Facebook、位置情報シェアを推進中。iOSアプリで “Neaby Friends” に検索と招待を追加

Facebookは、今日(米国時間6/11)アップデートしたiOSアプリで、位置情報シェアの新機能をいくつか仕込んでいた。ただし「新機能」欄には、信頼性とスピードが向上としか書かれていない。私がアプリを探ったところ、Facebookはより多くの人にアンビエント・プロキシミティー体験をさせるために、Nearby Friends[近くの友達]画面に検索ボックスと招待ボタンを追加したことがわかった。Facebookは、Nearby Friendsを急成長させて、新たな直接ライバルのFoursquare Swarmを潰しにかかっているのかもしれない。

私が質問したところ、Facebookはこれらの新機能が存在することを認めたが、「新機能」に書くのは、全ユーザーが使えるようになった時だと言った。Nearby Friendsは未だに展開中で、しかも米国のみだ。

FacebookがNearby Friendsを提供開始したのは4月中旬だ。これを使うとユーザーは自分の位置を定常的にシェアすることができ、承認した相手には2人の大よその距離が表示される。特定の友達に対して、正確な位置をリアルタイムで、数時間ないしは永久にシェアすることもできる。この機能は、友達と出会いやすくするために作られた。 [情報開示:私は、学生時代の友人が作ったステルス・ソーシャル位置共有アプリ、コードネーム"Signal" のアドバイザーである。]

Neaby Friendsには、重要なプライバシー問題が予想されるため、Facebookは賢明にもこれをオプトインにして、ユーザーが意図的に有効にしなければ働かないようにした。問題は、Nearby Frines自体がアプリの More メニューに埋もれていて、さらにオプトインの壁に守られていることだ。これは、間違いなく普及を遅らせている。

同機能を後押しするために、FacebookはNearby Frinesに「+」ボタンを表示し、友達が有効にするよう招待できるようにした。受け手は、プッシュ通知で同機能を有効にするよう依頼される。Facebookは、ソーシャルな裏付けと、友達同志の推薦によって、人々が多少のプライバシーを明け渡してもよいと思うことを期待しているに違いない。

機能を有効にしたユーザーが、位置情報を知りたい友達を簡単に探せるように、Facebookは検索ボックスを付けた。名前を入力すると相手の大まかな位置と距離が表示され、その人がオプトインしていれば、自分の正確な位置を伝えるオプションが、オプトインしていなければ、同機能の招待状を送るボタンが表示される。

こうした新機能は、プライバシーの逆襲にあってきたFacebookの多難な歴史を反映させている。もし過去にBeacon等の自動シェア機能やプライバシー設定の変更において、もう少し尊大さを控えていれば、Nearby Friendsをオプトアウトにできたかもしれない。代わりに同社はFTC[連邦取引委員会]から、20年間のプライバシー監視、およびプライバシー管理を変更する新機能はオプトインでなければならないとする裁定を受けた。これはプライバシーの報いと呼んでいいかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook、リアルタイムで位置情報を公開して友達と交流できるNearby Friends機能をスタート―利用はオプトイン

今日(米国時間4/17)、Facebookは新しいオプトンイン機能、Nearby Friendsの提供を開始した。これは友だちがどのくらい離れたところにいるかをリスト形式でリアルタイムに表示する機能だ。そう聞けばすぐにプライバシー上の懸念が思い浮かぶかもしれないが、Nearby Friendsは友だちとオンライン上ではなく実際に会って交流する時間を増やす効果がありそうだ。この機能はiOS版Android版ともにここ数週間かけてまずアメリカで公開される。

Nearby Friendsを開発したのはFacebookが2012年に買収した位置情報共有サービス、GlanceeのAndrea Vaccariのグループだ。このアプリは近くにいる友だちのリストを表示すると同時に、近くに友だちがいることを通知してくれる。またその友だちが正確な位置の情報を公開している場合は、地図上でどこにいるか表示させることができる。

Nearby FriendsはFacebookほど巨大なユーザーベースを持っていないFoursquareやGoogle Latitude〔の機能を受け継いだGoogle+〕などのライバルにとって脅威となるかもしれない。

プライバシーについては、Nearby Friendsはオプトインなので、興味がなければそのまま無視していればよい。また利用ができるのは18歳以上のユーザーに限られる。また情報共有は相互的モデルを採用している。つまり、ともにこの機能を有効にしているユーザー同士でしか情報は共有されない。また正確な位置情報を知ることができるのはその相手が明示的に位置を公開している場合に限られる。

特定の友だち、ないしグループを指定して位置情報を公開することができるが、多くのユーザーは特に指定せず友だち全員に公開してしまうだろう。それと位置情報の公開をいったんオンにするとオフにすることを忘れがちだ。これによって思わぬ形で位置情報が共有されないよう注意する必要はある。

Nearby Friendsの仕組み

Nearby Friendsアプリが利用できるようになると、Facebookの設定メニューのアプリ・セクションの「もっと見る」に表示される。ユーザーはここからオプトインし、共有範囲を友だち全員、あるいは特定の友だち、グループに限定するか選択できる。

オプトインしてアプリを有効にすると、Nearby Friendsのリストが表示される。リストは0.5マイル(800m)以下、 0.7マイル(1.1km)以下、1.8(3km)マイル以下という距離別の3グループに分けられ、同じくNearby Friends機能を利用している友だちが表示される。リストにはその位置情報が確認された最近の時刻と、大都市の場合、地区名も表示される。

リストに表示された友だちの名前の横の矢印アイコンをタップすると、自分の正確な位置をその相手に送信できる。また位置共有を終了させる時間も指定できる(一時間、数時間、明日まで、手動で停止するまで、など)。また最大40文字までのメッセージを送信することが可能だ。

FacebookのNearby Friendsが他の位置情報サービスと大きく異るのは、位置そのものの共有というより、友だちとの距離を中心にしていることだ。われわれにとって重要なのは友だちが地図上のどの位置にいるかよりも、むしろ自分のいる場所に対してどのくらい近くにいるかだ。誰か友だちがすぐ近くにいると分かれば、矢印アイコンをタップして会いたいという意思表示をするという仕組みだ。無制限に位置情報公開するのは、具合の悪いときに友だちが会いに来るかもしれない。Nearby Friendsの場合は、会いたい側が自分の位置を先に相手に伝える仕組みなので、そのような問題は起こりにくくなっている。

下はNearby Friendsの仕組みを紹介するFacebookのビデオだ。

ユーザーがNearby Friends機能を使う場面は、たとえば、公園や観光地、コンサートなどだろう。また時間が空いたのでお茶を付き合ってくれる相手はいないかと探す場合もあるだろう。馴染みのない町を訪問したとき、現地のFacebook友だちを探すということもあるかもしれない。旅行中など家族同士で正確な位置情報を共有する機能を常にオンにしておき、お互いの動静が常に分かるようにしておくという使い方もあるかもしれない。空港で飛行機から降りた時、近くに友だちがいるか探してタクシーの相乗りをもちかけるなどというニッチな利用法もあるかもしれない。

広告への利用はあるか?

現在Facebookでは、Nearby Friendsをターゲット広告に利用する考えはないとしている。しかし町で近くのレストランやバーゲンセール開催のお知らせがニュースフィードに表示されたら便利だろう。そういう形の広告であれば、ユーザーにも広告主にもきわめて有用かつ効果的だということは否定できない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+