「ソーシャル・ネットワーク+Evernote」をイメージするMrOwl

ソーシャル・ネットワークとEvernoteが融合したようなアプリケーションが登場してきた。ArvindおよびBecky Raichurによるもので、データの保管や共有を簡単に行うことができるようになっている。しかもあらゆるデータ形式に対応しているのだ。

データは公開ないしプライベートで保管しておくことができる。たとえば当方で、「Rolex」についてのブランチ(MrOwlでは情報をまとめる単位を「ブランチ」と呼んでいる)を作成して公開してある。ここに画像、テキスト、リンクなどの情報を加えていくことができる。人気の公開ブランチには、たとえばシークレット・メニューについてのものなどがある。

アプリケーションの魅力を存分に発揮するには、まだまだ利用者が少ない様子。利用者が増えてくれば、より活発に情報のやり取りが行われることになるだろう。

「コラボレーション機能が、このアプリケーションの大きな魅力です。編集権を公開してブランチを育てていったり、特定の人に対して公開して編集作業を続けるようなことができます。もちろん完全にプライベートなものとして、保管しておくことも可能です」とArvindは述べる。「知識やリソースを、コミュニティ全体の資産として育てていくことができるわけです」。

もちろんソーシャル機能をもつアプリケーションは、世の中に溢れかえっている。しかし大量のデータを友人やコミュニティに、簡単に公開できるMrOwlはなかなかおもしろい試みだと思う。アプリケーションは、まずインドで広まり、現在のデイリー・アクティブユーザーは7500人で、セッション数は70万となっている。これまでに600万ドルの資金調達も行なっている。

「利用者の方々は、MrOwlを指してGoogle、Wikipedia、およびPinterestをつなぐものであると表現しています。面白そうなものを見つけたり、情報を集約するブランチを作成したり、他の人と連携して詳細な情報ハブを構築して行ったり、あるいはまとめた情報を共有することができるのです」。

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(翻訳:Maeda, H

匿名アプリのSecretが中国に進出。ロシアでも大人気

匿名ソーシャル共有サイトのSecretは、数週間前に世界の新たな人々に門戸を開き、中国以外ほぼ全域をカバーした。同社は先週末これを改め、大型パートナーとの提携によって中国ユーザーのためのアプリを導入したが、パートナーの名前は明らかにされていない。

「中国は特別な市場であり、英語製品を提供したり、ただ翻訳して終りとはいかない。中国市場向けの開発には地元チームの協力が必要だ。そのためにはジョイントベンチャーなどの形態を取る場合が多い」と、共同ファウンダーのDavid ByttowがTechCrunch宛のメールで語った。

中国IT系ブログGeekparkは、同社が中国の大型ゲーム会社と提携してアプリを開発したと報じているが、Secretは提携について今は詳細を語っていない。

中国に加え、同社は数週間前の世界展開以来、各国の市場で成長を見せている。特に、ロシアをはじめとする旧ソビエト連邦諸国で驚くほどの人気を博している。

過去数週間に、Secretはロシア、ウクライナ、ラトビア、おおびオランダでApple App Storeのアプリ総合トップ10に入っている、とApp Annieが伝えている。また、ソーシャルメディア部門では、これらを含め多くの国々で上位にランクインしている。

「Secretはロシアで人気だ。数週間のうちにソーシャルネットワークのナンバー1に上りつめた。ユーザーは本当に喜んでいる」とByttowは書いている。

海外での成長は、米国内にも多少のハロー効果をもたらしており、先週あたりからソーシャルメディア部門のトップ50に入っている。

これは全体としては良いニュースであるが、世界の様々な地域で人気が出たことにより、英語ユーザーのフィードに外国語の発言が多数流入し、ユーザー体験を損っている(ちなにみ私のところにはロシアだけでも何十ものSecretが流れてきている)。

最近のアップデートで、ユーザーは見たいSecretの言語を選べるようになった。現在英語、ロシア語、オランダ語、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語、および日本語がサポートされている。

選択から外した言語のSecretは送られてこなくなるが、それでも友達や友達の友達がシェアしたものは表示される。Byttowは、これらの表示についてまだ調整を続けているところだと言っていた。

ともあれ、理解できない記事を大量に見なくてよくなったことは大変ありがたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


「半分匿名」のソーシャルメディア、SecretがAndroid版をローンチ―世界中から利用可能に

シリコンバレーの住人としては、当地で人気の「半分匿名」のソーシャルメディア、Secretが アメリカに登場したのがたった4ヶ月だったとは信じられない思いだ。今日(米国時間5/21)、このアプリはiOS版、新登場のAndroid版、ともに世界中でダウンロード可能になった。

Secretというのは、まずiOSアプリとして公開されたが、匿名で感想や意見を共有できるモバイル・アプリだ。

このアプリはユーザーのアドレス帳を検索してそこに載っている友だち、さらに友だちの友だちをリストアップする。そうした知り合いネットワーク中の誰かが投稿するとタイムラインに表示される仕組みだ。投稿自体は匿名だが、知り合いの誰かであることは分かっているので、投稿の内容と合わせて身元が推測されてしまう可能性は十分ある。

今回Android版が登場したのでユーザーはまた飛躍的に増加するだろう。

新機能

iOS版、Android版の双方に今回新機能が追加されている。iOS版では画面遷移の間にときおりSecretに友だちを招待するよう勧める画面や現在の友だちの数など表示される(ちなみに私の友だちは652人でSecretの共同ファウンダーBader-Wechselerの656人のすぐ次だ)。

もう一つの新機能はストリームの途中に時折表示されるIcebreakers〔座をなごやかにするもの、知り合いになるきっかけ〕と呼ばれる質問だ。右のスクリーショットでは「いままであなたがやった一番クレージーなことは何?」と尋ねている。Icebreakersの質問を考えているのはSecretのコミュニティー担当チーム(現在は3名)で、ユーザーは自分で質問に答えてもいいし、自分の友だちに尋ねてもよい。

IcebreakersはすでにSecretのコミュニティーで論じられたテーマをヒントにしてユーザーの参加を促そうというアイディアだ。たとえばこの間の母の日には、ユーザーはママについての秘密のエピソードを多数投稿していた。

国際展開

アメリカに登場した後、Secretはカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスという具合に英語圏の諸国へ徐々にサービス範囲を拡大してきた。しかし今日のAndroid版のローンチを機に、地域制限は完全に取り除かれ、Secretは世界中どこからでも利用できるようになった。

当面は英語版のみだが、Bader-Wechselerは私の取材に対して「今年後半には英語以外のバージョンを順次公開する予定だ」と語った。ただし、現在のバージョンはどんな言語でも投稿できるので、同一言語の投稿がグループ化されるという。つまりスペイン語の投稿がドイツ語の投稿t入り混じって表示されないようにする。この分類はユーザーの投稿地域別に行われるようだ。

世界展開の次にSecretが狙うのは何だろう? 匿名のメッセージ・アプリだろうか?

SecretはGoogle Ventures、Kleiner Perkins、Initialized Capital、Fuel Capital、Vivi Nevo、SV Angel、Ashton KutcherのA-Grade Investments、David Sacks、Bill Lee、Pete Cashmore、Joe Montana、Rob Wiesenthal,、Andrew Chen他から1000万ドルの資金を調達している。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


人は「いいね!」だけのために行動するか

人が賛同を切望していることは、誰でも知っている。世間一般の考えでは、「いいね!」や「お気に入り」という形でデジタルな確証を得たがるのは、それが人々を感動させ、自分のソーシャルなステータスを上げた証であるからだ。しかし、匿名アプリ、例えばSecretが示すところによると、人はその賛同に自分たちの名前が付加されているかどうかを必ずしも気にしない。では、なぜ人はそんな「いいね!」だけのために行動するのか。

人間は集団的動物であることを深く刻まれているために、たとえ自分の名前や誉めてくれた人の名前が隠されていても、いかなる外部からの賛同でも喜んで受け入れるからだろうか。

人は匿名サービスのユーザー仲間からコミュニティー意識を感じ、互いに賛同しあうことによってそれが強化されていくのだろうか。

人は、実名「いいね!」に対するパブロフ的反応とそれが自分のステータスを高めるという仮定を身につけた結果、正体不明の匿名の賛同からも、プラシボ的満足を得てしまうのか。

あるいは、モバイル時代はわれわれを、ポケットから聞こえるあの邪魔な騒音を切望させる人間にしまったのか。われわれは、それらの通知が与える生活の束の間の休息が欲しいだけなのか。

“We fear rejection / prize attention / crave affection / dream, dream, dream of perfection”
【日本語版注:上のSpotifyプレーヤーは日本では再生不可】

ともあれ、いいね!に対する欲望は麻薬的だ、麻薬と同様、満足を得るための服用量は多くなり続けるか、ユニークなものが必要になる。

しかし、匿名の賛同がわれわれを満足させ続けられるかどうかは不明だ。それぞれのいいね!は他と区別がつかない。くれたのが最大の親友であれ、遠い知り合いであれ、赤の他人であれ、匿名いいね!からはメタデータの差異がはぎ取られている。それは単なる数字や、一般的なプッシュ通知や、説得力のない「誰かがあなたの秘密にいいね!と言っています」メッセージへと変換される。それは、もはや自分に何かをしてくれるとは言えない。

はじめはスリルを与えてくれたが、時間と共に私の理性的脳みそが作動し始めててこう尋ねた:「何でこんなもの気にするの?」

むなしい時や孤独な時、匿名いいね!はその穴を塞ぎ安らぎを与えてくれる。しかし、私が確固たる自分と自尊心を持ち、自分自身で安心を感じられる時、外的検証は必要ない。道化師を演じて人々の喜ばせる必要はない。考えを持ち、それを自分の中にしまっておくことで満足できる。

ここに、匿名サービスの大きな課題がある。 特定の友達を喜ばせたことがわかった時にスパークする感情電流のアークなしに、匿名サービスはわれわれを再来させるだけのパワーを提供できるのだろうか。

Secretは、コンテキストによって同アプリの重要性が高まることを発見した。「100メートル以内」や「0.5マイル以遠」にいる誰かのSecretを見ることは、「カリフォルニア州サンフランシスコ」と書かれた投稿より興味をそそられる。このコンテキストが、Secretの「匿名」モデルを支えている。他にも匿名の賛同をもっと楽しくする似たようなコンテキストが見つかるかもしれない。

匿名サービスは、われわれが「いいね!」を欲しい時に自発的に投稿するコンテンツに頼っている。もし彼らが、こうした賛同の証を特別なものにし続けることができなければ、誰も見向かなくなるもしれない。

[Image Credit: IHeartTheStreetArtAsuf Hanuka]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook