新興市場やモバイルで人気のMaxthonブラウザ, Linuxバージョンが出る

MaxthonのクラウドブラウザがLinuxに登場した。それはMaxthonのユーザからのリクエストが多かったためだが、最近のLinuxはスピードが向上したためでもある、と同社のVP Karl Mattsonは言っている。

“ここしばらくLinuxから遠ざかっていた人は、もう一度見てみるべきだ。とても良いプロダクトになってる。Linux版を求めるメールが、日に日に増えてきた”、とMattsonは言う。

彼によると、Maxthon for Linuxには、新しいオペレーティングシステムへの最初の実装には導入しないような重要な機能も実装している。それらは、”Magic Fill”(メアドなどの自動入力)、AES 256クラスの暗号化パスワード、ユーザアカウントのプロンプト、マウスジェスチャ(マウスジェスチャによるコマンド)、などだ。

Maxthon for Linuxは、複数のプラットホームをカバーするという同社の基本戦略の一環でもある。これまではひたすらモバイルに注力してきたが、最近ではWindows用のデスクトップブラウザをリリースした。Mattsonによると、今後も、ブラウザのアップデートやコンテンツのパートナーシップにおいてデスクトップユーザを必ず視野に入れていくそうだ。

このところ企業ユーザや個人消費者におけるLinuxの採用が増えている要因は、Windows XPのサポート終了や、古いハードウェアとの互換性の良さ、そして最近のLinuxはとても使いやすくなってるためでもある。Mattsonによると、ロシアなどMaxthonの重要市場である新興市場でとくにLinuxの人気が盛り上がっている。Maxthonブラウザのこのところの各月の‘ユニークデバイス’は1億台、その4大市場は中国、合衆国、ロシア、そしてインドだ。

Maxthon for Linuxは今後のバージョンで各国別のローカライゼーションをより強化する。とくに、Yandexとパートナーしているロシアでは、都市別のローカライゼーションも行っている(サンクトペテルブルグ、モスクワなど)。たとえば、ブラウザ上のタクシー呼び出しサービスは、ユーザの現在位置対応になっている。上の四大国に次ぐMaxthonブラウザの今後の重要市場は、ブラジルとインドネシアだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


MaxthonのブラウザがモバイルチップメーカーMediaTekとの契約で2014年には1億のデバイスにプレロード

WebブラウザのメーカーMaxthonが、世界第三位のAndroidスマートフォン用チップセット供給者であるMediaTekの付加価値サービス部門Rolltechとの提携を発表した。その契約の内容は、2014年にMaxthon製のモバイルブラウザが全世界で1億台あまりのスマートフォンとタブレットにプレロードされる、というもの。デバイスのメーカーはLGE、ZTE、TCL/Alcatel、Gionee、Phillips、Techain、Konka、Lenovo Mobile、CKT、LavaMobileなど、きわめて多岐に亙る。

Maxthonの国際事業部担当VP Karl Mattsonは曰く、“ものすごく幅広いOEMたちだから、世界の各地でうちの製品を見ることになるだろう。それを想像すると、ぞくぞくするね”。“ロシアや中国、ラテンアメリカの大部分、それにインドネシアやタイなど、どこもこれからますますおもしろくなる市場だ”。

台湾の企業であるMediaTekは、QualcommやSamsungなどの既成勢力から急速にスマートフォン用アプリプロセッサのマーケットシェアを奪ってきた。それはデバイスメーカーの、なるべく速くなるべく安く製品を市場に出したいという要望に、独自のチップと命令セットとソフトウェアで応えてきたからだ。MediaTekのソフトウェアライセンシング部門であるRolltechは、OEMたちがソフトウェアとサービスを彼らのモバイルデバイスにプレロードする工程を支援している。それによって、彼らの、それでなくても薄いマージンを削ることなく、そのスマートフォンやタブレットの付加価値を高めているのだ。

途上国市場で売られるデバイスにブラウザをプレロードすることは、北京に本社を置くMaxthonの重要な成長戦略であり、今回のMediaTekとの契約はそのユーザベースを大きく拡大することになる(今現在で150か国あまり1億2000万人)。Maxthonは、競合するUCWebOperaFirefoxなどに対して、インターネットの普及率がまだ低い市場に地歩を築くことによって、量で上回りたいと願っている。それらの新興市場では、ブラウザの既存ブランドに対するブランドロイヤリティも希薄だからだ。

“MediaTekとの関係は、二つの点で重要だ。ひとつは、当然ながら、今後の顧客(採用企業)増に寄与すること。しかし戦略的にもっと重要なのは、近未来の成長市場への足がかりを、確実に確保できることだ。インターネットユーザの次の10億が現れるのは、まさにこの市場からだ”、とMattsonは語る。

MaxthonのブラウザはChromiumベースだが、その多様な市場や文化の違いに対してローカライズがしやすいように設計している。たとえばタイではMMORPGの人気が高く、ブラジルではほかの国に比べて非常に多種類のソーシャルネットワーク/ソーシャルメディアが利用されている。Maxthonのブラウザはクラウドベースでもあるので、ユーザが多様なプラットホーム(PC、スマホ、タブレット、…)からコンテンツに容易にアクセスできることも、Maxthonに愛着する重要な動機になる、という。

再びMattsonは曰く、“最新バージョンではブラウザにおけるきわめてロバストなスマートフォン体験を実装している。各市場の特性に合ったやり方でコンテンツとサービスとビデオを集積するため、ユーザはどこでどんなデバイスを使っていても、特定コンテンツのオフライン視聴など、自分がカスタマイズしたWeb体験を損なわれることがない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


クラウドから提供されるブラウザMaxthon, パワーユーザたちがご愛用

Maxthonは、ChromeやFirefoxやSafariほど名前を知られていないと思うが、しかしこのクラウドから提供されるブラウザはグローバルに人気があり、各月140か国から1億あまりのユニークビジターがある。同社のVP Karl Mattsonによると、Maxthonの成長を支えているのは主にWebデベロッパやゲーマーたちで、彼らはこのクラウドブラウザのメモリ管理機能や、Flash対応、GPUアクセラレーション、それにHTML5のサポートが気に入っている。

“われわれはHTML5の将来性を確信しており、ブラウザでできることは何でもやりたいと考えている。それが、ゲームのデベロッパをはじめHTML5に肩入れしようとしている人たちの仕事を、楽にすることにつながる”、とMattsonは言う。

北京の会社だが、オフィスはサンフランシスコとロサンゼルスと香港と上海にあり、創業は2006年、ファウンダは当時シンガポール国立大学の技術者だったJeff Chenだ。ChenはMyIEのコーディングをそのファウンダに代わって引き受け、それをユーザ数600万のコミュニティに育てた。Maxthonの最初のバージョンは、彼らからのフィードバックに基づいて作った。今のバージョンはベースがChromiumで、Chromeのエクステンションがそのまま使える。

Mattsonによると、Maxthonは三つのことをとくに重視している: パフォーマンス、ポータビリティ、そして独創性。

このブラウザはどんなプラットホームでも使えるので、MacとWindows、複数のモバイルオペレーティングシステムなど、いろんなプラットホームを使っているユーザにとって便利だ。複数のデバイスに亙るデータのシンクは、Maxthon Passportアカウントでできる。

また、Maxthonはローカライゼーションを熱心に行っているので、国際的なリーチが広い。たとえば同社はロシア最大の検索エンジンYandexと組んでMaxthonの完全なロシア語化を行った。またMac用の中国語バージョンには、中国最大の決済サービスAlipayがプレインストールされている。

ブラウザ本体の機能が豊富なのでプラグインなどのインストールを必要としないことが多いが、Maxthon自身のエクステンションでブラウザをカスタマイズするオプションはある。

Maxthonの強みはセキュリティとプライバシーにもある。NSAの覗き見行為がバレてからは、それがなお一層Maxthonの人気に貢献するだろう。Maxthonは、AES 256による暗号化を使っている。

“政府機関などからユーザの情報を求められても、それはどこにも見つからないだろう”、とMattsonは言う。“もっと端的に言えば、それをわれわれが政府などに提供することは、技術的に不可能だ。プライバシーに関わる情報は暗号化されて保護されているから、われわれがディスクを渡したとしても、その中身はゴミにしか見えない”。

MaxthonはWI Harper、Charles River VenturesなどのVCと、Skype の初期の投資者Morten Lundから資金を得ている。収益源は、有料サービスの売上だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))