iPadは種類が多すぎる―迷ったらこうして選ぼう

多くの消費者にとってどのiPadを買ったらいいのか、選択が難しくなってきたのではないか? 予期されたとおり、Appleは今朝(米国時間10/16)、新しくPad mini3Pad Air2を発表した。しかし既存製品の一部は販売が継続されたので、iPadのモデルは5種類になった。しかもそれぞれのモデルにはWi-Fiとセルラーがあり、色とメモリーサイズも各種揃っている。

新製品のうちiPad Air 2はAppleのタブレットのフラグシップモデルとなるフルサイズiPadで、新たにTouch ID指紋認証センサーが加えられた。これはApple Pay!での支払いに使われることを考えると当然の追加だろう。ボディーは薄くなり、カメラ、CPU、GPUが改良された。その他にも細かい技術的な改良点があるが、読者がママやおばあちゃんに説明するときにいちいち説明する必要があるものではなさそうだ(ゴールドが出たよとは言うだろうが)。

気圧計が装備されたので将来、ユーザーの位置だけでなく高度も測れるようになるだろう。Hacker Newsによると軽飛行機のパイロットはそれを楽しみにしている。

では価格を見てみよう。

  • Wi-Fi接続:499ドル、599ドル、699ドル(それぞれ16GB、64GB、128GB)
  • Wi-Fi +セルラー接続: 629ドル、729ドル、829ドル(同上)

iPad mini 3は次のとおりだ。

  • Wi-Fi:399ドル、499ドルj、599ドル(それぞれ16GB、64GB、128GB)
  • Wi-Fi+セルラー: C529ドル、629ドル、729ドル(同上)

おっと、これだけではなかった。

上でも述べたようにAppleは既存モデルの一部も継続販売する。オリジナルのiPad mini、昨年のRetina mini(iPad mini 2)、iPad Airは、WiFi+セルラー版の場合、それぞれ249ドル、299ド399ドルからとなっている。Wi-Fi接続版は従来の価格より値下げされた

わからないのはなぜAppleがベーシック・Modelとして32GBを出さないのかという点だ。いまどき16GBがどんな役に立つというのだろう? HDでビデオを撮影したり、ちょっとしたゲームをダウンロードしたらファイルがどのくらいのサイズになるのかAppleは知らないのだろうか?

おそらくAppleは市場に出回っている低価格タブレットに対抗するためにカタログに載せる最低価格モデルとして16GBを捨てられないのだろう。今やかなり高性能のAndroidタブレットも手頃な価格にが下がってきた。Googleの16GBのNexus 7は現在、229ドルだ、近く発売されるNexus 9は400ドルからだ。

また企業が大量に購入して社員に配布する場合、大容量、最新のModelは必要ない場合が多い。そのためにも低価格Modelを落とすわけにはいかないのだろう。

しかし一般ユーザーの目から見ると、AppleのiPadの製品ラインはSamsungに似てきた。「シンブルであること」を至上の価値としてきたAppleの製品ラインがこれほど込み入ってくるというのはいささか奇妙だ。

もしどのiPadを買うべきか迷っているなら、次のようなステップで選べばよい。大か小か? 予算はどれほどか? それで最適のiPadが選べる、と思う。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

【以上】


赤ちゃん向けセルフィー・アプリ登場―社会の崩壊は間近か?

赤ちゃん用セルフィー・アプリが登場したということは現代社会の末期症状を意味するのだろうか? なんと新たにリリースされたAndroidアプリは赤ちゃんが自分の自画撮りするためにデザインされている。

そう、ベビーのセルフィーだ。

このアプリは確かに可愛らしくできている。デジタル版の「いないないばー」みたいにデザインされていて、カラフルな動物のアニメがまず表示される。これで赤ちゃんの注意を惹きつけておいて、きゅっと音を立てて驚かす。そこですかさずシャッターを切るという仕組みだ。

最初の1回は面白いかもしれない。99セントだから、その価値はあるのだろう。

このアプリを開発したのはピッツバーグのAndroidスタジオ、Deeplocalで働くエンジニアのMatthew Pegulaだ。6ヶ月になる娘がおり、Baby Selfieを開発したのはAndroidのプログラミングに慣れるためだったそうだ。PegulaはもともとiOS開発が専門だったという。

私のインタビューに対して「これは最初のAndroidアプリで、週末プロジェクトだった」とPegulaは語った。最初は笑顔を感知したりするもっと複雑なプロジェクトの計画だったが、まずはBaby Selfieを最初の一歩としてリリースすることにしたという。この種のセルフィー・アプリに対しては賛否両論があるのは彼も承知している。

たとえばWashington Postはこのアプリをいやに真面目に取り上げて、「米国小児科学会は2歳未満の子供にはコンピュータ・スクリーンを見せないよう勧告している」などと言って非難している。

この記事はさらに続けて「スマートフォンによるいわゆる自画撮りなるものは21世紀の社会の病患たるナルシシズム、過度の情報共有、プライバシーの軽視を象徴するものであり、赤ん坊をこれにさらすことは避けねばならない」と論陣を張っている。The Daily Beastも似たようなもっともらしい批判をしている。

あれまあ、ご大層な。

(念のために断っておくが、この記事のタイトルはまったくの冗談だ。Baby Selfieが社会を崩壊させるわけがない)

メインストリーム・メディアがこのおもちゃアプリに過度に否定的なのは自画撮りそのものに対する根深い反感があるのだろう。しかし自分を撮影するというのは人間の自然に根ざしているとみえて、写真術が登場して以来ポピュラー行為なのだが。

iPadを取り付けたFisher-Priceのゆりかごに赤ん坊を何時間も縛り付けておくような育児法には私も反対だが、こうした愉快なアプリで数分遊ばせるのが深刻な害をもたらすとは思えない。ともあれスマートフォンのフロントカメラが社会崩壊の引き金にならないことだけは確かだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+