UberとLyftは、家を出るのに介助を必要としたり、病院の待合室から家に帰るのに付き添いを必要とする人を輸送するためのサービスではない。たとえば、Uberは患者が医療機関に行くのを手伝うUber Healthを立ち上げたが、ドライバーは患者のアシスタントを念頭に置いているわけではない。そこに目をつけて参入したのがOnward(オンワード)だ。
Royal Street VenturesやMatchstick Ventures、JPK Capitalから150万ドル(約1億6000万円)をシード調達したOnwardは、数カ月前にサンフランシスコのベイエリアで高齢者が安全に目的地に移動するのを手伝うために設立された。UberやLyftと異なり、Onwardはドアツードアの往復の移動を提供し、孤立しがちな高齢者に自由を提供することを目的としている、とOnwardの共同創業者マイク・ルイス(Mike Lewis)氏はTechCrunchに対し語った。
Onwardのアイデアは、アルツハイマー病を患った義理の母親に関するルイス氏の個人的な経験からきている。この経験で、ルイス氏と共同創業者のナダル・アクノク(Nader Akhnoukh)氏は、年をとるということ、そして運転のようなこれまでやれていたことをできなくなったときに高齢者がいかに孤独を感じるか、考えざるを得なかった。
「やれていたことをできなくなる瞬間は、悲しく、恐ろしい」とルイス氏は語る。
Onwardは3タイプの顧客を抱える。運転ができなくなった高齢者、手術や眼科検査など医療的な理由で運転ができない人、そして家族や親しい人のために移動手段を提供できない介護者だ。
UberやLyftと同様、Onwardのドライバーも契約労働者だ。しかし大きな違いは、Onwardのドライバーは少なくとも1時間あたり20ドルという時間給で報酬が支払われる。現在のところ、ドライバーは25人超いる。皆、心肺蘇生や痴呆対処の訓練を受け、身元確認と車両の検査も受けている。
Onwardはまた、ドライバーが車椅子のたたみ方を知っていることを約束している。しかし一部のドライバーは電動車椅子の人のみ輸送できる。Onwardは、来年の今頃までにドライバーが数百人規模になっていることを期待している。ルイス氏はまた、会社が大きくなるのに伴い、電動車椅子の利用者を輸送できる車両の台数も増やしたい、と語っている。
利用者は1時間あたり35ドルの使用料を払う。輸送の最低利用は1時間で、これはたとえば診察が終わるのをドライバーに待っていてもらう必要がある人向けの設定だ。最初の1時間をすぎると、あとは分単位で課金される。
時間制の料金には往復の送迎、それから目的地でのドライバーの待機、乗り降りする場所でのドアツードアの介助、お気に入りのドライバーの指名が含まれる。
Onwardは3月にサンフランシスコのベイエリアで最初の乗車を提供した。年内はサンフランシスコでの展開と、もう1カ所でのサービス立ち上げに専念する計画だ。これまでにOnwardの利用は500回を数えている。
イメージクレジット: Onward
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(翻訳:Mizoguchi)