Tencent(テンセント)が、インド・グルグラムに本社を置くPocket FM(ポケットエフエム)の投資ラウンドをリードする交渉が進んでいる。中国の大企業がインドマーケットで消費者インターネットのポートフォリオを拡大する最新の動きだ。
この件を把握している情報筋3人によると、すでにPocket FMに出資しているTencentはPocket FMの2000万〜2500万ドル(約22億〜27億円)のラウンドをリードすることで協議を進めている。提案された創業3年になるPocket FMの評価額は7500万〜1億ドル(約82億〜110億円)だと情報筋2人は述べた。既存投資家であるTimes InternetのBrand CapitalとLightspeedもラウンドに加わる。
ラウンドはまだクローズしていないため、条件は変わり得る。TencentとPocket FMはコメントを却下した。
Pocket FMは、ユーザーにポッドキャストとオーディオブックを英語やいくつかのインドの言語で提供する社名を冠したアプリを展開している。カタログは1万時間超にのぼると同社のウェブサイトにはある。オーディオブックを制作するのに同社は数人のクリエイターと協業している。
アプリはフリーミアムモデルで利用でき、有料のサブスクと広告が入る無料バージョンが用意されている。
今回の投資協議は、幅広いインドのスタートアップがオーディオ部門で事業を開始したり拡大したりしている中でのものだ。たとえばインドのソーシャルネットワークShareChatは2021年初めにClubhouseのような機能を立ち上げた。
Pocket FMはTencentがインドの消費者インターネット分野に賭ける最新の案件だ。Tencentはまた、音楽ストリーミングサービスのGaana、オンデマンドビデオストリーミングプレイヤーMX Playerの主要投資家でもある。
インド政府が中国企業によるインド企業への投資を許可制にする規則を導入したことを受け、Tencentは2020年にインドでの投資のペースを抑制した。ここ数四半期は活発になり、コンバーチブルノート付きの株式の代わりに社債を通じて投資している。
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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi)