不動産管理プラットフォームのRealPageをプライベートエクイティのThoma Bravoが約1兆550億円で買収

M&Aの多忙な1年は今週末も続いている。プライベートエクイティ企業のThoma Bravo(トーマ・ブラボ)社が、RealPage(リアルページ)社を102億ドル(約1兆550億円)で買収すると発表した。

Thoma Bravoはこの買収によって、ビルや不動産所有者向けの賃借人ポータル、サイト管理、経費管理、財務分析などのフルサービスを提供するRealPageの不動産管理プラットフォームを手に入れることになる。

Thoma Bravoの創設者でありマネージングパートナーでもあるOrlando Bravo(オーランド・ブラボ)氏は、これまでの実績を元にして、RealPageが一緒に仕事をやっていける会社だと考えている。

「RealPage社の業界をリードするプラットフォームは、不動産エコシステムにとって非常に重要であり、今後も大きな可能性を秘めています」とブラボ氏は声明の中で述べている。

RealPage側としては、今後も会社に残る予定のSteve Winn(スティーブ・ウィン)最高経営責任者が、今回の買収は株主にとって大きな勝利であると同時に、株主は製品への投資を継続できるとしている。「これにより、我々は長期的な戦略の実行に集中し、顧客やパートナーにより良い製品やサービスを提供することができるようになるでしょう」とウィン氏は声明の中で述べている。

1998年に設立され、2010年に株式を公開したRealPageは、Thoma Bravoのようなプライベートエクイティ企業を惹き付ける典型的な成長したプラットフォームだ。同社は1万2000人以上の顧客を抱える強力な顧客基盤を持ち、収益もそれなりのペースで成長している。直近の収益報告書では、同社は前年比17%増となる2億9810万ドル(約308億円)の収益を発表した。これはランレートが10億ドル(約1034億円)を超えることを示している。

今回の買収条件では、Thoma BravoはRealPageの株主に1株当たり88.75ドル(約9180円)の現金を支払うことになっている。これは米国時間12月18日の終値67.83ドル(約7016円)から30%以上のプレミアムとなる。この取引は標準的な規制当局の審査を経て行われ、RealPageの取締役会は45日間のGo-Shop期間を設けて、より良い買収提案を見つけることができないかを確認することになっている。今回の取引のプレミアム価格を考えると、その可能性はありそうもないが、試す機会は設けられる。

関連記事:不動産管理のRealPageがIoTのStratisを買収して建物管理を強化

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Thoma BravoRealPage買収不動産テック

画像クレジット:Busà Photography / Getty Images

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

不動産管理のRealPageがIoTのStratisを買収して建物管理を強化

全世界に1万2200あまりのクライアントがいるフルサービスのプロパティマネジメントサービス上場企業であるRealPageが米国時間8月31日、Stratis IoTを買収したことを発表した。同社は不動産企業にIoTサービスを提供する企業で、特にアクセスとエネルギーの管理にフォーカスしている。

RealPageのCEOであるSteve Winn(スティーブ・ウィン)氏は次のように述べている。「RealPageは、現在、急速に成長しているレンタルプロパティの自動化市場で最上位のプロバイダーを目指している。それにより事業者が賃貸収入を増やし、持続可能性を改善し、事業の効率を上げて費用を節減し、全米で約1900万に上る管理物件の顧客体験の価値を高めていきたい。スマートビルディング技術はまた、Staratisの既存の国際的プレゼンスにより、事業者たちの国際的な事業展開のベースにもなるだろう」。

Stratisは現在、米国、日本、イギリスおよびラテンアメリカの約38万の家庭に導入されている。StratisとRealPageはともに、複数家族が住む家や学生住宅、別荘、商用の不動産など多様なタイプの不動産をターゲットにしている。

画像クレジット:Stratis

従来から一貫して、不動産市場は新しいテクノロジーを真っ先に採用する業界ではなかった。しかしそれも今は、急速に変わりつつある。その動きを促進しているのがIoTだ。IoTは、アパート管理の自動化を目指している家主たちが歓迎しているだけでなく、業界全体に大きなコスト削減をもたらす可能性がある。RealPageの主張によると、スマートテクノロジーは1物件あたりの収益を55ドル(約5810円)増やすことができる。このような節約効果と売上増強効果があるために、現在ではレガシーなB2Bプラットフォームも関心を持ち始めている。

Stratisが傑出している領域は、多様なサードパーティのソリューションとの統合能力だ。

「建物全体へのアクセスとユーティリティの管理とコントロールは、建物の最適化と居住者体験において欠かせない要素だ。しかもそれらの要素は、近年ますますお互いが複雑に関連し合っている。RealPageとStratisは、2つの業界のトップが一緒になってこのクラスで最良のプラットフォームを作り、単一のアプリケーションで複数家族や学生住宅などなどの居住者体験をコントロールする強力なチームになる」とStratis IoTのCEOであるFelicite Moorman(フェリサイト・ムーアマン)氏は語る。

両社は買収額を公表しないが、RealPageが買収でその技術を向上させようとするのは今回が初めてではない。例えば同社は、1年前に公共施設などの不動産市場にデータサービスとデータ分析を提供するHiperceptを買収した(RealPageリリース)。また12月には、200万件あまりの物件を管理しているSaaSのプロパティマネージメントBuildiumを買収している(RealPageリリース)。2019年に同社は、1億ドル(約106億円)あまりを買収に使うつもりだ(BUSINESS JOURNAL記事)と述べた。

関連記事:The last decade in real estate, and a peek into the next one(未訳記事)

カテゴリー:IoT

タグ:RealPage

原文へ
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa