Rokuが新しいStreaming Stick 4Kバンドルと音声・モバイル機能を備えたソフトウェアアップデートを発表

Amazon(アマゾン)が初めて自社製テレビを含む最新のFire TVラインアップを発表してから数週間後、Roku(ロク)は、年末商戦を前に消費者の注目を集めるため、独自の製品を発表した。新製品はRoku Streaming Stick 4Kと新しいハンズフリー音声リモコンを搭載したRoku Streaming Stick 4K+だ。また、Walmart限定版であるRoku Ultra LTも刷新されている。さらに、音声機能、ホーム画面の新しいLive TVチャンネル、その他の細かな変更を含む最新ソフトウェアRoku OS 10.5のアップデートも発表した。

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新しいStreaming Stick 4Kは、Rokuの4年前の製品であるStreaming Stick+を元にしており、テレビの後ろに隠れるように設計されたスティックになっている。しかし、このバージョンではプロセッサが高速化され、デバイスの起動が最大30%速くなり、チャンネルの読み込みもより速くなったとRokuは主張している。また、Wi-Fiの速度も向上し、特にパンデミックによるリモートワークのライフスタイルでネットワークの混雑が問題となっている家庭内で、ユーザーが最適なバンドに接続できるよう、精度の高いアルゴリズムが採用されている。この新しいスティックは、ドルビービジョンとHDR 10+に対応し「4K」の名称が付けられている。

画像クレジット:Roku

このバージョンは、Rokuの標準音声リモコンが同梱され、価格は49.99ドル(約5470円)となっている。ちなみに、アマゾンの新しいFire TV Stick Maxは、より高速なプロセッサとより速いWi-Fiを搭載して54.99ドル(約6020円)だ。しかし、アマゾンはアップグレードの理由として、Wi-Fi 6の追加と、同社のゲームストリーミングサービスLuna(ルナ)への対応を売りにしている。

Rokuの新しいStreaming Stick 4K+は、Roku Voice Remote Proをバンドルに加えている。これは、春に発売されたRokuの新しいリモコンで、充電機能、リモコン紛失時の検索機能、中音域マイクによるハンズフリーの音声サポートなどを備えており、ボタンを押す代わりに「ヘイ、Roku。テレビをつけて」や「Netflixを起動して」と言えばいいようになっている。このリモコンは、単品で29.99ドル(約3280円)だ。バンドルは69.99ドル(約7650円)で販売されており、スティックとリモコンを単体で購入するよりも10ドル(約1090円)得になっている。

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どちらのバージョンのストリーミングスティックも、10月からオンラインおよび店舗で販売される。

ウォルマート限定のRoku Ultra LT(79.99ドル、8750円)は、より高速なプロセッサー、より多くのストレージ、最大1.5倍の通信距離を持つ新しいWi-Fiラジオ、ドルビービジョンのサポート、Bluetoothオーディオストリーミング、内蔵イーサネットポートなどを搭載している。

その上、電気機器メーカーTCL(ティーシーエル)が、CESで発表したワイヤレスサウンドバーのデザインを採用した最初のデバイスパートナーとなり、近日中に発売されるRoku TVワイヤレスサウンドバーに採用される予定だ。このデバイスは、Wi-Fi経由でテレビに接続し、Rokuリモコンで操作するもので、10月には主要小売店において、179.99ドル(約1万9690円)で販売される予定だ。

もう1つの大きなニュースは、RokuのOS 10.5ソフトウェアのリリースだ。今回のアップデートでは、そこまで劇的な変化はないものの、主に音声とモバイルの改善に重点が置かれている。

消費者向けの最も顕著な変更点は、新しいライブTVチャンネルをホーム画面に追加できるようになったことだ。これにより、従来はRokuの無料ストリーミングハブにアクセスしてからライブTVセクションに移動していたのが、The Roku Channelの200以上の無料ライブTVチャンネルをより簡単に起動できるようになった。この変更によって、TVガイドを捨ててしまったユーザーにとって、Rokuが従来のテレビのように感じられるようになった。

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その他の調整点としては以下のものが挙げられる。音声コマンドによるチャンネル起動のサポートが拡大され、ほとんどのチャンネルがサポートされるようになった。新しい音声検索とポッドキャストの再生では「音楽とポッドキャスト」がより視覚的に表示され、Spotifyがローンチパートナーとして参加している。モバイルアプリでサウンド設定をコントロールできるようになった。設定に「音声ヘルプ」ガイドが追加されている。また、Rokuスピーカーとサウンドバーのサウンド設定オプションが追加されている(スピーカーペアとサウンドバーを左 / 中央 / 右で使用したり、完全な5.1サラウンドシステムで使用したりすることができる)。

また、設定画面でメールやパスワードを音声コマンドで入力する便利な機能も新たに搭載されている。Rokuによると、音声データをデバイス外の音声テキスト化パートナーに送信し、音声は匿名化されるとのこと。パスワードは直接パートナーに送られるため、Rokuはパスワードを取得したり保存したりはしない。このように音声データには常にプライバシーに関する懸念がつきまとうが、アクセシビリティの観点からすると、この機能の追加は大きなプラスとなるだろう。

画像クレジット:Roku

気づかれにくいものの便利な改善点としては、OS 10.5の高度なA/V同期機能が挙げられる。これによって、スマートフォンのカメラを利用して、ワイヤレスヘッドフォンでテレビを視聴する際の音声遅延を改善することができるようになる。この機能は、モバイルアプリで提供される。

今回のOS 10.5のアップデートでは、米国のRokuモバイルアプリにも新たな機能が追加され、ジャンルを超えた映画や番組のコレクションを閲覧できる新しい「ホーム」タブや、友人との会話などで耳にした番組や映画をブックマークしておき、後で家に帰って見るために使える「保存リスト」が追加された。

このソフトウェアアップデートは、数週間かけてRokuデバイスに提供される。通常、まずRokuプレイヤーに提供され、その後テレビに展開される。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

AmazonのFire TVが「ライブ」のチャンネル拡大とAlexa対応を発表

Amazon(アマゾン)は、そのFire TVプラットフォームに無料で視聴可能なストリーミングやライブコンテンツをより重視した新たな展開を開始する。同社は米国時間3月3日、Fire TVの「ライブ」カテゴリに、XUMOや同社傘下のIMDb TV、そしてAmzonニュースアプリなど、いくつかの新しいサービスを統合すると発表した。また、近日中にPlexも追加される予定だという。

Amazonによると、これら4つのサービスはすべて広告付きで無料で利用でき、サブスクリプションを必要としないという。これらのチャンネルとそのコンテンツは、Fire TVの「ライブ」タブにある「On Now」の列に表示される他、Fire TVアプリの「Universal Channel Guide(ユニバーサルチャンネルガイド)」にも表示される。

今回の追加により、20のプロバイダからライブストリーミングされる400以上のチャンネルが、Fire TVのライブチャンネルガイドで見られるようになったとAmazonは述べている。これらのサービスには、YouTube TV、Sling TV、Tubi、Pluto TV、Philo、Prime Video Channels、Prime Video Live Events(Thursday Night Footballなど)などが含まれる。

Amazonはまた、それらのチャンネルのうち200以上が広告付きで無料で視聴でき、サブスクリプションが必要ないことも強調している。

無料のライブストリーミングコンテンツは、米国ではストリーミングメディアプラットフォームの上位2社であるAmazonとRoku(ロク)が競い合う場となっているが、フォーマットにおいて両社のアプローチはそれぞれ異なる。

Amazonの無料ライブコンテンツを紹介するセクションは、Fire TV全体のインターフェースの一部となっており、それぞれ別のチャンネルを起ち上げなくても一覧を見ることができる。これは、Fire TV全体が1つのストリーミングサービスのように感じられるというAmazonのデザイン哲学を物語っている。

「私たちは、Fire TVをデザインする際に、常にコンテンツフォワードのアプローチをとってきました。テレビの電源を入れると、アプリが並んでいるのではなく、番組や映画、スポーツなどのコンテンツが表示されます」と、Amazon Fire TVのVP兼GMであるSandeep Gupta(サンディープ・グプタ)氏は述べている。「この哲学は、ライブコンテンツへのアプローチにも及んでいます。私たちはライブTVに多額の投資を続けており、コンテンツパートナーも同様です。今回は、新たなサービス統合やAlexa(アレクサ)対応、強化されたコンテンツ発見メカニズムを加えることで、それをさらに拡大します」と、同氏は続けた。

一方で、Rokuは「The Roku Channel」と呼ばれる常時無料の映画やテレビ番組を配信する独自のハブを提供しており、従来の有料テレビを見捨てた後に観るものを探しているコードカッター(ケーブルテレビの契約を打ち切る消費者)が最初に利用する出発点としての機能を果たしている。しかし、Fire TVとは異なり、Rokuのインターフェイスデザインは、実際には「アプリが並んでいる」だけだ。だが、このシンプルにまとまっていてごちゃごちゃしていないインターフェイスを、使いやすいと好む人も多い。The Roku Channelは単独のアプリとして起動し、Rokuのインターフェースに統合されているわけではない。

またRokuは、The Roku Channelを他の無料ストリーミングサービスと同様、ウェブサイトやスタンドアロンのモバイルアプリとしても提供している。先週、同社はより多くの消費者にリーチするために、The Roku Channelの無料コンテンツのほとんどを、メインのRoku.comのウェブサイトに統合した。

Fire TVも独自のアプリを提供しているが、こちらはライブコンテンツに限定されており、オンデマンドの広告付き番組や映画は観ることができない。

Amazonは今回、ライブTVの新たな統合に加えて、ライブTVのプログラムがAlexa対応になることも発表した。

つまり「アレクサ、『グッド・モーニング・アメリカ』を映して」とか「アレクサ、シーホークスの試合を映して」というように、特定の番組名をいうと観ることができるようになったということだ。これは、Fire TV CubeのAlexa Voice Remoteや、Echo(エコー)デバイスとペアリングされたFire TVで動作する。

ライブTVの番組は、新たにアップデートされたFire TVインターフェースの「App Peak」(ホバー)機能にも表示される。この機能は、メインナビゲーションでチャンネルにカーソルを合わせると、そのチャンネルで何が放映されているかを表示するもので、当面の間はFire TV Stick(第3世代)とFire TV Stick Liteで動作する。

ライブTVの統合や拡大によって(新型コロナウイルス感染流行の影響で人々が自宅でエンターテインメント楽しむようになったことはいうに及ばず)、Fire TVによるライブストリーミングアプリの利用は、過去12カ月間で2倍を超える130%以上も増加したという。

Amazonによると、今回発表された新機能は、米国では同日よりFire TVに展開が始まっているという。

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タグ:AmazonAmazon Fire TVRoku

画像クレジット:Amazon

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米国動画配信サービスHBO MaxがついにRokuデバイスに対応

実に時間がかかったが、HBO Maxが米国時間12月17日にRokuデバイスでローンチされる。

Rokuユーザーはコードカット市場の大部分(What to Watch記事)を占めているため、サービス開始から7カ月近く経ってもRoku用のHBO Maxアプリがないのはかなり奇妙だった。Maxアプリのリリースは何カ月も前から待たれていたが、そのローンチは顧客がどこでどのように購読できるのかという問題に関係(未訳記事)しているようだった。

「Wonder Woman 1984(ワンダーウーマン1984)」がわずか数週間でMaxにデビューすることになったことを考えると、この取引を完了するためには途方もない圧力があらゆる方面からあったと推測できる。契約の一環として、RokuユーザーはRokuの内蔵支払いシステムであるRoku Payを使って、HBO Maxにサインアップできる。

このニュースは、HBO MaxがAmazon Fireのデバイスで配信を開始した1カ月後、そして2021 Warner Brosの全映画が劇場公開と同日にHBO Maxで公開されるという大規模な契約の発表から数日後に報じられた。

今回のローンチにより、HBO MaxはiOS、Android、Chromecast、Roku、Amazon(アマゾン)のFireデバイス、PC / Mac、そしてSwitchを除くすべての最新ゲーム機をサポートし、主要なプラットフォームのほとんどをカバーすることになる。

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タグ:HBORoku

画像クレジット:WarnerMedia

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

メディアストリーミング端末RokuがAirPlay 2とHomeKitのサポートを4Kデバイスに展開

2020年9月にRokuは、TV向けOSの次期バージョンであるRoku OS 9.4でApple(アップル)のAirPlay 2とHomeKitをサポートすると発表した。そして米国時間11月11日、同社によるとこれらの機能がRoku Ultra、Roku Streambar、Roku Smart Soundbar、Roku Streaming Stick+とRoku Premiereを含む、Rokuの4K Rokuデバイスにロールアウトされているという。このアップデートは4K Roku TVにも配信される予定だ。

AirPlay 2のサポートが追加されたことで、Rokuデバイスの所有者はiPhone、iPad、MacからRokuにコンテンツをストリーミングできるようになる。コンテンツは自分のライブラリからでも、AirPlay 2をサポートする他のストリーミングアプリからでも可能だ。

これは新しいストリーミングサービスがRokuデバイス向けのアプリをローンチしない場合や、NBCUが行った(未訳記事)ように、ライセンス契約の交渉戦術として既存アプリをRokuから引き下げると脅してきた場合に、便利な機能となる可能性がある。

ストリーミングサービスによるそのような動きは最終的にRokuの顧客に打撃を与えるだろうが、iPhoneのようなデバイスからコンテンツをストリーミングできるオプションは、その打撃を減らすのに役立つだろう。

例えばHBO Maxは現在Rokuデバイスからアプリを取り下げている(未訳記事)ため、AirPlay 2経由でストリーミングできる新機能は良い回避策だ。​しかし、これにはHBO Maxが今後もiOSでのAirPlay 2をサポートし続ける必要がある。

Roku OS 9.4ではAirPlay 2に加えてHomeKitがサポートされ、 iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、HomePod のHomeアプリとSiriを使って、Rokuユーザーがデバイスを制御できるようになる。

Roku OS 9.4でのその他の変更点としては、ホーム画面に新しい「Live TV」タイルが追加され、The Roku Channelの115以上の無料ライブチャンネルのライブガイド、ボイスコマンドの使い方を学ぶのに役立つ機能、オプションのサウンドを含む新しいテーマパックなどがある。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Roku

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter