A/Bテストプラットフォームのオプティマイズリーが約54億円を調達

ウェブ上やモバイルアプリ上でA/Bテストやパーソナライゼーションのためのツールを提供するプラットフォームのOptimizely(オプティマイズリー)は米国時間6月18日、合計1億500万ドル(約114億円)を調達したことを発表した。この内訳は、Goldman Sachs Private Captialが主導し、Accenture Venturesが参加したシリーズDの5000万ドル(約54億円)と、Bridge Bankからの5500万ドル(約60億円)の与信枠である。

Goldman Sachsのマイケル・コンドレオン(Michael Kondoleon)氏が、Optimizelyの取締役会に加わる予定だ。

「市場における私たちのポジションを固めてくれるこれらの投資によって、今回のマイルストーンに達することができたことを、私たちは大いに喜んでいます」と、OptimizelyのCEOであるジェイ・ラーソン(Jay Larson)氏は私に語った。「Optimizelyと競合他社との間の差をさらに広げるために、私たちは製品対してさらなる投資を行うことができますし、地理的にも拡大することができます。そして私達は、世界クラスのデジタル最適化エキスパートチームを成長させ続けて行くつもりです。今日はOptimizelyにとって大切な日であると同時に、実験とパーソナライゼーション業界にとっても大切な日なのです」。Fortune 100社の約4分の1が、現在同社のサービスを利用していると同社は述べている。また同社は現在1日あたり60億件のイベントを処理していて、過去2年の間に顧客たちはデジタルエクスペリエンスの最適化への投資額を3倍にしたと語っている。現在の顧客に含まれるのは、例えば、Gap、Visa、IBM、StubHub、Metromile、Lending Club、そしてSonosなどだ。

Optimizelyはこれまでに累計で、与信枠を除いて2億ドル(約220億円)以上を調達している。Bridge Bankからの追加の5500万ドルは少々珍しいが、このステージの企業にとって完全に無縁のものというわけではない。「Bridge Bankは、デジタルエクスペリエンス最適化市場の最先端の世界的リーダーであるOptimizelyと、協力を続けていけることを誇りに思っています」と語るのはBridge Bankのテクノロジーバンキンググループの上級副社長件西部地区ディレクターのマイク・リーダーマン(Mike Lederman)氏である。「Optimizelyは大いなる成長の道筋を歩んでいます。今回の追加の資金によって、トップグローバルブランドの採用が増加している、市場を牽引する製品の開発を続けることが可能になるでしょう」。

このステージの企業にとっては普通のことだが、Optimizelyは新しい資金を成長を促進するために使用する。

画像クレジットalex_skp / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:sako)

A/Bテストに飽き足らないOptimizelyの新しいプロダクトはコードの最適化を実験できるOptimizely X

optimizely-x-mobile

Optimizelyは、A/Bテストをはやらせた。WebサイトやモバイルアプリのAバージョンとBバージョン、どっちが良いかを消費者テスターたちの使い方から比較判断する方法だ。

でも協同ファウンダーでCEOのDan Sirokerによると、この方法はテキストやページのレイアウトなど、表層的なことをマーケターがテストすることにしか使われていない。そこで今日(米国時間9/15)、同社のユーザーカンファレンスOpticonで、同社はそのプラットホームのニューバージョンOptimizely Xを発表した。Sirokerによると、これなら“コードの実験”ができる、という。

Sirokerは語る、“コードの実験をマーケティング部門など、ふつうの人でもできるようにしたかった。デベロッパーがいつもやってることを、誰にでもできる‘グッドアイデア’にしたかったんだ”。

これからは、Optimizelyのユーザーは、検索の結果や、プロダクト〔サービスなど〕のリコメンデーション、価格/料金、プロダクトのさまざまな機能や特徴、などなどについて実験できる。従来のようにテキストをいじくるだけでなく、Webサイトやアプリの中核的な機能を実験にさらすのは危険ではないか、と私が問うとSirokerは、“うちの顧客はむしろ、実験をリスクを減らす方法として歓迎している。実験を経ずにいきなりサイトを公開したり、プロダクトを一般供用する方が、むしろ危険だ”、と言う。

ただし、彼は付け加える: “どこの企業も、‘うちはGoogleでもFacebookでもAmazonでもないからデータサイエンスの技術者なんて雇えないよ’、と言うね”。そこでOptimizely Xは、そんな人材がいないところでも、その種のテストができるようにしているのだ。

Optimizely Xによる実験は、Python, Java, Ruby, NodeJSをサポートする。テストは、複数の種類のデバイスに対してでき、tvOSやAndroid TVが動くスマートTVでもよい。

Optimizely Xの一般公開は10月4日の予定だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Optimizelyが強力な6製品をリリース、人材育成に加えてiOS対応で”モバイル戦争”にも参入

4月17日(米国カリフォルニア時間)、世界中で6000社以上の顧客を抱える、ウェブサイトの最適化のためのA/Bテストツールの急成長企業であるOptimizelyが強力な6つの製品をリリースした。新製品には、iOSへの対応や、コミュニティと人材育成のためのプラットフォームである「Optiverse」に加えて、A/BテストツールをAPIとして解放したことで、例えば、Bluekaiと連携したデータに基づいたオーディエンス・ターゲティングも可能になった。さらに、刷新されてシンプルになったテスト結果ページでは、ユーザーのプロファイルごとにA/Bテスト結果を詳細分析することが可能になった。

ウェブページのA/Bテストで経験があり資金力もあるOptimizelyのモバイル参入は、文字通り戦いの開始ということになるだろう。

サンフランシスコ市内にて開催中のOpticonに登壇した共同創業者でCEOのダン・シロカーによると、これまでの受動的なA/Bテスト環境に加えて、能動的に「データをアクションに変えていく」ためのアップデートであるとしており、モバイル戦争への参入のみならず、これまでの単純なテストツールに加えて、リアルタイムのもしくは取得済みの(ビッグ)データ活用という、”ホットな”と分野への参入も意味している。

具体的な6つのアップデートは、次の6つ:

Optimizely for iOS – 高速でスケーラブルなiOSアプリ向けのA/Bテスト環境。先日Optimizelyのオフィスを訪問した際に「Mobile War Room」と書かれた部屋があったのを覚えているけれど、試行錯誤の上、満を持してのモバイルA/Bテストへの参入ということになる。LeanPlumVesselAptimizeといった先行者がひしめくモバイル向けA/Bテスト市場において、ウェブページのA/Bテストで経験があり資金力もあるOptimizelyの参入は、文字通り宣戦布告ということだろう。

Optimizely Developer Platform- Optimizelyの一連の機能を利用可能なAPIを用いて、これまでのウェブサイト上のVisual Editor上でのテストに加えて、デベロッパーがコードを用いて製品に直接A/Bテストを埋め込むことができるようになった。例えば、今回発表されたインテグレーション・パートナーであるBlueKaiがExperiment APIを用いて実装したツールでは、Bluekaiが収集したデータを用いて、対象とするユーザ・セグメントごとにパーソナライズされた表示をするA/Bテストも可能になった。例えば、直前にクルマに関連したウェブサイトを訪問した人には、クルマに関連したコンテンツを表示し、コンバージョンを最大化するなどが可能になった。

Audiences – 刷新されてシンプルになったテスト結果ページでは、サイト訪問者であるオーディエンスの属性に応じてパーソナライズしたコンテンツを表示可能になり、ユーザーのプロファイル毎にテスト結果を詳細分析することが可能になった。例えば、自社のウェブサイト訪問者がどんな検索キーワードで流入したのかといった訪問者データやBluekaiのようなサードパーティの提供するデータ応じて、分析結果を分けたレポートを生成し、チーム内で共有するなどが簡単にできるようになった。

Optiverse – A/Bテストに応じた最適化を実行できる人材へのニーズが高まっていることに対して、A/Bテストに関して情報交換や意見交換が可能な「コミュニティ」、Optimizelyの利用方法についての知識ベースを提供しサポートのチケットの投稿も可能な「Support」、さらに、人材育成のための学習コンテンツを集約した「Academy」から構成されている。Danによれば、「かつて”Optimizelyの運用経験が10年以上”という求人を観たことあるけれど、それを観た頃はまだ創業2年目だったけれど、これからは、10年の経験のあるような人を育てたり見つけたりすることがしやすくなる」とのことだ。

Customer Certification- これも人材不足を解決するためのものであり、OptimizelyのOptimizelyのプラットフォームへの理解度、デベロッパーとしての開発能力、テストに基づいた戦略立案能力についてのサーティフィケートを証明することができる。人材育成のみならず、採用の歳にも、一つの強力な指標を提供してくれることになりそうだ。

サンフランシスコ市内にて開催中のOpticonに登壇した共同創業者でPresidentのピート・クーメン氏。

OptiConにて、午後に行われた“テスト文化をどう作るか”というセッションでは、Brooks BellでCMOを勤めるグレゴリー・ヌグ氏が「経営陣の理解とスポンサー(予算化)が、組織内にテストに基づいたカルチャーを作るためには最も重要だ」という話がでた一方で、GoogleでProduct Marketing Managerを勤めるクリスタ・セイデン氏が「ツールと人材も重要であり、特にチーム内にテストについて理解し、を実行できる人材の存在も不可欠だ」と語った。

これは、余談だが、テストに基づいたイテレーション(繰り返しの改善)を推奨する『リーンスタートアップ』(日経BP)は良書であり、世界的に企業が成長していくための強力な手法を提唱したものの、概念と事例の紹介に終始し、書籍からだけではリーンスタートアップを自社で再現し、具体的に実践するのが難しいと、僕は個人的に感じていた。けれど、「Lean UX」という視点でリーンスタートアップの普及に大きく貢献しているジャニス・フレイザー氏によれば、「エリックは、検証に基づく組織カルチャーと作るには、マネジメント層の理解とサポートが不可欠との意図から、あえて具体的なマニュアル形式にせずに、概念と強力な事例の紹介に終始する書籍にした」とのことだ。「その結果、リーンスタートアップは、世界的にスタートアップ、大企業、政府機関等を巻き込んだ大きなムーブメントになり、LUXrでUX指向でリーンスタートアップを実践する方法を教えたり、リーンアナリティクスのような具体的な指南書が後に続いている」とのことだ。Optimizelyも、リーンスタートアップと同じように、A/Bテストをより多くの組織に文化的にも人材的にも根付かせていけるか、GrwothHacker.jpも運営する僕としては個人的に期待している。


YC出身で企業ウェブサイトのA/Bテスト・サービスのスタートアップ、Optimizelyが2800万ドルをBenchmark他から調達

Y Combinator出身で企業のウェブサイトに対してさまざまなバージョンのデザインでA/Bテストを提供するスタートアップ、OptimizelyがシリーズAのラウンドで2800万ドルの資金を調達した。

どんなスタートアップにとってもシリーズAで2800万ドルといえば大した金額だが、Optimizelyはこれまでにわずか320万ドルの資金しか集めていないのだから、特に大きな一歩だ。.前回のラウンドは1年前にされたが、これまでその結果について何も発表されていなかった。

共同ファウンダー、CEOのDan Sirokerは私の取材に対して「比較的少額の投資を受けただけにしては、われわれはすでに売上高は通年換算で数千万ドルに達し、対前年比では400%の成長を遂げている。また2012年の大統領戦のキャンペーンなどで有力なクライアントを獲得している(Sirokerは2008年にはオバマ選対の分析責任者だった)」と述べた。SirokerはまたAlexaのトップ1万のウェブサイト中のOptimizelyの採用をライバルと比較した下のグラフを送ってきた(データはBuiltWithを利用)。

今回のラウンドはBenchmarkがリードし、Bain Capital VenturesとOptimizelyの既存投資家、Battery Ventures、InterWest Partners、Google Venturesが参加した。BenchmarkのPeter
Fenton(YelpとTwitterに投資した実績がある)がOptimizelyの取締役に就任した。SirokerによればFentonは初の社外取締役だという。これまで取締役はSirokerと共同ファウンダーのPete Koomenのみだった。

調達した資金の一部は国際的な事業拡張に向けられるだろう。Optimizelyは去年、初の海外オフィスをアムステルダムに設けている。また来る四半期には9言語、36カ国のサポートを新たに行う予定だという。Sirokerは「これらの言語(具体的な言語名は明かさなかったが)を選んだのはすでにクライアントがいるからだ」と述べた。

Sirokerのビジョンは依然私に語ったように、Optimizelyを単なるテストサービスを超えて、あらゆるウェブサイトを訪問するユーザーに合わせてカスタマイズできるようにするプラットフォームに育てることだ。同社はすでに異なる属性の訪問者に対して別のデザインのサイトを提供するサービスを開始している。lこれをさらに先へ推し進めたいというのがSirokerの野望だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+