ここまで進化したGoogle自動走行車―新しいビデオを公開

Googleはその自動走行車テクノロジーがこの1年でどれほど進歩したか紹介する新しいブログ記事とビデオを公開した。現在、自動走行車プロジェクトは、状況が比較的単調なフリーウェイから、混雑した市街地の複雑な状況に対応して安全に運転することに重点を移している。

Googleが自動走行車に搭載しているソフトウェアは、何百もの路上の対象をすべて同時に正しく認識することを目的としている。交差点を渡りかけている歩行者、手で曲がることを合図する自転車、路上の高いところに掲示された一時停止の標識など路上には無数の異なる対象がそれぞれ異なる規則のもとに存在している。Googleによれば、Google自動走行車は、常時注意を怠らず、油断することも疲れることもないので、たいていの場合、人間の運転者より安全だという。

実用化までにはまだなすべきことが数多く残っているとGoogleは言うが、このプロジェクトはすでに70万マイル(112万キロ)も自動走行車を走らせている。これは地球を28周するほどの長さだ。

〔日本版〕ビデオの0:30あたりからGoogleカーは以下のような状況に対応した判断をしている。

・「この先工事中」の標識を読み取ってあらかじめレーンチェンジ
・赤い誘導コーンに従って通り抜ける
・駐車しているトラックを安全な間隔を取って避ける
・踏切で一時停止し、前の車が踏切から出て十分な余地ができるまで待つ
・自転車ライダーのハンドシグナルを読み取って減速
・交差点で右折(日本なら左折)するとき、後ろから来る自転車の列が通り過ぎるまで待つ

http://tctechcrunch2011.files.wordpress.com/2014/04/screen-shot-2014-04-28-at-8-44-42-am.png?w=209&h=157&crop=1

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


自己運転車を研究開発しているのはGoogleだけじゃない–自動車AIのベテランMobileyeが評価額$1.5Bで$400M増資

自己運転車とか自律型車両に関してはGoogleに多くの関心が集まるが、でもこの世界の選手はほかにもいろいろいる。今月の初めにはイスラエルとオランダの先進的運転者介助技術の企業Mobileyeが、“自己運転車は2016年に実用化される”、と主張した。Googleのはレーダーやカメラ、センサ、レーザーを使うレンジファインダ(距離測定)など機能山盛りだが、Mobileyeは数百ドル程度のふつうのカメラだけを使って、安上がりに自律運転機能を実装するつもりだ。

Audi A7などが搭載しているMobileyeのシステムは、Googleのような“自律”機能ではなく、高度な運転者介助技術だ。業界の専門家たちは、運転者のいない車の実用化は2025年ごろ、と予想しているが、進んだ運転者介助技術の普及は、それよりもっと早いだろう。たとえばカメラを使ったインテリジェントな“交通アシスト”技術は、同社が提携している大手自動車メーカー5社がこの夏実装する。そして同社の現在の株高を、同社自身が好機として利用したい意向だ。

そこでMobileyeは今日(米国時間7/7)、4億ドル相当の新株を同社との融資投資関係のない投資企業5社に売却する、と発表した。今朝のプレスリリースによると、5社の中には、“合衆国最大のグローバルな機関資産管理企業と中国の政府系大手投資企業が含まれる”、という。この取引における同社の投資前評価額は15億ドルで、監査をGoldman SachsとMorgan Stanleyが行い、完了は8月と予測される。

同社は増資のタイミングを、規制当局からの現状の支持と、グローバルな安全性基準の進歩のせいでもある、という。新しい安全性基準により自動車メーカーは、インテリジェントな運転者介助技術の導入を加速している。

Mobileyeは1990年代に創業され、Google同様、主たる関心は人口知能技術にあって、中でもとりわけ、カメラのインテリジェンスの向上を利用した自律運転技術による、運転者介助に力を入れてきた。車を作ることは志向していない。同社の技術はさまざまな機能でテストされてきたが、とくに注力しているのは運転者による衝突の回避だ。

The New York Timesによると、過去に同社の技術は、Volvoの“運転者の死角における歩行者や他車両発見警報”機能に実装されている。

この夏のMobileyeのシステムは、断続運転時の運転者のハンドル操作を介助する。ただし自動運転ではないので、ハンドルはあくまでも運転者が操作する。そして今年中に実用化される次の技術では、ハンドルから手を離すことができるようになる。

今後同社は、車に搭載するカメラを複数にすることによる、運転介助技術の高度化について実験をしていく計画だ。それは、GoogleのSergey Brinが約束している完全な自律運転車に、また一歩近づくものかもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))