スマートフォンアプリで登録することで、空いている時間にすぐに働けて、すぐに報酬を受け取れるワークシェアサービスを展開しているタイミーは10月31日、総額20億円の資金調達を発表した。この20億円は累計額ではなく、シリーズBにおける第三者割当増資よる調達だ。引き受け先は以下のとおりで、そのほか複数のエンジェル投資家が名を連ねる。
- ジャフコ
- ミクシィ
- SBIインベストメント
- プロロジス
- KIDS HOLDINGS
- WDI
- ネクシィーズグループ
- ひだしんイノベーションパートナーズ
- SBSホールディングス
- JR東日本スタートアップ
- The CFO Consulting
- GOSSO
- トランジットジェネラルオフィス
- IMM Investment Group Japan
同社は、2018年8月10日にタイミーのサービス開始。現在では、飲食、小売、物流、オフィスワークなどさまざまな業界で2000社以上の企業が利用しているほか、ワーカー登録者数は25万人を超えたとのこと。
また2019年10月3日には、タイミーのシステムを活用したタイミートラベルを開始。働きながら旅行先の現地の人と触れ合えるサービスとして展開していく。現地までの交通費や現地での宿泊費を労働報酬に含めることで、行きたい場所を選ぶだけで資金がなくてもすぐに旅行に出かけれるのが特徴だ。現在、働き手はもちろんのこと、企業・地方自治体の連携も進めている。
同社によると、今回調達した資金は店舗や企業への認知拡大や新規ユーザー獲得のためのマーケティング費用、人材採用などに利用する計画だ。
同社の代表取締役社長の小川 嶺氏は「まずは首都圏に加え、サービス提供開始済みの関⻄・福岡を含む国内主要都市での立ち上げに注力し、その後に全国・全世界に広げられるよう事業を進めていく」と語る。今後の展開としては「蓄積した信用データやトラフィックデータを整理して、最適なレコメンドエンジンの開発やダイナミックプライシングの実装に挑む」とのこと。
個人的には今回のシリーズBの出資元に、岐阜県の飛騨・高山地域を中心に地方創生を目的に投資活動を進めているひだしんイノベーションパートナーズが入っている点に注目したい。首都圏や関西圏などの大都市部だけでなく、地方都市でも深刻な人手不足を解消するサービスとして、タイミーやタイミートラベルのサービスが受け入れられる確率は高いと感じる。地方都市での人手不足解消はもちろんのこと、飲食店が繁忙期になる夏休みや年末年始に学生などの帰省に併せた雇用創出も可能になるだろう。現在タイミーを利用するユーザーは若年層が多い印象だが、認知を向上させてUI/UXなどにさらに磨きをかけることで中高年やシニア層までを取り込めるようになれば、少子高齢化の日本での同社の存在感はさらに増すはず。そのあとは世界だ!