、M7等、いずれもそれ自体が印象深い技術的偉業だ。しかし特にM7に関しては、それがどれほど大きな世代交替であるかを一般ユーザーが気付くのは、今後提供されるであろう新しいソフトウェア体験が、何が大きく変わったかを徐々に明らかにした時だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)