Rocket Labが使い捨てElectronロケットのヘリでの空中キャッチに成功

Rocket Labは使い捨て用に設計されたたロケットを降下中に回収する方法を開発している。米国時間4月7日、同社は空中捕捉プロセスのカギとなる部分を実証するためのテストに成功したと発表した。予告なしに公開された動画にはヘリコプターがElectronロケットを空中でキャッチするところが撮影されている。

ロケットは打ち上げ後、大気圏外で衛星を搭載したキックステージ段を切り離し、大気圏に再突入する。回収プロセスのカギはElectronの1段目に誘導システムを搭載して操縦する点にある。これによって再突入角を調整し、1段目が大気との摩擦で損傷することを防ぐ。その後、1段目はパラシュートを展開して降下する。ヘリコプターが降下するロケットを空中でキャッチし、機体から吊り下げてRocket Labの発射基地に戻る。

今回公開されたRocket Lab空中キャッチのテストは、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行にともなう社会的隔離の実行が要請される前の3月に実施されたものだ。同社はElectronの1段目と形状、重量が同等のダミーを使い、ニュージーランド沖の洋上でヘリコプターから落下させた。1段目がパラシュートを展開すると2機目のヘリコプターが落下地点に急行し、高度約1500メートルでダミーをキャッチした。

Rocket Labは再突入部分の回収システムのテスト2019年12月に開始していた。打ち上げテストを2019年12月と2020年1月に行っている。どちらの打ち上げでもロケットには誘導とナビゲーションのシステムが搭載され、データが収集された。2度目の打ち上げではロケットには、大気圏への再突入角度を調整して降下速度を遅くするシステムも搭載されていた。

重要なプロセスが意図した通りに機能することが証明されたため、実際に第1段を回収するという次のステップに進むことになったわけだ。Rocket Labではさらに次のステップとして第1段を実際に操縦し、パラシュートを展開させるテストを2020年後半に予定している。ただしこのテストでは空中キャッチは行われない。Rocket Labでは1段目を着水させた後、洋上で回収する計画だ。ロケットは地上施設に戻され、再利用可能な状態に整備される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Evernote、Google Drive、およびDropboxのデータをマインドマップ化するMohiomap

読者の方々にも、情報保管にはEvernoteを使っているという人が多いことだろう。筆者もやはりEvernoteを利用している。使うにあたっては、ノートブックを分割したり、タグを工夫して効率的な管理を心がけている。しかし何年分ものPDFファイルやウェブのクリッピング、そしてもちろん各種ノートが増殖し続け、今や全く管理不能な状態になってもいる。

もしかするとMohiomapが、そうした状況を救ってくれるのかもしれない。Evernoteをマインドマップ化するウェブアプリケーションだ。また最近になってGoogle DriveおよびDropboxにも対応するようになった。

地元であるニュージーランドの投資家よりシード資金を獲得し、現在はフリーミアムモデルでの展開を行なっている。無料でもマインドマップデータを閲覧し、情報を辿って行ったり、あるいは検索することができるようになっている。月額5ドルのプレミアム版では、カスタムテーマを利用したり、ノード間にコネクションの設定を行ったりすることができるようになる。また分析用のダッシュボードも利用可能となり、メモやファイルにコメントを付け加えることもできるようになる。

このMohiomapは、膨大な情報をビジュアライズすることで整理しやすくするためのツールだ。Evernote、Google Drive、およびDropboxに加え、Twitter用のビジュアライズツールのプロトタイプも開発している。Mohiomapの技術の応用範囲を探っている段階だということだろう。

サービスを立ち上げたのはChristian Hirschだ。オークランド大学にてPhDとしてコンピューターサイエンスの研究を行なっている際にアイデアを思いついたのだそうだ。

「ビジュアルランゲージないしビジュアライズ技術を、言語コンテンツの整理に役立てるための方法について研究していました。そうするうちに、商用サービスとして展開する可能性に気づいたのです」とHirschは述べている。そしてEvernoteのデベロッパー・コンペティションに参加してみたのだそうだ。

「ぜひともEvernoteを素材として技術を試してみたいと考えました。Evernoteには膨大な情報がたまることが多く、情報をビジュアライズして俯瞰するような方法が必要とされているはずだと感じたからです。こうした技術を組み合わせることで、Evernoteはより一層便利なツールになるはずだと考えたのです」とのこと。

コンペティション参加時点では、Mohiomapは実験的なプロダクトだった。しかし好意的な反応で迎えられ、またEvernoteのアプリケーションマーケットに登録すると良いというような提案も受け、たしかに成功の可能性があると感じたのだそうだ。そしてMohiomapのサービスは1年前に公式にスタートをきった。

ちなみにHirschによれば、マインドマップとは「情報を探し、また情報を結びつけるためのシンプルな方法のひとつ」であるとのこと。

「私たちは、多くの情報を扱う際にはリスト型のアプローチをとることが多いのです。ドキュメントの中に情報を延々と記して行ったり、あるいは整理する目的で、数多くのファイルないしフォルダに分類するという方法をとります。しかしコンテキストに基づいた情報の関連付けを行うことができれば、異なる情報間にも共通性を見つけることができたり、あるいは同じ内容に言及するさまざまな情報を一括して比較検討することができるようになったりするのです」。

まずは、Evernote、Dropbox、およびGoogle Driveなどで情報を検索する際の利便性を感じてもらいたいと考えているようだ。何か特定の情報を探す場合のみならず、自分がためたデータを新たな視点から見ることで、何か新しい発見を得る人も多いことだろう。

Mohiomapは今後、Twitterや他のクラウドストレージプラットフォームにも対応したい考えだ。さらに個人ユーザーのみではなく、企業内でも利用してもらえるようにしていきたいのだとのこと。従業員の持つ情報を、簡単便利に、かつ有効なかたちでマインドマップ化する魅力を売り込みたいと考えているそうだ。またiPad用のネイティブアプリケーションも開発中であるとのこと。

現在のところマネタイズは有料プレミアムサービスを通じてのものとなっている。今後は企業利用者に向けたビジュアライズした情報データベースを構築したり、あるいは専用のドキュメントリポジトリといった、カスタムプロダクトの提供も行なって行きたい考えだ。

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(翻訳:Maeda, H