Facebookがライブ配信用の拡張現実自撮り機能「Masks」をローンチ

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Snapchatをコピーし、MSQRDの買収に資金を注ぎ込み、そして今日Facebookはついに「Masks」(マスク/仮面)という名の拡張現実自撮り機能を、メインアプリに組み込んだ。ハロウィンをテーマにした骸骨、魔女、そしてカボチャのマスクを手始めに、この先Facebookユーザーはライブを行う際に特殊効果を使うことができる。

Masksは同時に、Facebookをよりモダンに感じさせ、ユーザーをライブ配信に誘い、そして配信中の自意識を和らげてくれる役割を果す。

この機能は本日まず米国、英国、ニュージーランドのiOSユーザー向けに提供され、iOS版Facebook Mentionsを使う公人たちにも開始される。Facebookによれば、「数ヶ月のうちに」Androidと他の国々にも公開されるということだ。

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Facebookはまた、期間限定のハロウィン版「いいね!」絵文字ボタンを提供する。たとえば普通の「うけるね」絵文字の代わりに「うけるね魔女」、「すごいねゴースト」、「悲しいねフランケンシュタイン」、そして「ひどいねジャックオーランタン」といった具合だ。ユーザーはハロウィン期間中、この「いいね!」ボタンを通常通りタップしたり長押ししたりして使うことができる。

Facebookは3月にMSQRDを買収した。そしてカナダとブラジルで類似のテクノロジーを、オリンピックをテーマにしたMasksと共に、従来の写真やビデオの加工のために提供し、簡単な試験運用を行った。また7月には、FacebookはユーザーがMSQRDアプリの内側からのライブを行えるようにした。

しかし本日の発表は、MasksのFacebookへの本格的展開を告げるものだ。そのクリエイティブツールへの注力によってこの機能は、Snapchatに比べると古臭くて退屈なFacebookを、再活性化できる可能性をもっている。Masksは、ユーザーをぎこちない感じにしてしまうかもしれない、ライブを行う際の気後れも減じてくれる。同じ理由で、Facebookはライブカラーフィルタと、Prismaのように場面がアートのように見えるようになる「AIスタイル変換ライブビデオフィルター」のプロトタイプを追加した。Masksを使えば、本当に顔を覆い隠すことができるので、どのように見えるのかに関する心配をする必要がなくなる。

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Masksを試着するためには、ユーザーはそのタイムライン、ニュースフィードまたはページ上のボタンでライブビデオ放送を開始すればよい、そして左上の魔法の杖をタップすればFacebookの特殊効果群が現れる。Masksのアイコンを選択したあと、ユーザーはオプションをスクロールして、自分の顔の上で見るためのものをタップで選ぶことができる。Snapchatが以前必要としていたような、拡張現実を活性化するために顔の上をタップして長押しする必要はない。

開始から12年が過ぎ、皆の親も参加するようになって、Facebookはかつての奔放な大学での成長の日々から引き継いでいるクールなセンスを、なんとか守ろうと躍起になっている。17.1億人によって使われているという単純な事実は、排他性を否定し、かつSnapchat、Musical.ly、そしてHousepartyなどの新しいソーシャルアプリから得られるかもしれない、カーブの先に回り込む刺激的な先進性をも否定するということを意味している。

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しかし、Facebookは、おどけたクリティティブツールを提供し、単にテキストの状況報告や、赤ん坊の写真や、婚約のお知らせだけではないのだとアピールすることによって、他の場所への移動を必死になって食い止めようとしている。今年初めのThe Informationの報告によれば、FacebookはニュースフィードでInstant Articles(インスタント記事)が優勢になるに従って、オリジナルコンテンツの共有数のかなりの減少に直面している。

問題の本質は、人びとは多くの場所でニュースを読むことができるが、Facebookはあなたが「友達」と一緒に何かをするための拠点となることによって繁栄していくということだ。ハロウィンは歴史的に、Facebookにとって最もアクティブなシーズンの1つで、誰もが各々の仮想写真を交換するときだ。だからFacebookが未来のビジュアルコミュニケーションに対するビジョンを発表するのには完璧なタイミングなのだ。

Snapchatは、消費者のための拡張現実を始めたと言うことができるだろう、しかしFacebookはそれを拡張したいと考えている。

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(翻訳:Sako)

ザックの見解:ARはヘッドセットでなくモバイルでメインストリームになる

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MagicLeapやHoloLensではなく、SnapchatのセルフィーレンズやポケモンGOに注目だ。これから到来する異質なヘッドセットやメガネではなく、モバイルでARはメインストリームになるとザッカーバーグは考えている。これは、Facebookが次のコンピューター・プラットフォームにいかに適応するかに関して重要なヒントにもなる。

FacebookのセンセーショナルなQ2の決算報告で、ポケモンGOに関して問われた気軽な質問に対し、ザッカーバークは真剣な回答を返した。

Facebookのアナリストとして有名なRBC CapitalのMark Mahaneyは「ポケモンGOの規格外とも言える成功を見て、どう思いますか?」と尋ねた。

ザッカーバーグは以下のように回答した(注目部分はこちらで字体を強調している):

「誰もがポケモンGOを楽しんでいるように、私も楽しんでいます。これから弊社がVRに加え、ARに投資していくにあたり、ポケモンGOから得られる最大の学びは、スマホがメインストリームのコンシューマー・プラットフォームになるだろうということです。メガネや顔に何かしらをつけるのではなく、メインストリームのAR機能の多くはスマホに実装されるでしょう。

これはすでにいくつかの場面で見て取れます。ポケモンの出現する場所だったり、顔にフィルターをつけることだったり。これに関してはMasqueradeアプリの買収について先に触れたとおりです。これは他の人とのソーシャル体験を拡張する面白い方法です。そのようなプラットフォームを構築することやその周辺にもっと機能を足していくことには大きな可能性があると考えています。

そして、ここで主題となる大きなテーマの1つは、動画が先にくるということです。これまでユーザーはFacebookでテキストや写真を投稿してきたように、今後はさらにリッチな方法で自分たちを表現したいと考えるでしょう。将来的には動画が増え、このような拡張現実ツールは、そういった体験を届けること、そして楽しく自己表現をするという面においても大きな役割を担うようになるでしょう。

つまり、ザッカーバーグは高額で野暮ったく、誰もまだ所有していないおかしな見た目の端末より、誰もがポケットに入れている端末によってARが広範囲に普及する可能性が高いとみているということだ。

The MSQRD augmented reality selfie filter app Facebook acquired

Facebookが買収したMSQRDのARセルフィーフィルターアプリ

これはAppleのCEOであるTim Cookが、今週行われた決算発表で言っていたことに近い。Tim Cookは、すでに人気のあるプラットフォームでなら、プロダクトのユーザーベースを瞬時にスケールさせることができると話していた。「ARやポケモン現象で起きていることは驚くべきことです」とCookは言う。「エコシステム、そして開発者がボタンを押すだけで自分たちのプロダクトを世界中に届けられる世界でイノベーティブなアプリがどうなるかを示すものです」。

Facebookはこの現象をOculus RiftとGear VRの対比でも見て取れた。Riftのほうが機能的だが、自宅でテザリングし、高額で、多くの人が持っていない高水準のゲーミング・コンピューターが必要となる。一方、Oculusの手がけるGear VRは安価なヘッドセットで、Samsung Galaxyのスマホ端末で使用できる。持ち運びができ、比較的お手ごろな価格で、すでに多くの人が持っている端末で利用可能だ。なので、Gear VRはすでに100万人のアクティブユーザーを獲得したのに対し、RiftはハードコアなゲーマーやVRの熱狂的な支持層の間で広まるに留まっている。

SnapchatのアニメーションがついたセルフィーレンズやポケモンGOは、人々がVRで遊ぶことに積極的な姿勢であることを示す。ただ、特別なハードウェアを必要としないということが条件だ。物体認識や強調されたグラフィックは、VR技術の最も突出した用途ではないだろう。しかし、Facebook、Instagram、Messenger、WhatsAppにしてもモバイルの最も突出した用途ではないが、最も人気のあるアプリにはなった。

Facebookは MSQRDの買収でARにも投資することを公にしている。MSQRDはSnapchatに似たアニメーションのセルフィーフィルターを付けるアプリだ。またザッカーバーグはこれまでもFacebookの長期的なロードマップにおいてARは重要な分野だと伝えてきた。

Gear VR Camera

Facebookで共有する動画を拡張するようなアプリが同社の次のステップなのかもしれない。またGearVRはGalaxyの背面カメラを活用すれば、現実世界の様子を写し、そこにフィルターを加えることで拡張現実を再現することが可能だろう。ただ、HoloLensのような透明のレンズ越しに現実世界を見るのとは違い、映像はいくらかぼやけて、映像に遅延も生じるかもしれない。

いずれにしろこれらの新たなコメントからFacebookは独自の「マジック・ホロ・リープ」のようなヘッドセットをローンチすることに対して急いでいないと言えるだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website