看護師向けセラピーやベビーフード、食糧支援マップ、新型コロナ禍の困窮者を支援するテック企業

もしあなたが、先週Fortnite(フォートナイト)でトラビス・スコットの活躍を見た1230万人のひとりなら、きっと賛成してくれるだろう。人を元気にすることに際限はないと。TechCrunchのコメント欄によると、ある少年はスコットのパフォーマンスをスター・ウォーズ以上だと言ったそうだ。

Epic Games(エピック・ゲームズ)の人気マルチプレーヤーゲームであるフォートナイトは、このパンデミックの中でもビジネスを普段どおり継続する創造的方法を見つけた例のひとつにすぎない。しかし、このゲームはサイケデリック要素を加えたことで特別な加点を得た。

画像クレジット:Little Spoon

では、新型コロナウイルス(COVID-19)の中で必死に頑張っているテック企業がほかにもたくさんあるので紹介しよう。

シニアとボランティアを結ぶ架け橋

シニア層向けのサービスを提供するスタートアップ、Umbrella(アンブレラ)は、自宅待機命令のために家を離れられない高齢者に生活必需品を届けるボランティア数千人を募集している。配達物の中には非接触食料品や処方箋もある。ニューヨーク拠点の同社はシニアを地元の店舗やサービスと結びつけているが、新型コロナ感染拡大を受け、年間メンバー料金を免除するとともに、シニアと地元ボランティアをつなぐボランティア・プラットフォームを開始した。最近同社は、この取組みを拡大するために、Venture for America(ベンチャー・フォー・アメリカ)と協力関係を結んだ。

看護師の心の健康

看護師の就職斡旋などを支援するTrusted Health(トラステッド・ヘルス)は、オハイオ州立大学看護学部と共同で、今最前線で働く看護師たちの心の健康と福祉に焦点を当てたプログラムを立ち上げた。過去6週間に40万人の看護師が登録した。同プログラムは、心の健康を守るためのホットラインや4~8時間のコーチングと心理療法などのパートナープログラムをスタートした。

科学講座にリアルタイム字幕を

リモート教育は冗談ではなくなった。音声認識サービスのRev.com(編集部注:日本のRevcommとは無関係)は、K-12(年長~高3)の教員向けに文字起こしサービスを提供している。同社は声明で、このリアルタイム字幕はZoomへの統合が可能で、英語が母語ではなく苦労している生徒たちの助けになるだろう、と言っている。サービスは学年度の終わりまで無料で提供される

移民二世と低所得の生徒向けのコーチング

多くの移民二世と低所得家庭の学生にとって、学校閉鎖の影響は春休みの計画以上に大きな問題だ。何万人もの学生たちが、新たな食料、住居、仕事の供給元を探さなくてはならない。飛行機が危険だったり高価すぎるために故郷へ戻れない人たちもいる。大学の卒業に特化した非営利団体であるBeyond 12(ビヨンド・トゥエルブ)はCOVID-19 Virtual College Coaching Corps(COVID-19バーチャル・カレッジ・コーチング・コープス)をつくるための基金を開始する。これは、卒業が危ぶまれている学生の精神的・社会的・学問的支援に重点をおいた支援プログラムだ。同社は、過去2週間に30万ドルを集め、現在新たなコーチ20名の雇用と登録学生2万人を目標にしている。

隔離?大丈夫、ひとりじゃない

非営利のソフトウェア会社、Astra Labs(アストラ・ラブズ)は新型コロナの影響と戦う人たちを支援するウェブサイト、Isolatednotalone.comを立ち上げた。このサイトはこれまで見てきたホットラインや疾病対策センター(CDC)を詳細する取り組みとは少々異なり、パンデミックが原因で生じた困難な疑問に答えてくれる。愛する人が新型コロナで亡くなったことを知りました、どうすればいいでしょう? どんな葬儀ができるのか? 私が次にすべきことは何なのか? 等々。

レストランのための非接触ソリューションを無料で

テイクアウトを電話注文した客がレストランに受け取りに行くと、昔ながらのクレジットカードと署名(つまりウイルス)のやりとりがある。画面やペンの共有を避けるために、サンフランシスコ拠点で2012年設立のCardFree(カードフリー)は、同社のモバイル・オンライン注文システムを3ヶ月間無料でレストランに提供している。対象は中小規模の店で、このソフトウェアによって「サードパーティー配達アプリの仲介手数料を削減できる」とCardFreeは言っている。

Instagramの科学インフルエンサー全員集合

イタリア・ベニスのスタートアップで科学に基づくプロバイオティクスを製造しているSeedは、Instagramを通じて無料科学教室を開設した。ベンチャーキャピタルが支援する同社は、新型コロナの中で微生物はどのように働くか、という今ますます重要になっている複雑なテーマについて教えている。講座は全6週間。

スプーンで伝える善意

消費者直販ベビーフード会社で、セリーナ・ウィリアムズが支援するLettle Spoon(リトル・スプーン)は、子どもたちの食事に苦闘する親たちに無料または割引価格で食事を提供している。同社はフードバンクの全米ネットワークであるFeeding America(フィーディング・アメリカ)にLittle Spoonのベビーフード10万ドル分を寄付し、医療従事者向けにディスカウント販売している。さらにLittle Spoonは、雇用者と共同で、従業員の子どもたちにヘルシーで手頃価格のキッズミールを提供する取組みも行っている。

感情を話し合うフォーラム

このところ誰もが感じている感情の起伏の中には、Twitter(ツイッター)の280文字や仕事用のSlackグループでは表せないものがたくさんある。Now&Me(ナウ・アンド・ミー)は、感情の山や谷をみんなと共有するための話し合いの場をつくった。匿名でも投稿できる。共同ファウンダーのDrishti Gupta氏は、「オーケーでなくてもオーケーだと知ることが、元気になるスタート地点だ」と言う。

クラウドソーシングでつくる食糧支援マップ

このパンデミックは、世界中の食糧危機に試練を与えている。人権と栄養価の高い食品に特化した慈善団体であるWhyHunger(ホワイ・ハンガー)は、10x managementと同社ソフトウェアチームの協力を得て、米国全土にわたる無料食事提供場所のインタラクティブマップを作った。ソフトウェアエンジニアのGreg Sadetsky(グレッグ・サデツキー)氏とColin Wren(コリン・レン)氏がクラウドソーシングのオープンソースマップの開発に協力した。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

企業による銀行利用の現代化をめざすSeedがまずAPIを公開

【抄訳】

Seedは、企業にとって銀行は透明性を欠き、費用が高く、時代遅れだ、と考えている。Y Combinatorの2015年冬季クラスの‘生徒’だったSeedは、CEOのBrian Merrittによると、銀行をAPIの時代にふさわしい形に洗いなおし、無用な手数料をなくし、銀行を使いながら事業を創業し管理していくことをできるかぎり簡単にしたい、と願っている。

Merrittと協同ファウンダのRyan Hildebrandは、消費者向け銀行サービススタートアップSimpleの出身だ。Simpleは、2014年に1億ドルで買収された

同社はしばらくステルスで操業していたが今日(米国時間2/17)バンキングAPI(銀行利用API)のベータを公開してスタートアップの表舞台に登場した。ただし利用できるのは当面合衆国のみで、デベロッパは自分のアプリ/アプリケーションやツールなどにSeedの銀行利用サービスを組み込める。

バンキングAPIってなんだろう? それはSeed自身が、自分が顧客に提供する各種サービス(Webアプリケーションとモバイルアプリ)の機能を実装するために使っているAPIの集合だ。言い換えるとそれは、Seed自身のデジタルの構造体そのもの(の公開)だ。

Seedは自分自身のクライアントアプリケーションを3か月〜6か月後に立ち上げる予定だ。サービス本体の立ち上げよりもAPIの公開が先、というのは珍しい。

本誌TechCrunchのオフィスにMerrittをお招きして同社のローンチと、その存在理由についてうかがった。

Seed自身は銀行ではなく、むしろ「銀行へのインタフェイス」だ。インタフェイスだから、銀行がやってるサービスは何でもSeedから…より便利に…利用できる。たとえばSeedが提供する預金保険は、FDICの標準の25万ドルに対して最大5000万ドルまでだ。

同社は今日の発表声明で、“国内送金手数料は無料、手形交換手数料は無料、小切手送金手数料は無料、国際決済手数料は小額”、を約束している。Seedの収入源としては、多くの企業向けスタートアップと同様に、年〜月会費を予定している。

【後略】

FEATURED IMAGE: HAKAN DAHLSTROM/FLICKR UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ポーランドのSeed Labsが超簡単なIoTチップを開発…IoTのカンタン化だ

ホームネットワーキングのプロトコルは今非常に多様化しているが、でも本当に検討に値するものはわずかだろう。Wi-Fiは使えるがダウンすることがあるし、ZigBeeなどはあまり広くサポートされていない。でもBluetooth Smartは、ローカルでセキュアでしかも使いやすい。Seed Labsも、家の中のあらゆるもの…電球、ブラインド、湯沸かし、などなど…を制御するためにこれを使っている。

このポーランド出身のスタートアップが作ったものは、小さなチップ(上図左)で、サイズは切手ぐらい、厚さは切手の倍ぐらいか。これを、どんな器具にでも放り込むのだ。するとその器具は、Bluetooth Smart対応のスマートフォンに自動的に表示され、ユーザはそれらの電球や湯沸し器や窓のシャッターなどをコントロールできる。この、われわれのホームネットワーキング観を革命的に変える…超単純化する…製品は、消費者直接ではなく、家電メーカーなどの企業が顧客だ。

Seed LabsのCMO Marek Wierzbickiはこう語る: “近未来にはわれわれの身の回りの物すべてが、ソフトウェアで定義されるようになる、とわれわれは確信している。今のわれわれは大量のガジェットに囲まれているが、でも、電球、湯沸かし、スイッチ類、シェードなど、それらのどれひとつとしてネットワークに接続されていない。IoTがギークたちのものだとは、思いたくない。ふつうの人がネットワークに接続された製品を快適に使えるようにしたい”。同社は今、サンフランシスコにある。

同社はこのチップを、器具のメーカーにライセンスし、ポーランドのクラクフでソフトウェアを作る。

“われわれはBluetooth Smartに、IoTの技術を抜本的に変えるものとして賭けている。われわれは、そのためにきわめて使いやすいソフトウェアを作る。現状では、そのほかのIoT企業は面倒で使いづらい通信プロトコルを使っている”、とWierzbickiは述べる。

同社のデモには、説得力がある。そのチップが器具の中で動いていれば、スマホ上のアプリには制御に必要なインタフェイスが現れる。何時にお湯が沸いてほしいか、とか、電球をリモートで消す/点けるなどのコントロールができる。ネットワークに加わったデバイスをシステムが自動的に記憶するから、人間がセットアップすることは何もない。インタフェイスのデザインも独特で、たとえばその物が近くにあることや、それの動きなどを感知するNestふうのノブなどがある。

チップはiBeaconにも対応しているので、iPhoneとリアルタイムで対話できる。同社は今日(米国時間9/12)、チップの一般的な可利用性と、100万ドルのエンジェル投資が完了したことを発表した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))