Glu MobileがPlain Vanilla Corpを750万ドルのバリュエーションで買収

quizup-update-01

Kim Kardashian、Hollywood and Nicki Minaj、The Empireなど、著名人をテーマにしたゲームを開発するGlu MobileがアイスランドのPlain Vanilla Corpを買収したことがSECへの提出書類により明らかになった。Plain Vanillaはソーシャル・トリビアゲームのQuizUpを開発する企業だ。

この買収の内情に詳しい情報源によれば、買収時のPlain Vanillaの評価額は免除されたGlu Mobileへの債務額を含め750万ドルだったという。

Plain Vanillaに出資した投資家にとって、この買収は悲しいニュースだったことは間違いない。言ってみれば、Plain VanillaはGlu Mobileに「盗まれた」ようなものだったのだ。

アイスランドを拠点とするPlain Vanillaは、2013年にSequoiaやTencentなどからシリーズBで2200万ドルを調達している。Crunchbaseによれば、同社の合計調達金額は4000万ドルであり、獲得したユーザー数は数千万人にものぼる。

ソーシャル性とモバイルゲームの要素を組み合わせたQuizUpは、友人やマッチした対戦相手とテーマに沿ったトリビアクイズを楽しむというゲームだ。

また、QuizUpではユーザー自身がトリビアクイズを作成することもできる。教育者やトリビアファン、そして自社製品をクリエイティブに宣伝したいという企業をターゲットに設けられた機能だ。

昨年、Plain Vanillaは企業の社員教育にQuizUpを利用できるソフトウェアをローンチしている。それに加え、同社は放送局のNBCと共同で、視聴者とのインタラクティブな要素にQuizUpを利用した全10エピソードのテレビ番組を製作すると発表していた。

もちろん、このようなプロダクトの開発と維持にはコストがかかる。今年1月、Plain Vanillaは公開企業のGlu Mobileに約束手形を発行して資金援助を受けていた。資金の返済ができない場合、Glu MobileはPlain Vanilla本体およびQuizUp関連の資産を買収できるというオプション付きの約束手形だ。

そして今年8月、NBCとの共同テレビ番組がキャンセルされたと報じられ、十分な資金もなく、新しい出資者も見つけられないPlain VanillaとQuizUpがGlu Mobileによって買収される可能性が濃厚になった。

Plain Vanilla CEOのThor Fridrikssonは今回の件について多くを語っていない。彼は一言、「Gluが私の子供を可愛がってくれることを願っています」と語ったのみだ。

QuizUpへの出資に加わった投資家からのコメントは、まだ入手できていない。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

大ヒット中のトリビアアプリ、QuizUpのPlain Vanilla GamesがSequoia Capitalから2200万ドルを調達

現在大ヒット中のトリビア・クイズ・アプリ、QuizUpのプロバイダ、Plain Vanilla GamesがシリーズBのラウンドで2200万ドルに上る資金調達に成功した。このラウンドは名門ベンチャーファンドのSequoia Capitalがリードし、Tencent、Greycroft Partners、IDG Ventures、BOLDstart Ventures、CrunchFund(TechCrunchのファウンダー、MichaelArringtonが創立)、MESA+など既存の投資家が全員参加した。

QuizUpはリアルタイム、あるいは非同期どちらでも友達とトリビア・クイズで競争できる iPhoneアプリだ。ユーザーは300以上のカテゴリーから一つを選んで友達(あるいは未知の相手)に挑戦できる。1ラウンドは6問のクイズからなる。

これはたいへん面白くやみつきになるゲームなのでこの数週間、猛烈な勢いで流行が広がっている。ローンチ以後のダウンロード総数は500万回に上る。

今回のラウンドはPlain Vanillaとして今年3回目の資金調達だが、もちろん飛び抜けて最大だ。調達した資金の総額は2700万ドルになる。今回のラウンドを機にSequoiaのRoelof Bothaが取締役に就任した。

Sequoiaとe.Venturesからの200万ドルに加えて前回のラウンドを実施したのはQuizUpのローンチの前だった。つまりこの大ヒットを考慮に入れない会社評価額でのラウンドだった。

CEOのThor Fridrikssonは私の電話取材に対して「われわれはその時点で資金をどうしても必要としているわけではなかった。あくまで保険の意味だった。後から考えると、あの時に資金調達をしたのは失敗だった。今ならはるかに良い条件で資金調達ができただろう」と語った。

最近の急成長

「長い間かけて開発したプロダクトが発表と同時に大ヒットするというのは起業家の夢だ。500万というダウンロード数も大きいが、ローンチ後数週間経ってもゲームに対するユーザーの関心が衰えず、依然として活発にプレイされていることが心強い」とFridrikssonは言う。

ユーザーは友達と対戦したり、メッセージをやりとりしたり、掲示板で議論を戦わせたりして毎日平均30分くらいをアプリ内で過ごすという。

この掲示板がQuizUpの隠れたヒット機能だ。トリビアのカテゴリー、300種類それぞれに掲示板が用意されており、Fridrikssonによれば、ユーザーの投稿は毎日合計10万件にも上るという。

【中略】

次のステップは?

Plain Vanillaにとって次のステップは、できるだけ早くAndroidアプリをリリースすることだろう。なにしろKantar Worldpanel ComTechによればスマートフォンの70%はAndroidなのだから、これによってユーザーベースの一層の拡大が望める。Plain VanillaはiPad版も準備している。

さらに大きなチャンスはQuizUpの国際化だ。多言語をサポートするのはもちろん、それぞれの地域別に新たなトリビアを追加することも必要だ。

「いちばん人気のあるカテゴリーはそれぞれの地域のローカルなポップ・カルチャーだ。われわれは国際化にあたって、各地のユーザーがいちばん熱心に追求するコンテンツをサポートしていく」とFridrikssonは語った。

QuizUpはローンチ当初20万のクイズを用意していたが、その後ユーザーゲースが巨大になるにつれ、熱心なユーザーが新たなクイズを考えて投稿してくるようになった。現在はユーザーからのクイズを正式に受付る体制になっている。

今回の大型資金調達でPlain Vanillaはこうした展開を実施できる力を得た。あとはやるだけだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+