ゼンハイザーがカスタムイヤフォン作成で3DプリントのFormlabsと提携

3Dプリントは過去10年で大きな進歩を遂げたが、この技術が主流になるかどうかについてはまだ疑問が残っている。一方で医療機器は大量生産されておらず、高度なパーソナライズが必要とされるため、非常に説得力のあるユースケースとなっている。たとえば矯正歯科などは、そのスイートスポットに該当するものの好例だ。

オーディオにもまた、多くの可能性が秘められている。たとえば装着者の耳のためにカスタムデザインされたイヤフォンを想像してみよう。この技術はこれまではハイエンドモデルでは利用できていたが、3Dプリントはこの技術をより幅広く普及させられるようになる可能性がある。

Sennheiser(ゼンハイザー)は今週、カスタムイヤフォンの3DプリントにFormlabsの技術を活用するパートナーシップを発表した。具体的には、ゼンハイザーは主に歯科用途に利用されている生体適合性材料のForm 3Bを使用する予定だ。製品の詳細は明かされていないが、同社のAMBEO部門がこの技術を使ってカスタムイヤフォンのイヤーチップを作成する予定だという。ユーザーはスマートフォンで自分の耳をスキャンし、それを送ってイヤーチップをプリントしてもらうことができる。

画像クレジット:Sennheiser

「Sennheiserとの技術提携は、製品開発においてよりカスタマイズされたユーザー中心のアプローチを可能にし、顧客が好きなブランドとの関わり方を変えることを目指しています」と、Formlabsのオーディオ部門を率いるIain McLeod(イアン・マクロード)氏はリリース文で述べている。「Formlabsは幅広い業界知識とスケーラブルなソリューション開発により、ユーザーに具体的なイノベーションを提供します。今回のケースでは、SennheiserのAMBEOチームと協力して他に類を見ないアクセス性の高いカスタムフィットエクスペリエンスを提供しています」。

製品はまだプロトタイプ段階だ。このような提携はヘッドフォンメーカーにとっては簡単なことのように思えるが、価格や拡張性などいくつか大きな問題点もある。明らかにこのような製品は標準的なイヤフォンよりも高価だが、このような目新しさを考えれば高価すぎるわけではない。

リリースでは「手頃な価格でシンプルなソリューションが、カスタムフィットイヤフォンを大量に3Dプリントすることを可能にしました」と述べている。それが本当に手頃な価格になるのかは、今後を見守る必要がある。

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画像クレジット: Formlabs

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

ゼンハイザーのオンカメラマイクMKE 200はホームビデオ会議用に最適

Sennheiser(ゼンハイザー)が、新しいオンカメラ型指向性マイクをリリースした。このコンパクトなMKE 200(99.95ドル、約1万600円)は、小型でポータブルなパッケージに、たくさんの利便性とパフォーマンスを詰め込んでいる。どこででもVLOG(ビデオログ)を作成するのに最適だし、自宅でのビデオ会議環境に、安価でありながら素晴らしいアップグレードをもたらしてくれる。

基本情報

MKE 200は、カメラのアクセサリーシューに直接取り付けることができる超指向性マイクだ。オンカメラ型のほとんどのショットガンマイクとは異なり、その形状は長いチューブ型ではなく、長さ3インチ(約7.6cm)未満の短いずんぐりしたものだ。軽量かつ小型であり、携帯性を追求するためにウィンドスクリーンとショックマウントは組み込み済だ。

MKE 200の前面には、カメラのマイク入力への安全な接続を可能にする3.5mmオーディオポートがある。付属品として、ゼンハイザーは思慮深くTRS(3極)とTRRS(4極)の両方のケーブルを同梱している。つまり、追加のケーブルを買うことなく、市場に出回っているほぼすべてのDSLR(デジタル一眼レフ)、ミラーレスカメラ、あるいはスマートフォンに接続することができる。

MKE 200は、必要なすべての電力をそのケーブル接続から取り込む(プラグインパワー)。つまり、バッテリーや充電について心配する必要はない。また、屋外での撮影時の風切り音を最小限に抑えるための、ふわふわした外付けウィンドスクリーンと、持ち運び用の柔らかいキャリングポーチも含まれている。

画像クレジット:Darrell Etherington

デザインとパフォーマンス

MKE 200のデザインはシンプルで、この場合はそのシンプルさがとても良い。コンパクトな形状と頑丈な構造により、軽量でありながら耐久性にも優れていると感じさせる。つまり、比較的低コストであることと合わせて、これはあまり深く考えずにバッグに放り込むのに最適なマイクであることを意味している。軽量の機材で屋外に出ていくときにも最適だし、あるいは自宅のZoomやビデオ撮影環境で、内蔵ウェブカムよりも良いカメラを使う際に、どんなに軽いカメラの上に装着するとしても完璧なキットだ。

単一ケーブルを使いバッテリーが不要であるMKE 200の特徴は、アクセサリーシューマウントに固定して、ケーブルを差し込む以外に何も心配する必要がないことを意味している。ゼンハイザーは、このシンプルさをそのパフォーマンスにまで徹底するという優れた仕事も見せてくれる。単に箱から出して、ディフォルトのオーディオ設定のままでつないでも、私のSony製α6400は、素晴らしい音を取り込んでくれた。

ネジ溝が切られた3.5mmステレオコネクタについては、絶対に必要というわけではないものの、ゼンハイザーが高い評価を得ているのはこうした細やかな品質のおかげだ。ネジで固定されることによって、気にする必要のある障害点が1つ少なくなる。そう、ケーブルが誤って何かに引っかかって、カメラ側から抜ける可能性は残るが、マイク側から抜けることはない。

ゼンハイザーが同梱している、ふわふわしたウインドスクリーンは、また別の便利なおまけだ。これはマイクの本体全体を覆う靴下のようなもので、風切り音をうまく除去してくれる。他のマイクメーカーが、しばしば別売りのアクセサリーとして提供しているものを目にすることがあると思う。それが100ドル(約1万6000円)未満の製品に始めから含まれているのは素晴らしい。

まとめ

ゼンハイザーMKE 200は、状況を理解して幅広いカテゴリの顧客ニーズに完全に適した製品を提供する企業による、素晴らしい例だ。100ドル(約1万6000円)未満の本製品は、およそすべてのアマチュアクリエーターのためのツールキットとして、素晴らしくほぼ衝動買いレベルのものといえる。それは、より高価な専用のオンカメラショットガンマイクがカバーできる範囲や、高いオーディオ品質は持っていないかもしれないが、あらゆるVLOGや至近距離でのインタビューアプリケーションのために使えるパワーを提供してくれる。そしてリモートビデオ会議、教育、イベントなどのニーズのためのウェブカメラとして、どんなコンパクトミラーレスやDSLRカメラを使おうとも、完璧な組み合わせを演じてくれるという点で、この発売タイミングは特に絶好のものとなった。

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タグ:Sennheiser レビュー

画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:sako)