価値のあるリンクを惹きつける、インタラクティブなコンテンツ5種類

SEOにおいて被リンクは今でも重要な要素であり、可能な限りの構築を目指したいところです。

しかし、以前と違い人工リンクや相互リンクは無価値となったため、自然に構築されるリンクが求められています。

その手段として、「良いコンテンツを公開すれば、質の高いリンクが集まる」という考えがありますが、ハードルは常に高いです。

そんな「リンク施策としてのコンテンツマーケティング」を「インタラクティブなコンテンツ」に限定したSearch Engine Journalの記事を紹介します。コンテンツマーケティングのアイデアとして参考になれば幸いです。


リンクビルディングの手法で優位に立ちたいのであれば、競合サイトが構築できない、もしくは、彼らが同じ手法を使うことが困難な手法を作り出す必要がある。

つまり、「他者とは異なることをする」ということだ。

ゲスト投稿やリソースとなるコンテンツの作成などでは、競合サイト以上の戦略とは言えない。また、ニュースジャックのような高価値を生むPR戦略も、その機会を待たなければならないのであれば、効果を予測することは困難である。

十分な量の優れたリンクを獲得できる戦術の1つが、コンテンツマーケティング、もしくは、デジタルPRである。

考え方はとてもシンプルだ。

「優れたコンテンツを作成し、正しい人々がそのことを知っている状態を作る」

ジャーナリスト、ブロガー、Webマスター達がリンクを張りたい(「張りたい」ということが重要だ)と思うコンテンツをあなたが用意できれば、その結果はサイトのグロースに直接貢献することだろう。

また、そうしたコンテンツは、様々な形態をとる。静的なビジュアルコンテンツからインタラクティブなコンテンツまで(インフォグラフィックは今でもリンク獲得に貢献する)。

この記事では、特に後者のインタラクティブなコンテンツを取り上げる。サイトのグロースに直接貢献する価値の高いリンクを獲得するための、実績のあるフォーマットの紹介や成功体験を共有したい。

こうしたインタラクティブなフォーマットの何がリンクを惹きつけるのか、効果的なプロモーションは何かなどを、コンテンツの作成における様々なアドバイスと共に紹介しよう。

1.ツールと計算機

ツールと計算機は、成功すれば、高品質なリンクを多く獲得する方法として最も効果的な手法と言える。

しかし、単純なアイデアであればすぐに廃れてしまい、新しい価値を提供することもない。

成功のためには、真にユニークなコンセプトでツールと計算機を構築しなければならない。

何らかのアイデアを思いついた場合、「どのような価値をユーザーに提供することができるのか(また、サイテーションのリソースとして)」を自身に問いかけよう。2回、3回と問いかけ、同様のアイデアがすでに存在していないかを確認するのだ。

簡単な例を見てみよう。

Money Saving Expertが作成した、住宅ローンの計算機を見てみよう。Ahrefsのデータによると、337のリンクをユニークなドメインから獲得している。

悪くない結果だ。利益が見込まれるキーワードにおいて、このサイトが上位に表示されていることに大きく関与しているはずだ。

非常に優れたコンテンツであるし、リンクを獲得できるのも頷ける。実践的で有用なツールとして紹介されることも多いだろう。

改善の余地はあるだろうか。おそらくない。ほぼ完璧といえる。

そのため、同様の機能を持った新しいツールを作成しても、リンクを効果的に獲得することは難しいだろう。

しかし、ここで注目を止めてはいけない。

ツールや計算機は大きな結果を生む可能性がある。ツールをローンチする際は、下記の項目を確認しよう。

  • ユニークであること
  • 価値を付与すること
  • 人々の間で話題になること
  • 廃れないこと

そのツールがどのようにしてリンクを惹きつけるのか、自身に問いかけよう。

片時も、考えを逸らすことはないように。あなたのオーディエンスは、そのツールや計算機のフォーマットに対して、何らかの価値を見出すのかどうか、考える時間を取ってみよう。

リンク獲得という観点で、成功したツールの例を紹介しよう(有益なツールで、エンターテインメントな要素を含んだツール)。

こうした例を見てみると、様々な方法でツールの作成は可能であるという気付きが得られる。シンプルだがエンターテインメントの要素があるツールから、あなたが提供する商品の核となるほど複雑なツールまで。

付加価値の提供と、今までにないツールという観点に注力しよう。

ツールや計算機の作成は、非常に大きな成果を得られる場合もある。

あなたのツールが解決することができる問題について話されているコンテンツへのアプローチを忘れてはならない。こうしたコンテンツの読者に対し、付加価値を提供しよう。

2.ゲームとクイズ

インタラクティブなコンテンツを作成する際、何らかの面白みを持たせたいだろうか。

オーディエンスからのエンゲージメントを発生させ、また、そのコンテンツを共有してくれる記事からリンクを得られるような、あなたがローンチできる楽しいゲームやクイズについてのアイデアを考える時間を作ってみよう。

ゲームとクイズの唯一の弱点は、リソース過多になりがちであるということだ。それ故、ローンチまでの時間は長くなり、求められる投資も大きくなるだろう。

おそらく、BtoBよりはBtoCに適しているだろう。ゲームとパズルは、コンテンツマーケティングに面白みという要素を追加する。

また、ソーシャル、Eメールのサインアップなどでも印象的な結果をもたらすだろう。

しかし、どこから始めたらいいのだろうか。

おすすめの方法は、オーディエンスがあなたについて知っているトピックをブレインストーミングすることだ。彼らがあなたのブランドについて想起することはなんだろうか。

ここから始めることで、「彼らの関心を得るために何をローンチすべきか」についてのアイデアやコンセプトを生むことができる。

ここでの限界は、あなたの想像力次第であるということだ。

ターゲットオーディエンス(あなたの友達、このプロジェクトに参加していない同僚、つながりのあるジャーナリストなども対象となる)への確認を、プロジェクトを本格的に開始する前に行おう。

リンク獲得という観点で優れた結果をもたらした、ゲームやパズルの例を挙げてみよう。

見込み顧客が関心を持ち、リンクを貼ってくれるような切り口に注力しよう。

多くの場合、「ブランドXがゲームYをローンチした」はパブリッシャーにとっての良い宣伝文句ではない。

しかし、そのゲームをプレイしたり、クイズに興じたりしているユーザーのデータを集めていたらどうなるかを想像してほしい。

突如として、より多くの興味を引きつける宣伝文句となるはずだ。

「40%のユーザーだけが、この確実に知っておくべき道路標識の意味を正確に把握している」という見出しは、「カーディーラーが道路標示機のクイズをローンチした」という見出しと大きく異なるだろう。

開発に入る前に、あなたが取るべき切り口について考えてみよう。バズを発生させる手助けとなる切り口を発見することができれば、より多くの価値をもたらしてくれるはずだ。

3.インタラクティブなマップ

なぜ、マップをインタラクティブにする必要があるのか。理由は単純だ。

特にモバイルにおいて、静的なマップは最も消費しにくいフォーマットのコンテンツの1つであるからだ。

マップは、国ごとに分割したデータを表示させる優れた方法である。優れたリンクの獲得の手助けとなる、実績のある効果的なコンテンツのフォーマットである。

しかし、ユーザーがズームをしたり、指の操作で周辺の地図を見たりすることを可能にしなければ、ユーザーフレンドリーのフォーマットとは言えないだろう。

そこで、マップをインタラクティブなコンテンツへと変容させれば、ズームや周辺地図の確認をユーザーが容易に行えるようになる。国ごとにホバー(クリック)すると追加のデータが表示させるといった機能も魅力的だ。

なぜ、マップはリンク獲得の目的のための優れたフォーマットとなり得るのか。

我々は自国を他の国々と比較することが好きなのである。特に、その国々の主要な特徴を表す切り口からの事実であれば、なおさらだ。

ここで、興味深く、エンゲージメントを発生させるインタラクティブなマップベースのコンテンツを紹介する。これらは皆実績があり、あなたのコンテンツ作成の参考となるはずだ。

おそらく、マップコンテンツが旅行系のブランドで人気があることは偶然ではないはずだ。

しかし、マップコンテンツは、自動車業界から金融業界まで、多くの業界で成功している実績がある。

おそらく直面するであろう課題は、興味深いデータソース、全地域や大陸間や国ごとに比較可能なデータを、興味深い切り口で発見することだろう。

この課題を克服することができれば、目標を達成し、魅力的なリンクを獲得するキャンペーンを行うことができるはずだ。

4.インデックス(索引)コンテンツ

一級品のWebサイトからのリンクを獲得するためには、データドリブンなコンテンツの作成が効果的だろう。

データを活用し、興味深いストーリーを作成する際は、複数の切り口を考えてみよう。特に、インデックスのフォーマットを用いることを検討してみよう。

単純なまとめ記事を指しているのではない。そこからストーリーを導き出せるデータドリブンな調査や研究をイメージしてほしい。

インディセスタイプのコンテンツの場合、データセットを調査し、インデックスのフォーマットを活用した場合に順位付けが可能な要素を組み合わせることができるかを考えてみよう。

一方、このようなケースではインフォグラフィックやブログ記事のように、それらを静的なフォーマットでローンチすることを考えてしまいがちだ。

しかし、インタラクティブなフォーマットでローンチした場合、ユーザーにとっての以下のメリットが得られる。

  • データ自体の調査
  • ランキングの順番の変更
  • マップとの連携
  • その他

インデックスのフォーマットを作成し、それらをインタラクティブなフォーマットに落とし込む方法は複数ある。

具体例を挙げてみよう。下記は、リンク獲得という意味において、優れた実績を残したコンテンツである。

5.インタラクティブなインフォグラフィックとレポート

インフォグラフィックは過去のものだと言う者もいるが、まだ捨てたものではない。

コンテンツのフォーマットにかかわらず、優れたストーリーとヘッドラインが、成功を導くキーである。2020年でも、インフォグラフィックはキャンペーンにとっての正しいフォーマットとなりうるのだ。

しかし、より効果的なのは、インタラクティブなインフォグラフィックをローンチすることや、静的なレポートをインタラクティブなコンテンツにすることなのである。

インタラクティブなコンテンツが効果的な理由はいくつかある。

  • ユーザー体験を強化する
  • ユニークな方法でデータを表示する
  • 非常に優れたコンテンツを作成することができる

静的なコンテンツでは得られない柔軟性を手にすることができるだろう。

静的なコンテンツや比較的データが不足しているコンテンツは、複数ある方法の中でも、もっとも手がつけやすい領域と言えるだろう。

また、下記の項目に注力することで、柔軟性を得やすくなるはずだ。

  • 創造的である
  • 正しい方法でデータを示す
  • デスクトップと同様、モバイルでもきれいに見えるよう、レスポンシブ対応にする。静的なビジュアルの場合における最も大きな困難を避ける。

実例からアイデアを得たいだろうか。

下記に、インタラクティブなインフォグラフィックとレポートの例を挙げる。

リンク獲得の手段としてインタラクティブなコンテンツの作成に取り掛かっていないのであれば、簡単なインフォグラフィックやレポートは始めるにうってつけのフォーマットだろう。

ここで紹介した例のように、シンプルなコンテンツでも多くのリンクを得ることができる。もちろん、その背後には素晴らしいストーリーが待っている。

まとめ

インタラクティブなコンテンツを作成するきっかけとなっただろうか。

高品質なリンクを多く得るための方法は他にもあるが、作成するコンテンツの背後にある優れたストーリーを意識することで、より大規模な施策を行うためのフォーマットを常に探し続ける姿勢を得られるはずだ。

調査概要

  • 期間:3ヶ月
  • 結果が得られるまでの期間:3ヶ月~6ヶ月
  • キャンペーンごとの平均獲得リンク数:25以上

必要なツール

  • Ahrefs
  • Gorkana、Cision、Vuelioなどのメディアのデータベース(必須ではないが役に立つ)

得られる結果

  • 権威のあるリンクを多く獲得することができる。PRを基軸とした戦術では得られないメリットであり、競合サイトが再現することが困難な方法である。
  • リンクの獲得のみならず、ブランド認知、リファラルトラフィック、新規オーディエンスの獲得機会も得られる。
この記事は、Search Engine Journalに掲載された「5 Types of Interactive Content to Attract Valuable Links」を翻訳した内容です。

コンテンツ作成の目的をリンク構築のみに限定したとしても、自ずとユーザーには目を向ける必要があるため、結果としては同じ考えに至るのかと思いました。

すべてて海外の事例となりますが、記事中にあったコンテンツはどれも興味深く、いい気づきを得られたと思います。

ツールやインフォグラフィックは特に工数が必要となりそうですが、とびきりのアイデアがあれば、是非チャレンジしてみたいですね。

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投稿 価値のあるリンクを惹きつける、インタラクティブなコンテンツ5種類SEO Japan|アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ に最初に表示されました。

【調査結果】meta descriptionとブランド認知はクリック率へ大きな影響を及ぼす

Googleの検索結果の仕組みはブラックボックスとなっており、我々はその内容を推測することはできても、完全に解き明かすことはできません。

しかし、仕組みは理解できずとも、その仕組みによってもたらされた結果やユーザーの反応から、「どのような取り組みをすべきか」は推測できます。

今回は、Googleの検索結果におけるクリック率について、500人以上のユーザーにアンケートを取った調査データとなります。

「ユーザーは何をもってクリックするかどうかを決めているのか」の参考となる記事です。

調査回答者によると、リッチリザルトはGoogle検索の改善に寄与していることに同意している。

Ignite Visibilityが実施した調査によると、ユーザーが検索結果をクリックするかどうかは、meta description・ブランド名・ページタイトルの要素が順に影響しているとのことだ。

回答者の3分の2は、広告が増えるとGoogleを使いたくないと答えており、大多数は、Googleが強調スニペットやその他の検索機能を含めることによって、検索結果を改善していることに同意している。

今回の調査は、25歳から60歳までの500人以上の参加者を対象に調査を行ったものである。

クリック率へ影響する最大の要素

検索結果の要素のうち、どの要素がクリックの意思決定に最も影響を与えるかを尋ねると、回答者は以下のように答えた。

  • meta description:62.9%
  • ブランド名:24.2%
  • タイトル:13%

ただし、やや矛盾した調査結果として、55.1%の参加者は「検索結果では、知っているブランド名だけをクリックする」と答えている。

ユーザーは検索結果が改善されたと感じている

参加者の過半数(58.5%)は、「2019年1月の検索結果よりも、現在の検索結果(2019年12月)の方を好む」と答えた。

また、参加者の55.5%は、「強調スニペット及びその他の検索機能の追加は、Googleの検索結果を改善している」と答えた。

広告がより多く表示されることは、ユーザーの離脱を促すのだろうか

参加者の3分の2(66.7%)は、Googleが検索結果に広告を増やすと、Googleの使用を減らしたいと考えているようだ。

この調査結果は、2018年12月に公開された調査の結果と矛盾している。

過去の調査では、回答者の75%が、「探している情報を簡単に見つけることができる」と答えている。

Ignite Visibilityの調査参加者の約67%が、他社の指名検索への広告出稿に反対している。

この調査結果は、大多数のユーザーが見知ったブランド名だけをクリックするという他の調査結果と一致しているものである。

なぜ我々はこの調査結果を考慮すべきなのか

調査によると、ブランドの認知はクリック率へ2番目に大きな影響を及ぼす。それは、一部のユーザーにとっては、クリックする・しないという意思決定の要因になりうる。

また、ブランドの認知度を高めることは、SEOの取り組みを補完するものであり、その逆も同様である。

ブランド認知への取り組みは、検索結果における可視性(発見されやすさ)を高めるといえるだろう。

調査では、説得力のあるmeta descriptionの記述の重要性も強調されていた。

Googleはコンテンツの内容とmeta descriptionの食い違いがある場合、meta desriptionを置き換える。そのため、サイト運営者とSEO担当者は、meta descriptionが検索意図と一致するように努める必要がある。

ユーザーが最新の検索結果ページの機能を好む場合、企業はそれに適応する必要がある。検索における可視性(発見されやすさ)を回復したいのであれば、リッチな検索結果を踏まえた上でコンテンツを設計することだ。

ユーザーは検索結果内に、より多くのリスティング広告を掲載することに反対するかもしれないが、Googleのエコシステムはプルファクターであり、さらに広告を追加しても、ユーザーが行動を変えるのに十分なプッシュファクターとはならない。

※プルファクター:引き付ける要因 プッシュファクター:押し出す要因

「ユーザーはmeta descriptionを見てクリックするかどうかを決めている」というのは、驚くべき結果ではないでしょうか。

コンテンツの内容は当然重要ですが、SEOにおいては「検索結果でどうみられるか」も同様に重要です。

また、ブランドの認知度がクリック率に寄与することからも、SEOはそれ単体で見るのではなく、マーケティング戦略全体から俯瞰することが重要と言えます。

年々すべきことが増えている印象を受けるSEOですが、こうしたユーザーの反応を見て、実施・改善のサイクルを回していきましょう。

※参考:500万の検索結果を分析した結果、自然検索のクリック率についてわかった10の事実

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「SEOは死んだのか?」、データから考えるSEOの滅亡論

Googleのアルゴリズム変更やダイレクトアンサーの増加など、SEOを取り巻く環境は日々変化しています。

以前は通用した施策が、今日では通用しなくなる場合も珍しくなく、情報やアイデアを常にアップデートする必要があります。

こうした状況を指し、「SEOは死んだ」と言われることもありますが、ニール・パテル氏がそうした状況に一石を投じています。今でもブログへの流入数を増やし続けているパテル氏が、「SEO滅亡論」に対しどのように考えているか、この記事で紹介しています。


SEOは長年にわたって、劇的な変化を遂げている。

2010年には、Googleは516回のアルゴリズムの変更を行っている。2016年にその数は1,653回まで増加し、2018年には3,234回まで増加している。ここ数年間のデータはないが、その回数は上昇し続けていることが予想できる。

1日あたり9回以上アルゴリズムが変更されることを考えると、Googleを不正に操ったり、その穴を見つけたりすることは簡単でないと言えるだろう。

つまり、SEOは死んだということなのか?

その問いに答えるために、データを確認しよう。そのデータから導き出した、あなたがすべきことをお伝えしたいと思う。

SEOは死んだのか?

一日あたり、Googleでどのくらい検索されているか、ご存知だろうか?

約56億回だ。

年間では約2兆回となる。

多くの検索が行われているが、多くのコンテンツが作成されているという現状もある。

Web上には数十億のブログが存在している

非常に多くのブログがあるため、あらゆるトピックに対し、過剰なまでの情報量があると言えるだろう。

例えば、「デジタルマーケティングとは(What is digital marketing)」というロングテールのキーワードを見てみよう。世界中で月間11,300回しか検索されていないが、この問いに答えようとするコンテンツは665,000もある。

 

言い換えると、供給が需要を大幅に上回っているのだ。

検索ボリュームが多いキーワードでも、この傾向は見られる。「バナナ」を例に挙げてみよう。

世界中で640,300回検索されているが、880,000,000の検索結果がある。もちろん、これらの中で、食べ物の「バナナ」について書かれていないコンテンツもあるだろう。

しかし、検索ボリュームに対してコンテンツの数が多すぎるという状況に変わりはない。

コンテンツの数に対して検索ボリュームの方が多いという場合もあるだろう。しかし、傾向としては、コンテンツの作成数が検索の需要を上回っているという状況は増加している。

さらに、Googleは人々の疑問に対し、Webサイトに行くことなく答えを提供する、アンサー・エンジンになろうとしている。

Dejan SEOによると、Googleが検索結果上で答えを提供するようになってから、CTRが劇的に減少したとのことだ。下記の天気に関するキーワードの例を見てほしい。

天気に関するこのキーワードのクリック率は、46%から7%まで下降した。

Googleが自然検索結果にトラフィックを送る割合は、時間の経過とともに、減少している。

この傾向は、SEOが死んだことを意味しているのか?

答えは、全くの反対である。

SEOは死んでいない

上記で紹介したデータは、何を意味するのだろうか?

マーケティングチャネルは時間とともに頭打ちになる。それは、時間の問題なのだ。

Facebook、Instagram、Twitter、そして、Eメールマーケティングでさえも、同様の現象が起きている。

下記の画像を見ていただきたい。これは、インターネット上で表示された初めてのバナー広告だ。

どの企業の広告か、ご存知だろうか? これは、ATTの広告だ。

この広告を見たユーザーのうち、44%のユーザーがクリックしていた。現在のバナー広告の平均クリック率は、0.5%だ。

非常に大きな下落である。

そして、上記で私が言及したように、これはあらゆるチャネルで起きている現象である。Instagramのエンゲージメント率を見てみよう。

  • タイトル:Instagramのインフルエンサーのエンゲージメント率
  • オレンジ:スポンサードの投稿
  • 黒:オーガニックの投稿

スポンサードの投稿か、オーガニックの投稿か、それは問題ではない。Instagramにおいて、エンゲージメントが減少している傾向があるのだ。

これが、ゲイリー・ベイナーチャック氏やグラント・カードン氏などが、自身の電話番号をInstagramでプロモートしている理由である。

このようにして、彼らは自身のファンと直接コミュニケーションを取ることで、アルゴリズムの変更やプラットフォームのエンゲージメント率の低下に対応しているのだ。

しかし、こうした減少傾向があるものの、Instagramのスポンサード投稿は150%も上昇している。

言い換えると、投資利益率が高く、十分な価値を生み出しているため、投資されているのだ。

これは、デジタル広告の費用でも起こっている現象だ。

  • タイトル:米国のデジタルディスプレイ広告への支出
  • 黒の棒グラフ:ディスプレイ広告への支出
  • 赤の折れ線グラフ:変化率
  • 青の折れ線グラフ:デジタルディスプレイ広告への支出の割合

数値は上昇傾向だ。なぜなら、企業にとっての投資利益率が高いからだ。

なぜSEOはまだ死んでいないのか?

これまで説明したとおり、悲観的に見える数字が、そのチャネルの死を意味しているわけではない。

私のサイト、Neilpatel.comの検索トラフィックを見てみよう。

あなたと同じように、私もGoogleのアルゴリズムに対応しなければならず、また、競合のマーケターも多い。しかし、Google検索のクリック率が減少している中でも、私は検索からのトラフィックを伸ばすことに成功している。

検索エンジン全体を見てみると(BingやGoogleだけでなく、他のサイトやプラットフォームも含めて)、Googleは94%のマーケットシェア率を誇っている。

人々はGoogleを使用しており、検索の手段として最も好んでいるのだ。しかし、Googleを使う方法は変化している。

かつて、Instagramは発見のための、Googleは商用(購入)のためのプラットフォームであった。

ここ数年で、そのトレンドは変化している。Instagramは商用に多く使用されており、Googleは発見の手段として主に使用されている。

Olay社のケーススタディを見てみよう。

Olay社はスキンケア関連の商品を販売している。そのうち、目の下のくすみを減らす商品がある。

彼らはその商品を売るための広告を多く展開していた。

しかし、商品を販売するための広告から、目の下のくすみを減らすための方法を人々に教育することに注力した広告に切り替えた後、費用対効果が劇的に改善されたのだ。

教育をベースとした広告に投資することで(そして、そのコンテンツを通して販売も試みている)、
クリック率を87%上昇させ、CPCを30%削減し、コンバージョンを100%上昇させることができた。

人々が商用目的ではなく、まずは発見のためにGoogleを使用しているという好例と言えるだろう。

SEOは死にかけているのではなく、ただ、変化しているのだ

Googleは発見のためのエンジンにシフトしていることをご理解いただけたと思うが(ペイドとオーガニックの両方で)、オーガニックで上位表示を叶えるために知るべきことが他にもある。

1.Googleは人々が見たいと思うサイトを上位表示させたい

Googleのアルゴリズムが重視しているのはバックリンクやキーワードの数、その他SEO特有の要素ではなく、ユーザーの体験である。

あるサイトが何百万もの被リンクを獲得していたとしても、ユーザーがそのサイトを好まなければ、長い間上位に表示されることはないだろう。

best grilled steaks」の例を見てみよう。

ランドフィッシュキン氏が、彼のSNSのフォロワーに対し、下記の依頼をしている。

  • STEP1:このキーワードで検索する
  • STEP2:こちらのリンクをクリックし、すぐに「戻る」ボタンをクリックする
  • STEP3:こちらのリンクをクリックし、少しの間閲覧する(Googleの検索結果画面には戻らない)

70分間以内で、このサイトは上位に表示されるようになった。

70分以内、4~500の上記のアクションが行われた後、4位から1位に上昇した。

これが、私がユーザーからのシグナルが重要であると述べた理由である。エンドユーザーとしてのあなたが、Googleのランキング調整をコントロールしているのである。

2.人々はただGoogleを使用しているのではない。Googleは様々な場所からデータを集めている

Googleはあなたが一日のうち、モバイルデバイスで過ごした時間を把握している。また、他のサイトやGoogleが所有、管理していないアプリケーションであなたが過ごした時間も把握している。

つまり、Googleがどのサイトをどこの順位に表示させるかを決定する際、Googleは自身のデータセットのみを見ているわけではないのだ。

Googleはソーシャルメディアをクロールし、検索結果をよりよいものとするための手助けとして、ソーシャルシグナルを用いている。

例えば、Googleがどのようにソーシャルシグナルを検索の発見として使用しているかについてのケーススタディがある。

あなたがSNSを使用することを好んでいないとしても、SNSを積極的に使用する必要がある。

あなたのサイトのインデックスの手助けとなるだけでなく、ブランド構築の助けにもなり、間接的に順位上昇の助けとなるのだ。

下記に、ソーシャルメディアでの露出を高めるために手助けとなる記事を紹介しておく。

3.Googleはブランドが大好きだ

もし、このことが信じられないのであれば、Googleの元CEOと元Webスパム対策のトップの言葉を見てみよう。

  • エリック・シュミット氏:ブランドはソリューションであり、課題ではない。ブランドは混沌を整理するものだ。
  • マット・カッツ氏:我々はいわゆる分類というものに行き着いた。IRS、Wikipedia、New York Timesはこちら側に、低品質なサイトはあちら側にいる。

彼らは、ブランドを信じているのだ。

あなたのブランドが成長するに際、あなたのサイトの順位も上昇していくだろう。

この記事の前半で私のサイトの検索トラフィックのデータを紹介したが、過去7日間で私の名前を検索することによってサイトに訪れてくれた人の数を区分けしてみよう。

また、この数字は打ち間違えのキーワードを含んでいない。私の名前を「neil」ではなく、「niel」と打つ人は思いの外多い。

Googleはブランドが大好きだ。「男性用ランニングシューズ(men’s running shoes)」と検索した場合、Nike、Adidas、Asicsなどのページが表示される。

ブランド名検索のボリュームは、リンク数やドメインオーソリティ以上に、ランキングとの相関がある。

ブランドを構築したいのであれば、上記で紹介したソーシャルメディアについての記事をよく読み、下記のブランド構築についての記事も確認しよう。

ブランド構築に課題を抱えているのであれば、我々のデジタルPRチームのメンバーに相談していただきたい。

4.領域を絞る

About.comというサイトを覚えているだろうか?

時を経て、About.comはGoogleの検索結果の上位に表示されなくなり、ビジネスも行き詰まっていった。これにはいくつかの理由がある。

  • このサイトは一つの領域に注力しておらず、あらゆるものに注力していた。
  • コンテンツは平凡で、深みがなく、浅い内容ばかりであった。
  • 誰も読もうと思わないコンテンツが多すぎた。

彼らはDotdashとブランド名を変え、領域を絞るようにした。About.comのコンテンツを、6つの領域に分け、バーティカルなサイトを形成した。

この変更を行う際、彼らは6つの領域のいずれにも合致せず、また、品質の水準も低いAbout.comのコンテンツが大量にあることを発見した。彼らはそうした900,000記事を削除したのだ。

データを見る限り、6つの領域に分けたことで、彼らはより多くのトラフィックを獲得できるようになった。

新しいバーティカルな領域を定め、それぞれの領域をさらに3つに区分するという彼らの施策は大成功であった。その結果を見てみよう。

一連の施策の結果、彼らの収益は140%上昇した。

今日のSEOで成功を収めたいのであれば、領域を絞ることは非常に重要だ。Googleはトピックに特化したサイトを好む。なぜなら、それを、あなたや他の人が好むからだ。

簡単に考えてみよう。About.comとWebMD、あなたが医療系のアドバイスを読みたいと思うのは、どちらのサイトだろうか?

もちろん、WebMDだろう。

5.パーソナライズに未来がある

Googleで検索した際、検索結果があなたと他の人で異なることに気づいたことはあるだろうか?

検索結果が異なる理由は、Googleがあなたのためにパーソナライズした結果を提供しようとしているからだ。

Google検索だけでなく、他のGoogleのデバイスも同様だ。スマートフォンから、Google Home、自動運転車に至るまで。

Googleが取得しているデータを元に、彼らはあなたの好みを理解し、それに併せて検索結果を修正しようとする。

こう考えてみてほしい。どこを訪れる際にも、あなたがスマートフォン(特にAndroidデバイス)を携帯している場合、Googleはその情報を利用して検索結果の調整に使用する可能性は考えられる。

Webサイトでは、全てのユーザーに対し、同一のメッセージを表示することは控えるべきだ。それぞれのユーザーにパーソナルな体験を提供できれば、ユーザー行動の指標が改善されることで、長期的にあなたのサイトの順位も上昇するだろう。

この好例が、私のブログである。

あなたが私のサイトに訪問した際、私はあなたが好むコンテンツのタイプを選び、興味に合わせてページを調整している。

そのおすすめページは、ブログ内で最もクリックされている領域である。

結論

SEOは死んではいない。ただ、変化しているのだ。

もちろん、クリック率は減少しており、Googleはアルゴリズムの調整を続けている。しかし、それらは予測できる範囲である。

Googleがこれらを行う理由は、SEOや広告を通じて、理想的な顧客をあなたが容易に特定できるようにするためなのだ。

以前は、そうしたことを実現することが難しかった。その結果、広告予算に1千億の予算を投じていた。

自分がコントロールできない領域を心配する必要はない。その代わり、そうした流れにあなた自身を適合させることが必要だ。さもなければ、サイトへのトラフィックを失い、ビジネスも行き詰まってしまうだろう。

SEOの展望が変化し続けることに対し、あなたはどのような考えを持っているだろうか。

この記事は、NEILPATEL.comに掲載された「Is SEO Dead? (A Data-Driven Answer)」を翻訳した内容です。

「SEOは死んでいるのではなく、変化しているのだ」という言葉が全てを語っていると思います。

もしもSEOに変化がなければ、全てのサイトが同一の施策を一度行えばSEOは完了するといった状況が生まれることも考えられます。ユーザーの興味・行動が変化する中、SEOだけはそのままというわけにはいきません。

今まで培った知識や経験をベースにしつつ、常に新しい施策を考える姿勢を持ち続けることが重要ですね。

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【2020年1月】Googleコアアップデートの最新データ【各ツール会社による調査データ】

今回は2020年1月13日にロールアウトされた、Googleコアアップデート(January 2020 core update)の影響調査の記事となります。

Search Engine Landのバリー・シュワルツ氏が各ツールベンダーから意見を募り、それらをまとめてくれています。米国のツール会社のため、日本の実態とは異なる可能性がありますが、今回のアップデートもグローバルに展開されているため、一見の価値はあると思います。

ロールアウトから2週間ほど経ちますが、自身のサイトの状況と比較してみてはいかがでしょうか。

我々はデータプロバイダーのいくつかに声をかけ、「今回のコアアップデートの影響をどう見ているか」の洞察を提供してくれるよう求めた。

GoogleのJanuary 2020 core updateのロールアウトはほぼ完了している(参考)。

我々は、いくつかのデータプロバイダーへ、Googleのアップデートに関する彼らの発見や洞察を送ってもらうよう依頼した。彼らの意見は「今回のアップデートは大きく、多くのWebサイトに影響を与えている」として、一致している。

最新のGoogleコアアップデートに関するいくつかの事実

Googleから与えられた情報で明らかになっていることをまとめよう。

最新のGoogleコアアップデートは1月13日(月)の12:00PM(東部標準時)あたりでロールアウトを開始させている。

このロールアウトは、1月16日(木)の午前に、「ほぼ完了した」とのことだ。

さらに、今回のアップデートはグローバルに行われており、特定の地域・言語やWebサイトのカテゴリーを対象としていない。つまり、「広範囲に渡る、コア・アップデート」であるということだ。

各ツール会社が示しているデータ

我々はサードパーティのデータ提供企業に対し、「今回のアップデートについて、どのようなデータとなっているか」という質問をしている。

RankRanger

RankRangerのモーディ・オバースティン氏は「YMYL(Your Money, Your Life)の領域が大きな影響を受けている」と述べている。さらに、「今回のアップデートは大規模だ」と、付け加えた。

健康と金融の領域の検索結果の上位に大きな動きがある。また、上位10位を見てみると、全ての領域で変動幅が大きくなっている」としている。

下記は、業界ごとの変動と順位推移のチャートである。

  • 旅行
  • 小売
  • 金融
  • 健康

「私が観測しているデータによると、おそらく12月6日のアップデートの対象となっていた小売業界を除き、今回のアップデートは領域を拡大しており、あらゆる順位のサイトに影響を与えている」とモーディ・オバースティン氏は述べている。

「しかし、アップデート期間の上位10位のサイトを対象とすると、小売業界も12月に観測されたほどの数値となっている。」

SEMRush

SEMRushのユリア・イブラギモヴァ氏は「今回のアップデートは非常に大規模であり、ほぼ全てのカテゴリの領域で変動が見られる」と述べている。

「SEMRushのデータによると、最も変動していたカテゴリは、スポーツとニュースの領域を除けば、オンライン・コミュニティ、ゲーム、アート&エンターテイメント、そして、金融の領域だ。」

しかし、ユリア・イブラギモヴァ氏は、全てのカテゴリで大きな変化が起きており、「今回のアップデートは特定のトピックを狙ったアップデートではないと見ている」と伝えてくれた。

SEMRushのデータはこちらで確認することができる。しかし、彼らは追加のデータを送ってくれた。

下記は、それぞれのカテゴリの数値をモバイルとデスクトップで分けた表である。

SEMRushによる、今回のアップデートで大きく上昇したサイトは、下記である。
※注:海外のサイト

  • Dictionary.com(英語の学習サイト)
  • Hadith of the Day(イスラム)
  • Discogs(音楽データベース)
  • ABSFairings(バイクの販売)
  • X-Rates(為替)
  • TechCrunch(ITニュース)
  • ShutterStock(写真素材)
  • 247Patience(テーブルゲーム)
  • GettyImages(写真素材)
  • LiveScores.com(スポーツ情報)

また、大きく下降したサイトは、下記である。

  • mp3-youtube.download(YouTubeの音源をダウンロードできる)
  • TotalJerkFace.com(ゲーム)
  • GenVideos.io(動画サイト)
  • Tuffy(自動車修理)
  • TripSavvy(旅行情報)
  • Honolulu.gov(ホノルル)
  • NaughtyFind(マッチングサイト)
  • Local.com(都市の情報サイト)
  • RuthChris(飲食・ステーキハウス)
  • Local-First.org(ローカルコミュニティ)

Sistrix

Sistrixのヨハネス・べウス氏は今回のアップデートについての分析記事を投稿している。

彼は以下のように述べている。

「YMYL(Your Money, Your Life)のトピックに関連するドメインが検索アルゴリズムによって再評価された。

全体として、ビジビリティ(可視率)を伸ばしたサイトもあれば、失ったサイトもある。以前のコアアップデートで影響を受けたドメインの方が、より影響を受けている傾向がある。明確な変動は、アップデートの度に見られなくなっているようだ。

Googleは自身の算出への確信を強めており、過去の算出から大きく逸脱することはなさそうだ。」

下記に今回の変化を表しているSistrixのデータを記載する。

Sistrixによる、今回のアップデートで大きく上昇したサイトは、下記である。

  • goal.com(サッカーニュース)
  • onhealth.com(健康情報)
  • CarGurus(自動車販売)
  • verywellhealth.com(健康情報)
  • Fandango(映画のチケット販売・情報)
  • Times Of Israel(イスラエルのニュース)
  • Royal.uk(イギリス王室のニュース)
  • WestField(観光)

また、大きく下降したサイトは、下記である。

  • CarMagazine.co.uk(自動車ニュース)
  • Box Office Mojo
  • SkySports(映画ニュース)
  • ArnoldClark.com(自動車販売)
  • CarBuyer.co.uk(自動車販売)
  • History Extra(歴史)
  • Evan Shalshaw(自動車販売)
  • NHS Inform(健康情報)

SearchMetrics

SearchMetricsの創業者である、マーカス・トバー氏は次のように述べている。

「1月のアップデートは”あなたは誰であるか”という観点によって、良い・悪いという判断の変化を戻したように思える。低品質なコンテンツに罰を与えるものと、GoogleがYMYLを強化するものとは、それぞれ別のコアアップデートだ。

2019年の3月9月と同じほど多くのページに影響を与えていないようだ。しかし、特徴は似ている。」

下記は、SearchMetricsが共有してくれた具体例である。

Onhealth.comは、2019年3月のアップデートでは良い結果を手にし、2019年9月のアップデートでは悪い結果を手にしている。そして、2020年1月のアップデートでは再び良い結果を手にしている。

Verywellhealth.comは、複数のコアアップデートで悪い結果となっている。

Draxe.comは、良い結果を得ている場合も、悪い結果を得ている場合もある。今回のアップデートでは+83%と大きな良い結果を得ているが、以前のアップデートでは大きな悪い結果を得ている。

Sistrixによる、今回のアップデートで大きく上昇したサイトは、下記である。

  • esty.com(確認不可)
  • cargurus.com(自動車販売)
  • verywellhealth.com(健康情報)
  • overstock.com(家具販売)
  • addictinggames.com(ゲーム)
  • onhealth.com(健康情報)
  • bigfishgames.com(ゲーム)
  • health.com(健康情報)

また、大きく下降したサイトは、下記である。

  • tmz.com(ニュース)
  • academy.com(スポーツ・フィットネス)
  • kbhgames.com(ゲーム)
  • orbitz.com(旅行)
  • silvergames.com(ゲーム)
  • autolist.com(自動車販売)
  • etonline.com(エンタメニュース)
  • trovit.com(不動産・車・求人の総合検索サイト)
  • pampers.com(ベビー用品)

アップデートによって悪い影響を受けてしまった場合の対処法

コアアップデートによって悪い影響を受けてしまった場合にどうするべきか、Googleはそのアドバイスを共有してくれている。

しかし、回復のための特別なアクションがあるわけではない。実際、順位状況が悪くなったからといって、あなたのページに不備があるとは限らない。

しかし、コアアップデートにヒットした場合に考慮すべき質問のリストをGoogleは提供してくれている。

なぜ、我々はコアアップデートを受けて思考すべきなのか

アルゴリズムの変更にヒットされた場合、そのリカバリのための特別な方法を見つけることは困難だ。コアアップデートについては、特にそうだろう。

こうしたデータや過去の経験やアドバイスが示すことは、「コアアップデートは広大で、全体的な品質の項目を多くカバーしているようだ」ということだろう。

今回紹介したデータは、この考えをさらに強化するものであると考えている。

そのため、もしあなたのサイトがコアアップデートの影響を受けた場合、状況を離れた場所から見てみたり、サイト全体を俯瞰して見てみたり、サイト全体を改善するために何ができるか、それを考えてみることが必要だろう。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「The latest data on the January 2020 Google core update」を翻訳した内容です。

それぞれのツールがそれぞれのデータを見ているため、出される見解が完全に一致することはありません。それでも、「今回のアップデートの規模は大きい」と「YMYL領域が特に影響を受けている」という点は一致していると思います。

また、「特定の領域・項目・特徴に限っていない」という点もますます強くなっていると思われます。その結果、さらに「これを直せば良くなる」と言うことが難しくなっているのは確かでしょう。

ユーザーのために何ができるのかを常に考え、少しでもサイトを改善していくことが、コアアップデートに対する一番の「対策」であると、改めて感じさせる記事でした。

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2020年のSEOにおける10個の重要なトレンド【SEOエキスパート58人へのインタビュー】

2020年に入り、早速コアアルゴリズムのアップデートが行われるなど、SEO界隈は今年も大きな変化がありそうです。

今回ご紹介する記事は、2020年のSEOのトレンドについて、多くのエキスパート達からの予測をまとめた記事となります。

58人のエキスパートからのヒアリング結果を、10個のトレンドとしてまとめています。あなたのSEO戦略の一助となれば幸いです。

SEOのプロフェッショナル達は、2020年に向けてどのようなことを考えているのだろうか。

2020年は、どのような戦略や戦術が効果的であり、検索結果の占有に寄与し、より多くの利益をもたらしてくれるのか。

これは、Search Engine Journalで我々が毎年投げかけている問いである。

私はSEOのプロフェッショナルとしてトップに位置する58人に対し、彼らの考えを尋ねた。

この記事では、彼らエキスパート達による、あなたが知るべき2020年のトレンドの上位10個を紹介する。

トレンドの全てを知りたいだろうか。そうであれば、我々のebookをダウンロードしてほしい(58人のエキスパートによる2020年のSEOにおける最大のトレンド)。

トレンド1:BERTとユーザーに注力した最適化

2019年は、Googleがローンチした新しいアルゴリズムであるBERTが多くの注目を集めた。SEOのプロフェッショナルたちがBERTへの最適化方法を学ぼうとしたのは、自然のことだった。

しかし、この特別なアルゴリズムへの最適化を考える前に、ケリー・スタンゼ氏の意見を聞いてほしい。ケリー・スタンゼ氏はHallmark社のサーチ・ストラテジストであり、ユーザーに注力した最適化とコンテンツ配信の技術的な点に着目している。

つまり、ユーザーの検索へのアクセスポイントを再算出し、それに沿ってコンテンツを配置するということだ。

「何かがクロールされ、インデックスされ、複数の異なる検索環境で提供される仕組みに着目している」とスタンゼ氏は述べている。

「ユーザーが何かを検索する際、これまで以上に多くの選択肢がある。きれいな構造とコンテンツ配信の基本を心にとどめておくことは、SEO担当者にとってより重要となるだろう。」

検索順位と強調スニペットのアルゴリズムにBERTが組み込まれたことにより、「Googleは検索を文字列のマッチングではなく、検索意図のマッチングへと大きく舵を切った」とはグロースコンサルタントでありアドバイザーのエリ・シュワルツ氏の言葉である。

「ユーザーが検索時に使用する文字列ではなく、ユーザー検索意図に即したコンテンツを書かなければならない」とシュワルツ氏は述べている。

「キーワード調査ツールは、コンテンツ作成のための主要なデータセットとの関連性は薄くなるだろう。2020年、本当に賢いSEO担当者は机から立ち上がり、顧客と話にいくだろう。オーディエンスが本当に求めているものは何かを探るためだ。」

Bingのシニア・プログラム・マネージャーであるフレデリック・ダブト氏は、「キーワード調査は古い手法となっていくだろう」と主張している。

「自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)と深層学習の勢いが衰える徴候は見られない。2020年、検索エンジンはキーワードから検索意図へさらにシフトしていくことが予測できるはずだ」とダブト氏は述べている。

「SEOの施策者もツールの提供者も自身の努力を検索意図調査へ向かわせ、ユーザーのニーズを満たすことが求められるだろう。」

グルーポン社のシニア・SEO・マネージャーであるジェン・マシュー氏が指摘するには、「Googleはコンテンツやページがキーワードに合致しているかどうかに注力するのではなく、ユーザーの検索意図をベースとする検索結果に最適化するために、アップデートを継続していくだろう」とのことだ。

「SEO担当者はこれが自身のコンテンツにとって何を意味するのかを理解する必要がある。また、こうしたトレンドを導いているGoogleの過去のアップデートの内容の理解も求められる。」

「ここ数年、我々は検索意図に注力し、カスタマージャーニーへの理解を深めてきた」と、Yext社のインダストリー・インサイツのヴァイスプレジデントであるデュアン・フォレスター氏は述べている。検索意図の理解は今後の展望における重要な役割を担っており、多くのオンライン・ビジネスの生き残りと成長にとって不可欠である。

「顧客の検索意図に注力すれば、その経路のどこに合致するかが明らかになるだろう」とフォレスター氏は述べている。

「その経路で発生する質問に対して最適な答えを提供することで、より確実に顧客を捉えコンバージョンへと導くことができるだろう。」

このことはあなたにとって、どのような意味を持つだろうか。

IBM社のSEO・ストラテジストであるキース・グッド氏によれば、「バイヤーズ・ジャーニーの各段階における課題、問題、ニーズについて、ユーザーがどのように語っているかに注目せよ」とのことだ。

「さらに、我々はバイヤーズ・ジャーニーの購買以降についても注目すべきで、サポート、支持者となる機会、コミュニティの形成、将来の購入のための関係性の継続など、売上以降に発生するニーズに対応したコンテンツが必要となる。」とグッド氏は付け加えている。

「常に顧客に注目しよう」とエレベーション・テンサウザント社のディレクター・オブ・サーチであるサム・ホリングスワース氏は述べる。

「潜在顧客をひきつけ、印象を残すものは何かを把握することを忘れている、あるいは、失敗しているブランドが多い。顧客は、真の価値を欲しているのだ」とホリングスワース氏は述べている。

「リアルな店舗と同様、顧客はあなたが顧客目線を持てているか、長期的な関係性(願わくは生涯に渡って)を築くための信頼できるパートナーであるかを知りたがっている。」

サーチ・ハーミット社のリードSEO兼オーナーであるキャロリーン・リーデン氏は、定性的で、人間側にたった検索への回帰という変化が2020年に起こることを期待している。

「多くのマーケターが、ターゲットオーディエンスと1対1で話すことなく、プロダクトやサービスのマーケティングを行っている」とリーデン氏は述べる。

「顧客と会話せず、なぜ顧客がそのように振る舞うかを理解しないのであれば、我々はスマートで全体的な戦略を作成するという自身の能力に制限をかけてしまう」とは、サー・インタラクティブ社のシニア・アカウントマネージャー兼サーチアンドオーディエンス・インサイトを務めるサラ・ガーバッチ氏の言葉だ。

「2020年、私は、顧客に会いに行き彼らの傍らに座ることをお勧めする」とガーバッチ氏は述べる。

「顧客と会話し、彼らが購入に至るまでのジャーニーについて、彼らがどのように検索を使用しているかについて、あなたのサイトをどう思うかについて、話してくれるよう依頼する。ここで得られたデータを各段階での判断に用いる。」

ユーザーに注力した最適化は、SEOを全体的なマーケティング戦略に組み込むことにより達成される。これが、2020年で最大のトレンドになるだろうと、パブリックス・サピエント社のSEOグループのディレクターであるリアン・ジョーンズ氏は述べる。

「SEOをデジタルマーケティングに追加する調味料のようなものとして扱うのを止めることが、かつてないほど企業に求められている。ビジネス計画の鍵となる材料として取り扱うのだ。」とジョーンズ氏は述べる。

SEO担当者は、全体的なマーケティングとデジタル資産を理解するスキルセットを伸ばさなければならなくなるだろう。SEOの問題を修正する必要性は少なくなり、マーケティングとビジネスの問題を修正する必要性が高まるのだ。」

トレンド2:高品質で最適化されたコンテンツ

Search Engine Journalのアシスタント・エディターであるアンナ・クロー氏は、「これまでも、そしてこれからも、SEOの生命線となることが1つある」と述べている。

それは、コンテンツだ。

コンテンツはSEOのあらゆる物事に影響する」とクロー氏は述べる。「サイト構造から、あなたが構築するリンクの内部リンク戦略に至るまで。」

「2020年に成功を収めるためには、関連性があり、そして、価値のある何かを書かなければならない」とライトアイエムシー社のCEOであるトニー・ライト氏は語る。

「つまり、SEO担当者はコンテンツの書き方、もしくは、コンテンツの書き方を知っている人を雇用する方法を学ぶ必要がある」とライト氏は述べる。

「Googleの編集能力はまだ完全ではない。その順位を得るべきでないコンテンツも存在するだろう。しかし、ベストなコンテンツが勝利する日はやってくる。」

「あなたのトピックでベストとなるコンテンツ、少なくとも、そのトピックにおける重要な存在となるコンテンツ。それらを保持することを目標に設定する」とパーフィシエント・デジタル社のジェネラル・マネージャーであるエリック・エンジ氏は述べる。そのためには、あなたのコンテンツをGoogleが将来的に評価するものにすべきだ。

「こうすることで、(全検索クエリの約70%となる)ロングテールの検索で効果的な勝利を得られるだろう。それは、あなたのサイトの権威性の構築・あなたのコンテンツへの需要の創出・ROIに直接ポジティブな影響をあたえることの助けとなるだろう。」とエンジ氏は述べた。

「さらに、コンテンツへのこうしたアプローチは、ユーザーのニーズを満たすために、Googleが探しているアプローチに他ならない。そして、Googleが行っていないマーケット投資と言える。なぜなら、Googleはものごとを大規模なアルゴリズムで処理しようとするからだ。」

IBM社のグローバルSEOストラテジストであるジェシー・マクドナルド氏、SEOとコンテンツ戦略のコンサルタントのジェシカ・レベンソン氏の両氏は、「2020年はキーワードへの強迫観念からの開放の年となるだろう」と述べている。

個々のキーワードの順位・ページビュー・手当たり次第にコンテンツを作成するなどの習慣をやめるのだ。

マクドナルド氏は、「トピックへの注力を強めるべき」と述べている。

「トピックへの注力に切り替えることは、特定のページがターゲットとしている単一のキーワードについて心配するのではなく、(顧客との)会話全体に対応するコンテンツを作成することとなる」とマクドナルド氏は言う。

レベンソン氏は、「ビジネスの目標を満たしながら、徹底的で直感的な体験を提供する、よく練られ、組織だったコンテンツのクラスターを採用するべきだ」と述べている。

「次にユーザーが求める答えを知ることが大事。それらは、下記に要約できる。」とレベンソン氏は言う。

  • 「あなたのオーディエンスが誰なのか」「彼らがどのように検索を行うのか」を理解する。
  • 「彼らが尋ねる質問の背後にある検索意図」「彼らが解決する必要がある問題」を理解する。
  • 解決策と答えを、適切な場所、品質、権威のあるコンテンツを通して、彼らが求めるフォーマットで提供する。
  • カスタマージャーニーのあらゆる段階において、この方法論に基づいた施策を行う。彼らのニーズを満たす経験を提供するコンテンツを作成するためだ。
  • それらを繰り返す。なぜなら、一度うまく言ったとしても、顧客の検索意図が変わらない保証はなく、他の誰かがあなた以上にうまくやる可能性もあるからだ。

HubSpot社のコンテンツSEOのリーダーであるアジャ・フロスト氏によれば、「他に注意すべきことは、コンテンツのカニバリゼーションである」とのことだ。

「ランキングが重複する全てのコンテンツの確認を勧める。必要に応じて統合、リダイレクト、アーカイブなどを行い、すべてのページがユニークなキーワードセットで上位表示されることを目指す」とフロスト氏は言う。

「あなたのWebサイトが同じトピックを何度も何度も扱っているのであれば、異なる角度からそのトピックを扱っていたとしても、それらのページは同じ検索結果の中でお互いを蹴落とすことになる。」

「2020年は、自身のコンテンツに厳しい目を向ける年となる。そして、検索エンジンではなく、ユーザーに対してそれらを最適化していく」。

これは、Aimclear社のプロダクト&イノベーションのヴァイスプレジデントである、ミッシェル・ロビン氏の言葉だ。

「2020年も検索マーケティングで成功を収めるために鍵となるものは、今までと変わらない。一貫性のあるブランドメッセージとともに、あなたが持つ全てのチャネルにて、良質なコンテンツを作成することだ」とロビン氏は述べる。

「検索エンジンが自然言語処理の技術をさらに取り入れることで、最もよく書かれているコンテンツが、あらゆる形式において、勝利を得る日が来る。」

「国境をまたぐSEOでは、ローカライズされたコンテンツに注力すべきタイミングは今である」とAJPRの代表であるモトコ・ハント氏は言う。

「グローバルに展開しているにもかかわらず、その言葉を第一言語とする者ではない、おそまつな翻訳を載せているWebサイトが多く存在する。」とハント氏は述べる。「キーワードの配置の問題ではなく、ローカルのオーディエンスへ書かれたコンテンツであるかどうかという問題なのだ。」

トレンド3:E-A-Tと不公平なアドバンテージ

「2020年、Googleは全体的な評判、特定の企業のE-A-T(Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)、企業の代表としてコンテンツを公開した個人に目を向け続けるだろう」とPath Interactive社のSEOディレクターであるリリー・レイ氏は述べる。

悪い評判、カスタマーサービスの問題など信用に関わる問題を抱える企業は厳しい時期を強いられるだろう」とレイ氏は言う。

「これら信用に関わる問題は、あなたのブランドに対するレビューやフィードバックだけでなく、サイト上の技術的な問題やセキュリティの問題なども関わってくる。」

レイ氏は、YMYL(Your Money,Your Life)の領域では、それらのトピックを書くための十分な専門知識や信頼性がなければ、自然検索結果で上位表示させることはより難しくなるだろうと予測している。

「2020年、信頼性はパブリッシャーにとって非常に重要になるだろう」とNES UK社のジュニアテクニカルSEOアナリストであるグレース・キンドレッド氏は述べる。

「高品質なコンテンツとフェイクニュースへの対応に注力する」とキンドレッド氏は言う。

「著者の信頼性(著者の認定と特定の領域における権威性を示すこと)への注力は、今まで以上に重要になる。それは、サイト全体に対しても同様だ。」

Search Engine Journal社の創業者であるローレン・ベイカー氏によれば、「nofollowをヒントとする取り組みは、Googleによる、ニュースソース、論文や学術的な研究の参照に対するより良い理解への試みである」とのことだ。

「(構造化データのマークアップにより定義できる)著者の資格やファクトチェックにかかわるスキーマなど、Googleが特定のコンテンツの権威性と信頼性をより簡易に理解できる手段がある。ニュースであっても、公開されたストーリーであっても。」とベイカー氏は言う。

簡単に言うと、「オフラインの影響がオンラインへも及ぶのだ」とKalicube.pro社のオーナーであるジェイソン・バーナード氏は述べる。あらゆるビジネスは自身の不公平はアドバンテージを発見する必要がある。

「ナレッジグラフやE-A-Tの台頭など、エンティティを基盤とした検索では、オフラインでの評判を正確に、説得力のある方法で作成する能力は、大きな差別化の要因となっていくだろう。」とバーナード氏は述べる。

「カンファレンス、アワード、パートナーシップなど、これらオフラインでのイベントは、Googleが直ちに重要視できないものだ。オンラインでも提供し、それらをGoogleに伝え、Googleの理解を促そう。」

Merkle社のSEOシニアマネージャーであるアレクシス・サンダーズ氏は、デジタルを基軸とした競争性を持つための方法を共有してくれた。

  • 優れたサプライチェーン
    (例:関連のあるステータスの更新が行われた2日以内に対応する)
  • カスタマーサービス
    (例:顧客との摩擦を最小限にしつつ、彼らの質問に答える能力)
  • デジタルのカリスマ性やブランディング
    (例:ユーザーがあなたを探し当てたいのは、彼らがあなたとビジネスを行いたいためか。多くのあなたの評判は、ラブレターのようなものか。)
  • ユーザー体験
    (例:ユーザー体験は便利で、有益で、シンプルか。)
  • 価格
  • ニッチなプロダクト

トレンド4:ユーザー体験とテクニカルSEO

seoplus+社の共同創業者であるブロック・マーレイ氏によれば、「賢いSEO担当者が2020年に注力する大きなトレンドはユーザー体験である」とのことだ。

「ユーザー体験とは、検索結果での接触、ランディングページでの体験、サイトの訪問後を含む全体的な体験だ。リマーケティング、ドリップキャンペーン、再訪者のためのパーソナル化などをイメージしてほしい」とマーレイ氏は述べる。

「あなたが提供できる価値について十分に考えた上で、ユーザーが訪問している間、彼らが最高の体験を得ることができるために、どのような手助けができるかを考えよう。」

「テクニカルSEOはユーザー体験についての議論の重要な要素である」とグード氏は述べる。

「Googleは技術的なミスの補填のために多くのことを行ってくれるようになると思うが(canonicalの訂正、hreflangの補正など)、SEO担当者がテクニカルSEOの基盤を強化する重要性はより大きくなるだろう」とGoode氏は言う。

「マーティン・スピリット氏が、Googleからの目線での技術的なベストプラクティスの説明に多くの時間を費やしていることは偶発的なものではない。それについてしっかりと考える必要があるだろう。」

テクニカルSEOとユーザー体験についての議論は、サイトスピードとページスピードというトピックを含むはずだ。

SALT.agency社のSEOアカウントディレクターであるダン・タイラー氏は、新しいChromeの「遅いサイトへの警告」やSearch Consoleでのスピードレポートなどにより、サイトスピード周辺の議論を再度活性化させていることについて言及している。

「開発者と再度会話する必要があり、場合によっては、ページのテンプレートの刷新や、アセットの読み込み方法の再設計が求められるかもしれない」とテイラー氏は述べる。

Orainti社の創業者でインターナショナルSEOコンサルタントでもあるアレイダ・ソリス氏は、「テクニカルな領域に進むことは、テクニカルSEOのエコシステムについて考慮することになる」と予測する。JavaScriptのフレームワーク・PWA・大規模サイトのSEOの自動化などである。

「この動きは数年前から始まっているが、今年はより明確となるだろう。」とソリス氏は述べる。「2020年は、JavaScriptのフレームワーク、PWAの恩恵によるWebへのシフトを始めたアプリ主導のビジネス、Pythonによる機械学習の技術を活かした大規模サイトのSEOに関わるタスクの自動化などが注目されるだろう。」

トレンド5:モバイルSEO

2020年の重要なトレンドにモバイルSEOを挙げることは意外だろうか。しかし、そうではない。ライト氏が下記のように述べている。

「私に相談に来る顧客の多くがモバイルサイトを保持しているが、その出来はひどいものが多い」とライト氏は言う。

「2020年を生き抜くために、2017年の施策を行い、モバイルサイトを修正する必要があるのだ。」

どういった意味だろうか。

「モバイル・ファーストのサイトを作成する。その後、デスクトップ版にも適用する」とキンドレッド氏は述べる。「こうすることで、ローンチした後に速度の最適化を行う必要はなくなるだろう。」

LSEO.comの創業者兼CEOのクリス・ジョーンズ氏は、「あなたのWebサイトがモバイルフレンドリーでなければ、すぐに対応すべきだ」としている。待ったなしだ。

オンラインでのレポートの全てが、モバイルでのパフォーマンスを最優先に反映していなければならない」とジョーンズ氏は言う。

「デスクトップのパソコンに座っているユーザーを想像するのではなく、多くの場合で、あなたのWebサイトを探し当てるユーザーは、モバイル経由であることを理解すべきだ。」

しかし、モバイルSEOはこれで終わりではない。モバイルの検索結果を研究すべきだ。

「SEO担当者はモバイルの検索結果を実際に確認する必要がある。”どのような検索結果となっており、どのようなトラフィックが期待でき、そして、どのような最適化が収益に影響を与えるか”を知るためだ。」とは、MobileMoxie社のCEOである、シンディ・クラム氏の言葉だ。

トレンド6:構造化データ

2020年、高品質なコンテンツが重要であるのは言うまでもない。しかし、アルゴリズムはコンテキストを完全に理解できているわけではない。

「そのため、我々は検索エンジンが、検索者の検索意図を基軸とした検索結果を届けるためにコンテンツをより良く理解する”ヒント”を与える必要がある」とSpartan Media社のCEOであるジェレミー・ナフ氏は言う。

構造化データを実装することで、ページ上の要素だけでなく、それら要素間の関係性やそのページとWebサイト内の他のページとの関係性を、検索エンジンが理解する手助けとなる」とナフ氏は述べる。

「最終的には、あなたはあらゆるチャネルを通じて顧客に発見される機会を得るため、Googleだけではなく、構造化データを利用するAmazon・Facebook・Microsoft・AIのチャットボットなどが、将来的に新しく導入する機能に対する優位性を得たいはずである」とShema App社のCEOである、マルサ・バン・バークル氏は述べる。

「正しく実装された構造化データは、あなたのマーケティングデータのレイヤーとなり得る」とバン氏は言う。

「あなたのコンテンツをあらゆるマシン、検索エンジン、ボイスアシスタント、チャットボットへと公開することになる。あなたのサービスを顧客に対して、あらゆる場面と瞬間で提供できるのだ」

賢いSEO担当者は、分析作業のために構造化データを活用するだろう。コンテンツのどの部分がどんな結果を出すかを把握し、こうしたデータをコンテンツ戦略、マーケティング戦略、製品機能など、会社を横断して活用するのだ」と付け加えている。

また、「2019年内に基本的なマークアップは完了していたとしても安心すべきではない」とSEMrush社のサーチ・ブランドアンバサダーであるシェリー・ファギン氏は述べる。

「新しい種類のマークアップが継続的に追加され、更新されている」とファギン氏は言う。「実装方法をおろそかにすれば、手動ペナルティの対象となるだろう。プラグインなど、自動挿入の機能が完璧に構造化データを実装できるとは思わないほうがよい」

トレンド7:エンティティとナレッジグラフへの最適化

「未来の検索はますます現実の世界を反映したものになる」とGo Fish Digital社のSEOリサーチ・ダイレクターであるビル・スラウスキ氏は述べる。

「Googleは拡大クエリなどを通じて、検索結果にエンティティに関連した情報を含む方法を探している」とスラウスキ氏は言う。

「Googleのナレッジグラフへの最適化などにより、あなたのサイトについて、エンティティを最適化することが可能だ。ナレッジグラフに表示されるかどうかで、計測しよう。」

SearchLab Chicago社のサーチ・ヴァイスプレジデントである、グレッグ・ギフォード氏による指摘によれば、「ローカル検索はエンティティを基軸とした検索の中心であるため、この領域で何が起こっているか、皆が注意すべきである」とのことだ。

ローカル検索は何年間もエンティティ基軸としている。Webサイトを保持していなくても、ローカルビジネスを上位表示させることができるのだ」とギフォード氏は述べる。

「Googleは現実世界の訪問数を計測しており、最近では「訪問の品質」をランキング要素として使用する技術の特許を取得している。」

DHJ Ventures社の創立者であるディクソン・ジョーンズ氏は次のように述べる。「基盤となるコンテンツの大部分を確定されたエンティティへ紐付ける必要がある。セマンティックにエンティティ周辺の情報を書くことは、ユーザー・ジャーニーへのより良い回答の助けとなる。コンテンツを用いた解決策となるだけでなく、Googleがより良い検索結果としてふさわしいと見るコンテンツになる。」

「2020年は内部リンクが注目されるようになるだろうが、文字列ではなく、ものごとをベースとするはずだ」とジョーンズ氏は言う。「自身についてのユニークなナレッジグラフを理解することは、こうしたコンセプトを、我々の管理下にあるコンテンツ内で、ユーザーとクローラーの両者の利益へと紐付けることを可能とするのだ。」

あなたのブランドやビジネスをエンティティとして認識されたいだろうか。Nextvia社のSEO兼コンテンツのリーダーであるアリーナ・ベニー氏からのアドバイスを紹介しよう。

「オリジナルな業界レポート、専門家による新しいアドバイスの編集、市場における影響力のある発言などを公開できるようになれば、Googleはあなたをエンティティとして認識するようになるだろう」とベニー氏は述べる。「こうしたエンティティに関連したシグナルは、上位表示の継続の助けとなるだろう。」

トレンド8:リンク構築とブランド構築

2020年も、一流のリンクの獲得を願うだろうか。

Aira Digital社のPR・コンテンツの代表であるシャノン・マクギーク氏は、「2020年にリンク構築は暗闇の時代から顧客ファーストのアプローチへと変化する」と述べている。

これは、下記3つのジャーナリズムとしての書き方を意味する。

  • 計画的な記事
    特定のタイミングで毎年ジャーナリストによって報じられるトピック(例:ブラックフライデー、バレンタインデー)
  • 計画的で変化に対応する記事
    ジャーナリストによって報じられる時期的なイベントやテーマではあるが、編集者やジャーナリストが編集会議の朝に書くまで正確なストーリーを把握することはできないという特徴を持つ
  • 変化に対応する記事
    今、ここで書かれるといった特徴を持ち、計画的でなく、予測することもできない、ニュース速報。

Rise at Seven社の共同創業者でありクリエイティブ・ディレクターのキャリー・ローズ氏は、「2020年、リンク構築はブランド構築としての意味を持つだろう」と述べた。

「リンク構築、また、トラフィックの獲得とブランドの露出を促すメディアのプレースメントの責任はSEO担当者が担うことになる。これは、検索結果の順位を助けるためのリンクという話だけではない。」とローズ氏は述べる。

「現状のリンク構築はブランド基軸となっており、ブランド構築としての活動としてみなされていない。」

KoMarketing社のデジタルマーケティング部門のシニア・ディレクターであるカシー・ギレット氏によれば、「人々が信頼し一緒にビジネスを行いたいと思うブランドを構築することは不可欠である」とのことだ。

「顧客はますます賢くなり、マーケティングという点では、より多くのものを予測するようになる」とギレット氏は述べる。

「彼らがあなたをより信頼するようになれば、あなたのコンテンツ(リンク)をより共有するようになり、あなた(とその価値)についてより話すようになり、あなたの製品(利益)をより購入するようになるだろう」

トレンド9:青いリンクだけではなく、ビジビリティに注力する

2019年、ゼロ検索結果は大きな話題となった。2020年、検索結果画面のSEOの重要性は増すばかりだろう。

Zyppy社の創立者であるクリス・シェパード氏は、ゼロ検索結果への対応が鍵となるだろう、と述べている。

「あなたのWebサイトではなく、Googleでのブランドマーケティングがより多く発生するだろう」と、シェパード氏は言う。「賢いマーケターは適応方法と優位性を勝ち取る方法を学ぶ必要があり、検索結果のスニペットに表示される情報について、より戦略的に取り組むべきだ。」

シェパード氏は、「これは、強調スニペットの最適化、新しいスキーマ(例:FAQやHowToなど)の活用、画像対策、ファビコンの最適化など、表示回数に対する実際のクリック数を増やす基本的な戦術も含む」と述べる。

しかし、「2020年に計画すべきは、ゼロ検索結果への対応だけではなく、青いリンク以上のものに対する最適化が必要となる」とクラム氏は言う。

強調スニペットやナレッジグラフの下に表示される1位というポジションは、それらがない場合の1位というポジションとは異なる」とクラム氏は述べる。

「同様に、1位でなかったとしても、People Also AskやInteresting Findsなどの下に表示されている場合、多くのトラフィックは獲得できないだろう。これらの機能はユーザーの目を引き、多くのクリックを獲得してしまうからである。」

「我々は現在の検索結果により対応するべきだ。マップパック、ニュース、イベントなどで上位表示され、従来の自然検索結果以外の場所からのクリックを獲得すべきなのである」と彼女は付け加えている。

トレンド10:プログラミング

「2020年、PythonやRといったプログラミング言語の習得を開始し、時間がかかる作業を減らすべきだ」とMoz社のシニア・SEO・サイエンティストであるブリトニー・ミュラー氏は述べる。

SEOの自動化は下記のマーケティングの効果を開放することになる。

  • ブランディング
  • 優れた顧客体験の設計
  • ストーリーテリング
  • 顧客が使用する言葉で語る
  • ターゲット市場からの声を聞き、考察の深い、タイムリーな反応を提供する
  • コンテンツの消費しやすさの提供(ユーザーが好む方法で)
  • 人間力

Catalyst社のSEO部門の代表であるポール・シャピロ氏は次のように述べる。「プログラミングはSEO担当者をより良いSEO担当者にする。そして、それらの者が採用される機会は増えている。」

「分析作業にExcel以上のものを使用することは大きなアドバンテージだ。より洗練された分析を行えるようになり、また、下記の効果も見込めるだろう。」

  • 他のデータとの統合
  • 複雑な問題を解決するための機械学習の適用
  • 人間のインプットでは通常困難とされる決定(インプットの時間に制限がある場合)

2020年のトレンドと考察をさらに詳しく知りたい方へ

今回の記事は、58人のエキスパートによる2020年のSEOにおける最大のトレンドという我々の新しいebookのダイジェストにすぎない。より多くを読みたいだろうか。

そうであれば、「58人のエキスパートによる2020年のSEOにおける最大のトレンド」をダウンロードすることをおすすめする。

このebookでは、2020年のSEOを成功に導くためのエキスパートによるアドバイスや考えを、フルバージョンで確認することができる。ぜひご覧いただきたい。

この記事は、SearchEngine Journalに掲載された「10 Important 2020 SEO Trends You Need to Know」を翻訳した内容です。

BERTの導入やE-A-Tへの注力が目立つように感じました。

個人的にはゼロ検索結果への注目や、検索エンジンが進化するからこそ基本的な技術要素を疎かにしないといった意見が興味深かったです。

ツイッターなどで、皆様の意見もご共有いただければ幸いです。

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2020年、Googleの垂直化とゼロクリック検索がローカル検索へと与える影響

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

2019年はGoogleが検索結果を改善し続けている様子がわかる年でした。新年最初のコアアップデートも早速実施され、今年もWeb担当者としてはGoogleの動向から目が離せなくなる年になりそうです。

さて、今回はSearch Engine Landより、「ローカル検索から見るGoogleの今後」をテーマにした記事となります。Googleは今後どのような方向に進化を遂げていくのか。企業にとってGoogleはどのような存在になるのか。

文章が少し堅いのですが、一読の価値ありです。

最近、SparkToroブログにおいて、Mozの創設者であり、検索の第一人者であるランド・フィッシュキンは、「2020年、Googleが検索エンジンから競合他社に変わる年になる」と予測した。

ランド・フィッシュキンはWeb検索とゼロクリック検索に関するGoogleの独占状況を引用し、自身の主張を証明するために目を見張るほどの範囲の例を概説した。

Merriam Websterのような辞書サイトやGeniusのような歌詞サイト。あるいは、US NewsやFive Thirty EightのようなニュースサイトからExpediaやKayakのような旅行サイトまで。

レストランのレコメンド・天気・Celebrity Net Worthやビデオゲームなど、最近Googleが最近開発した機能の影響を受けているのは、考えられる限りほぼすべての業種である。

  • 強調スニペット
  • ナレッジパネル
  • 垂直検索体験
  • ゼロクリックトランザクション(Google上で予約)
  • ファネルより下のトランザクション(Googleショッピング・Googleトラベル)
  • カルーセル
  • ローカルパック

これらのトレンドはすべて技術的及び戦略的に関連している。

技術的な関連からは、ナレッジグラフの構築と、Googleが検索で使用するほぼすべての機械学習の普遍性について彼らは話している。

フィッシュキンの主張に沿うのであれば、戦略的な観点からは、Googleは行動モチベーションを高める情報源や、すべての潜在的な情報源を余白に詰め込むことによって、ますます体験の中心を占めるようになっている。

このすべてがローカル検索にどのように影響するかについて、拡大する可能性が非常に高い方法に関するいくつかの考えを共有したいと思う。

私の感覚では、Googleは旅行からショッピング・レストラン・サービスなど、さまざまな業種での検索方法を注意深く見ている。

特に、昨年はローカル検索のセット機能を微調整しているが、場合によってはそれをもっと拡大し、より垂直化された検索体験を作成し、ユーザーの行動ファネルにおいてかつてないシェアを所有するだろう。

Googleは粘着性と競争に対する保護への終わりのないクエストに対抗して、ファネルの所有を部分的に進めたいと考えている。

言い換えれば、Googleは世界最高のローカル検索エンジンになりたいと考えているのだ。

Googleは一般的な市場を少なからず征服しているのは確かであるため、垂直化は順調なステップといえる。

しかし、Googleの動向はそれに留まらない。

検索エンジンが夢のような夢を超えて成功するシナリオにおいては、ニッチなマッチングサイトやディレクトリが単純に除外され、Googleだけが消費者と企業を結び付ける存在となる。

このトレンドの例をいくつか紹介しよう。

リテールショッピング(小売り)

これは時間の経過に伴う多くの微妙な変化が、Googleが過去に提供していたものとは異なる検索体験に融合したケースである。

現在、Googleは地域に関する明確な検索意図がなくとも、製品がその地域で購入できることを示す可能性がはるかに高くなっている。

同じ検索結果の下の方で、Googleはローカルパックをカスタマイズしてユーザーに提供していることがわかる。

例えば、Targetの最初のカテゴリは「おもちゃ屋(Toy Store)」に切り替えられている。

3つのリストはGoogleがWebサイトからデータをマイニングして関連性を判断しており、ビジネスサイドは明示的に配信する必要がないことを示している。

特に製品に関する検索では、Googleはここ数ヶ月、特定の検索クエリに一致する写真を表示するために、写真コンテンツの掘り出しとリストの表示変更にも重点的に取り組んでいる。

マイク・ブルメンタルの検証によれば、これは宝石を検索するときに特にうまくいくようだ。

以下の例では、Googleは各リストで利用可能な写真の中からイヤリングの写真を取り出し、ローカルパックに目立つように表示している。

3番目のリストでは、Googleは写真に他のアイテムが含まれていても、対象となるイヤリングの存在を通知できることがわかる。

ホテル

フィッシュキンも触れているが、ホテル検索が他のローカルカテゴリと比較して劇的に変化したため、ホテルをローカル文脈で具体的に議論する価値があると思う。

今年、ローカルパックは「ホテルパック」となった。

ローカルパックに似ているが、実際にはホテルパックは完全に異なる検索体験への入り口だ。

2018年後半に、Googleはホテル用のローカル検索の新バージョンを導入した。それには、より多くのフィルターと、9×9のリスティングが含まれていた。

それはすでになくなっており、今ではGoogle Travelのホテルセクションに置き換えられた。これにより、各ホテルで利用可能なプロフィール情報が大幅に拡張された。

ホテルのプロフィールのタブには、価格・レビュー・場所・概要・写真が含まれるようになった。

これには、Googleマイビジネスでこれまで利用可能であったものと比較して大幅に拡張されたアメニティのリスト、およびその地域でのおすすめ事項などのデータが含まれている(ホテルの近く・ビジネス・Googleユーザー・サードパーティソースからの写真)。

飲食店

これは長い特別な歴史を持つ分野だ。

Hotpotの時代や、検索中のレストランのプロフィールを上げて、レストランのおすすめを求めてYelpや他の場所に流れる可能性のあるトラフィックを獲得するために設計されたGoogleの実験を思い出すと、非常に長い歴史があることがわかる。

レストラン検索の人気を考えると、それは驚くことではない。Googleは当初から、現在の状況を見越して取り組んでいたに違いないだろう。

Search Engine Landのグレッグ・スターリンの調査によると、我々は消費者の84%が他のカテゴリーより多く、オンラインでレストランを探していることがわかった。

今日、レストランの検索は一般的な検索と劇的に異なっているわけではない。しかし、わかりやすい料理の写真など、いくつかの微妙な違いがある。

レストランのローカルパックには、レビュー・料理の種類・価格・時間・ロケーション履歴を参照するようGoogleに依頼できる「過去の訪問」といった特別なフィルターも含まれている。このフィルターを使用すると、訪れたことのあるレストラン、または訪れたことのないレストランのみを表示する。

さらに以下のDivine Thaiのリストにある「伝統的な食事のためのリラックススポット」などの説明は、Googleの編集チームの熱心な努力により、他のリストよりはるかに一般的である。
このため、レストラン検索は他のカテゴリー検索よりもはるかに推奨されているように見える。

サービス指向ビジネス

Googleは過去数年にわたり、Google保証の返金プログラムやGoogle Screenedライセンス検証サービスなど、ローカルサービス広告の新機能を着実に展開してきたが、この取り組みは半分しか実現していない。

これはおそらく、多くの業種がローカルサービス広告の対象から除外されているためである。

2019年に不動産業者・弁護士・ファイナンシャルプランナーが追加され、現在は約30のタイプの業種がリストとなっている。
(錠前や配管工・ペットグルーマー・写真家・ハウスクリーナー・害虫駆除)

ローカルサービス広告はアメリカのすべての地域で利用できるわけではないが、範囲は拡大している。

ローカルサービス広告のユーザー体験は、GoogleショッピングやGoogleトラベルと比較するとやや貧弱だ。「house cleaners anaheim ca」を検索すると、画面の上部に広告カルーセルが表示され、その下にローカルパックがトラフィックを奪い合っている。

Googleホテルと比較すると、広告を選択する明確なインセンティブはない。

ローカルサービス広告のインターフェイスを適切に入力してビジネスを選択すると、上記で共有したホテルの例よりもはるかに単純なプロフィールが表示される。

しかし、これがWebサイトに代わるものであるなら、特に印象的だとは感じない。

それでも、ローカルサービス広告の存在自体が、未来のホームアドバイザーになるというGoogleの関心を示している。

今後、Googleがより堅牢なサービスを提供し、それが飛躍することは予想が付く。そして、それは企業にとっては無料だ。

今日、サービス指向のビジネスは、広告費を払うか、もしくはGoogleマップとローカルパックにランク付けされるために、大企業と勝負しなければならない。

これが錠前屋・ガレージドアの設置者・弁護士などのサービス指向のカテゴリにスパムが並ぶ理由になっていることは、疑いの余地がないだろう。

Googleは次にどこへ向かうのだろうか

Googleが垂直化された体験を中心に構築している勢いを考えると、来年以降、Googleはさらに検索結果へ垂直性を追加し続ける可能性がある。

実際、最近のThink with Googleのレポートが、「Traditional industries are transforming with digital」というセクションで食料品・自動車・金融を具体的に示していることを考えると、これはGoogleの方向性を示唆しているのかもしれない。

過去2年において、「食料品アプリ」のモバイル検索が900%増加し、「電気自動車」のモバイル検索が85%増加し、「財務計画と管理」のモバイル検索が70%増加した。

これらは、Googleのようなデータドリブン型企業が新しい機能をどこに構築するかを決定する際に、確実に参照する種類の需要のシグナルである。

モバイル検索といえば、垂直化は、イノベーションの焦点としてデスクトップが実際にモバイルの前にあるという奇妙なケースだ。

例えば、Googleホテル検索のモバイルブラウザバージョンはデスクトップとほぼ同じだが、余分なタブが複数あり、検索体験としてはそれほど強力ではない。

また、ローカル検索が増加しているGoogleマップは、ホテル用の新しいインターフェイスに切り替えられておらず、アプリ内体験を統一する必要性に疑いの余地はないだろう。

Googleマップの人気の高まりに対して、Googleが、垂直化の優先順位をどのようにバランスさせるかは特に興味深いトピックだと思う。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「How verticalization and zero-click will impact local search in 2020」を翻訳した内容です。

Googleがユーザー体験の多くを占めるようになる、そんな未来を示唆した記事でした。

Googleは検索結果に独自のサービスを次々と追加しており、検索のプラットフォームから総合的なプラットフォームに移り変わっていくのは予想に難くないでしょう。「SEOのみに頼った集客は危険」とは言われ続けていることではありますが、今後はより一層そのような意識を持つ必要があります。

しかし、依然として有力なプラットフォームであることは確かです。Googleがさらに力をつけるなら、よりSEOの重要性は高まっていくでしょう。

SEOを含むマーケティングをどのように行っていくのか? 考え続けていく必要があると思わされる記事でした。

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2019年、SEO Japanでよく読まれた記事ランキングトップ10

こんにちは、アイオイクス株式会社SEO Japan編集部です。

2019年も、SEOは激動の年でした。

3ヶ月に1回のコアアップデート、Googleしごと検索のリリース、検索結果(SERPs)の変化など、要注目のトピックが豊富だったように思います。

そんな中、SEO Japanでは42記事の配信を行い、基本的なSEOの概要から、具体的なSEO施策、ときには調査データといった内容の記事を公開して参りました。

2019年も大勢の方にご覧いただきまして、SEO Japan編集部としてはとても嬉しく感じております。誠にありがとうございます。

さて、本日、SEO Japanは年内最後の更新となります。

そこで、今回は「2019年、SEO Japanでよく読まれた記事ランキング」と題しまして、どんな記事が皆様の興味を引いたのか、トップ10をランキング形式でお届けします。

果たしてどの記事がノミネートされたのでしょうか。ぜひご覧ください。

【1位】500万の検索結果を分析した結果、自然検索のクリック率についてわかった10の事実


500万の検索結果を分析した結果、自然検索のクリック率についてわかった10の事実

1位は、ブライアン・ディーン氏でおなじみBacklinkoによる、自然検索結果のクリック率を調査したデータの記事でした。

  • 検索順位1位のクリック率はどれほどなのか
  • どのようなタイトルのクリック率が高いのか
  • meta descriptionはクリック率に影響するのか

など、「ユーザーの興味を引くためにはどうすれば良いのか」が、実際のデータに基づいて解説されています。

検索結果上での順位はもちろん大事ですが、「検索結果からどれだけの流入を埋めるか」まで意識して取り組んでいきたいですね。

【2位】30分以内に結果が出る高度なSEOテクニック

30分以内に結果が出る高度なSEOテクニック

2位はNEILPATELによるFAQとQ&Aのリッチリザルトに関する記事でした。

タイトルは翻訳元の「Advanced Hack: How to Improve Your SEO in Less Than 30 Minutes」を直訳したものですが、結果として釣りタイトルのようになってしまい、その節は失礼いたしました。

構造化マークアップは、検索順位に直接は影響しないとされています。

しかし、「30分以内に結果が出る」とされているとおり、検索結果に反映されるのも早い施策であるため、ユーザーの注目を集めたい場合は実装してみてはいかがでしょうか。

【3位】Googleサーチコンソールの「クリック数」「表示回数」「掲載順位」のガイドを紐解く

Googleサーチコンソールの「クリック数」「表示回数」「掲載順位」のガイドを紐解く

3位は、Search Engine LandによるGoogleサーチコンソールの各指標に関する記事でした。

昨今の検索結果は、強調スニペットやナレッジパネル、広告によって、以前と比べてバラエティ豊かな見た目となっています。

この記事では、「サーチコンソールはどのように順位を判定して表示しているのか」という疑問に対し、かなり詳しい解説がなされています。

データを正しく読み解くことで、見えてくるものもあるでしょう。

少し複雑な記事になっていますが、ぜひこの年末に読み込んでみてはいかがでしょうか。

【4位】Googleの検索結果において、自身のサイトをよりクリックされやすくする5つの方法

Googleの検索結果において、自身のサイトをよりクリックされやすくする5つの方法

CXLによる、検索結果ページ(SERPs)内でのクリック率を高める方法の記事です。

強調スニペットやGoogleのサービスの表示などにより、サイトへの自然流入は減りつつあります。

ただし、SERPsでの表示を最適化することで、サイトへの流入数を増やすことはできるはずです。

良いコンテンツをユーザーに届けるための入り口として、こだわれるところはこだわってみましょう。

【5位】キーワードリサーチから被リンクの獲得まで。最新のSEO施策17選【2019年版】

キーワードリサーチから被リンクの獲得まで。最新のSEO施策17選【2019年版】

Backlinkoによる、SEO施策のまとめ記事です。

「スニペット・バイト」「リンク・インターセクト」など、見慣れない言葉が並びますが、「なるほど」と思わされる施策も多く、一見の価値ありです。

すべてを実施する必要はありませんが、SEOに行き詰まりを感じているのであれば、こうしたアイディアリストから施策を考案してみるのは有効かもしれません。

【6位】【実験】新しいコンテンツをいち早くGoogleで上位表示させるためにすべきこと

【実験】新しいコンテンツをいち早くGoogleで上位表示させるためにすべきこと

NEILPATELによる、新規コンテンツに対するSEO施策の記事です。

結論は、「行えるすべての施策を行うべき」となりますが、特に以下の施策が重要です。

  • サイトマップの送信
  • 既存コンテンツからの内部リンク
  • SNSでのシェア

コンテンツの初動を加速させるためにも、できることはひととおり試してみてはいかがでしょうか。

【7位】【調査データ】Googleマイビジネスで3.7以上の評価を得ると、コンバージョンが増加する

【調査データ】Googleマイビジネスで3.7以上の評価を得ると、コンバージョンが増加する

Search Engine Landによる、Googleマイビジネスとコンバージョンの関係性の記事です。

内容としては、Googleマイビジネスの評価(レビュー)が3.7以上のビジネスは、検索経由でのコンバージョン率が高いというものです。

コンバージョンは複合的な要因によってもたらされるため、評価が高ければ必ずしもコンバージョン率が高くなるわけではありません。

しかし、顧客に向き合う姿勢は、自然と評価にも反映されるため、ひとつの指標として評価を高めるのは良い施策といえます。

【8位】Googleのコアアルゴリズムアップデートによる変動からサイトを回復させるために重要な4つのポイント

Googleのコアアルゴリズムアップデートによる変動からサイトを回復させるために重要な4つのポイント

Googleのジョン・ミューラー氏への質疑から、コアアルゴリズムアップデートの概要を知るという趣旨の記事です。

2019年はコアアップデートが頻繁に行われた年でした。そして、コアアップデートは主にYMYL領域に影響するアップデートとされています。

YMYL領域においては、サイトのE-A-Tが重要となりますが、抽象的な概念であるため、イマイチピンと来ない方も多いはずです。

サイトの順位が下落する理由のヒントとして、一読の価値ありです。

【9位】【調査データ】若者はスニペットとナレッジパネルから情報を得ており、検索結果をクリックしない

【調査データ】若者はスニペットとナレッジパネルから情報を得ており、検索結果をクリックしない

検索結果上でのユーザー行動について、実際のユーザーへの聞き取りをもとにしたデータの記事です。

  • 自然検索結果はユーザーに好まれているのか
  • 強調スニペットはユーザー行動に影響するのか
  • ナレッジパネルをユーザーは気にしているのか

などを中心にまとめられています。

アメリカで行われた調査であるため、日本のユーザー行動とは違う部分もあるかもしれませんが、それでも参考になる記事です。

【10位】検索結果の順位をあげるための、内部リンク構築戦略

検索結果の順位をあげるための、内部リンク構築戦略

SEOにおける内部リンクの重要性が語られた記事です。

「サイト内でどのページが重要とされているのか」は、内部リンクによって判断される要素が大きいです。

サイト内のコンテンツがリンクによって繋げられていないと、ユーザーはもちろん、Googleもページ同士の関連性を認識することが難しくなります。

SEOにおいて、「関連性」はひとつのキーワードです。内部リンクは意識して構築するようにしましょう。

まとめ

2019年にSEO Japanでよく読まれた記事のトップ10は、以下のとおりでした。

  1. 500万の検索結果を分析した結果、自然検索のクリック率についてわかった10の事実
  2. 30分以内に結果が出る高度なSEOテクニック
  3. Googleサーチコンソールの「クリック数」「表示回数」「掲載順位」のガイドを紐解く
  4. Googleの検索結果において、自身のサイトをよりクリックされやすくする5つの方法
  5. キーワードリサーチから被リンクの獲得まで。最新のSEO施策17選【2019年版】
  6. 【実験】新しいコンテンツをいち早くGoogleで上位表示させるためにすべきこと
  7. 【調査データ】Googleマイビジネスで3.7以上の評価を得ると、コンバージョンが増加する
  8. Googleのコアアルゴリズムアップデートによる変動からサイトを回復させるために重要な4つのポイント
  9. 【調査データ】若者はスニペットとナレッジパネルから情報を得ており、検索結果をクリックしない
  10. 検索結果の順位をあげるための、内部リンク構築戦略

並べてみると、検索結果上でのユーザー行動(CTRなど)に関連する記事の人気が高かったようです。

SEOは外部要因などの変数が多いため、「どの施策がどれだけの効果をもたらすのか」を判断しにくいのが特徴です。

そのため、調査データのような、具体的な成果がわかるコンテンツが人気なのも頷けます。

「SEOは何から始めれば良いのか」に悩んだ場合には、わかる範囲でデータを収集し、施策に優先度をつけて実施するのが堅実でしょう。

来年もSEO Japanをよろしくお願いいたします

2019年のSEO Japanの更新はこれでラストとなります。

今年もSEO Japanをご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

2020年は社員によるコラムブログ「SEO Japan Mini」や、メールマガジン、Twitterといった発信活動をより強化していきたいと考えています。

今後もSEO Japan及びアイオイクスをよろしくお願いいたします。

それでは皆さん、良いお年を!

ユーザーの目を引く検索結果。ユーザーはどのように検索結果を見て回り、それはSEOにどんな意味をもたらすのか?

「10本の青いリンク」と呼ばれた伝統的な検索結果画面は、今日においては、ほぼ目にする機会がないでしょう。

広告に加え、ナレッジパネル、Googleマイビジネス、リッチカードなど、様々な要素が検索結果画面に表示されています。これらの表示がユーザー行動に影響することは十分に考えられ、SEO担当者としても非常に興味が沸く領域です。

今回は、こうしたユーザー行動への影響調査をまとめたSearch Engine Landの記事をご紹介します。

ユーザーの注意は、検索結果画面を横断して「飛び跳ねる」。それに応じて検索行動も変化している。

近年、ナレッジパネル、画像、ローカルパックなどの機能が検索結果画面に多く表示されるようになった。

それらの表示回数は急増し、SEO戦略にも大きな影響を与えている。

こうした複数の機能の導入が、検索者の行動にどのような影響を与えているか、それを明らかにする目的で新たな調査が行われている。

ニールセン・ノーマン・グループによって行われた調査によれば、広告プロダクトのカルーセル、動画カルーセル、強調スニペットやリッチリザルトなどが検索結果画面(SERPs:Search Engine Result Pages)に表示される場合、それは74%のユーザーに見られているということだ。

こうした検索結果画面の視覚的要素は、ユーザーの注視(目線)の経路に影響を与える。また、クエリによって複数の機能の表示は可変となるため、ユーザーの注視のパターンは、直線のパターンではなくなっていると、この調査が明らかにしている。

これは、2017年から2019年の期間で、アイトラッキングとユーザービリティ調査の参加者を対象に、471のクエリを分析した調査の結果となっている。

検索結果画面の機能は、ユーザー行動とアクションにどのような影響を与えるのか

強調スニペットのような機能が検索結果に表示されると、74%の場合においてユーザーに見られるということが、調査によって明らかになっている。

「画像は明らかに注意を引きつけ、また、視覚的な魅力があるため、彼らが探しているトピックについての検索結果であるとユーザーが判断するのに役立っている」と、ニールセン・ノーマン・グループのシニア・ユーザーエクスペリエンス・スペシャリストであり、この分析レポートの著者であるニールセン・ノーマン氏はSearch Engine Landに対して述べている。

また、「しかし、素早く答えを提供する要素も多くの注意を引きつける。強調スニペット・ナレッジパネル・他の人はこちらも質問、といった要素だ。」とも述べている。

興味深いことに、こうした要素は検索結果画面の複雑さを増すことになるが、ユーザーは比較的素早くアクションを起こしているようだ。この調査の参加者たちが、最初に選択した結果をクリックするまでに要する時間は、平均で5.7秒である。

Yextによって行われた別の調査では、ローカル検索結果でのアクション(経路の把握や電話をかける、などのクリック)は大きく増加(17%)しており、去年のビジネスリスティングの表示回数の増加(10%)よりも多い。

「この状況は、ユーザーは、彼らが欲するものをより早く探し当てることができるようになっていることを意味している」と、Yextのアナリストは結論づけている。

「より具体的なクエリを使うことをユーザーは学んでおり、検索エンジンもこうしたクエリの理解を深めていることから、ユーザーは検索にかかる時間を短縮させ、より多くの時間をビジネスを知ることに費やしている」とも述べている。

ピンボール・パターン

検索結果画面の上位に表示される価値は、ユーザーは検索結果を連続して見るという考えに基づいている。

近年の検索結果では、従来の検索結果に加え、広告やインタラクティブな要素など、異なるタイプの結果が表示されている。

ユーザーはそうした複数の要素を直接注視しており、その動きは直線的な動きではない。ニールセン・ノーマン・グループはこの現象を「ピンボール・パターン」と名付けている。

ピンボール・パターンでは、ユーザーの注視は、検索結果画面の各要素間を動く

「検索結果画面はクエリによって異なるため、検索結果画面をよく読み、クリックを選択する前に、ページの構造への理解をユーザーは強いられている」と、レポートには記載されている。

リッチアンサー、カルーセルなど、あらゆるクエリで多くの要素が表示されている。こうした情報の詰め合わせは、検索結果画面におけるユーザーの注視の変更に、非常に大きな影響を与えている。

調査では、「検索結果画面のレイアウトが、どのリンクがビジビリティ(可視性)とクリックを獲得するか、その決定権を有している」とされている。

また、「視覚的に強制力のある要素が表示される場所が、それら付近に表示される自然検索結果のビジビリティに影響を与えているかもしれない」、とも述べている。

上記の図は、「購入すべき最高の冷蔵庫(best refrigerator to buy)」という検索における、調査参加者の目線の動きである。

この参加者は、自然検索結果を見る前に、ショッピングカード・広告・強調スニペット・他の人はこちらも質問といった要素に注意を向けている。

どのような検索結果が見られ、クリックされているのか

2006年と今日における検索行動の一番の変化は、検索結果の最初に表示される結果のクリック数である。

2019年では、最初に表示される結果(ここでは、検索ボックスの下に1番初めに表示されるアイテムを指す。そのため、広告である場合もある)が、28%のクリック数を得ている。

しかし、2006年の場合、最初に表示される結果は51%のクリック数を得ていた。

この調査では、ゼロ・クリック検索の増加も考慮されているが、過去と比べ、広告の露出とクリックがページを押し下げている可能性は十分に考えられる。

つまり、2006年と比べ、広告とインスタントアンサーのような機能が、検索結果の上部に表示される機会が増えているということだ。これを考慮した上で、下記のデータを読み取ってほしい。

検索結果画面の位置における表示回数とクリック数の分布

この調査によると、3位までに表示される結果がクリック数の半数以上(59%)を得ている。3位以下に表示される結果は、2006年と比べ、わずかに高い割合のクリック数を得ている。

ユーザーがクリックした結果が読み込まれるのを待つまでに検索結果をブラウズし続ける場合も観察されている。

最初に選んだページが彼らの疑問を解決しなかった場合、検索結果画面に戻り、最初の選択を行う前に確認していた他のページを選択するユーザーもいた。

ファーストビュー以下の価値は多様である

ナビゲーショナルの検索と事実を確認するための検索において、ファーストビュー以下の検索結果(ユーザーがより多くの検索結果を見るためにスクロールした際に表示される検索結果)はわずか5%しか選択されない。

より複雑な検索の場合、ファーストビュー以下の結果は20%選択されている。

  • タイトル:タスクの種類によるファーストビュー以上・以下の選択
  • 青色:ファーストビュー以下の検索結果の選択
  • 灰色:ファーストビュー以上の検索結果の選択
  • 左のバー:調査関連のタスク
  • 右のバー:事実確認やナビゲーショナルのタスク

仮にファーストビュー以下に表示されていたとしても、深ぼったコンテンツを発信している場合は、クリックを得ることができる可能性を、この調査は指し示している。

しかし、1ページ目以下を確認されるクエリは、全体の2%ほどである。

なぜ、我々は注意する必要があるのか

今回の調査が実際の検索行動を反映しているのであれば、検索結果に表示される要素に対する最適化が成功した場合、その恩恵に預かることになるだろう。

自然検索結果の上位というポジションは、あなたのWebサイトのビジビリティを高める複数の要素のうちの1つにすぎない。

自然検索結果の「青いリンク」は広告やリッチアンサーにその場所を譲っており、Perficient Digitalの調査によれば、昨年以降、モバイルにおいては2倍以上となっている。

また、Googleマイビジネスは、昨年以上のクリックを得ている。

検索結果画面により多くの要素が表示されるというトレンドは、ユーザー行動に大きな影響を与えるだろう。Googleでの検索の大部分は他のWebサイトへのクリックが発生しておらず、これは、パブリッシャーが自然検索から獲得できるトラフィック数が減少することを意味している。

こうした要素の表示数は今後も増加することが見込まれ、減少することはないだろう。

このトレンドを念頭に置いた上で、マーケターは戦略を練る必要がある。

SparkToro社のランド・フィッシュキン氏がSMXで「検索結果画面のSEO」を紹介していたが、自身の組織に最も意味をなす検索結果画面の要素への最適化によって、ブランドは検索結果からオーディエンスにリーチする方法を発見することができるだろう。

ナレッジパネルが初めて登場した際、「スイス アーミーナイフ」とGoogleは表現していました(Webサイトを「コーク・スクリュー」としていました)。

つまり、「簡単なタスクであればGoogleで完了し、キチンとした仕事であれば、ユーザーはWebサイトを訪問するだろう」ということです。現在、ナレッジパネル等は非常に便利になっており、ユーザーもそれらから情報を得ることが当たり前になっていると思われます。

変化に対応するのはユーザー行動だけではなく、検索結果に対しても行うべきだと改めて考えさせられる記事でした。もちろん、両者は影響しあっていることを忘れてはいけません。

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コンテンツマーケティングを成功させるための6つのプロモーション手段

品質の良いコンテンツの作成は、どのWebサイトにも必要であり、SEOに限った話ではありません。

しかし、作成したコンテンツをどう宣伝するか、力を入れているサイトは意外なほど少ないかもしれません。

今回は、作成したコンテンツを簡単に宣伝する方法を紹介した、ニール・パテル氏の記事を紹介します。

ブログ記事を書くことは簡単だ。

書き慣れていない人は、そう思わないだろう。しかし、こちらの記事の内容に従えば、ライティングも苦にならないはずだ。もしくは、こちらの動画を参照してほしい。

しかし、ブログ記事を書き終わった後、あなたは何をするだろうか。

多くの人が、コンテンツマーケティングにおける「マーケティング」を忘れているのだ。コンテンツを書く人は多くいる。しかし、プロモーションに力を入れる人は少ない。

そこで、私はコンテンツのプロモーションにおける、完璧な公式を作成した。

特に複雑な作業を強いるわけではない。30分とかからないだろう。それぞれを6つのステップに分けて紹介する。

だが、具体的な公式の説明に入る前に、その効果をまずはお伝えしたい。私の一番新しいブログ記事にこの公式を採用した結果は下記だ。

1週間で35,492の訪問を獲得した。これは、恥ずべき数字ではないだろう。この記事が特別優れた内容であったわけではない。ごくごく平均的な内容だ。

私はこの施策をずいぶん長く実践しているため、私と同じような結果をあなたは得られないかもしれない。

しかし、この施策を実践する前と比べて、あなたの記事のパフォーマンスはきっと良くなるはずだ。タイトルにあるとおり、私は35,492の訪問を獲得したが、少なくとも0くらいは獲得できるだろう。

では、各公式の説明に移ろう。

No.1:タイトルを最適化する

10人中8人は、あなたの記事のタイトルを読んでくれる。しかし、そのタイトルをクリックし、残りの記事を読もうとする人は、10人中たったの2人である。

どれだけコンテンツの中身が素晴らしかろうが、タイトルが魅力的でなければ、プロモーションの効果は薄れてしまうだろう。

あなたはこのように考えていることだろう。「すでに記事を公開してしまっているため、変更するには遅すぎるのではないか」と。

いや、タイトルの変更はどのタイミングでもかまわない。ただし、一度公開した場合はURLを変更しないことだ。もし、URLの変更が必要ならば、301リダイレクトを使用しよう。

タイトルを有効活用するシンプルな方法がある。しかも、数分とかからないのだ。

Ubersuggestにアクセスし、そのコンテンツのメインとなるキーワードやフレーズを入力しよう。

下記のようなレポートが出力されるはずだ。

サイドバーにある「コンテンツ候補」をクリックしよう。

すると、次のレポートが出力されるはずだ。

このレポートは、あなたが入力したキーワードやフレーズをタイトルに含んでいる世界中のブログ記事を表示してくれる。そして、ソーシャルシェア、バックリンク、検索トラフィックのデータも併せて提供される。

このレポートの情報を参考にしよう。

「数千のソーシャルシェア(メジャーな業界でなければ数百でもかまわない)」、少なくとも「10の被リンク」「100以上の流入見込み」の3つを有するタイトルを探せれば理想だ。つまりは、以下のようなケースである。

上記3つの条件が当てはまるタイトルの内容を参考にすれば、あなたのコンテンツもより多くのトラフィックを獲得することが見込まれるだろう。

No.2:3本の内部リンクを追加する

新しいコンテンツが愛されるために必要な最も簡単な方法は、リンクを構築することである。

もちろん、リンクの構築はとても困難だ。しかし、内部リンクの構築は困難ではない上、効果的でもあるのだ。

私の記事は、「デジタルマーケティング」という競合性の高いキーワードで上位表示されている。

内部リンクが大きく貢献していると言えるだろう。サイドバーや各ブログ記事に、デジタルマーケティングのメインとなるページへ、リンクを設置している。

新しい記事を作成する度に、その記事と関連した過去の記事を探し、新しい記事へのリンクを貼るのだ。古い記事から少なくとも3本のリンクを設置しよう。

この作業がインデックスの助けとなり、検索結果での上位表示にも影響するのである。

No.3:コンテンツをソーシャルで注意深く共有しよう

ソーシャルメディアマーケティングにおける問題は、FacebookやLinkedInといったサイトに、半ば自動的に、ただ共有してしまうということだ。

このままではうまくいかない。なぜなら、何十億というURLがすでに共有されてしまっているからだ。

言い換えると、我々は普段、共有されたURLの多くを無視しているのだ。

しかし、ソーシャルメディア上で目立ち、数千もの訪問を獲得する単純な方法がある。

どのような方法か。

ヒントを与えよう。LinkedInでの私の最新の投稿を見てみてほしい。

2020年、マーケティングは変化を遂げるだろう。しかし、あなたが考えているようにはならない。

誰も語っていないことが起ころうとしている。

そして、これがFacebookでの投稿だ。

これまでに、GoogleがBERTと呼ばれるアルゴリズムのアップデートを行ったことを耳にしているだろう。

検索全体の10分の1において影響のある、大きなアップデートだ。

SEOを行うものとして、あなたは何をすべきなのだろうか。多くのトラフィックを得るために、どのようにしてBERTを活用できるのだろうか。

ここでは、BERTに愛されるよう、コンテンツマーケティングを行う方法を解説する。

パターンにお気づきいただけただろうか。

私は、好奇心を起こさせることを念頭においている。言い換えれば、私はあなたの興味を惹こうとしている。もし、あなたがその「解決策」を知りたければ、私のサイトへ訪れるだろう。

LinkedInの投稿では、「マーケティングの状況は来年大きく変化する」と伝えている。また、「誰もまだ語っていない」という表現を用いている。

マーケティングの状況が変化することは誰もが知っているため、このような表現を用いている。「誰もまだ語っていない」と表現することで好奇心を駆り立てているのだ。

もし、「どのように変化するのか」ということに興味を持てば、私のサイトを訪れ、記事の残りの箇所を読む以外、選択の余地はなくなるだろう。

Facebookの投稿でも、好奇心を駆り立てるようにしている。この投稿ではGoogleのアルゴリズム更新について触れているが、「Googleの最新のアルゴリズム更新をどのように活かすべきか、その答えを私は知っている」という表現を用いている。

そして、その内容を知りたければ、私のサイトを訪れるほか、取るべき行動はないはずだ。

自身のサイトへユーザーを導きたいのであれば、ソーシャルで投稿する際、好奇心を引き立てるようにしよう。

最も簡単な方法は、ソーシャルメディアで記事を共有する際、人々の興味を引くようなセンテンスを追加することである。

No.4:発リンク先へメッセージを送る

ブログ記事内で他サイトへのリンクを設置することがよくある。

競合サイトへリンクを貼ることもあるだろう。

他サイトへのリンクを設置していないのであれば、あなたは大きな間違いを犯していることになる。発リンクは、権威性と信頼性の助けとなるからだ。

記事内で何らかの統計やデータを用いる場合、そのソースについて言及するだろう。そうすることで、信頼性が増し、あなたのブランドに専門性が備わるだろう。

これは、Googleのメディック・アップデートの助けにもなり得る。

他サイトへのリンクを設置した場合、そのサイトのEメールアドレスを探しだそう。通常、サイト上にEメールアドレスは記載されているはずだ。

Eメールアドレスが見つからない場合は、コンタクトページを探そう。コンタクトページのフォームから連絡を取ることも可能だ。

Eメールアドレスやコンタクトページが発見できれば、下記のようなメッセージを、発リンク先の全てのページに送信しよう。

こんにちは。【サイトオーナーの名前】

まず、伝えさせてください。私はあなたのコンテンツを非常に気に入っております。【発リンク先のページのタイトル】の記事は特に。

私の最新のブログ記事である【あなたのブログ記事のタイトル】から、こちらの記事へのリンクを設置しています。ご確認いただき、もしお気に召せば、あなたのお気に入りのソーシャル・ネットワークでご共有いただけますと、大変ありがたいです。

よろしくお願いいたします。

【あなたの名前】

私の場合、こうしたメッセージを送付すれば、50%~60%の人が返信してくれ、私の記事を共有してくれる。

しかし、私のブログは知名度があるため、私にとってはこうした結果を出すことは難しいことではない。ただし、最初から簡単であったわけではなく、今の状態に至るまで、この施策を長期間行ってきたのだ。

また、私はこの施策をニッチな市場においても実践している。そうした市場では、私の名前を伝えることはないが、成功率は20%ほどある。

注意点として、メッセージを送る際、あなたのサイトへのリンクの設置を求めないことだ。成功率はとたんに下がってしまうだろう。

No.5:Eメールの徹底送信

残り2つの施策は私が獲得した結果の大部分を占める。非常に基本的なことと思われるかもしれないが、決して侮ってはならない。

Eメールの送信をしていない場合、まずは、ユーザーのEメールアドレスを集めることから始めよう。Hello Barなどの無料のツールを使い、ポップアップやスライダーを作成しよう。

Hello Barは、あなたが現在使用しているどのEメールプロバイダーにも接続できるだろう。

環境構築が完了すれば、新しいブログ記事を投稿するたび、Eメールを送付しよう。

下記に、私が送信したEメールの一例を挙げる。

このメールから13,544クリックを獲得した。非常に効果的だ。

下記の項目を押さえていれば、Eメールの送信により、多くのトラフィックを獲得できるはずだ。

1.リストを磨き上げる

あなたが送信したEメールを30~60日間開いていないユーザーはリストから削除しよう。アクティブなユーザーでない可能性があるからだ。

2.テキストベースのEメールを送付しよう

上記の例のように、私はEメールを常に簡潔な内容にしている。画像も装飾もなく、テキスト文章と私のサイトへのリンクを記載しているだけだ。このくらいシンプルにしよう。

3.好奇心を駆り立てる

ソーシャルメディアの投稿のセクションで説明したように、好奇心を駆り立てる内容でなければ、Eメール戦略も成功しないだろう。

コンテンツを書けば書くほど多くのトラフィックを得られる。それは、Eメールリストをより大きなものにしてくれる。そして、より多くのEメールリストが、さらに多くのトラフィック獲得へとつながるのだ。

No.6:プッシュ通知を送る

プッシュ通知を活用するサイトが非常に少ないことは大きな驚きだ。2020年現在、私は、プッシュ通知はEメールマーケティングよりも多くのトラフィックを生み出してくれると考えている。

とある調査結果をお伝えしよう。マーケティング領域での競合他社を分析していた際、19サイトのうち、たったの3サイトしかプッシュ通知を使用していなかったことを発見した。

他の業界ではその割合はさらに低くなるだろう。つまり、大きな機会があると言えるのだ。

では、プッシュ通知の仕組みを説明しよう。

あなたのサイトを訪れたユーザーのブラウザ上に、「定期購読を希望するかどうか」というメッセージが表示される。

何人かは、「希望する」をクリックしてくれるだろう。NeilPatel.comでは、だいたい5.4%の訪問客が「希望する」をクリックしてくれる。

Subscribers.comのような無料のツールを使えば、プッシュ通知の送信と定期購読希望者を集めることができるだろう。

新しい記事を書く度にSubscribers.comにログインし、「通知を作成する(Create Notification)」ボタンをクリックしよう。この画面で、該当の記事のタイトルと説明文を入力することができる。

上記の画像の通り、私は、「アイコン(icon)」を使用し、画像サイズを「大(large)」にし、「カスタムボタン(custome buttons)」を表示させている。

これら3つの項目を使用することが、プッシュ通知から多くのトラフィックを得るための鍵となる。Subscribersを使用したデータの一部を公開しよう。

各プッシュ通知から、だいたい6,000ほどの訪問客を獲得している。悪くない数字だ。

プッシュ通知がどのように表示されるかは、私が送付している下記の画像を確認してほしい。

プッシュ通知の優れている点は、ユーザーがどのサイトを訪れていたとしても、上記のメッセージが表示される点だ。このメッセージにより、あなたのサイトに戻ってきてくれるユーザーもいるはずだ。

プッシュ通知を送信した際にオンラインでなくとも、次にブラウザを開いたときに、メッセージは表示される。

結論

コンテンツのプロモーションはそれほど大変な作業ではない。

「上級」のテクニックや、創造性に溢れたアイデアも必要としない。基本的な作業が効果的であり、私はこの記事で紹介した施策を何年も実施している。

今回の記事で紹介した施策以外にも、やれることはあるだろう。しかし、現実的に考えてみてほしい。我々が使える時間は限られている。

今回の記事で紹介した施策が、最もコストに見合った成果をあげてくれると確信している。

この記事は、NEIL PATELに掲載された「My 6-Step Content Marketing Formula That Drives 3,549 Visitors」を翻訳した内容です。

作成したコンテンツのパフォーマンスが悪い場合、品質の問題ではなく、宣伝の方法に問題があるかもしれません。

もちろん、全ての記事に対し、全力で宣伝を行うことは難しいと思いますが、今記事で紹介されたシンプルな方法から試してみてはいかがでしょうか。

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GoogleのE-A-Tにおける、よくある10の誤解

かつてはSEO界隈のみの用語でしたが、昨今はいたるところで話されている印象のあるE-A-T。

SEOのみならず、健全なWebサイトの運用にも一役買う概念であるため、多くの人が知ることは良いことだと思います。
しかし、抽象的な概念であるが故、噂のようなものが独り歩きしてしまうのも事実。

今回の記事はSearch Engine Journalより、誤解も多いE-A-Tを解説した記事を紹介いたします。

E-A-T(Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness:専門性、権威性、信頼性)は、Googleの品質評価ガイドラインの2014年度版に初めて登場した概念である。

このガイドラインは、Google検索の品質評価に使用される。

検索の品質評価とは、Googleに雇用された数千人の評価者が、一定のWebサイトをレビューし、それらのページの品質についてのフィードバックをGoogleに送付するといった内容だ。

評価者からのフィードバックはGoogleによってベンチマークされ、アルゴリズムの改良に活用される。E-A-TはGoogleの基準として機能し、該当のWebサイトが提供するコンテンツが、どの程度信頼に足るかを評価者が判断するために用いられる。

ガイドラインには、以下のように記されている。

有益な目的を持つ全てのページにおいて、専門性、権威性、信頼性(E-A-T)はとても重要だ。

Googleは、品質評価者が以下の項目を考慮に入れるよう、指南している。

  • 彼らが分析しているWebページのメインコンテンツのE-A-T
  • Webサイト自体
  • Webサイトのコンテンツの作成者

現行版の品質評価ガイドラインでは、167ページ中、E-A-Tという言葉が135回言及されている。

昨年、E-A-TはSEO界隈での大きな議論の的となった。特に、2018年8月1日にリリースされたGoogleのコアアルゴリズムのアップデートによる自然検索からのトラフィックの変化と結び付けて話されることが多かった。

SEO担当者は、E-A-TはGoogleのアップデートにおいて、重要な役割を担うと推測し始めた。特に、YMYL(Your Money Your Life)関連のWebサイトにとっては。
(後にGoogleもWebマスターセントラルブログで認めた)

SEO界隈で意見が交わされるに従って、E-A-T関連の議論は混乱し、誤解され、事実誤認も発生するようになった。

こうした誤解は、理論としては正しいこととGoogleのアルゴリズムの実際の仕組みの差によってもたらされている。

良いE-A-Tを持つサイトを検索結果に表示させることがGoogleの目的である。また、Googleのアルゴリズムも、そのように振る舞うと想定されるものだ。

しかし、E-A-T自体が、現在のGoogleのアルゴリズムの仕組みを説明するものではない。

この記事は、E-A-Tに関連する10個の噂や誤解を検証するために書かれている。

また、E-A-Tが実際にはどのように作用し、Googleがどのように使用しているかを明らかにしたいと思う。

1.E-A-Tはアルゴリズムではない。

E-A-T自体はアルゴリズムではない。

先日開催されたPubconでのQ&Aセッションにて、Googleのゲイリー・イリェーシュ氏は、「Googleは何百万もの小さなアルゴリズムの集合体であり、それらが一致団結して順位スコアを算出している。こうした”ベイビー・アルゴリズム”はページやコンテンツ内のシグナルを探しており、それらはE-A-Tとして概念化される」と述べている。

つまり、E-A-T自体はアルゴリズムではないが、Googleのアルゴリズムは、良いE-A-T、悪いE-A-Tと関連する、オンサイト、オフサイトの両方のシグナルを探している。

それは、権威性を理解するためにWeb上のリンクを利用する、ページランクのようなものだ。

2.E-A-Tスコアは存在しない。

上記と同様のセッションにて、ゲイリー・イリェーシュ氏は、「E-A-TスコアやYMYLスコアは存在しない」と認めている。

GoogleのアルゴリズムがE-A-Tスコアを付与していないというだけでなく、品質評価においてE-A-Tを分析している品質評価者が、個々のWebサイトのランキングには直接影響することもない。

3.E-A-Tは直接のランキング要素ではない。専門性、権威性、信頼性も、それぞれ個々のランキング要素ではない。

これは、E-A-Tがランキングとして重要な検討事項ではないということよりも、セマンティックについての議論となる。

Googleは少なくとも200を超えるランキング要素を使用している。例えば、ページスピード、HTTPS、タイトルタグ内のキーワードなどであるが、これらは特定のページの順位に直接影響しうる。

E-A-Tはこうした要素と同じように作用するものではない。ランキング決定の役割としては、もっと間接的なものだ。

E-A-Tはランキング要素か。

我々が直接測定できる、例えばスピードのような、技術的な要素を意味するのであれば、答えはNoだ。

我々は複数のシグナルをプロキシとして使用しており、該当のコンテンツがE-A-Tを満たしているか、人間と同じような判断を試みている。

この意味においては、E-A-Tはランキング要素であると言える。

E-A-Tが現在のアルゴリズムでどのように組み込まれているかと質問された際、AJ・コーン氏は次のように述べている。

「あまりに多くのSEO担当者が、専門性、権威性、信頼性をランキング要素と考えていると感じている。しかし、それらはアルゴリズムの仕組みそのものではない。

単純に、”そうあるべき”ものを推測するものだ。より有益な議論も発生している。

例えば、Googleがアルゴリズム的にこれらに影響を与えているのは何か。つまり、健康領域だ。

Googleは、最も価値のある医療系のテキストとより関連性があるかを判断するため、BioSentVec embeddingsを使用しているのか。それについての回答を私は知らない(個人的には実験しているように思えるが)。

いずれにせよ、こうした議論はより価値のあるものだと考えている。単純に、”専門性を増すために、署名欄にDrという記述を追加すべきか?”といった会話よりも。」

4.E-A-Tは全てのサイトが重点的に注視すべきものではない

Googleは品質評価ガイドラインで次のように明言している。

特定のWebサイトのE-A-Tのレベルは、Webサイトに記載されているトピックスや、どの程度YMYLの領域であるかによる。

例えば、「高いE-A-Tが求められる医療系のアドバイスは、適切な医療系の専門家や認証評価を有する個人や組織によって、作成されるべきだ」とある。

しかしながら、写真やギターの演奏方法など、趣味についてのWebサイトの場合、専門性の要求は低くなり、E-A-Tの分析という観点では、低い水準になりうる。

読者の幸福、健康、経済的な成功、福利などに直接影響を与えるYMYLのトピックを扱う会社にとっては、E-A-Tは非常に重要だ。

また、クレジットカードの情報を扱うため、ECサイトの領域もYMYLと考えられるということも重要と言える。

上記のE-A-Tメーターは、異なる領域のWebサイトにおいて、E-A-Tがどの程度重要であるかを示したものだ。

  • 左上:編み物:不要
  • 右上:有名人のゴシップ:低い
  • 左下:ペットの健康:高い
  • 右下:がん治療:非常に高い

5.E-A-Tに注力することは、技術的なSEOの監査や他のSEO施策の代替とはならない

E-A-Tに注力することが、それ単体で、SEOのパフォーマンスを向上することはない。

オンページの最適化、高品質な被リンクの獲得、技術的なSEOなど、成功するSEO戦略に組み込まれるべき通常の施策も、E-A-T獲得のために実行されるべき施策なのだ。

アルゴリズムの更新でネガティブな影響を受けたサイトにとって、E-A-Tは考慮すべき項目の1つにすぎない。

コア・アルゴリズムのアップデートからの回復は、サイト全体の品質の向上、ユーザー体験、技術的なSEO、Webサイトの構成の改善など、多くの異なる領域での改善が求められる。

さらに言えば、ページ読み込みの遅延、クローリングやレンダリングの問題など、技術的な問題を抱えるサイトは、Googleに適切にインデックスされないこともある。

Webサイトのパフォーマンスに影響しうる他の問題を抱えている場合は、そうした問題とのバランスを考え、E-A-Tへの注力を優先付けるべきだ。

6.E-A-Tは新しい概念ではない。誤情報に対するGoogleの処置でもない

「E-A-Tは、2018年8月1日にロールアウトされたコア・アルゴリズムのアップデートのタイミングでGoogleが新たに採用したものである」と主張するSEOの専門家もいる。

しかし、E-A-Tは品質評価ガイドラインの2014年度版に初めて登場している。

さらに、私はE-A-Tに注力した調査を行った結果、2018年~2019年のコア・アルゴリズムアップデートによりネガティブな影響を受けたサイトの51%が、2017年3月のフレッド・アップデートでもネガティブな影響を受けていることを発見した。

Googleによる、誤情報の削除と高品質で信頼できるコンテンツを検索結果に表示させる取り組みは、2018年8月1日にロールアウトされたコア・アルゴリズムのアップデートよりも前から行われていたのである。

検索結果の信頼性と透明性の改善やフェイクニュースの削減を目的とした取り組みへ、Googleは様々な形で投資している。例えば、下記のような取り組みだ。

7.2018年8月1日のアップデートは、「医療系」や「E-A-Tアップデート」と公式に名付けられたものではない

8月1日のアップデートはバリー・シュワルツ氏によって「医療系」アップデートと名付けられたが、一般的に、コア・アルゴリズムのアップデートはGoogleによって名前をつけられるようなものではなくなっている。

8月1日のアップデートを「E-A-Tアップデート」と呼ぶデジタルマーケターもいるが、この名前は不正確だけでなく、ミスリードさせるものだ。

このアップデートによってパフォーマンスが下降したのは、E-A-Tが無いサイトだけではない。

8.著者のバイオグラフィを記載すること自体がランキング要素ではない(Googleは全ての著者情報を認識できるわけではない)

「全てのコンテンツの著者情報を記載し、理想としては、それぞれの著者の詳細な説明ページを用意し、高品質なコンテンツを作成するための信頼があることを伝える」といったことがE-A-Tを改善するための共通のオススメ施策となっている。

品質評価ガイドラインでは、コンテンツの著者がその分野においてどの程度専門的な知識を有しているかを確認する方法として、著者のバイオグラフィを確認することを、Googleは品質評価者に繰り返し勧めている。

しかし、Webマスターハングアウトにて、ジョン・ミュラー氏は、「著者のバイオグラフィは技術的な必須要項ではなく、また、特定のタイプのSchemaも求められているものではない」と述べている。彼がくれたアドバイスは、以下のとおりだ。

著者情報と専門性、権威性、信頼性については、ユーザー調査を行うことを勧める。

いくつかのパターンを用意し、そのコンテンツを書いた人が優れた人であり、そのトピックについての信頼性や関連性があることをユーザーに一番伝わる方法を模索しよう。

パブコンのQ&Aセッションで、ゲイリー・イリェーシュ氏は次のように述べている。

Web検索において、非常に有名な著者について、例えば、ワシントン・ポスト紙のエグゼクティブといった場合、その著者のエンティティを我々は有している。

著者情報ではなく、エンティティなのだ

つまり、Googleはナレッジグラフの表示のため、定評のある著者を認識することはできるが、全ての著者を認識するのとは別のものとなるのだ。

しかし、過去数年、Googleはオーサーシップに関連した様々な取り組みを行っており、それらの経験はこの領域で活かされているかもしれない。

9.YMYL領域のサイトのみがコア・アルゴリズムのアップデートで影響を受けるわけではない。また、アルゴリズムのアップデートによってネガティブな影響を受けた場合、E-A-Tのみが原因であるわけではない

ここ最近のコア・アルゴリズムのアップデートは、YMYL領域のサイト(特に健康や医療に関連するサイト)に大きな影響を与えている。しかし、影響を受けたその他の領域のサイトもある。

例えば、2018年8月1日以降のコア・アルゴリズムのアップデートによって、レシピサイトが大きな影響を受けている。

しかし、E-A-Tに限れば、これらのサイトはほぼ似たレベルである。こうしたサイトは情熱的な料理ファンによって運営されており、オンライン上でレシピを公開するに十分な品質を保っている。

同水準のE-A-Tを有しているにもかかわらず、競合性の高い4つのレシピサイトは、コア・アルゴリズムのアップデートに大きな影響を受けている。

しかし、それぞれのレシピサイトは、E-A-T以外の、特有のSEOの問題を抱えている。例えば、サイトの構造・広告の量や大きさ・ページ読み込み速度などである。

こうした要素が、アルゴリズムのアップデートによる影響の要因と見るべきだろう。

10.E-A-Tは、効果的な特効薬ですぐに結果が出るというものではない。E-A-Tの構築には時間がかかる

SEO施策のうち、メタデータの最適化や技術的な要素の改修など、Googleが再クロールしてくれ、アップデートしたコンテンツをインデックスしてくれれば、パフォーマンスの改善がすぐに見られるといった施策もある。

直接的なランキング要素ではないこともあり、E-A-Tはこうした施策のようにはならない。

信頼性の改善のためには、非常に多くのリソースが必要とされる。完遂するにあたり、多くの時間と努力が求められるのだ。

ユーザーからの信頼を得るには時間がかかり、そうした変化を検索エンジンが認識するまでに、さらに時間を有する可能性もある。E-A-Tの問題により、アルゴリズムのアップデートの影響を受けたサイトであれば、なおさらだろう。

Googleは、サイト全体の再評価を次のコア・アルゴリズムのアップデートまで行わない場合もある。その場合、E-A-T改善のための施策の効果が認識されるまで、少なくとも数ヶ月かかることになる。

しかし、E-A-Tの改善の効果は、SEOの領域以外にも認められるだろう。ユーザーがあなたのWebサイト、著者、ブランドをより信頼するようになるため、E-A-Tの改善はユーザー体験の強化につながるのだ。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Google’s E-A-T: Busting 10 of the Biggest Misconceptions」を翻訳した内容です。

E-A-Tのみならず、検索エンジンのランキング要素の要因として扱うには危険な項目は昔からありました。

新しい概念が広まり、それがWeb全体を健全な方向に導くのであれば非常に素晴らしいですが、悪影響を与える広まり方は避けたいと思います(特に悪意を持って広めようとする場合)。

今回の記事の肝どころは、最終行の「E-A-Tの改善はユーザー体験の強化につながる」だと思いますが、ここでも、ユーザーをまずは念頭において施策を行いたいものです。

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【決定版】ローカルSEOガイド

中・小規模のビジネスにとっても、Webからの流入はビジネスへ影響を与え、事業として無視できない存在であると思います。

いわゆる「ローカルSEO」といわれる領域ですが、通常のSEOとは異なる部分もあり、特別な施策も必要となるでしょう。

今回は、Backlinko社のブライアン氏による、「決定版」と銘打ったローカルSEOのガイドを紹介させていただきます。初めてローカルSEOに取り組む方も、施策の整理として利用する方も、どちらにも有益な内容となっております。

 

※決定版ガイドであるため、非常に長い記事となっております(17,000文字弱)。
ぜひブックマークしていただき、お時間のある時に読んでいただければと思います。

この記事は、2019年のローカルSEOの完全ガイドである。

このガイドを読むことで、以下の項目が学べるだろう。

  • 3パック内での上位表示の方法
  • NAP(Name・Address・Phone number)サイテーションの構築の方法
  • Googleマイビジネスのプロフィールを最適化する方法
  • その他

さあ、始めよう。

チャプター1:ローカルSEOの基礎

このチャプターでは、ローカルSEOの基礎について扱う。

まず、ローカルビジネスにとってSEOがいかに重要かを示す興味深いデータを紹介する。

次に、順位測定の方法を含む、マップパックの解説を行う。

ローカルSEOとは何か

ローカルSEOとは、物理店舗を持つローカルビジネスが、場所を基軸としたキーワード(例:「鍵屋 ニューヨーク」)に対して行う最適化の作業である。

ローカルの検索エンジン最適化は、Webサイトの最適化はもちろん、Googeマイビジネスのプロフィールの最適化も含む。

なぜ、ローカルSEOは重要なのか

大量の統計データをここで披露するつもりはない。

しかし、いくつかの重要なデータを紹介し、ローカルビジネスにとってSEOがいかに重要であるかを示すつもりだ。それぞれ見ていこう。

Google検索の46%が「ローカルインテント」である(Search Engine Roundtable)。

「近くの〇〇(Near me)」は、従来の場所を基軸とした検索よりも、150%の速さで増加している。

Googleの検索結果の29%がローカルパックを表示している(RankRanger)。

スマートフォンで何らかのローカル検索を行ったユーザーの74%が、その日のうちにその店を訪れている(Google)。

上記のデータからもわかるとおり、ローカル検索がSEOの世界に占める割合が非常に大きいことは明らかだろう。

そして、あなたのローカルビジネスの情報を検索者に提供できれば、彼らが数分後にあなたのお店のドアをノックする可能性は十分に考えられるのだ。

マップパック

マップパック(「ローカルパック」とも呼ばれる)は3つのローカルビジネスのリストから成る。

Googleマップから引用された、それぞれのビジネスのロケーション(場所)も表示されている。

  • 緑:Googleマップ
  • 青:ローカルビジネスの検索結果(NAP)
  • オレンジ:自然検索結果

例えば、「床屋 ボストン」と検索した場合、検索結果の上部にマップパックが表示される。

「通常」の検索結果はその下に表示される。

このガイドの後半で、Googleがマップパック内の順位をどのようにつけているかを解説している。

しかし、ここでは、「マップパックは独自のルールが制定されている独自のアルゴリズムが用いられている」ということを覚えておくにとどめてもらいたい。

もちろん、いくつかのランキング要素(例:被リンク)は、ローカル検索結果にも通常の検索結果にも良い影響を与える。

しかし、他の要素(例:NAP)はマップパックの順位においてのみ、重要となる。

1つ、指摘しておきたいことがある。

Googleは特定の街や州を含んだキーワードに対してのみ、ローカル検索結果を表示しているのではない。

ローカル検索のニーズがあるとGoogleが判断した場合は、検索キーワードに明らかなローカルに関連する単語を含んでいなかったとしても、ローカル検索結果を表示させている。

例えば、先日私が「庭師」とニューヨークで検索したところ、Googleはマップパックを検索結果に表示させた。

この事実は、ローカルビジネス用のキーワード調査を行う段階で、非常に重要となる。多くの場合で、「店名 + 場所名」というキーワードの最適化を望むだろう。

多くの場合、「店名」のみのキーワードのほうが、「店名 + 場所名」のキーワードよりも、検索ボリュームは大きくなる。

このことを念頭においた上で、次はローカル検索における順位の測定について見てみよう。

マップパックの順位の測定方法

ローカルSEOの施策の第1段階は、自身がどの位置にいるか、つまり、ベンチマークをすることから始まる。

特に、マップパック内の順位は測定すべきだろう。

世に出ている多くの順位測定ツール(ランクトラッカー)は、マップパックの順位も測定できる。

ここで問題となるのが、ローカルSEOにおいては、検索する場所がとても重要になるということだ。実際、検索する場所が1マイルでも離れた場合、マップパックの内容は全く別物となる。

例えば、ニューヨークの72丁目2番街で「コーヒーショップ」と検索した場合を見てみよう。

こうした検索結果は、検索者が検索を行った場所によってカスタマイズされている。

実際、同じ検索を数マイル離れた場所で行った場合、マップパックの内容は著しく異なるものとなっている(もしくは、同じ結果を異なる順番で表示している)。

もし、単一のロケーション(例:ニューヨーク)の検索のみを測定していた場合、実際に表示されている検索の非常に限られた部分のデータしか集めることしかできない。

そのため、ローカル検索結果においては、とても細かく順位を測定する必要があるのだ。街や対象領域の全体のうち、どこの場所からの検索で表示されるかを把握するためだ。

詳細な検索結果を測定する目的では、Local Falconというツールをおすすめする。

しかし、Local Vikingといったツールでも同様の測定は可能だ。

兎にも角にも。

まず行うべきことは、あなたのビジネス名を選ぶことだ(注:このフィードはGoogleマップから直接引用される。そのため、こうしたツールを使用する場合は、Googleマイビジネスのプロフィールを設定している必要がある)。

次に、測定したい検索キーワードを選ぼう。

最後に、順位を計測する領域を選択しよう。

例えば、5マイル(8km)を半径とした場合、下記のようになる。

7×7のグリッドがセットアップされ、この領域全体におけるデータを得ることができる(このグリッドは15×15に設定することも可能だ)。

順位計測の準備は整った。

ツールがデータを取得した後は、それぞれの場所における順位を示したビジュアルが表示されるようになる。

上記のとおり、街全体のどの場所で多く表示されているかがわかる、非常にインタラクティブなマップが得られる。

この場合では、郊外における検索での表示機会が多いようだ。そして、中心街に行くにつれ、結果が悪くなっていく。

これは必ずしも問題であるとは限らない。

競合他社が、あなたが運営するホテルよりも、中心街に位置していることもある。そのため、こうした地域で行われた検索の場合、競合他社のほうがより関連性が高いとGoogleが判断したのだ。

つまり、こうしたツールを用いることで、あなたが上位に表示「されるべき」場所を特定するのだ。

例えば、とある舗装材ビジネスの場合、1つの場所を除き、街の北部では全て1位を取得している。

この場合、どの競合他社が自分のサイトよりも上位に表示されているかを確認すべきだ。

上記のとおり、競合他社が1位に表示されている。

2位に表示されていることに満足できない場合、競合他社のサイトを見てみよう。また、競合他社の所在地も確認すべきだ。

そして、順位を測定している地図に競合他社の所在地を表示してみれば、「なぜあなたのサイトが1位に表示されていないか」がわかるだろう。

競合他社の所在地のほうが、検索が行われた場所から、非常に近かったのだ。

そのため、この場所での検索の場合、競合他社を1位に表示させているGoogleの判断は、非常に理にかなったものと言えるだろう。

※編集部注

文中で紹介されているのは海外のツールですが、日本で使えるローカルSEOツールには、以下のようなものがあります。

ローカル自然検索の順位

ローカルビジネスを運営しているのであれば、マップパックは上位表示を獲得すべき場所だ。

しかし、通常のローカル検索を完全に無視したいとは思わないだろう

もちろん、通常はローカル検索の自然検索結果は、ローカルパックの下位に表示される。

しかし、「マップパックに表示されないと価値がない」と考えるべきではない。多くのローカル検索が商業的意図を含んでいるため、ローカル検索結果にも表示されることは価値があるのである。

そして、マップパックとは異なり、ローカル検索の自然検索結果は、基本的には安定している。

ローカル検索の自然検索結果に最適化するためには、タイトルやURLにキーワードを含めるなど、従来のオンサイトSEOが必要とされる(基本的な施策はこちらの動画にまとめられている)

被リンクの獲得も必要だ。

ローカル自然検索の順位における独自性は、順位の測定方法にある。「店名 + 地域名」という検索は、ローカル検索の一部にすぎないことを思い出して欲しい。

そのため、「ボストン 床屋」というキーワード以外にも、「床屋」や「近くの床屋」といった検索キーワードでの順位も測定が必要だ。

例えば、ボストン近郊での「近くの床屋」という検索キーワードでの順位を測定したい場合、順位測定ツールの測定地域を設定すればいい。

また、その街の他の場所での順位も測定したい場合、同じキーワードの別の場所での順位を測定すればいい。


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チャプター2:ローカルSEOのキーワード調査

このチャプターでは、ローカルSEOにおけるキーワードを発見する方法を解説する。

幸運にも、ローカルSEOのキーワード調査は、基本的には「1度やれば終わり」というプロセスだ。

ブログとは異なり、常に新しいキーワードを探す必要はない。

だからといって「キーワード調査がローカルSEOにおいて重要ではない」ということではない。実際は非常に重要である。

しかし、多くの場合、最初に取り組むべきことは、人々があなたのローカルビジネスを発見するために用いたキーワードの短いリストの作成となる。

Yelpのサジェスト

これはGoogleのサジェストと同様に機能する。

あなたのローカルビジネスの領域での検索者が、あなたのビジネスを発見するために用いたであろうキーワードを入力してみよう。

そして、サジェストの結果を見てみよう。

Yelpの優れている点は、ユーザーが入力した単語が含まれていないキーワードも表示する点だ。

例えば、「Japanese」と検索した場合、Yelpは「Asian Fusion Food」もサジェストしてくれる。

非常に素晴らしい。

Googleのサジェスト

GoogleのサジェストはローカルSEOにおいても有効だ。

忘れてはいけないことは、「ローカル検索では潜在顧客が実際に使うであろうキーワードでなければならない」ということだ。

例えば、「空調設備(HVAC)」と入力した場合、サジェストは下記となる。

「近くの(near me)」以外、ローカルSEOに適しているキーワードではない。

しかし、「HVAC B」のように、地域名の単語を加えると、ローカルSEOにも適したキーワードが発見できる。

ローカル音声検索

Googleによると、モバイル検索の20%が音声検索であるとのことだ。

20%である。

音声検索と通常検索の大きな違いは、「音声検索はキーワードが長く、自然な言葉に近い」ということだ。

例えば、「グルテンフリー ピザ ブルックリン」というキーワードを考えてみよう。

同じ検索を音声で行った場合、「今営業しているブルックリンにあるグルテンフリーのピザ」といったキーワードになるだろう。

私が知る限り、音声検索のキーワードを調査するツールはない。しかし、今後のプロセスを進めていく上で、忘れてはいけない存在となっている。

Googleキーワードプランナーの「ウェブサイトから開始」

Googleのキーワードプランナーを使うと、特定の地域の検索ボリュームを把握することができる。

そのため、すでに多くのキーワードを保持しているのであれば、その中でどのキーワードが最も良いか、判断するためにはうってつけの機能だ。

しかし、新しいキーワードを調査している段階であれば、「ウェブサイトから開始」の機能をおすすめする。

このページで、競合サイトのURLを入力してみよう。

すると、該当のページに関連した様々なキーワードを提案してくれる。

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チャプター3:ローカルSEOのランキング要素

ここからは、ローカルSEOがどのような仕組みになっているのかを見ていこう。

特に重要となる要素について簡単に解説したい。そして、そうした要素に対する最適化のアドバイスもお伝えする。

さあ、始めよう。

Googleマイビジネスのプロフィール>あなたのWebサイト

昨年、Mozが「ローカル検索のランキング要素調査」を発表した。

この調査結果によると、マップパック内のランキングで最も重要な要素は、Googleマイビジネスのプロフィールであった。

自身のWebサイトももちろん重要だ。ページ内のコンテンツ、サイトに向けられているリンクなどは、マップパックのランキングにも影響する。

しかし、マップパック内のランキングで1位を勝ち取るためには、Googleマイビジネスのプロフィールを素晴らしい内容にする必要がある。

(これが、今回のガイドでGoogleマイビジネスのみを扱っているチャプターを用意した理由だ。具体的な最適化の方法はチャプター4でお伝えする。)

NAP情報は重要

NAP(Name・Address・Phone number)も重要な要素である。

NAP情報はビジネス名、住所、電話番号を表す。

なぜ重要なのか。

GoogleはNAP情報を用いて、あなたのビジネスについての情報が正しいかどうかを確認している。そして、GoogleがNAP情報を確認するケースが多いほど、あなたの住所や電話番号が正しい情報であることに確信をもつことができるのだ。

そのため、評判のあるサイトで一貫したNAP情報が言及されている状況を作ることが必要なのだ。

オンラインでのレビュー

Mozの調査では、「レビューに関連するシグナル」も重要な枠割を果たすとされている。

特に、Googleマイビジネスでのネガティブなレビューは悪影響を与えるとしている。また、Googleはサードパーティのサイト(例:Yelp)でのレビューも使用しているとしている。

つまり、ポジティブなレビューを得ることが良い影響を与えるということだ(レビューをしてもらうことに対するインセンティブを与えることは認められていない)。また、ネガティブなレビューは悪影響を与える。

Mozの調査に参加したあるパネリストは、「レビュー(オーナーの返答も含む)は消費者のビジネスに対する信頼を示すものであり、ビジネスに対する信頼はランキングにおける基盤となる要素だ」と述べている。

つまり、レビュー(ネガティブなレビューも含む)に対する返答は、ローカルSEOの助けとなり得るのだ。

「通常の」SEOもあてはまる

従来のGoogleのランキング要素は、ローカルSEOにも100%あてはまる。

実際、自然検索での順位はローカル検索の順位にも影響するとGoogleも認めている。

ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、SEO の手法もローカル検索結果の最適化に適用できます

つまり、自然検索での順位が良いほど、マップパックでの順位も良くなるのだ。

そのため、コンテンツを作成し、ページを最適化し、被リンクを獲得するといった施策は、ローカルSEOの順位にとっても非常に重要なのである。競合性の高い業界(法律、歯医者など)では特に重要だ。

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チャプター4:Googleマイビジネス

Googleマイビジネスのプロフィールを最適化しよう。

チャプター3で述べたとおり、Googleマイビジネスはローカル検索の順位で非常に重要だ。

Googleマイビジネスの効果を最大限活かしたいのであれば、このチャプターが最適だ。

全てを1000%一貫させる

Googleマイビジネスにおいては、一貫性がとても重要だ。

Googleマイビジネスに記載した内容の全てがWebサイトの内容と合致しているだけでなく、Web上のNAP情報にも一貫性を持たせるべきだ。

Googleマイビジネスの情報が、あなたのWebサイトの内容やYelpなどのサードパーティのサイトの内容と合致していることをGoogleが確認できた場合、Googleは「このビジネスの情報は信頼できる。ローカル情報とも合致する。」と判断することができる。

しかし、Googleマイビジネスとは別の住所がWeb上にあった場合、Googleに対する危険信号となってしまう。

そのため、ビジネス名、住所、電話番号などを変更した場合、新しい情報に素早くアップデートすることが重要となる。また、ローカルビジネスのディレクトリ内の情報もその対象となる。

Googleマイビジネスに書かれている内容がそっくりそのまま、別の場所でも書かれていることを重点的に確認することをおすすめする。

片方では「Avenue」と書かれ、もう片方では「Ave.」と書かれているような状況は、Googleは好まない。

このような状況であっても、郵便配達員がAmazonのパッケージを間違った場所に届けることはないだろう。しかし、Googleに対しては、困惑したシグナルとなってしまうのだ。

可能な限り全てのデータポイントに記載する

Googleはプロフィールの内容をどの程度記載しているか、そのスコアを提供してくれる。

しかし、このスコアは非常に甘いスコアであると考えている。基本的な情報を入力するだけで、高いスコアが与えられてしまうのだ。

そのため、私はこのスコアを基準値として利用している。しかし、競合性の高いキーワードでの上位表示を狙うのであれば、さらなる作業が必要となるだろう。

多くの人が見落としているのが、カテゴリの選択だ。

Googleは、あなたのビジネスが属するトップレベルのカテゴリを選択することを強いている。

また、すでに用意されているカテゴリから選択しなければならない(あなた自身でカテゴリを作成することはできない)。

つまり、多くの人が、追加カテゴリの選択を忘れているのだ。追加カテゴリはキーワードとあなたのビジネスが表示される検索に直接影響する。

すでに追加カテゴリを選択していても、「サービス」と「製品」タブの記載もお勧めする。

こうした情報は、あなたのビジネスが実際に何を販売しているかをGoogleに伝えることになる。そのため、こうした情報をしっかりと記載することは、とても重要なのだ。

ビジネスに関連する重要なデータは常に更新する

開店時間、休日の営業時間など、基本的な情報は正確であり最新であることを常に確認しよう。

こうした情報が順位に直接影響を与えることはないかもしれない。

しかし、誰かがあなたのレストランに訪れ、「閉店」の看板を見たとすると、お腹を空かせたその顧客からネガティブなレビューを受けるかもしれない。

そのため、営業時間を変更した場合は、Googleマイビジネスの情報もしっかりと更新するようにしよう。

より多くのレビューを獲得し、それらに返信する

チャプター3で解説したように、レビューはローカル検索の順位の中でも特に重要な要素のうちの1つである。

言うまでもなく、可能な限りの多くのポジティブなレビューが欲しいはずだ。

そのため、レビューの内容がポジティブであれ、ネガティブであれ、またはその中間であれ、全てのレビューに対して返信することを私は強くお勧めする。

そうしたケアを、潜在顧客(そしてGoogle)が目にすることになる。

レビューへの返信がどんな変化をもたらすか、例を見てみよう。

返信の内容:
アンリ様、長時間お待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした。食事の提供にそれほどの時間をかけるべきではなく、この点に関して謝罪させていただきます。

可能であれば、より詳細の状況を把握したいため、該当のレストランにお電話をいただけないでしょうか。もし、このメッセージが貴方様を驚かせてしまったら申し訳ございません。

フィードバックのご記載、まことにありがとうございます。

もしあなたがこのレストランに行くか検討していれば、こうしたレビューへの返信は、ネガティブなレビューの中でも目を引くことだろう。

Googleマイビジネスのレビューへの返信は、Googleマイビジネスのダッシュボードから行える。

レビューの獲得には、2つ念頭に置くべきことがある。

  1. 顧客へレビューをしてくれることを依頼する(満足してくれた顧客の場合、快く引き受けてくれるだろう)
  2. レビューの記載を非常に簡単な方法にしておく

両方を同時に満たす方法はあるだろうか。

レビューページへのリンクを記載したEメールを送付しよう。

レビューページへのリンクの作成には2つの方法がある。

レビューページへのリンクの作成方法1

このページにアクセスしビジネス名を入力する

すると、あなたのビジネスの「場所ID(Place ID)」を発行してくれる。

そして、その「場所ID」を下記のURLに追加する。

https://search.google.com/local/writereview?placeid=

上記の例を用いた場合、レビューページへのリンクは下記となる。

https://search.google.com/local/writereview?placeid=ChIJ-x3_Q8d544kRkvCvAv2dNqY

上記のリンクをクリックすれば、ユーザーにレビューを残してくれるよう、訴求メッセージが表示される。

レビューページへのリンクの作成方法方法2

Googleマイビジネスにログインし、「クチコミを増やす」カードを表示させる。

すると、顧客に送付するための短いURLを生成してくれる。

非常に便利だ。

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チャプター5:ローカルビジネスのためのオンサイトSEO

この短いチャプターでは、ローカルビジネスのサイトがオンサイトSEOの効果を最大限引き出すための方法を解説する。

タイトルタグやボディの内容を通常のオンサイトSEOのアプローチで最適した後、それらをローカルビジネスのWebサイトにデザインされた方法で採用しよう。

全てのロケーションで独自のコンテンツを作成する

サイト内の全てのページで独自のコンテンツを作成する必要があることは、すでにご存知だろう。

そのため、あなたがボストンとブルックリンでビジネスを展開している場合、それぞれのページのコンテンツは完全に異なる内容であるべきだ。

しかし、重複コンテンツを避ける範囲であれば、物理的にビジネスを展開していない地域のランディングページも作成できることをご存知だろうか。

こうした施策は、マップパックの順位には全く影響しない。

(その地域での順位を獲得したい場合は、その地域でのGoogleマイビジネスのプロフィールが必要となる。)

しかし、複数地域のローカルの自然検索で上位に表示させることは可能だ。そうした地域のユーザーに有益な情報を提供していれば、これらのトラフィックがコンバージョンすることも十分考えられる。

例えば、下記の屋根の修繕サービスは、「ブルックリン」と「ナティック」周辺に最適化したページを作成している。

何が素晴らしいのだろうか。彼らは、ナティックやブルックリン周辺に店舗を構えていないのだ。

しかし、彼らは両方のターゲットキーワードで上位表示を獲得している。

構造化データをローカルSEOのために使用する

ローカルSEOの場合、Schemaのマークアップ(https://schema.org/)は、「やっておいたほうがいい」以上の価値がある。

Schemaには、ローカルSEOの全体的なカテゴリがある。

例えば、住所や電話番号へのマークアップが可能だ。

Googleがマップパック内の順位の決定の際、Schemaに強く依存しているとは思えない(Googleは、こうしたデータをGoogleマイビジネス内のデータとしてすでに保持している)。

しかし、構造化データを正確に実装できる自信があれば、「LocalBusiness」をマークアップすることは、決して悪いことではない。

特に、決定的に助けとなる構造化データは、レビューのマークアップである。

他の検索結果と同様、星型のレビューマークはリッチスニペットとして、ユーザーの目を引くことに役立つ。

(注:Googleは、「LocalBusiness」と「Organization」のレビュースニペットのサポートを停止している。しかし、レビューのマークアップは、コンテンツ、ツール、レシピなど、ローカルビジネスのWebサイト上の他のコンテンツに使用できるのだ)

タイトルタグのクリフハンガーを用いる

私はこのテクニックをFacebook広告の第一人者であるニコラス・カスミス氏より学んだ。

そして、このテクニックがローカルビジネスのサイトでも非常に有効であることを確認している。

このテクニックの考え方は、まず、タイトルタグを強力で利益を生み出すメッセージにする。

このメッセージは、Googleが設定する上限(500-600ピクセル、もしくは、50単語)を超えてしまうようにしよう。

残りのメッセージが検索結果では切り取られてしまうため、続きを読みたいという理由で、クリック数の増加が期待できる。

Backlinkoの読者であるアンドリュー・ホーランド氏は、このテクニックを自身のローカルビジネスのサイトで使用した。

この施策の結果、CTRとランキングが大きく上昇したと、彼は私に伝えてくれている。

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チャプター6:NAPサイテーション

それではローカルSEOの最も困難な領域に目を向けてみよう。NAPサイテーションだ。

NAPサイテーションは被リンクのようなものである。構築は非常に難しいが、とても重要な要素なのだ。

このチャプターでは、ローカルサイテーションを構築する方法を解説する。

NAP監査を行う

NAPのデータは、どの場所で言及されようとも、100%一貫性があることが大事だ。

  • あなたのWebサイト
  • あなたのGoogleマイビジネスのプロフィール
  • ディレクトリサービス

あなたのビジネスが言及されているオンライン上のあらゆる場所が対象だ。

サイテーション関連のツールやサービスは山程ある。私がおすすめするのは、WhiteSparkLoganixだ。しかし、これ以外のツールを選択する方法もある。

何はともあれ、どんなツールやサービスを使用しても、まず用意すべき情報は下記である。

  1. 現在使用している、最新のNAP情報
  2. 過去に使われていたNAP情報(この情報があれば、サイテーションを最新の情報にアップデートすることができる)

この情報があれば、あなたが選択したツールがインターネット上を駆け巡り、あなたのNAP情報を集めてくれるだろう。下記のようなレポートが表示されるはずだ。

不正確なNAP情報を修正する

サイテーションのリストは手にいれた。次に、不正確なNAP情報を探そう。

(長期間経営しているビジネスで、今までに1回もこの作業を行っていない場合は、修正すべきNAP情報の量は非常に多くなるだろう。)

不正確なNAP情報を把握できた後は、可能な限り正確な情報に修正しよう。

私の経験から、不正確なNAP情報は以下の2つに分類することができる。

  1. あなたが変更することが可能なサイテーション(例えば、Yelpでのサイテーション)
  2. 他の誰かが変更しなければならないサイテーション(例えば、ローカルリソースのページでのメンション)

前者の場合、1つ1つを行うと、作業は膨大になってしまう。YextBright Localといったサービスが存在するのは、そのためだ。

他の誰かが変更しなければならないサイテーションは、その相手に対し、フレンドリーなEメールを1つ1つ送付していく必要がある。

下記に例を記載しよう。

メッセージの内容:

ジェシカさん。こんにちは。Backlinko社のブライアンと申します。

今回、私のお店が引っ越ししたことをお伝えするため、メッセージを送付しています。新しい住所は、エバーグリーンテラス742です。

あなたのWebサイトに記載されている私のお店の住所が古い住所のままであることを、本日気が付きました。新しい住所に更新いただければ、非常に幸いです。

Link Intersectを用いて、サイテーション(及びリンク)の獲得機会を発見する

Yelp、FourSquare、Angie’s Listなどでサイテーションを構築した後、何をすべきだろうか。

自身の経験からすると、サイテーションの最適な機会はローカルサイトによってもたらされる。ローカルサイテーションは非常に関連性のあるサイテーションであり、マップパック内のランキングにも強い影響を与える。

また、自身のローカルビジネスの領域にいる別のローカルビジネスに接触することになるため、そうしたサイト経由での訪問者はコンバージョン率も高くなると見込めるだろう。

問題は、「そのようなローカルサイテーションの機会をどのようにして見つけるか」ということだ。

私は、AhrefsのLink Intersectの機能をお勧めする。

名前が指し示すとおり、この機能はリンク構築のために作られた機能だ。しかし、この機能の内容を見てみると、サイテーション構築にも十分に使用できると考えられる。

実際に、同じサイトからリンクとサイテーションの両方を獲得できることもあるのだ。

下記に、この機能の活用方法を記載する。

まず、競合サイトを2~3個選び、ツールに入力しよう。

備考:直接の競合サイトを選ぶ必要はない。あなたのローカルビジネスの領域で展開しているあらゆるビジネスが対象となる。そうしたサイトも、ローカルビジネスのディレクトリサービスでサイテーションを構築しているためである。

次に、最初のステップで入力した競合サイトへリンクを張っているサイトのリストが表示される。

最後に、サイテーション構築の機会を探そう。

リンク獲得の機会の例は下記のような場合だ。

下記のような場合、リンクとサイテーションの両方の獲得が見込まれる。

ここでは、張られるリンクがnofollowであるかどうかは、あまり気にしなくて良い。最終的な目的は、そうしたサイトのページにあなたのビジネスのNAP情報を記載することだ。もしリンクを獲得できれば(それがnofollowであれ)、ボーナスを獲得したと考えるべきだろう。

競合サイトのNAPをリバースエンジニアリングする

NAP監査に使用したツールは、競合サイトにも使用できる。

競合サイトのNAP情報を入力すれば、競合サイトが言及されている場所を特定したリストが手に入る。

自身の経験からすると、この手法はLink Intersectの手法よりもうまくいくことが多い。サイテーションツールの場合、競合サイトへのリンクがあるかどうかは関係ないのだ。

こうしたツールを用いれば、競合サイトのNAP情報を記載したサイトのリストが手に入る。具体的には下記のとおりだ。

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チャプター7:ローカルリンクビルディング

ローカルSEOにおけるリンクビルディングも、通常のリンクビルディングの戦略を適用することができる。

ローカルビジネスでないWebサイトにおけるリンクビルディングは、歯医者、ピザ屋、鍵屋などのローカルビジネスでも有効だ。

状況はより良いとさえ言える。

ローカルビジネスは特定の街や地域と強いつながりがあるため、非ローカルビジネスが得ることのできない被リンクの機会が多数あるのだ。

このチャプターでは、強力なリンクビルディングの機会をご紹介する。

その他のローカルビジネス

多くのローカルビジネスは、その地域のその他のローカルビジネスとつながりがある。

どこかの時点で、Eメールの送付という手段をとらざるをえないが、まずは知人のつながりから始めることをおすすめする。

下記の業者は全てリストアップしよう。

  • 販売代理店
  • サプライヤー
  • 卸売業者
  • 請負業者
  • 近所のビジネス

彼らとは何らかのつながりがあるはずだ。

次に、彼らのWebサイトの中で、あなたのWebサイトへのリンクを設置するにふさわしいページを探そう。

(この作業は多くの人が見落としている)

例えば、下記の舗装業者は、懇意にしているだろう卸業者のサイトへのリンクを設置している。

ローカルの商工会議所

商工会議所はリンクが最も獲得しやすいWebサイトの1つだ。

下記にその例を記載する。

リンクの設置方法は商工会議所による。年間の費用を請求してくる場合もあれば、会員の更新で済む場合もある。

いずれにせよ、非常に関連性のあるリンクのため、ぜひ獲得したいリンクと言えるだろう。

さらに、こうしたリンクにはNAP情報も併記することができる。

備考:テキストのリンクを設置したい場合は、商工会議所に相談してみよう。ここまでこの記事を読み進めている場合は、他の90%のローカルビジネスよりも、ローカルSEOに精通していると言える。

そのため、あなたは彼らに対し、ローカルSEOについての話をすることができるはずだ。商工会議所だけではなく、あなたの領域でのどのローカルビジネスとも、こうした話をしてみよう。

例を挙げてみよう。

ローカルイベントのスポンサー

1つの事実がある。

「多くのローカルイベントはスポンサーを必要としている」ということだ。

こうしたイベントのスポンサーになれば、多くの場合、イベントのWebサイトからあなたのビジネスへのリンクを設置してくれるはずだ。

例えば、とあるNPOが主催する下記のサーカスのページでは、スポンサー企業へのリンクが設置されている。

あなたが送る支援は、現金でなくてもいい。イベントでピザを提供するブースがあるならば、ペパロニピザのLサイズを寄付してみよう。印刷会社の場合、フライヤーの印刷を申し出てもいい。アイデアは無限だ。

ローカルのPR

ローカルの新聞やニュースサイトは、ネタを常に欲している。

もし、興味深いイベント(例えば、アニバーサリーイベントや新規オープンなど)を控えているのであれば、あなた自身がレポーターとなることも可能だ。

注意すべき点は、そうしたイベントの数日前にはニュースサイトに連絡をしておくことだ。彼らにも準備期間が必要だからである。また、イベントの開始前に、その背景などをまとめた資料を提供してあげよう。

もし、イベントの開催が億劫であれば、ローカルストーリーのソースになるという手もある。

こうしたことを発見する一番の方法は何か。それはTwitterだ。

効果的な検索方法を2つご紹介しよう。

  • 「Looking to speak to(〇〇について話してくれる人を探す)」+「街の名前」
  • 「#journorequest」+「地域の名前」

例えば、「Looking to speak to」+「ボストン」と検索した場合、PRの機会は山程発見できる。

さあ、いよいよ最後のチャプターだ。

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チャプター8:上級者向けローカルSEOのポイントと戦略

上級者向けのアドバイス、戦略、戦術のご紹介をもって、この記事を終わりとしよう。

従来のNAP構築やGoogleマイビジネスの最適化以上の戦術ではないかもしれない。

しかし、ランキングへの影響は期待できるはずだ。

サジェストの精査

最適化すべきローカルキーワードを発見する方法だ。

例えば、「Cleaners(掃除機)」と入力すると、非常に多くのサジェストが表示される。

ランディングページの作成に完全に合致するキーワードもあるだろう。

アバウトページにGoogleマップを埋め込む

Googleに対し、その地域であなたがビジネスを行っていることを伝える優れた方法だ。

まず、Googleマップであなたのビジネスを検索しよう。

次に、画面の左上にあるドロップダウンメニューをクリックしよう。そして、「地図を共有または埋め込む」をクリックする。

すると、埋め込み用のコードが表示される。

最後に、このコードをお問い合わせページやアクセスページに埋め込もう。

ファーストビューに地域特有のキーワードを記載する

自身の経験から、この施策はローカルの自然検索に大きく影響すると考えている。

Webサイトの上部の大見出しの箇所に、あなたの地域特有のキーワードを記載するのだ。

例を挙げてみよう。

また、この大見出しにはH1タグを記述することをお勧めする。

いずれにせよ、この施策は、オンページのSEOというよりも、ユーザー体験のための施策だ。

なぜか。

ローカルビジネスを探している検索者があなたのページを訪問した際、その地域であなたがビジネスを行っていることが、すぐに分かるようにするべきだからだ。

下記のような大見出しを見れば、検索者は検索結果画面に戻ってしまい、その地域でビジネスを行っていると100%確信できるページを訪れてしまうだろう。

※見出しの抽象度が高いため、どこでビジネスを行っているのかがわからない

一方で、次のようなタイトルは非常に効果的だ。検索者に、「すばらしい。彼らは明らかにボストンでビジネスを行っている。私は正しい場所にいる。」と思わせよう。

複数キーワードへのタイトルタグの最適化

この施策は昔からある手法だが、ローカルビジネスに対しても効果的だ。

トップページのタイトルタグを最適化しよう。キーワードを2~3個含めるのだ。

例えば、下記のビジネスのトップページは、「サンディエゴ キッチン リモデリング」と「バスルーム リモデリング サンディエゴ」というキーワードに最適化されている。

そして、両方のキーワードで上位5位以内を獲得している。

多くのローカルビジネスは、内部リンクの数が非常に少ないため、この施策は効果的だ。

私が提案してきた多くのローカルビジネスのリンクプロフィールを分析すると、90%以上のリンクが、トップページに向けられていることがわかる。

つまり、トップページからのリンク効果を絞り出すべきだ。そして、周辺のキーワードに最適化することが、その中でも最も効果的な施策の1つなのである。

ローカルの検索者のためにメタディスクリプションを最適化する

ディスクリプションの作成が自然検索のCTRの向上に寄与することは明らかだ。

しかし、下記のようにキーワードを詰め込みすぎている例をよく見かける。

不快感さえ覚えてしまう。

このようなディスクリプションではなく、下記のような内容にすることを強く勧める。

訴求力のあるディスクリプションを作成するには、Google広告のコピー文を参考にしよう。

実際、こうしたコピー文がクリックを発生させているのだから(そうでなければ、そのコピー文の使用を中止するだろう)。そのため、こうしたコピー文を参考にすることは、魅力的なディスクリプションの作成に貢献してくれるだろう。

例えば、「ホテル ニューヨーク(hotel new york)」と検索した場合、3つの広告のうち2つが、「節約(save)」と「価格保証(price guarantee)」という表現を使用している。

あなたのページのディスクリプションにも、ぜひ使用すべきキーワードだろう

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自分のビジネスでローカルSEOを行おう

Backlinkoの読者であり、今回のガイドの作成に協力してくれたジョシュア・バラード氏とアンドリュー・ホランド氏に心から感謝している。

さあ、次はあなたの番だ。

このガイドで紹介したテクニックのうち、あなたが最も試してみたいと思ったテクニックはどれだろうか。

サジェストを使用したキーワード調査だろうか。

ローカルディスクリプションの最適化だろうか。

いずれにせよ、下記にコメントを残していただけると幸いである。
(ぜひ、SNS等で感想をシェアしてください!)

この記事は、BACKLINKOに掲載された「Local SEO: The Definitive Guide」を翻訳した内容です。

「ユーザーにとって有益な情報を届ける」という基本概念はSEOと同一ですが、施策内容については独自性がありますね。

特にGoogleマイビジネスは非常に肝心な施策となるため、決して手を抜かぬようにと、改めて思いました。

ローカルSEOも変化の激しい領域ですが、バラバラの知識を一箇所にまとめてくれている、非常に有用な記事でした。

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SEO Japan|note

【調査データ】Googleマイビジネスで3.7以上の評価を得ると、コンバージョンが増加する

ローカルクエリにおいて、Googleマイビジネスの内容がローカルパックとして表示されるケースが増えてきました。

検索結果におけるGoogleマイビジネスの重要性は高まるばかりですが、実際のユーザーの影響度はいかほどなのでしょうか。

今回はGoogleマイビジネスのレビューとコンバージョン率の関係についての記事を、Search Engine Landよりご紹介します。

自身のGoogleマイビジネスにユーザーから寄せられたレビューの3分の1以上に返信すると、企業のコンバージョンが80%増加する可能性がある。

ビジネスの評価を受けるのに、最適な場所がある。それはGoogleマイビジネスである。

Googleマイビジネスの評価を3.5から3.7に改善することで、コンバージョン数の大幅な増加が見込める。

さらに、Googleマイビジネスに寄せられたレビューのうち、少なくとも32%に返信を行った企業は、レビューの10%に返信を行った競合他社と比較して、80%以上高いコンバージョン率を達成した。

これらの調査結果は、2018年と2019年の上半期において、64,000件のリストデータを比較したUberallの調査によるものだ。

なお、この調査におけるコンバージョンとは、電話・経路探索・Webサイトへのクリックのことを指している。

コンバージョン率とコンバージョンの増加率

全体を通じて、コンバージョン率は企業が4.9の評価を得たときにピークに達した一方、コンバージョンの成長率が120%に至ったのは、3.5から3.7に改善されたときである。

このレポートでは、コンバージョンの増加をコンバージョン数の絶対的な増加としている(相対的な増加ではない)。

すべてのビジネス規模におけるコンバージョン率と成長率の平均。出典:Uberall

下のグラフは、中小企業・大企業・グローバル企業、それぞれのコンバージョンの伸びを示している。

興味深いことに、これら3つのビジネスにおいて、コンバージョンの伸びがピークに達したのは、評価3.5から3.7の間であった。

必ずしも評価が高ければ良いというわけではない

評価5.0では、中小企業とグローバル企業のコンバージョン率は落ち込んだものの、評価5.0を獲得している企業の数は最も多かった。

一方、コンバージョン率の最大の急増である25%の伸びは、評価が4.3から4.4になった企業で発生した。

レビューへの平均返信率によってマッピングされた中小企業及び大企業のコンバージョン率の推移。出典:Uberall

平均して、中小企業の評価は業界平均よりも高い傾向にあることがわかった。

編集部注:
中小企業は他の大企業と比べてレビュー数が少なく、評価の振れ幅が大きくなるため、結果として評価が高くなるケースが多いのだと思われる。

レビューへの返信とコンバージョン率の相関関係

レビューへの平均返信率によってマッピングされた中小企業及び大企業のコンバージョン率の推移。出典:Uberall

Uberallの分析では、中小企業と大企業におけるレビューへの返信率が10%で推移したときには、ほぼ同じコンバージョン率(約3%)であることがわかった。

ただし、レビューへの返信率32%という数字は、大企業におけるコンバージョン率を大幅成長させるにあたってのベンチマークとなりうる。

例えば、企業がレビューの少なくとも32%に返信した場合、レビューの10%に返信した競合他社や中小企業と比べ、80%以上高いコンバージョン率を達成している。

全体を通して、中小企業はレビューへの平均返信率が最も高く(25%)、続いて大企業(12%)、グローバル企業(9%)と続いた。

最大限の成長を遂げるために必要なレビュー数

以下は、特定の業界において最高のコンバージョン率を達成したレビューの平均数についてのグラフである。

  • 自動車:76件・88%
  • 金融:34件・44%
  • 飲食:181件・83%
  • 小売:70件・42%
  • サービス・BtoB:44件・49%
  • 旅行・観光・レジャー:104件・151件

各業界の平均レビュー数は、金融・旅行・観光・レジャーのジャンルを覗き、最高のコンバージョン率に関連する数値と同じか、それ以上である(レビュー数≧コンバージョン率の絶対値)。

レポートから読み取れるのは、「レビューの数がコンバージョン率の増加を達成するための大きな要因である決定的な証拠はないものの、それでも業界平均までの獲得は目指すべきだ」ということだ。

もし、業界平均を達成していない場合、コンバージョン率に影響を与え、ユーザーは企業のレビュー評価の妥当性を疑問視する可能性があるだろう。

なぜレビューを気に掛ける必要があるのか

Uberallのマーケティング執行役員であるNorman Rohrいわく、「レビューの評価と返信率に焦点を当てることで、企業は全体のコンバージョン率に大きな影響を与えることができる」とのことだ。

企業に関心を寄せている消費者は24時間以内に来店する可能性が非常に高く、コンバージョン数が25%増加すると、毎日のトラフィック(流入数・来店数)が25%増加する可能性がある

この調査結果からは、ローカル企業・グローバル企業のいずれにおいても、コンバージョンの増加率を大幅に伸ばすためには、企業が3.7を超えるレビュー評価の獲得を優先する必要があることが読み取れる。

大企業がコンバージョン率を最大25%増加させるためには、少なくとも評価4.4を目指す必要がある。また、レビューへの返信率を10%から32%に上げると、コンバージョン率を80%増加させることができるだろう。

64,000件のデータによる調査結果ということで、説得力がある記事でした。

記事では、「レビューへの返信率を32%以上にすると、コンバージョン率が80%増加する」「コンバージョン率を増加させるためには、業界平均以上のレビュー数の獲得を目指すべき」とのことでした。

要点としては、「ユーザーとの接点を増やす」「ユーザーから生の評価をもらう」ということであり、Googleマイビジネスのみならず、他の施策にも同じことが言えそうです。

データを見るとつい統計的視点で見てしまいますが、ユーザーの一人ひとりと向き合っていくことを忘れないようにしたいですね。

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GoogleのBERTアップデートはコンテンツマーケティングにどのような影響を及ぼすのか?

2019年10月末にGoogleはBERTと呼ばれるアップデートを導入したことをアナウンスしました。検索キーワードの10分の1に影響を与えるという発表もあり、多くの注目を集めました。

BERTとは「検索キーワードとコンテンツの理解をより良く行えるようになる」という技術となりますが、具体的にはどういった変化があったのでしょうか。

BERTがもたらした変化とSEO担当者としての考え方を、ニール・パテル氏が提案している記事を紹介いたします。

GoogleはBERTと呼ばれる新しいアップデートをロールアウトしていると発表した。

みなさんがお考えのことは、手に取るようにわかる。果たして、このアップデートは重大なのか。詳細を学ぶために時間を割くべきなのか。

BERTは検索クエリの10分の1に影響を与える。

このアップデートの規模を知るための表現がある。今回のアップデートは、GoogleがRankBrainをリリースしてから最も大きなアップデートである。

言い換えれば、このアップデートがあなたのサイトに影響を与える可能性は十分に考えられるということだ。そして、まだ影響が見られなくとも、トラフィックが増大するにつれ、いずれは影響を受けることだろう。

しかし、このアップデートがSEOに与える影響や、どのように対応すべきかを知る前に(もちろん、これらについては後述する)、まずは今回のアップデートの内容を知ることから始めてみよう。

BERTとは何か

BERTは「Bidirectional Encoder Representations from Transformers」の略称である。

おそらく多くの人が困惑するだろう。この言葉は一体何を意味しているのか、と。

結論を言うと、Googleはより良い自然言語処理を行うために、アルゴリズムを調整したのだ。

このように考えてみてほしい。

フライト番号をキーワードにGoogleで検索を行う。すると、そのフライトの情報が表示されるだろう。また、何らかの計算式で検索すると、計算機のモジュールが表示され、何らかの銘柄記号で検索すれば、株価のチャートが表示されるだろう。

さらにシンプルな例を挙げてみよう。Googleにキーワードを入力すれば、そのキーワードを完全に入力する前に、オートコンプリート機能はあなたが検索しようとしているキーワードを表示してくれる。

しかし、こうした機能はBERTアップデートの前からGoogleは提供している。では、BERTが実際にどのような働きをしているかを見ていこう。

BERTはユーザーにとって有益なアップデートなのか

GoogleはBERTの例を4つ提供してくれている。

まずは、「2019年 アメリカに旅行するブラジル人 ビザ 必要(2019 brazil traveler to usa need visa)」という検索結果だ。

BERTが導入される以前は、「アメリカ人がブラジルに旅行する場合、ビザは必要かどうか」といった内容の記事が上位に表示されていた。しかし、検索キーワードを注意深く見てほしい。僅かだが、意味を大きく変えてしまう違いがあるのだ。

この検索は、アメリカ人がブラジルに行く場合における検索ではない。ブラジルからアメリカへの旅行を計画している人による検索なのだ。

BERT導入以降の検索結果の方が、より関連性が高まっている。

Googleは「for」や「to」などの前置詞を考慮に入れている。そして、こうした前置詞は、検索キーワードに対し、大きな意味を持っているのだ。

他の例を見てみよう。「エステティシャンは仕事中立つことが多いか(do estheticians stand a lot at work)」という検索の場合だ。

かつて、Googleはキーワードとの合致を優先してきた。例えば、「立つ(stand)」を「独立する(stand-alone)」と同じ意味で捉えていたのだ。

現在は、上記のキーワード内にある「立つ(stand)」が身体的要求の意味で使われていることを理解している。

言い換えれば、「この仕事は大変疲れる仕事なのか?」「ずっと立ち続けなければならないのか?」といった意味で使われていることを理解しているのだ。

さらに別の例を見てみよう。「誰かの代わりに薬局で薬を購入できるのか(can you get medicine for someone pharmacy)」という検索の場合だ。

上記の比較画像から分かる通り、新しい検索結果の方が関連性は高くなっている。

最後の例は、「算数 練習帳 大人用(math practice books for adults)」という検索の場合だ。

※before:6~8年生向けの数学の教材 after:数学を忘れてしまった人向けの再学習教材

BERTは検索順位以外への影響を及ぼすのか

違いはこれだけではない。Googleは強調スニペットにも変更を加えている。

例えば、「パーキング 坂 縁石なし(parking on a hill with no curb)」と検索した場合、かつてのGoogleは必要以上に「坂(curb)」という単語に注視しており、「なし(no)」という単語への注視は十分ではなかった。

※beforeが”縁石のある”坂を表示しているのに対し、afterは”縁石のない”坂への駐車方法を表示している

検索結果を比較してみると、その違いは明らかだろう。

今回のアルゴリズムの更新がもたらした変化は、検索者にとってより関連性のある検索結果を提供するようになった。そしてそれは、Googleを使用する全てのユーザーにとって、より良い体験を作り出している。

しかし、BERTはSEO戦略にどのような影響を与えるのだろうか。

Web担当者は自身のSEO戦略を変更する必要がある

ユーザーが検索をする際、検索キーワードは一般的に次の3つに分けられる。

  1. インフォメーショナル(情報型)
  2. ナビゲーショナル(案内型)
  3. トランザクショナル(取引型)

インフォメーショナルに分類されるキーワードは、体重を減らす方法を探しているユーザーが使用するようなキーワードだ。そうしたユーザーは、体重を減らす方法を知らない。そのため、「体重を減らす方法(how to lose weight)」と検索するのだ。

こうした検索を行うと、いくつかの異なるダイエットの方法が提供されるだろう。この段階からは、方法の詳細を検索することになる。例えば、「アトキンスダイエット(Atkins diet)」というキーワードとなるが、こうしたキーワードはナビゲーショナルに分類される。

最適な方法を発見した後は、トランザクショナルに分類される検索キーワードが用いられるだろう。例えば、「アトキンスダイエット 料理本(the Atkins diet cookbook)」といった具合だ。

BERTは主にファネルの上位に位置するキーワード、つまり、「インフォメーショナルに属するキーワードに影響を与える」ということが重要だ。

さて、あなたが現在のランキングを維持するだけでなく、競合サイトよりも上位に表示させたいと願うならば、非常に詳細で具体的に書かれたコンテンツを用意することがシンプルな方法となる。

インフォメーショナルに分類されるキーワードで上位に表示させるにあたり、最も簡単な方法を尋ねた場合、非常に長いコンテンツの作成を勧めるSEO担当者もいるだろう。

実際、非常に長いコンテンツがGoogleの検索結果で上位に表示されるケースはよく目にする。しかし、Googleのアルゴリズムは単語数を注視しているわけではなく、コンテンツの品質を注視している

ダニー・サリバン:
正直なところ、ランキング要因に関しての言及は、ないものねだりのような気がしてならない。良いコンテンツがある。それは間違いなく良いことだと思う。「良いコンテンツとは300文字のコンテンツですか、それとも1,000文字のコンテンツですか?」。泣きたくなるよ…

サイラス:
完全に同意するよ(T_T)

※注:意訳

Google検索の窓口役を務めるダニー・サリバン氏による上記のツイートが意味することは、SEO担当者が高品質で、独自性があり、有益で、競争力のあるコンテンツの作成に注力してほしいと、彼が望んでいるということだろう。

そのため、新しいトピックを探すためにUbersuggestのようなツールを使用した場合にも、あなたは詳細で具体的なコンテンツを作成する必要がある。

例えば、あなたがフィットネス関連のビジネスを展開しており、「薬を飲まずに体重を減らす方法(how to lose weight without taking pills)」というブログ記事を作成した場合、ダイエットシェイクやサプリメントなど、ダイエット薬に似ているものについて詳しく記述すべきではない。それらの代替案となるあらゆる方法について議論を展開すべきなのだ。

ダイエットシェイクやサプリメントはダイエット薬とは違うものであり、キーワードとしても異なるではないか、と考える人もいるだろう。しかし、BERTが進化し、ユーザーが本当に探しているものへの理解をさらに深めた場合を考えてみてもらいたい。

また、キーワードの密度に注力するのは、もうやめるべきだ。

もちろん、多くのSEO担当者がすでに注力していないことは知っている。しかし、それでもなお、キーワードの密度についての質問が書かれているEメールを、私は毎日毎日受け取っているのだ。

あなたが作成したコンテンツのコンテキストをGoogleがより良く理解していくにつれ、キーワードの密度は、今後よりその重要性を失っていくだろう。

BERTを受けて、どこに機会を見出すべきか

すでに私が言及している通り、あるトピックについて非常に詳細で具体的なコンテンツを作成することに、チャンスを見出すことができる。

非常に詳細なコンテンツといっても、10,000単語から成る50の異なる物事について書かれた非常に長いページを作成する必要はない。可能な限り迅速に検索者の疑問に答え、競合サイト以上の価値を提供するということだ。

「オリンピック(会場)にいるという状況はどういったことか(what is it like to be in the Olympics)」と検索すると、検索結果は下記となる。

1位に表示されている記事のタイトルは「オリンピックに行くことはどういったことか(What it’s like to go to the Olympics)」であるが、記事の内容は閲覧者としてオリンピックに行くことについて書かれているわけではなく、アスリートとしてオリンピックに行くことについて書かれている。この記事内容は、検索者が求めている内容だろう。

記事のタイトルがどちらの内容に取れたとしても、BERTは状況をしっかりと見極めることができる。そして、記事も長文記事というわけではない。単語数は311である。

インフォメーショナルに属するキーワードで上位表示を獲得したいのであれば、詳細情報をしっかりと具体的に書き、競合サイトよりもより良く検索者の質問に答えることが必要だ。動画や画像から音声まで、より良い体験を提供するために必要なことは何でも行おう。

確認しておくが、長文のコンテンツでは上位に表示されないというわけではない。

すでに多くのSEO担当者が長文のコンテンツに着目している。彼らは100以上も解釈が可能な検索ボリュームが多い一般ワードでの上位表示を狙っており、その結果、彼らが作成するコンテンツは長くなるのだ。

こうした状況を考えると、ロングテールのキーワードに着目するほうが良いと言えるだろう。

当たり前だと思うかもしれないが、ここでデータを見てみよう。

Ubersuggestによるキーワードの傾向分析

全てはUbersuggestから始まる。

まだ使用したことがない方に向けて、使用方法を解説しよう。Ubersuggestにアクセスし、「マーケティング」のようなキーワードを入力しよう。Ubersuggestはそのキーワードの検索ボリュームに加え、数千ものキーワードのバリエーションを提供してくれる。

ここ30日間で、694,284人のマーケターによって、4,721,534のキーワードがUbersuggestによって調査されている。そして、4,721,534回の調査によって、1,674,841,398のバリエーションを提供している。

もちろん、より多くのロングテールのフレーズを調査するため、ビッグキーワードを入力しても良いが、Ubersuggestの利用データを見てみると、84%のマーケターは1~2単語にしか注目していないようだ。

5単語以上のキーワードに着目しているマーケターは、たったの1.7%である。

ロングテールを狙った詳細なコンテンツを作成するという戦略は、Quoraの実績を見てみても、効果的と言える。Quoraは米国でのGoogle検索だけで、月間60,428,999の訪問客を生み出している。

Quoraのコンテンツの多くは、10,000単語から成る非常に詳細なコンテンツというわけではない。人々が持つ、非常に特徴的な質問に対しての返答に注力しているのだ。

結論

近年のアップデートによりトラフィックが減少していたとしても、それは良いことと言える。

おかしなことを言っていると思うかもしれないが、こう考えてみてほしい。「薬を飲まずに体重を減らす方法」と検索した際、あなたが作成したダイエット薬の素晴らしさを伝える記事にユーザーがランディングしたとしても、すぐに離脱してGoogleの検索結果に戻ってしまうだろう。

言い換えれば、そうしたユーザーがコンバージョンにつながることはほとんどないだろう。

つまり、近年のアップデートによってトラフィックを失ってしまったかもしれないが、そうしたトラフィックの中には、ユーザー指標に悪影響を与え、直帰率を高めてしまうトラフィックも含まれていたかもしれないということだ。

加えて、非常に詳細で具体的なコンテンツ作成に取り掛かる良いきっかけともなるだろう。トラフィックが減少しているのであれば、該当のページを確認してみてほしい。

すでに検索結果から姿を消してしまっている場合は、そのキーワードに対して「コンテンツを調整する」「新しいコンテンツを作る」などして、ユーザーが求めている答えを提供しよう。

その方法がわからないのであれば、まずはSearch Consoleを見てみよう。「検索パフォーマンス」をクリックし、日付ボタンをクリックしよう。

そして、トラフィックが減少する前の日付で比較をしてみよう。「クエリ」を選択肢、差分の大きい順に並べてみるのだ。

修正が容易なロングテールのキーワードを調査してみよう。もし、修正方法のアイデアが湧かないのであれば、対象のキーワードをGoogleで検索し、上位に表示されているコンテンツを見てみよう。すでに上位に表示されているコンテンツとの比較を行うことで、見えてくるものもあるだろう。

Googleの最新のアップデートに対し、あなたはどのように考えているだろうか。

この記事は、NEILPATELに掲載された「How Google’s Bert Update Will Affect Content Marketing」を翻訳した内容です。

Googleがいかに優秀なシステムといえど、人間と同じように言語を理解することはまだまだ難しい状況です。それゆえ、Googleもあらゆる手段を用いて、この領域に注力しています。

今回のBERTについても、Googleの目指す方向が変わったわけではなく、さらに進化している状況をアナウンスしたものと解釈しています。まだ日本語は未対応とのことですが、遠くない将来に導入されると考えられます。

ニール・パテル氏が指摘しているとおり、仮に順位が下落したとしても、それは「ユーザーの期待に沿えていなかった」ことが原因であり、「期待に沿うためにはどうすればよいのか」といった視点を持って改善を行っていきましょう。

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優れたユーザー体験(UX)を提供し、SEOにおける勝利を勝ち取る

検索エンジンがユーザーファーストを掲げている以上、SEOもユーザーを考慮せず成立することはありえないでしょう。以前の状況とは違い、ユーザーを抜きにして語るSEOは存在しないといっても良いくらいです。

しかし、最近SEOを始めた方や、かつてのSEOのイメージを持った方にとっては、いまいちピンとこないかもしれません。

どちらかと言えば初級者向けの記事かもしれませんが、改めてSEOにおけるユーザー体験の重要性を解説している記事を紹介いたします。

10年前は、UXチームとSEOチームは犬猿の仲であった。彼らの目的が一致していなかったからである。

UXチームはユーザーに注視していた。ユーザーに素晴らしい体験を提供し、ユーザーが目的を果たすために、可能な限りの助力を与えていたのである。

しかし、不幸にも、UX観点では優れていることがそのままSEO観点でも優れた効果をもたらすとは言えなかった。

一方、SEOチームは、ファーストビューの上部にコンテンツの大きな塊を配置することを望んだ。

なぜだろうか。

理由は、そういった施策を検索エンジンが評価していたからである。

つまり、ページの内容をより関連性のあるものにするためであった。

また、多数のフッターナビゲーションやタグクラウドの設置も、SEOチームは望んでいた。なぜなら、クローリングとインデキシングのプロセスにおいて有効な施策であったからである。

SEOチームは、コンテンツの内容も検索クエリと合致させることを望んだ。「金融のページ(monery pages)」とするほど、検索クエリとの正確な合致を望んでいた。

また、こうしたページは他の関連するクエリにも最適化することが可能であったため、追加のコンテンツも必要とされていた。

こうした追加コンテンツがサイトを肥大化させた。コンテンツを管理することができなくなり、長期間の運用の結果、重複コンテンツの温床となった。その後、そうした重複ページは削除されることとなる。

ゆっくりと、しかし、確実に、検索エンジンはコンテンツの意味を理解する方法を変更していった。その変化は、前述したような「ハックするSEO施策」を必要としなくなったのだ。実際、このような施策は、SEOの助けとなるどころか、SEOを妨げる要因となっていった。

この変化は良い変化と言えるだろう。なぜなら、こうした変化は、UXチームとSEOチームが互いに協力しあえることを意味しており、ユーザーと検索エンジンの両方にとって有益な施策を共に行うことができるようになったからである。こうした状況が、現在と今後のSEOで勝利するための方法であるのだ。

では、「具体的に何をすべきか」を見ていこう。

ユーザーが本当に求めているものは何か

すべてのユーザーは疑問をもっており、それを満足させる答えを探している。彼らはその答えを素早く得ることを求めており、可能な限り使いやすいサイトから得たいと考えている。

このユーザーへの回答は以下の3つにまとめることができるだろう。

  1. ユーザーが満足のいく答えを作成し、それらを上位に表示させる
  2. 魅力的なスニペットを作成し、クリックを勝ち取る
  3. 素早く、使いやすいサイトで答えを提供する

この記事では、上の最初のステップに注視したい。なぜなら、ここ2年間でGoogleがロールアウトしたアップデートの多くは、「どのようなコンテンツが満足のいく答えとなるのか」という点を改善したものになるからである。

ユーザーが満足できる回答を作成する

ユーザーが果たしたい目的を理解できていなければ、どのようにして彼らが満足する答えを提供することができるだろうか。

ユーザーの検索意図を理解することが、最初のステップになる。

それを理解することができれば、彼らが満足する答えを作ることができるだろう。

ユーザーが満足する答えは、クエリに対する回答であり、適切な種類のコンテンツで提供することが重要だ。

例えば、「マインドハンター シーズン2 トレイラー」と検索された場合、動画のコンテンツを探しており、求めている動画は、マインドハンターのシーズン2のトレイラーとなる。

実際のGoogleの検索結果画面を見てみよう。

IKEAの中古のワードローブのクローゼットを購入した場合、検索クエリは、「ikea pax ワードローブ 組み立て方」となるだろう。

あなたはクローゼットの組み立て方の説明を欲している。なぜなら、以前の持ち主がマニュアルを紛失してしまうことはよくあるからだ。また、あなたには10ページのマニュアルを読んでいる時間はなく、すぐに理解できる答えを欲している。

下記は、「ikea pax ワードローブ 組み立て方」の検索結果画面である。

多くのユーザーはすぐに閲覧できる簡単な組み立て方の説明動画を欲し、PDFのマニュアルをダウンロードすることを(現時点では)欲していないことを、Googleは理解している。

検索結果画面をスクロールしていくと、マニュアルのダウンロードページが表示されている。動画が役に立たなかった場合に備えて表示させているのだろう。自身の経験からも、非常に理にかなっていると言える。

こうした両方のニーズを満たすために、組み立て方の説明動画とPDFのダウンロードを両方備えておくことが理想だろう。

別の例を見てみよう。「iPhone 11 購入 オンライン」という検索の場合だ。この場合、検索する目的は明らかだろう。iPhone 11を、オンラインで購入したいのだ(物理的な店舗での購入ではないため、近所の店舗の情報は表示されていない)。

この場合、iPhone11を販売しているECサイトがユーザーの満足のいく答えとなるだろう。そして、実際に買うべきECサイトはどこになるだろうか。

ここで非常に興味深いことは、この検索クエリにはニュース性のあるコンテンツも表示させているということだ。検索結果に表示されている「Top Stories」がそれにあたる。なぜなら、この原稿を執筆しているタイミングでは、iPhone11がリリースされてから間もないためである。

Top Storeisにしばしば採用される権威のあるサイトがiPhone11についての記事を書いている場合、こうしたキーワードで上位に表示される可能性は高い。もちろん、そうしたサイトがiPhone11を販売しているのであれば、特に魅力的となるだろう。

この検索クエリの場合、「Top Stories」は時間と共に表示されなくなると思う。小さい枠での表示は残ると思うが、それだけだろう。

ユーザーが満足する答えを提供するには、2つのプロセスを要する。

まずは、ユーザーが達成したい目的(検索意図)を理解することである。次に必要なことは、「適したコンテンツの種類」で提供された「適したコンテンツ」によって、答えを作成することだ。

ユーザーが満足する答えによってクリックを勝ち取る

潜在ユーザーが満足する答えの作成に成功した。しかし、あなたはクリック(サイトへの流入)を勝ち取らなければならない。

コンテンツ作成の初期から最後までを一貫して行う必要がある。訴求力のあるタイトルの作成・メタディスクリプションの記載・わかりやすいURLなどだ。

検索結果のレビューの表示をGoogleは頻繁に変更するが、検索結果で自身のサイトを目立たせる手法としては、今でも効果的である。

Googleがレビューを表示する場合は多くある。また、検索結果のビジビリティを高めるための新しい手法もある。FAQを例に挙げることができるが、「ホテル ニューヨークシティ」の検索結果を見てみよう。

回答をユーザーへ迅速に提供する

Googleの調査によれば、読み込みに3秒以上かかるページの場合、53%のモバイルユーザーが離脱してしまうということだ。ユーザーは皆忙しいし、待つのが嫌いであるため、非常に納得できる数字だ。

つまり、あなたは、いち早く答えを提供することを心がけなければならない。

早ければ早いほどよい。しかし、競合他社によって市場の勢力図は定義されており、ユーザーもそれに慣れているかもしれない。そのため、競合サイトよりもあなたのサイトの方が早くなれば、その投資から成果を得られる可能性はあるだろう。

ページスピードとユーザー体験の話をする際、私は常にTime to Interactive(TTI)、つまり、「ユーザーがページを使うことができるまでの時間」に注力している。

コンテンツをいち早く届けるためのベストプラクティスは以下のとおりである。

詳細な情報は、「あなたのWebサイトをさらに素早くさせる方法」の記事にまとめられている。

簡単に利用できる(使いやすい)Webサイトにする

私の見解では、簡単に利用できるサイト(使いやすいサイト)とは、優れたユーザービリティを提供しており、モバイルフレンドリーであるサイトだ。

優れたユーザービリティ

優れたユーザービリティにおいては、以下の項目が重要となる。

  • 明確なナビゲーションの構造
  • 明確な見出しの構造
  • 明確なコンテンツの構造。例えば、逆ピラミッド構造を採用し、最も重要なコンテンツを最上位に位置づける。
  • リスト、強調、パラグラフなどを活用した、優れたコンテンツフォーマット
  • 読者が詳細を学ぶのに役立つ有益なリソースの提供
  • ユーザーのコンテクストとの合致。例えば、複数の国々をターゲットとした場合、言語と貨幣の変換機能は重要となる。また、適切な日付、時間、数値単位なども同様だ。
  • 優れたアクセシビリティ

ユーザービリティについての別の記事も紹介しておこう。

モバイルフレンドリー

ユーザーがどのデバイスを使用していようとも、彼らにWebサイトを効果的に使用してもらう必要がある。多くの場合、レスポンシブ対応が最適解となる。

モバイルのデザインから設計すべきだろう。モバイルの設計が正しく行えれば、デスクトップ版への適応も容易になる。

このトピックについてはすでに多くの記事に書かれているため、ここでは有益なリソースを紹介するにとどめておこう。

Googleが提供するモバイルフレンドリーテストツールも非常に便利だ。まだ利用したことがないのであれば、すぐに確認して欲しい。

結論:優れたユーザー体験を提供し、SEOにおける勝利を手に入れる

今日、UXとSEOはそれぞれの目的を共有できる状態にある。そのため、優れたユーザー体験の提供の継続に注力していれば、自ずとSEOの勝利も見えてくるだろう。

優れたユーザー体験を届けるためには、ユーザーが満足できる答えをいち早く提供し、使いやすいWebサイトを構築することだ。

この内容を心に留め、最高なユーザー体験を提供し続けていけば、SEOで大きな成果を得られるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「How to Win at SEO Through Great UX Today & Beyond」を翻訳した内容です。

かつて、SEOとユーザー体験は全く別の文脈で語られることが多く、それぞれが同じ目的を共有するという姿は想像さえできなかったと思います(もちろん、当時から両立した考えを持つ方もいらっしゃったと思いますが、明らかに少数派であったと思います)。

現在では、SEOを語る上で、ユーザー体験を外すことのほうが珍しくなってきました。

検索エンジンが進化し、ユーザーの嗜好や行動が変化する中、SEO担当者としてのスキルもしっかりと最適化していきましょう。

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SEOとUX(ユーザー体験)の関係:情報アーキテクチャとリンク階層

SEOにおける成功を収めるために、Webサイト全体の品質を上げることは非常に重要です。

しかし、全体の品質が高いWebサイトとは、何をもって決定されるのでしょうか?

様々な解釈が可能と思われますが、総合すると「ユーザーが満足のいく体験を提供するWebサイト」と考えることができるはずです。そして、そうしたサイトは、Webサイトで提供される情報が綿密な考えのもと配置されており、それぞれの情報が有機的に結びついているはずです。

今回は、ユーザーが満足のいく体験を提供するサイトを作り上げるために必要な考えを、「情報アーキテクチャ」と「リンク階層」を軸に説明しているSearch Enjine Journalの記事を紹介します。

ユーザー体験(UX)とは、単純性とデザインという領域に留まるものではなく、「ユーザーがそのサイトをどのように体験したか」についてのものだ。

Webサイトの体験は次の3つに要約される。

  • サイトに到達する
  • コンテンツを探す
  • コンバージョンする。もしくは、ニーズを満たす

自然検索のジャーニーにおいて、ユーザー体験は、検索結果からのランディングに始まり、内部リンクのクリックを経て、関連性のあるコンテンツの発見やコンバージョンに至るといった流れになるだろう。

この流れが、SEOにおいて「サイト上のユーザー体験がいかに大事か」を示している。

自然検索のジャーニーにおいて、SEOとユーザー体験(UX)は、情報アーキテクチャとそのサイト上でコンバージョンへと導くリンクによって結び付けられる。

では、ユーザー体験を浮き彫りにする洞察のために、SEOに関連するデータを活用するにはどうすればよいのだろうか。

まずは、「情報アーキテクチャ(サイトのフレームワーク)」と「リンク階層(サイトの経路、もしくはリンク)」が、個々のニーズに合わせたユーザー体験を構築するために、どのようにして使用されているかを見てみよう。

情報アーキテクチャとは何か

情報アーキテクチャ(Information Architecture : IA)とは、Webサイトのフレームワーク、もしくは構造であり、各コンテンツのホームを提供するものである。

情報アーキテクチャは「そのサイトがどのように構築されているか」「それぞれのページがどのようにグループ分けされているか」といった内容を言及する際に使用される。

「情報アーキテクチャ=URLの構造」ではない。

繰り返しになるが、情報アーキテクチャは、URL内のフォルダーやサブフォルダーの関係と一緒にされるものではない。

もちろん、フォルダーやサブフォルダーによってサポートされるものではあるが、URL基軸のみに限った内容ではないのだ。情報アーキテクチャは、サイト自体の骨格なのである。

※一般的な情報アーキテクチャの例

リンク階層とは何か

情報アーキテクチャは、サイト内のリンク階層を経て、ユーザーに体験される。

リンク階層は、割り当てられたフレームワークやアーキテクチャ内のページ間における、物理的なつながり、もしくはリンクなのである。ユーザーがサイト内を回遊する際に使われる実際の経路である。

リンク階層は意図的に作成された情報アーキテクチャをサポートすべきであり、各情報の要素がつながっていることを確かめるものだ。どのページともつながっていないページは存在しない状態にしよう。

※一般的なリンク階層の例

情報アーキテクチャを「フレームワーク」と捉え、リンク階層を「構成要素」とすれば、サイト内におけるユーザーのタッチポイントを表すマップを作るパズルを完成することができるのだ。

これは非常に素晴らしいことではないだろうか。

検索エンジンのボットに価値を伝えるためのリンクは、我々の情報アーキテクチャをユーザーに体験させることも可能とするのだ。

我々はすでに構成要素とフレームワークを手にしているため、サイト内のコンテンツを最適化するための条件は1つしか残っていない。「ユーザーはサイト内でどのような回遊を期待しているか」という点だ。

コンバージョンとSEOを改善するために情報アーキテクチャとリンクのデザインに配慮する

情報アーキテクチャとリンク階層は上記で定義した。

そして、我々の目標は明確なファネルをデザインすることだ。そのファネルは、ユーザーが直感的にサイトを回遊できるよう、バイヤーズジャーニーに沿って調整されるべきである。

この目標を達成するために、コンテンツとリンクをアップデートする上での判断材料になる項目を下記に記載する。

  1. キーワード
    リンクされるべき、関連性のあるトピックやページを把握するために使用する。
  2. インテント
    リンク先の判断と情報アーキテクチャをデザインする際に、ユーザーのインテントを考慮する。
  3. 行き止まり
    行き止まりは避けよう。コンバージョンファネルの次のステップを明確に作成し、現在のファネルポジションに存在する別のサービスを考慮できるようにし、必要であれば現在のファネルポジションより前の段階に戻る道も提供しよう。
  4. データ
    あなたの想定を確かめるため、また、ファネルを評価するために使用しよう。

1.キーワード戦略は典型的なページ経路を示す

「ユーザーがサイト内のどの場所に行きたがっているか」を把握する術はあるだろうか。

キーワード戦略はこれを把握する上で非常に有益であり、また、キーとなるページの関連性を明確にする効果もある。

キーワード戦略は、最も関連性のあるコンテンツと、最も関連性のある検索クエリを合わせるべきだ。

最も関連性のある検索クエリには、その次に関連性のあるクエリが付随している。そして、これらの関連性のあるクエリにとって、最も関連性のあるコンテンツが存在する。

広大なキーワード戦略を活用する腕前があれば、関連性のあるページのサブセットが作成できるのだ。

重要なポイント

関連性のあるキーワードを整理し、それらを特定のページに割り当てることで、関連性のあるページのサブセットによって作成された情報アーキテクチャを自然に作成することができる。

こうした関連性のあるページにリンクを設置することで、直感的で包括的な体験をユーザーに提供することができるだろう。

2.コンバージョンファネルを設計するためにユーザーインテントを活用する

次に考慮すべきは、ユーザーインテントだ。

関連性のある各コンテンツは、それぞれ、ユーザーの検索体験における異なったインテントやゴールを提供している。ファネルの上位にいるユーザーも、下位にいるユーザーも対象となる(それぞれのコンテンツが多岐にわたるユーザーインテントに対応していないのであれば、ユーザーインテントの活用はあなたにとって、コンテンツ作成における重要な材料となるだろう)。

リンク階層は、ユーザーがコンバージョンファネルの各段階を回遊できる経路を含むべきだ。こうすることで、ファネル内でしばしば発生する混乱を減らすことができる(ユーザーが「次にどのページを見るべきか」を悩まなくて済むようになる)。

コンバージョンに至るまでのユーザーの経路は、一直線であるとは限らない。そのため、コンバージョンファネルの異なるポイントへリンクをすることは、ユーザーのつまづきを軽減できるのだ。

重要なポイント

ターゲットオーディエンスの異なるインテントに対応することで、自然にユーザーをファネル内の次のステップに進めさせることができ、ユーザージャーニーをスムーズにすることができるだろう。これは、ファネル内の上位にいる場合も、下位にいる場合も当てはまる。

情報アーキテクチャはリンク階層をサポートすべきであり、コンテンツとインテントを一致させることで、ユーザーをコンバージョンファネルの次のステージに促すことができるのだ。

3.サイトからの離脱を防ぐ。ユーザー体験をユーザーの期待と一致させ、孤立した体験を避ける

Webサイトの戦略とも一致する例を挙げてみよう。

あなたはバハマまでのフライトを予約した。バハマまで到達するには、マイアミ経由での経路しかない。最初のフライトはうまくいき、マイアミに到着することができた。サングラスを片手に、水着を身に着け、サンダルだって履いている。バハマの日差しを浴びる準備はばっちりだ。

しかし、マイアミからバハマまでのフライトが無いことを知り、あなたは立ち尽くしてしまう。結局は空港を去り、ふわりとした帽子を手に持ちながら、舟に乗ることにした。

この例では、あなたの目的はバハマに行くことだ。しかし、あなたが選んだ経路は、あなたが期待したものではなく、目的地までの明確な経路を提供してくれなかった。そのため、競合相手(船)を選ぶことにした。

この例をWebサイトに当てはめてみよう。

ユーザーがサイト内のリンクとページを簡単に回遊できなければ、例えコンテンツがどれほど素晴らしくとも、例え多くのキーワードで上位表示されていたとしても、ユーザーは彼らが期待していたとおりのことをそのWebサイトで経験することはできない。

ユーザーは、進むことも戻ることもできず、そのページに立ち尽くしてしまう。自身が求めるページと違うページに迷い込み、彼らにとって有益なコンテンツがあるにもかかわらず、そのコンテンツを発見することはできなくなってしまう。

こうした体験を与えてしまうと、サイトからの離脱が発生してしまうだろう。

重要なポイント

サイト内でユーザーが動けない状態は避けるべきだ。あらゆるページの経路をレビューし、行き止まりや孤立したページが、ファネル内のどのポイントにおいても発生していないことを確認しよう。

4.エンゲージメントに関わる指標はユーザーの満足度を示す

ユーザーのエンゲージメントに関わる指標を理解することで、最適化の施策をさらに進めることが可能だ。

分析データを活用し、ユーザーがあなたのサイトとどのように関わっているかを把握しよう。

  • ユーザーはどこへ向かうのか?
  • どのように到達したのか?
  • どのポイントで離脱したのか?
  • 特別なKPIを達成したのはどの経路か?

エンゲージメントに関わる指標は、SEOに関連する指標の中でも、おそらく最も強力なツールの1つだ。

こうしたデータは、「ターゲットユーザーがどう経由したか」「共感してくれたか」「あなたが提供した経験に対しユーザーがどの程度満足しているか」などを示してくれる。

エンゲージメントに関わる指標が答えてくれる質問を下記に記載しよう。

【ユーザーのクリック経路】

  • ユーザーがサイト上で選択する自然なフローは何か?
  • 離脱と入り口のポイントはどこか?
  • 行き止まりはあるか?
  • ユーザーがサイト内で困惑してしまう特定のセクションはあるか?

【直帰率】

  • クリック数が多いページの直帰率が高い理由はなにか?
  • その場所で提供されている経験は、ユーザーが期待した経験に沿っているか?
  • そのコンテンツはユーザーの共感を得ているか?
  • サイトのより深くまで到達できる経路は用意されているか?
  • 理論的に正しい次のステップへの明らかな経路は用意されているか?

※直帰率が低く、クリック数が少ないページは、直帰率が高く、クリック数が多いページよりも価値があることをお忘れなく

【滞在時間】

  • 平均滞在時間は、そのコンテンツの種類にとって、納得できる時間であるか?
  • 滞在時間が長いページにはあり、滞在時間が短いページにはない特徴はあるか?

【1訪問あたりのページ数】

  • 過去に訪れたページにも訪れているか?
  • 1訪問あたりのページ数が高いページが持つ特徴、構造、属性は何か?

【クリック率】

  • タイトルは理にかなっているか?
  • インテントが期待を満たしているか?
  • メタディスクリプションの内容はページの内容を正確に反映しているか?

ときに、ユーザーはあなたが予期していたものと違う行動を取ることがある。しかし、それは問題ない。

こうした各指標を元に、ユーザー体験を改善していけば良い。それには、サイト構造(リンク先)の調整、キーワード戦略の内容、コンテンツの追加などが含まれるだろう。

重要なポイント

あなたの戦略の確認と改善のために分析データを活用しよう。可能な限り最高な経験をユーザーに提供できているだろうか。

下記の2点に注意しよう。

  • その場所で価値を提供する、最も関連性のあるコンテンツは何か?
  • ユーザーのニーズを満たすため、そのページをどのように最適化すればよいか?

結論:ユーザーのサイト上での体験を活用し、より良いユーザー体験を構築しよう

正しい体験を正しいタイミングで提供することは、ユーザーを導き、コンバージョンさせるための重要なポイントだ。

キーワードとインテント、インテントとコンテンツ、コンテンツと経路を一致させ、クリックルートを整備してユーザーを助けよう。

あなたが構築した情報アーキテクチャが、孤立したページを発生することなく、関連性のあるコンテンツ同士の経路を備えたものにしよう。また、こうした経路は、よく最適化されたリンク階層によって実現される。

ユーザー体験の目的は、あなたのユーザーに対し、可能な限り最高の経験を提供することだ。

優れた情報アーキテクチャはリンク階層を構築し、コンバージョンファネルの最適化を果たしながら、サイト上のユーザーの自然な行動をサポートする。

ユーザーのニーズを理解することに努め、検索結果から到達したユーザーが期待する経験を提供し、サイト上の行動をサポートすることができれば、個々のユーザーに合わせたポジティブな体験を作成できるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「SEO UX Play: Information Architecture & Linking Hierarchy」を翻訳した内容です。

記事内にもあるとおり、「正しい体験を正しいタイミングで提供すること」は非常に重要であり、カスタマージャーニーのどの段階にいるユーザーにも良い体験を提供できる状態が求められます。

また、「その情報を得たユーザーが次にどのような情報を求めるか」といった点も考慮され、直感的に次の情報に導くことができれば理想ですね。

言うは易し、であると思いますが、記事内にあるとおり、データを見ながらトライアンドエラーを繰り返し、少しでも理想に近づけるべく施策を進めていきましょう。

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【SEO】サイトのクロールバジェットを最適化する7つのコツ

「Webサイトのクローラビリティを測るために重要な10のチェックポイント」に続き、今回もクロール関連の記事となります。前回の記事は、クロール・インデックスの健全性を測るための指標をまとめていました。

今回の記事は、「そもそもクロールバジェットとは何か」という説明に加え、クロールバジェットに影響しうる技術的な修正などをメインにまとめられています。

どちらかと言えば初心者の方向けの記事ですが、改めて確認しておきたい方にも有益な内容となっております。

しばしば見落とされてしまうものだが、クロールバジェットはSEOの主要なコンセプトの1つである。

SEOの専門家にとっては、解決すべき課題が常にあり、クロールバジェットの最適化は後回しにされてしまうことがあるのだ。

結論から言うと、クロールバジェットは最適化の対象となりうるし、なるべきだ。

この記事を読むことで、あなたは下記の項目を学ぶことができるだろう。

  • クロールバジェットを改善する方法
  • ここ数年間で変化したクロールバジェットにおける変化

クロールバジェットとは何か

クロールバジェットがそもそも何を意味するのか忘れてしまった方々のために、ここではその内容を簡単に振り返ってみよう。

クロールバジェットは、検索エンジンのクローラー(スパイダー、もしくは、ボットとも呼ばれる)があなたのドメイン内のページに訪れる頻度である。

この頻度は非常に絶妙なバランスが取られている。Googleがあなたのサーバーに大きな負荷をかけることなく、かつ、あなたのドメイン内のすべてのページを理解する、といったバランスだ。

クロールバジェットの最適化とは、検索エンジンのボットがあなたのページに訪れる頻度を高めることを目的とした、一連の作業の総称と言える。

検索エンジンがサイトにより多く訪れてくれれば、ページが更新されてからすばやくインデックスされるようになる。

結果として、クロールバジェットの最適化は、「検索結果の順位に反映されるまでの期間が短くなる」という効果をもたらしてくれる。

クロールバジェットの最適化の意味を理解することができれば、それがどれほど大事な施策であることが理解できるだろう。

それでは、詳細を説明していこう。

なぜ、クロールバジェットの最適化は見落とされてしまうのか

この質問に答えるために、Googleの公式ブログの記事を読んでみよう。

Googleも説明している通り、クロールそれ自体はランキング要素ではない。

この事実だけで、クロールバジェットについて考えをやめてしまうSEO担当者もいるだろう。

多くのSEO担当者にとって、「ランキング要素ではない」は「私の問題ではない」と同義であるからだ。

しかし、私はそういった意見に対し、心から反対する。

Googleのゲイリー氏のコメントも見てみよう。彼は、「何百万ページ以上の巨大なWebサイトにとっては、クロールバジェットの管理は意味のあるものだ」と述べているのである。

中規模サイトのSEO担当者の場合、クロールバジェットについてそれほど神経質になる必要はないだろう。

一方、巨大なWebサイトのSEO担当者においては、サイト内のコンテンツを削除することで、ドメイン全体としてはプラスとなる場合もある。

しかし、ご存知の通り、SEOとは1つの大きな要素を変更すれば結果が得られるといったものではない。

SEOは、小さい要素の変化を積み重ねていくものであり、非常に多くの指標に気を配らなければならないのである。

概して、ウェブマスター(SEO担当者)の仕事とは、数千もの細かい項目が可能な限り最適化されている状態を作ることなのだ。

さらに、それ自体はクロールの主な要素ではないが、Googleのジョン・ミューラー氏も、「Webサイト全体を最適化することは、結果としてコンバージョンの増加に寄与する可能性がある」と述べている。

こうした背景から、私は、「何らかの施策を打たなければ、あなたのサイトのクロールバジェットに悪影響を及ぼすであろう」と確信している。

クロールバジェットの最適化の方法

これから紹介する方法の中には、非常に重要となる項目もあれば、ほぼ関連性の無いほどに、その常用性が変化した項目もある。

それでも、Webサイトの健全性を脅かす「常に疑うべき項目」には気を配る必要がある。

1.robots.txtで重要なページへのクロールを許可する

これについては疑いの余地もないし、また、最初に取り掛かるべき最も重要な項目であることは確かだろう。

robots.txtの管理は手動、もしくは、ツールで行うことができる。

可能であれば、ツールを使用することを勧めたい。ツールを使用すれば、シンプルかつ効率的に管理することが可能であるからだ。

あなたが選択したツールにrobots.txtを登録すれば、クロールの許可とブロックをすぐに設定することができる。そして、アウトプットされたrobots.txtをアップロードすればいいのだ。

手動でrobots.txtの管理を行う方も多いだろう。しかし、非常に巨大なWebサイトのSEOを担当してきた私の意見としては、細かい調整が必要となるため、ツールを使用した方が確実に良いと考えている。

2.リダイレクトチェーンを監視する

Webサイトの健全性を高めるためには、王道の方法である。

理想を言えば、ドメイン全体で1つのリダイレクトチェーンも発生させるべきではない。

ただし、巨大なWebサイトではほぼ不可能だろう。301や302リダイレクトはどうしても発生してしまう。

しかしながら、リダイレクトチェーンはクロールの上限に悪影響を与える。最悪の場合、インデックスされるべきページに到達する前に、検索エンジンがクロールをストップしてしまうことも考えられる。

1つや2つのリダイレクトは大きな問題ではない。しかし、リダイレクトチェーンは、あらゆるSEO担当者が気を配るべき項目だ。

3.可能な場合はすべて、HTMLを使用する

Googleに限って言えば、検索エンジンによるJavaScriptのクロール精度は向上している。しかし、FlashとXMLのクロールとインデックスには、まだ改善の余地がある。

一方で、他の検索エンジンは、まだそのレベルに達していない。

そのため、個人的には、可能な限りHTMLを使用すべきだと考えている。

こうすれば、あらゆるクローラーにおける弊害を防ぐことができるだろう。

4.HTTPのエラーでクロールバジェットを消費させない

404と410を返すページは、クロールバジェットを消費してしまう。

クロールバジェットに大きな影響を与えずとも、ユーザー体験を損なうだろう。

そのため、4XXと5XXのエラーを修正することは、常によい結果を生むと言える。

この場合も、私はSEO監査用のツールを使用することを勧めたい。SE RankingとScreaming Frogは、非常に優れたツールだ。

5.URLパラメーターに気を配る

分離したページは、別々のページとしてカウントされ、無価値なクロールを発生させてしまうことを覚えておこう。

GoogleにURLパラメーターの存在を知らせることは、GoogleとWebサイトの両方にとって良い結果を生む。クロールバジェットの消費を防ぎ、重複コンテンツが発生する懸念を無くすことができるのだ。

Google Search Consoleを活用し、Googleにその状況を伝えよう。

6.サイトマップを更新する

XMLサイトマップの改善も、GoogleとWebサイトの両方にとって良い結果を生む。

サイトマップを送信することで、ボットによる内部リンクの理解をより良く、簡単にすることができる。

サイトマップには、正規URLのみを記載するようにしよう。また、robots.txtの最新版と一貫性があることを確認しておこう。

7.hreflangタグを設定する

ローカライズ版のページを分析するために、クローラーはhreflangタグを参照する。可能な限り、あなたのページのローカライズ版のページをGoogleに伝えるべきである。
※参考:ページのローカライズ版について Google に知らせる(Search Consoleヘルプ)

まずは、ページのヘッダーに、

<link rel="alternate" hreflang="lang_code" href="url_of_page" />

を記載しよう。”lang_code”には、サポートされている言語が記載される。
※参照:https://support.google.com/webmasters/answer/189077?hl=ja#language-codes

対象のページ全てに要素を使用しよう。こうすることで、ローカライズ版のページの存在を伝えることができる。

まとめ

もし、あなたがクロールバジェットの最適化が重要であるかどうか迷っている場合、その答えは、明らかにYesである。

クロールバジェットの最適化は、あらゆるSEO担当者が常に気を配るべき、重要な項目なのだ。

今回の記事がクロールバジェットの最適化の手助けとなり、SEOのパフォーマンスの改善に役立つことを祈っている。

幸運を!

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「7 Tips to Optimize Crawl Budget for SEO」を翻訳した内容です。

クロールバジェットの概念のわかりやすい説明から、確実に気を配るべきポイントをまとめた記事でした。

冒頭にもある通り、クロールバジェットの最適化はしばしば見落とされてしまう項目です。

しかし、検索エンジンのクロールについての知識は、SEOのキホンのキということもできます。どのような規模のサイトであれ、最低限の知識と対策はしておきたいものですね。

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Googleのコアアルゴリズムアップデートによる変動からサイトを回復させるために重要な4つのポイント

2019年9月にGoogleのコアアルゴリズムアップデートが行われました。

自身が管理しているサイトにおいて、特にYMYL領域であれば、サイトの順位が大きく変動したという方も多いのではないでしょうか。

今回はジョン・ミューラーへの質疑から、コアアルゴリズムアップデートの認識について、Search Engine Journalがまとめた記事をご紹介します。「なぜ、サイトの順位が下落するのか」、その原因を正しく理解し、分析する手助けとなる記事です。

Googleのジョン・ミューラーは、2019年6月に行われたコアアルゴリズムアップデートによって、サイトの順位やトラフィックが減少した場合に、どれくらいの期間を経てそれらが回復するのかを回答した。

ジョン・ミューラーは、コアアルゴリズムアップデートの影響があったサイトを回復させる方法に関して、4つのポイントを提示している。

Googleのコアアルゴリズムアップデートによる影響から回復させる方法に関する重要な4つのポイント

  1. トラフィックを失ったページ(サイト)はペナルティを受けたわけではない
  2. コアアルゴリズムアップデートは、関連性が高いページの順位を向上させるものである(関連性が低いとみなされた場合は、順位を失う)
  3. 次のコアアルゴリズムアップデートまでリカバリーを待つ必要はない
  4. 基本的にコアアルゴリズムアップデートはスパムに対するものではない

Googleのジョン・ミューラーは、「コアアルゴリズムアップデートによってサイトの順位が下落する理由は、Googleが他のサイトをより関連性が高いとみなしているためだ」と強調した。

重要なことは、「関連性と関連性の欠如」にある。

コアアルゴリズムアップデートによる影響からサイトを回復させる方法を理解するための鍵は、Webサイトの関連性が低いとみなされた理由について考えることである。

Googleのコアアルゴリズムアップデートによる影響からリカバリーするまでの期間

質問者は、GoogleBotに対して誤った認識を抱いていた。

「GoogleBotは、コアアルゴリズムアップデートでペナルティを受けた(とされる)サイトをリカバリーさせるかどうかを決定するもの」という認識である。

しかし、GoogleBotは、Webページをダウンロードする単なるソフトウェアプログラムである。一般的にはクローラーと呼ばれている。

クローラーによってダウンロードされたすべてのWebページを評価し、順位付けするのは、データセンターのGoogleのアルゴリズムによるものだ。コアアルゴリズムアップデートによって更新されるのは、これらのアルゴリズムである。

コアアルゴリズムアップデートは、サイトへペナルティを与えるものではない

Webサイトが2019年6月のコアアルゴリズムアップデートによる影響を受けてしまった。現在、高品質のコンテンツの作成に取り組んでいる。サイトの状況が回復するまでは何か月待つ必要があるだろうか。また、GoogleBotは、コアアルゴリズムアップデート以外でペナルティの削除を決定することはできるのか。

以下は、ジョン・ミューラーによる回答である。

まず、コアアルゴリズムアップデートはサイトへペナルティを課すものではない。Googleのアルゴリズムは、個別のサイトに対してペナルティを課しているわけではない

コアアルゴリズムアップデート後に順位が下落した場合、ペナルティが課せられたように感じることがある。順位が下落するという意味では、一緒だろう。

しかし、厳密に言うと、コアアルゴリズムアップデートによる順位の下落と、ペナルティによる順位の下落は異なるものである。

ペナルティが課された場合、Googleはウェブマスター向けのガイドライン違反について、Googleサーチコンソールを通じてサイト運営者に通知を送る。

一方、コアアルゴリズムアップデートによって順位を失った場合、そのような通知が送られることはない。

ジョン・ミューラーが伝えているのは、「コアアルゴリズムアップデートによって順位が下落したからといって、Webサイトの運営者が何か致命的な誤り(※)を犯しているわけではない」ということだ。
※致命的な誤り:コンテンツスパムやリンクスパムなど

コアアルゴリズムアップデート後にサイトの順位が下落する理由

ジョン・ミューラーは、サイトの順位が下落する理由を繰り返し論じている。

端的に言うと、「サイトの順位が下落する理由は、Googleの新しいアルゴリズムが、他のサイトの方がより関連性が高いと評価したためである」とのことだ。

ジョン・ミューラーは、順位を上下させるコアアルゴリズムアップデートと、その影響を受けるサイトについて以下のように述べている。

コアアルゴリズムアップデートによる影響とは、本質的には、Googleのアルゴリズムがページの関連性を評価する計算方法を変更し、より関連性が高いと思われる他のページを見つけたことによるものである。

つまり、あなたが何か間違ったことをしたというわけではなく、また、アルゴリズムアップデートがあったからといって、直ちにサイトを修正する必要はない(例え、何か対応を行ったとしても、アルゴリズムに沿って評価が行われるだけである)。

さらに言うと、サイトの順位が下落する理由は、アルゴリズムが検索クエリに対するサイトの関連性が高いと判断しなかったことによるものである。そして、順位の変化は時間の経過と共に起こる。

Googleのコアアルゴリズムアップデートとは何か

アップデートによって順位が下落するパターン

ジョン・ミューラーは言及しなかったものの、我々がサイトレビューを行ったところ、コアアルゴリズムアップデートによる順位の下落には、少なくとも2つのパターンがあることがわかった。

順位が下落するパターン

下位のサイトがより上位を獲得し、それまで上位にあったサイトの順位が下落するパターンである。

完全に順位を失うパターン

特定のサイトが完全に順位を失う=検索ランキングに現れなくなるパターンである。こちらはより深刻な問題であり、SERPsを詳しく調べなおす必要があるだろう。

Googleによる公式な手引き

その後、ジョン・ミューラーはGoogleがコアアルゴリズムアップデートの手引きを提供した2019年8月のブログ記事を紹介した。

参考:Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと(2019年10月)

我々はコアアルゴリズムアップデートに関して、我々が見ているものをかなり詳細に説明したブログ記事を投稿している。私もこちらの記事を再確認したいと思う

Googleのコアアルゴリズムアップデートから回復するまでの待ち時間

最後に、ジョン・ミューラーは「Googleのアルゴリズムは常に更新されている」と答えた。

つまり、Webページの改善が役立ったかどうかを確認するのに、次のコアアルゴリズムアップデートまで待つ必要はないということである。改善はランキングにすぐ反映されるはずだ。

ジョン・ミューラーは言及していなかったが、コアアルゴリズムアップデート後に順位が戻る場合がある。これは過度に広範囲なアップデートになった結果、影響を与えるつもりのないサイトにまで影響を与えることがあるためだ。そして、彼らはアルゴリズムを微調整することがあるかもしれない。

要するに、コアアルゴリズムアップデート後にサイトの順位が戻るのは、アルゴリズムの変更について、その一部を撤回したためである可能性が考えられる。

ジョン・ミューラーのコメントは以下のとおりである。

コアアルゴリズムアップデート後にWebサイトの大幅な改善を行った場合、いつその結果は反映されるのだろうか。結論を言うと、その結果は順次反映されていく。

アルゴリズムの更新には2種類がある。大幅な変更であるコアアルゴリズムアップデートと、常に変化し続ける小さなものだ。

インターネット全体は時間の経過と共に変化する。その結果、基本的に検索結果は毎日変化するし、毎日改善することもできる。

したがって、Webサイトを大幅に改善した場合は、それらの細かい変更も時間の経過と共に反映されるだろう。よって、アルゴリズムの変更がされたことを確認するまで待つ必要はない

コアアルゴリズムアップデートによる順位の下落は必ずしもサイトの品質に関するものではない

ジョン・ミューラーは、「順位が下落したからといって、それはサイトに問題があったことを示すものではない」ことを繰り返して、質疑応答を終了した。

繰り返すが、コアアルゴリズムアップデートは、Webサイトに問題があることを示すものではない

Googleのコアアルゴリズムアップデートによる影響からのリカバリーに関して重要なこと

広範なコアアルゴリズムアップデートのすべてについて、それを品質に関するアップデートであるとみなす者がいる。彼らは、サイトが順位を失う度に「それは、サイトの質が低いからだ」という。

一方で、順位の下落を技術的な問題によるものであるとみなす者もいる。例えば、サイトの表示スピードが遅い・リダイレクトが連鎖しているなどだ。

確かにサイトの品質や技術的な問題は、サイトの順位に関する正当な懸念事項だろう。これらの問題には、対処していく必要がある。

しかし、一般的にコアアルゴリズムアップデートの目的はそれらの一部のみに対応するものではない。

コアアルゴリズムアップデート後にサイトの順位が下落した場合、品質及び技術的な問題が存在する可能性がある。

だが、その場合には一部の問題のみに注目することなく、順位の下落に関連するであろうすべてについて、特にページの関連性についても確認することが望ましい。

ジョン・ミューラーはサイトの関連性が重要であることを繰り返し述べた

コアアルゴリズムアップデートによってサイトの順位が下落した場合、品質または技術的な問題の改善点が見つかることがある。

しかし、順位を失ったサイトをチェックした私の経験から言うと、サイトの関連性について調査することが有効なケースもあるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Google on Broad Core Algorithm Update Recovery – 4 Takeaways」を翻訳した内容です。

Googleのコアアルゴリズムアップデートは、通常、個別のサイトに対するペナルティを課すものではありません。また、サイトの品質や技術的な問題など、単一の問題に対応するものでもないということが簡潔にまとめられた記事でした。

Googleの動向ばかりに注視しすぎるのは良くありませんが、一方でコアアルゴリズムアップデートの傾向を分析することによって、「Googleが何を重要視しているのか」を客観的に見ることができるのも事実でしょう。

ユーザーにとって価値のあるサイトとは何か。Googleはそれをどう判断しているのか。様々な情報や経験を元に考えていきましょう。

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Webサイトのクローラビリティを測るために重要な10のチェックポイント

SEOを理解する上での第一歩は検索エンジンの仕組みを知ることであり、それは、クロール・インデックス・ランキングの3ステップに大きく分けることができます。

SEOを考える上では、ついランキングのみに注視しがちですが、その前段階である「クロールとインデックス」にも注意を向けなければなりません。

あなたのサイトはきちんとGoogleに理解されているのでしょうか。その健全性(クローラビリティ)を測る上で重要となる指標をまとめたSearh Engine Journalの記事をご紹介します。

Webサイトのクローラビリティを最適化する目的は、検索エンジンが定期的にクロールに訪れ、新しいコンテンツが発見されるために、サイト内の重要なページを訪問してもらうことだ。

GoogleのボットはあなたのWebサイトを訪れるたび、可能な限りの範囲でページとリンクをクロールし、発見してくれる。しかし、上限に達した場合、それらはストップしてしまう。

あなたのページへの再訪問については下記のようなさまざまな要素が絡んでおり、それらに基づいて、GoogleはクロールするURLの優先順位を決定する。

  1. ページランク
  2. XMLサイトマップへの記載
  3. サイト構成における位置
  4. ページの更新頻度
  5. その他多くの要因

基本的にあなたのサイトがGoogleの注意を引くのは、限られた回数のクロール内でのみ行われる。それは不定期であることも少なくない。Googleのクローラーが訪れた機会を有益に使うことが重要だ。

「クローラーにとって、あなたのサイトがどの程度最適化されているか」を分析するために、どこに着目すべきかを判断することは難しい。特に大規模なWebサイトや複数のWebサイトを担当している場合、他の優先すべきSEO施策があることも考えられる。

それこそが、今回の記事を執筆した理由だ。この記事ではクロールの健全性を確かめる上で非常に重要なポイントをその理由と共にリストにした。あなたが分析を開始する際の手助けになれば幸いである。

1.インデックスされているページ数とサイト内のインデックス可能なページ数

こちらを算出することで、以下の項目が明らかになる。

  1. Googleがインデックス可能なページ数
  2. Googleが実際に発見しているページ数
  3. インデックスするに値すると判断されたページ数

2.Webサイト全体でクロールされているページ数

Googleのクロール活動とサイト全体のページ数とを比較することで、Googleがアクセスできないページ、または、定期的なクロールのスケジュールに組み込む判断に至っていないページがどのくらいあるかを深く理解することができる。

3.インデックスが不可(no index)であるページ数

Googleボットがインデックスの不可であるページに滞在することは、クロールバジェットの観点から最適な状態であるとは言えない。

インデックス不可であるページへのクロール数を把握し、それらのページをインデックス可能な状態にすることができるかどうか、確認しよう。

4.クロールをブロックしているページ数

クロールをブロックしているページ数を把握することで、あなたがGoogleによるクロールを許可していないページ数を把握することができる。

インデックスの観点、また、さらに奥にあるページの発見性という観点において、それらのページが本当に重要ではないのか、あらためて考えてみよう。

5.価値の低いページのインデックス数

すでにGoogleにインデックスされているページを確認することで、あなたのサイト内のGoogleがアクセス可能な領域を把握することができる。

例えば、低品質であることを理由にサイトマップに含めていないページが、別の理由でGoogleに発見され、インデックスされている場合もある。

6.404ページへのクロール数

インデックスを望んでいるページではなく、エラーページへのクロールにより、クロールバジェットが消費されていないことを確認することは、非常に重要である。

Googleボットは404ページへも定期的にクロールする。それらのページが再公開されているかどうかを確認するためだ。

そのため、そのページを永久に閉じ、再クロールの必要がない場合は、410を設定するようにしよう。

7.内部のリダイレクトのクロール数

あなたのサイトでのあらゆるリクエストはクロールバジェットを消費する。そして、リダイレクトチェーンにおけるリクエストも、そのリクエストの範疇だ。

効率的にクロールできるようにGoogleを助け、クロールバジェットの消費を防ごう。そのためには、サイト内のリンクは200を返すページにのみ向けられるべきであり、最終目的地となるURL以外へのリクエストを発生しないようにしよう。

8.canonicalが設置されているページ数と、canonicalが向けられているページ数

正規化されたページ数は、あなたのサイト内の重複ページ数を指し示している。canonicalタグは重複ページ間のリンク評価を統合してくれるものであるが、クロールバジェットの助けにはならない。

Googleは正規化されたページの中からインデックス対象のページを選ぶが、どのページが主要なページであるかを判断するため、対象のページすべてをクロールする必要がある。

9.ページ送り、または、ファセットページへのクロール数

Googleは、まだ発見されていないページ、または、リンクされていないページのみをクロールする必要がある。

大抵の場合、ページネーションファセットは、重複ページの原因となる。そのため、独自のコンテンツやクロールされるべきリンクが含まれていないことを確認しよう。

rel=nextとrel=prevは、もはやGoogleにサポートされていないため、ページの発見をページネーションに依存しないように、内部リンクの最適化を行おう。

10.クロールのデータとページの発見状況にミスマッチはあるか

Google Analyticsのデータではユーザーによるアクセスがあるのに、ログファイルのデータでは検索エンジンによってクロールされていないという状況がある。これは、ユーザーによっては発見されているものの、Googleには発見されていないことが理由である。

複数のデータとクロールのデータを統合することにより、検索エンジンには発見されづらいページの存在が浮き彫りになる。

GoogleにとってのURLの発見の情報は大きく2つあり、1つが外部リンク、もう1つがXMLサイトマップである。Googleがあなたのページをクロールする際に障壁があり、Googleがすでに存在を認識し、定期的にクロールしているどのサイトからもリンクを得られていないのであれば、そのページがサイトマップに含まれているかを確認しよう。

まとめ

今回の記事で紹介した10個のチェックポイントを確認すれば、クローラビリティへの理解と、サイトの技術的な健全性の把握につながるだろう。

無駄にクロールバジェットを消費しているページを発見できれば、ロボットテキストで指示するなど、Googleがそれらのページへのクロールを抑えるように指示することができる。

さらに、サイトの構造や内部リンクを最適化することで、重要なページへのクロールを促し、その重要性と発見性を高めることができるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「10 Key Checks for Assessing Crawl Hygiene」を翻訳した内容です。

クロールバジェット(注:俗称)の正確な数値を把握する術はありませんが、可能な限りの理解は努めるべきでしょう。

クロールはGoogleにとってもコストとなることからも、無駄なページをクロールされることはできる限り避けるべきです。まずは、明らかなエラーの箇所、重要でないページへのクロールの規制などを行い、順位や流入数への悪い影響がないことを確認しながら、徐々にその範囲を拡大していく、ということが王道の流れでしょう。

こうしたクロールの最適化において、非常に有効で利便性の高い記事でした。

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500万の検索結果を分析した結果、自然検索のクリック率についてわかった10の事実

SEO施策を進めるにあたっては各種目標を設定しますが、「特定のキーワードの順位」を注視してしまう傾向はあると思います。

しかし、最終的には「Webサイトへのトラフィックがどれだけ発生したか」が重要となるため、順位のみを注視してしまうと重要な指標を見落としてしまうでしょう。そして、トラフィックの増加を狙うのであれば、クリック率というデータは欠かすことのできない情報です。

クリック率はなかなか正当なデータを算出することは難しいですが、ブライアン・ディーン氏でお馴染みのBacklinkoが500万のデータを駆使した調査を行いました。クリック率の改善案も提案されており、非常に有益な情報となっています。

Googleの自然検索におけるクリック率をより深く理解するため、我々は500万の検索結果を分析した。

分析対象のクリック率のデータは、874,929ページと5,079,491キーワードである。

その後、タイトルタグ、ユーザーの感情、メタディスクリプションなどの要素がクリック率にどのように影響するかを分析した。

ClickFlowのデータのおかげで、複数のGoogle Search Consoleアカウントからのクリック率のデータを取得できた。

前置きはこのくらいにして、早速結果を見てみよう。

今回の調査から得られた結果のまとめ

  1. Google検索で1位に表示されているページのクリック率は、平均で31.7%。
  2. Google検索で1位に表示されているページは、10位に表示されているページと比べ、10倍のクリックを獲得している。
  3. 7-10位に表示されているページのクリック率はほぼ同一。そのため、順位が少し上がっても、それが1ページ目の下位のままであれば、トラフィックを大きく増加することは難しくなる。
  4. 平均して、順位が1位上昇すると、クリック率は30.8%上昇する。しかし、この数値は上昇前と上昇後の順位で非常に左右される。3位から2位への順位上昇は、クリック率も飛躍的に上昇するが、10位から9位への順位上昇の場合、クリック率はさほど上昇しない。
  5. タイトルに質問が含まれているページの場合、タイトルに質問が含まれていないページと比べ、クリック率は14.1%高い。
  6. タイトルの文字数が15-40文字の場合が最もクリック率が高い。我々のデータによると、タイトルの文字数が15-40文字の範囲に収まると、それ以外の文字数のタイトルのページと比べ、クリック率が8.6%高かった。
  7. URL内にキーワードが含まれている場合、URL内にキーワードが含まれていない場合と比べ、クリック率は45%高くなる。
  8. 「パワーワード」を追加すると、CTRが下がる場合がある。パワーワードを含むタイトルのページは、パワーワードを含まないタイトルのページと比べ、クリック率は13.9%低くなる。
    ※パワーワード:クリックを煽るようなワードのこと
  9. 感情的なタイトルはクリック率を上昇させる。ポジティブ、ネガティブな表現を含んだ感情的なタイトルの場合、クリック率は約7%改善された。
  10. メタディスクリプションを書くことでクリック率は上昇する。メタディスクリプションが記載されているページは、メタディスクリプションが記載されていないページと比べ、5.8%多くクリックを獲得していた。

それぞれの分析結果の詳細を見ていこう。

①1位に表示されているページは、すべてのクリックの31.7%を獲得している

今回の調査の最初の目的は、クリック率の基準を見極めることである。

500万の全データを使用したところ、1位に表示されているページのクリック率が圧倒的に高いことがわかった。

  • タイトル:1位に表示されているページのクリック率が最も高かった
  • Y軸:クリック数
  • X軸:順位

また、2ページ目から極端にクリック率が下がることもわかった。

  • タイトル:2ページ目以降を訪れるユーザーは少ない
  • Y軸:クリック数
  • X軸:順位

Googleで検索したユーザーのうち、0.78%しか2ページ目以降に表示されているページをクリックしていないのだ。

この傾向は、Advanced Web Rankingの調査のように、他のクリック率の調査結果と同様の傾向となっている。

クリック率は2ページ目以降から極端に下がるため、我々は1ページ目の調査に注力することにした。

そのため、2ページ目以降のデータを除外した後、再度分析を行っている。また、極端に高いクリック率のデータ(例:ブランド名での検索)など、分析結果を歪めてしまうデータも除外している。

こうして、1ページ目のデータのみで分析を行った結果、1位に表示されているページのクリック率は31.7%であるという結果を得た。

  • タイトル:Google検索で1位に表示されているクリック率は31.7%

1ページ目に表示されている各順位のクリック率のデータは下記の通りである。

  • タイトル:順位ごとのクリック率
  • Y軸:順位
  • X軸:クリック率

上記の通り、1位に表示されているページのクリック率は、10位に表示されているページと比べ、10倍高い。

長い間SEO業界で働いている者にとっては、驚くべき数字ではないはずだ。1位に表示されることは、他のどの順位に表示されることに比べ、非常に大きな価値があるのだ。

Mozの調査にもあるように、Google検索を使用するユーザーは、本能的に1位の結果をクリックしてしまう。1位のページの数ピクセル下に表示されているだけにもかかわらず、2位に表示されているページのクリック率が大きく下がるのはこのためである。

  • タイトル:1位以降、クリック率は大きく下がる
  • Y軸:順位
  • X軸:クリック率

重要なポイント:1位に表示されているページは、全クリックの31.7%を獲得する。

②クリック率は5位と3位で大きく上昇する

上記で説明したとおり、1位に表示される場合、クリック率は圧倒的に高くなる。

しかし、1位以外に表示されているページもクリックはされている。

特に、6-10位までのクリック率は比較的同じであるが、5位以上からは大きく上昇しているのだ。

  • タイトル:クリック率は5位から大きく上昇する
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位

この結果から、2つのことが言えるだろう。

  1. 多くのユーザーは5位以降までスクロールしない
  2. 6位から5位へ順位が上昇すると、クリック率も大きく上昇する

さらに、3位からもクリック率は大きく上昇する。

  • タイトル:クリック率は3位から大きく上昇する
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位

広告やGoogle作成のモジュールがない場合、3位まではファーストビューに表示されるケースが多いことが理由となっているのだろう。

実際、上位3位までのクリック率を合算すると、75.1%という数字になる。

タイトル:Google検索で3位までに表示されているページのクリック数の合計は全体の75.1%

重要なポイント:我々のデータは、「1位に表示させること」がSEOの目標ではないことを示唆している。1ページ目の上位(特に3ページ目以内)に表示されることが重要なのだ。3位以内に表示されているページのクリック数は、合計で75%にものぼる。

③順位が1位上昇すると、クリック率は30.8%上昇する

今回の調査から、他の状況が同一であれば、順位が1位上昇するとクリック数は相対的に30.8%上昇することがわかった。

  • タイトル:順位が1位上昇するとクリック率は30.8%上昇する

しかし、このクリック率の上昇は、すべての状況で同一ではない。

順位上昇とクリック率の上昇の関係は、もともとの順位に強く依存するのだ。

  • タイトル:順位が上昇するごとに期待されるクリック率の上昇
  • 左側:順位の上昇
  • 右側:クリック率の変化

例えば、順位が9位から8位に上昇したとしても、5%しかクリック数は増えない。それほど大きな違いではないだろう。

しかし、順位が6位から5位に上昇すれば、クリック数は53.2%も上昇する。

重要なポイント:順位が1位上昇すると、クリック率は相対的に30.8%上昇する。しかし、この上昇率はもともとの順位に強く依存する。最もクリック数が上昇するのは、6位から5位への上昇であり、クリック数は53.2%も上昇した。

④多くのWebサイトにおいて、クエリごとのクリック数は8.1クリック

我々は、Google Search Consoleのレポート内のキーワードについても着目した。各キーワードはどれくらいのクリック数を獲得しているのだろうか。

まず、Googleの検索結果に表示されているほとんどのキーワードのインプレッション数が少ないことに気がついた。

  • タイトル:多くのキーワードのインプレッション数は低い
  • Y軸:割合
  • X軸:クエリごとのインプレッション数

このことから、検索結果に表示されているほとんどのキーワードが、検索ボリュームの少ないロングテールキーワードであることがわかる。もちろん、そのサイトが上位に表示されていないケースも考えられる。

そして、インプレッション数が少ないことが理由で、ほとんどのキーワードのクリック数はとても少ない(1キーワードにつき8.1クリック)。

  • タイトル:1キーワードあたりの平均クリック数は8.1
  • Y軸:割合
  • X軸:1キーワードごとのクリック数

重要なポイント:「〇〇個のキーワードで表示された」という指標は、SEOにおいて重要な指標ではないと言える。表示されている多くのキーワードの検索ボリュームはとても少ないからだ。インプレッション数とクリック数の大部分は、比較的少ない数のキーワードによって占められている傾向があるのだ。

⑤質問を含むタイトルはクリック率が高い

我々は、質問を含むタイトルと質問を含まないタイトルのクリック率を比較した。

我々は、「質問」を「How(どのようにして)、Why(なぜ)、What(なんの)、Who(誰)という単語が含まれている、もしくは、クエスチョンマークがついているタイトル」と定義している。

調査の結果、質問が含まれているタイトルは、質問が含まれていないタイトルと比べ、クリック率は14.1%高いことがわかった。

  • タイトル:質問が含まれているタイトルは、質問が含まれていないタイトルと比べ、クリック率は14.1%高い
  • Y軸:タイトルの種類
  • X軸:クリック率

下記は、各順位におけるクリック率を表したグラフだ。

  • タイトル:質問を含むタイトルと質問を含まないタイトルのクリック率
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位
  • グラフ内緑線:質問を含むタイトル
  • グラフ内赤線:質問を含まないタイトル

この調査結果は、Social Influenceが行った調査結果とも一致している。

質問を含むタイトルはCTRを向上させる可能性がある。なぜなら、ユーザーがGoogleで何かを検索する場合、彼らは質問に対する答えを探しているからだ(Googleは検索キーワードを「クエリ(質問)」と呼んでいる。)。

そして、タイトルに質問を含めることで、「そのページにはあなたの質問に対する答えが記載されている」ということをユーザーが確証することにつながるのだ。

  • タイトル:タイトルに質問を含めることでクリック率が改善される可能性がある

例えば、私は「nofollow link」について最適化した下記の記事のタイトルに質問を含めている。

  • 強調箇所:Nofollow Linkとは何か?

Search Consoleのデータを確認すると、このページのクリック率は29.2%だった。

「nofollow link」と大まかに検索するユーザーの多くが、「nofollow link」とは一体何かを知りたがっている。そして、私が作成した記事のタイトルは、「彼らが知りたがっている答えがここにある」ということを伝えているのだ。

重要なポイント:質問を含めたタイトルは、質問を含めていないタイトルに比べ、クリック率が14.1%高かった。

⑥15-40文字数のタイトルが最もクリック率が高い

理想的なタイトルタグの長さはどれくらいだろうか。短く、魅力的なタイトルにすべきか。それとも、そのコンテンツについての多くの情報を含めるため、長いタイトルにすべきだろうか。

我々のデータによると、その中間を狙うべきという結果がでている。

特に、「15-40文字数のタイトルが最もクリック率が高い」という結果が出ている。

  • タイトル:15-40文字数のタイトルが最もクリック率が高い
  • Y軸:文字数の範囲
  • X軸:クリック率

タイトルが長い場合、SEOにおけるメリット(長いタイトル=より多くのキーワード)もある。しかし、このメリットは、クリック率の低さと相殺されてしまうだろう。

Ersyは、広範囲なSEOの実験の1つとして、様々なタイトルタグの検証を行っている。この実験から、「長いタイトルよりも短いタイトルの方がパフォーマンスが良い」という結論を得ている。

  • 強調箇所:我々の調査によると、「長いタイトルよりも短いタイトルの方がパフォーマンスが良い」という結果が得られた。

この記事の著者は、短いタイトルの方がパフォーマンスが良い理由について、キーワードとのマッチングによるものだと仮説立てている。

しかし、我々の分析結果からは、短い(または中くらいの)タイトルはクリック率の向上にも一役買っていることもわかった。

重要なポイント:15-40文字数のタイトルが最もクリック率が高い。この文字数に収めたタイトルは、この文字数以外のタイトルと比べ、クリック率が平均で8.6%高かった。

⑦キーワードを含むURLはクリック率の高さと相関がある

我々は、キーワードを含むURLがクリック率に影響があるかどうかを調査した。

例えば、「weekend trips」と検索する場合、「travel.com/weekend-trips」のようなURLのほうが、「travel.com/travel-page」のようなURLよりもクリック率が高いのかどうかを調査したのだ。

この分析を行うため、我々は検索キーワードとURLを比較し、類似性を0%から100%まで設定した。

  • 表内左側の項目:URL
  • 表内真ん中の項目:キーワード
  • 表内右側の項目:類似性

0%は検索キーワードとURLが全く合致していないことを意味している。100%は完全に合致することを意味している。句読点や記号は無視している。また、一部の言葉を実質同一と扱う場合もある(「book」と「books」や「cake」と「cakes」の場合など)。

調査の結果、キーワードを含むURLとクリック率には強い相関があることがわかった(p値=0.01)。

  • タイトル:キーワードを含むURLとクリック率には強い相関がある
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位

完全に一致したキーワードを含むURLのクリック率が最も高かったが、部分的に一致しているURLもクリック率が高いことがわかっている。

Googleの検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドにも、URLは検索結果に表示されることを記載している。そして、「サイトのコンテンツや構造に関連する単語を含む URL」を使用することを勧めている。

  • 強調箇所:サイトのコンテンツや構造に関連する単語を含むURL

また、2012年に公開されたMicrosoftの論文には、「信頼性のあるドメインは、ユーザーに馴染みのないドメインと比較し、検索結果におけるクリック率は高くなる」と記載されている。

  • 強調箇所:ドメインはユーザーの好みに対し25%の機会で影響する

この理論の背景には、「検索エンジンを使用するユーザーは、検索キーワードに最も適した答えを探すためにページのURLを確認している」といった行動が浮かび上がる。

重要なポイント:我々の調査によると、完全にキーワードと合致したURL(検索キーワードのすべてが含まれているURL)は、合致していないURL(URL内に検索キーワードが1つも含まれていないURL)と比べ、クリック率は45%高かった。

⑧「パワーワード」を追加すると、CTRが下がる場合がある

「パワーワード」とは、記事の見出しを目立たせることを目的とした特別な言葉やフレーズである。こうしたワードを使用することでクリック数が上がるという考えのもと、使用されている。

具体的な「パワーワード」の例は下記の通りである。

  • 秘密の(Secret)
  • 強力な(Powerful)
  • 究極の(Ultimate)
  • 完全な(Perfect)
  • 最高の(Best)
  • 愚かなほど(Insane)
  • 驚くべき(Amazing)

我々の調査では、パワーワードを使用するとクリック数が13.9%下がる、という結果が得られた。

  • タイトル:タイトルに含まれるパワーワードはクリック率の低下と相関している
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位
  • グラフ内緑線:パワーワードを含むタイトル
  • グラフ内赤線:パワーワードを含まないタイトル

私の考えはこうだ。パワーワードは情報が反乱しているプラットフォーム(Facebookなど)では注意を引きつけるのに有効であるが、Googleの検索結果では「釣りタイトル」として認識されてしまうのだ。

例えば、「見出しの書き方」という検索結果の上位3サイトを見てみよう。

こうしたキーワードの場合、「圧倒的で驚くべき見出しの書き方」というような、度を超えたタイトルを想像するのではないだろうか?

しかし、上位3サイトのタイトルは非常に落ち着いたものだ。

  • 勝利を勝ち取る見出しを書く、9つのシンプルな方法
  • 2017年度版、優れた見出しを書く9つのコツ
  • 読者に届く、55の簡単な見出しの書き方

重要なポイントパワーワードはソーシャルメディアでは有効かもしれないが、自然検索ではクリック率を下げる恐れがある。実際、パワーワードを含めたタイトルのクリック率は、パワーワードを含めないタイトルのクリック率と比べ、13.9%低い。

⑨感情的なタイトルはクリック率を上昇させる

我々の調査では、感情的なタイトル(ポジティブでもネガティブでも)は、感情的には中立なタイトルと比べ、クリック率は高いという結果を得られた。

  • タイトル:感情的なタイトルのクリック率は高い
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位
  • グラフ内緑線:感情的なタイトル
  • グラフ内赤線:感情的には中立なタイトル

特に、感情的なタイトルは、感情的には中立なタイトルと比べ、クリック率が7.3%高かった。

また、ポジティブな感情もネガティブな感情も、ほぼ同じ影響を与える傾向にあることがわかっている。(順位のような)他の変数を調整すると、ポジティブな感情の場合クリック率は7.4%高く、ネガティブな感情の場合クリック率は7.2%高かった。

この分析を行うため、我々はタイトル内の「極性分析」を行っている。また、ネガティブとポジティブの感情に基づいて、タイトルにスコアを付与している。

例えば、下記のようなタイトルは、感情的には中立なタイトルと考えられる。

  • 強調箇所:ゲストグラフィックを利用した被リンクの獲得方法

下記のようなタイトルは、ポジティブな感情としてスコアが付与される。

  • 強調箇所:すぐに好影響を与えるビジュアルコンテンツの15のタイプ

例えば、BuzuSumoなどが行った調査によると、感情的な見出しとエンゲージメントには相関関係があることがわかっている。

  • タイトル:Facebookにおける交流を生み出すエモーショナルな見出し

しかし、感情的なタイトルとGoogleの自然検索におけるクリック率の関係についての調査は発見できなかった。

ただし、少なくとも我々の調査からは、感情的なタイトルは自然検索におけるクリック率が高いという結果を得られている。

パワーワードを含むタイトルはクリック率を下げる傾向があるが、感情的なタイトルはクリック率を上げる傾向があるという調査結果は非常に興味深い。

これは、パワーワードの有無よりも、感情的なタイトルは微妙なニュアンスの指標となっているからだと考えている。言い換えれば、パワーワードを使用しなくても、感情的なタイトルの作成は可能だということだ。

釣りタイトルに見られることなく、ユーザーの感情的なスイッチをいれることができるタイトルは検索結果でも目立ち、より多くのクリックを獲得できるはずだ。

重要なポイント:ネガティブにしろポジティブにしろ、感情的なタイトルは、感情的には中立なタイトルと比べ、クリック率は高い。

⑩メタディスクリプションが記載されているページは、メタディスクリプションが記載されていないページと比べ、クリック率が高い

ディスクリプションは検索結果の順位に直接な影響を与えないが、Googleはすべてのページに固有のメタディスクリプションを記載することを推奨している。

  • 強調箇所:サイト上のすべてのページにメタディスクリプションが含まれるようにする。

また、よく書かれたディスクリプションは、Google検索のクリック数を改善すると提言している。

  • 強調箇所:質の高い説明はGoogleの検索結果に表示されることがあり、検索トラフィックの質と量の改善に大いに役立つ可能性があります。

こうした背景もあり、メタディスクリプションの有無によるクリック率の変化を調査することにした。

我々の調査では、「ディスクリプションが記載されているページは、ディスクリプションが記載されていないページと比べ、クリック率が5.8%高い」という結果を得た。

  • タイトル:ディスクリプションが記載されているページは、ディスクリプションが記載されていないページよりもクリック率が高い
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位
  • グラフ内緑線:メタディスクリプションの記載あり
  • グラフ内赤線:メタディスクリプションの記載なし

SEOの経験がある者にとって、この結果は驚くべきものではないだろう。Googleは常にディスクリプションを検索結果に表示しているわけではないが、表示される機会の方が多いはずだ。

ディスクリプションが記載されていなければ、検索結果のスニペットに表示させるため、Googleはページ内のコンテンツを引用しなければならない。

  • タイトル:メタディスクリプションがない場合、それを埋めるため、Googleはページ内のコンテンツから引用する

Googleがディスクリプションを生成した場合において、よく作られたディスクリプション以上に魅力的なスニペットとはならないだろう。

重要なポイントすべてのページに記載された固有のメタディスクリプションは、自然検索におけるクリック率を上昇させる。我々の調査では、「ディスクリプションが記載されているページは、ディスクリプションが記載されていないページと比べ、クリック率は5.8%高い」という結果を得られた。

まとめと結論

繰り返しとなるが、今回の調査を可能とさせた、ClickFlowのエリック・スー氏に感謝の意を述べたい。

今回の調査で得られた詳細な分析データに興味があれば、こちらのPDFをご確認いただきたい。

そして、この記事を読んでくれた読者の意見も伺いたいと思っている。

あなたにとって、今回の調査から得られたもっとも有益な結果はどれであっただろうか。

もしくは、今回の調査についての質問でもいい。

いずれにせよ、下記のコメント欄に意見を書いていただきたいと思う。
(ぜひFacebookやTwitterに感想付きでシェアしてください)

この記事は、BACKLINKOに掲載された「We Analyzed 5 Million Google Search Results. Here’s What We Learned About Organic CTR」を翻訳した内容です。

「1位のクリック率が圧倒的に多い」、「ページ下部に表示される場合はクリック率は横ばい」など、感覚的には理解していたことも詳細な分析結果としての数字に基づいており、非常に納得感がありました。

パワーワードやURL内のキーワードなど、英語と日本語で相違のありそうなデータもありましたが、着目すべき点としては理にかなっていると感じています。

基本的なことではありますが、順位のみに左右されるのではなく、しっかりとした指標に基づいて施策を進めていくべきだと、改めて感じました。

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SEOにおいて、コンテンツのパフォーマンスとエンゲージメントを測定するための基本的な13の指標

質の高いコンテンツを提供することは、ほぼすべてのWebサイトで共通の施策となっているはずです。また、SEOにとっても効果的な施策であることは、言うまでもないでしょう。

しかし、SEO担当者がその施策チームに含まれていなければ、せっかくのコンテンツマーケティングの効果を見落としてしまう可能性も考えられます。

素晴らしいコンテンツを作成した結果を正確に把握するためには、何を指標とすればよいのでしょうか。今回はコンテンツマーケティングの結果を測るSEOの指標をまとめているSearch Engine Journalの記事を紹介します。

現在、我々はSEOとコンテンツマーケティングが手を取り合う時代でマーケティングを行っている。

検索エンジンからの成功を勝ち取るためには、優れたコンテンツの作成が必要となる。

SEOとコンテンツマーケティングのつながりの理解は非常に重要となっている。それが、リンクビルディングの手段として、高順位の獲得手段として、ユーザーを教育しコンバージョンを導くための方法として、のいずれであってもだ。

しかし、成功は、たった一つの指標で表されるものではない。

コンテンツマーケティングの成果を分析し、理解するためには、下記の項目への理解が必要となるだろう。

  • 考慮すべきキーとなる指標を知る
  • 指標を計測する方法を学ぶ
  • どの指標があなたの宣伝施策とビジネスに適しているかを特定する

まず最低限知っておく必要のある、SEOにおいて共通となる指標を見ていこう。

1.リンク数

多くのSEO担当者にとって、リンクの獲得はコンテンツマーケティングの主要な目的の一つであるはずだ。

参考として、GoogleのWebマスターガイドラインから一部抜粋してみよう。

自分のサイトに、他のサイトから高品質で関連性の高いリンクをもらうには、インターネットコミュニティで自然に人気を得られるような、関連性の高い独自のコンテンツを作成するのが最も効果的な方法です。良質なコンテンツはリンクの獲得に役立ちます。リンクは編集者による人気投票のようなもので、役に立つコンテンツを多く提供するほど、そうしたコンテンツが自サイトのユーザーにとって有益だと気付く人が増え、そのサイトコンテンツへのリンクを設定してもらえる可能性が高くなります。

リンクには良いリンクと悪いリンクがある。

リンクは、Googleのランキング要素のトップ3の一つである。

高品質で関連性のあるリンクとは、人気を得た独自性のあるコンテンツの作成の結果によって獲得できるものだ。

しかし、すべてのリンクが同じというわけではない。

リンクプログラムに参加することは、Googleのガイドラインに違反する。こうした類のリンクは他にもある。

  • ペイドリンク
  • 過度な相互リンク
  • キーワードを詰め込んだアンカーテキストの使用
  • 自動生成サービスで作成されたリンク

まとめると、「リンクは自然に獲得されたものであるべき」ということだ。そして、リンクを獲得するための最適な方法が、優れたコンテンツを作成することなのだ。

Googleトレンドで「リンクビルディング」と「コンテンツマーケティング」を比較してみよう。

Googleがペンギンアルゴリズムを初めて実装した数カ月後、「コンテンツマーケティング」は検索キーワードとしての注目を集め、反対に「リンクビルディング」は大きく下降している。

この状況を踏まえれば、リンク獲得がコンテンツマーケティングにおける重要なSEO指標の一つであることは驚きではないだろう。

リンクは確かに重要であり、その重要性がなくなることはない。

リンク数は重要な指標であり、その測定方法を学ぶべきだ。

しかし、「リンクで重要なのは数のみではない」ということを理解しよう。

リンクはその質も大事となるのだ。

質を考慮に入れた上で、どのようにしてリンク数を測定すればよいのか。

測定ツールを使用しよう。理想は、複数のツールを組み合わせることだ。

リンク測定の有名なツールは下記だ。

  • Google Search Console
  • SEMrush Backlink Audit / SEMrush Backlink Analytics
  • Majestic
  • Moz’s Link Explorer

複数のリンク分析ツールを使用する理由は、可能な限り包括的に、自身のサイトのリンクプロフィールを把握するためだ。

すべてのリンクをインデックスしているツールは存在しないため、少なくとも2つ以上のツールを使用すべきだろう。

Google Search Consoleは無料のツールであるが、有償のツールと同程度の指標を備えているわけではない。しかし、Search Consoleはすでに使用しているだろうし、自身のサイトに向けられたリンクの概要を知るために最適なツールであるといえる。

リンクプロフィールを確認するためには、Search Consoleを開き、左側のサイドメニューにある「リンク」をクリックすればいい。

この機能により、そのページに向けられ、Googleがインデックスしているリンクの概要を確認できる。

しかし、この機能から得られる情報はそれほど多くはない。リンクの関連性や権威性=質は、リンクの総数よりもずっと重要なのだ。

少なくとも一つのプロフェッショナルなツールに投資する価値はあると言える。リンクプロフィールをより良く把握でき、SEOのキーとなる指標を特定できるからだ。

どのツールを使用するにせよ、各ツールは独自のスコアを使用しており、このスコアを見ることでリンクの品質の理解へとつながるだろう。簡単に言うと、スコアが良ければ、リンクの質も良いということだ。

また、リンクの関連性も無視してはならない。権威性と同様、関連性のあるサイトからのリンクを獲得することは非常に重要だ。理想的な状況は、一流のサイトから関連性があり、権威性のあるリンクを獲得していることだろう。

リンクはコンテンツマーケティングの施策における、SEOのキーとなる指標である。どのような状況が品質の高いリンクの獲得に貢献しているかを理解することは重要なことである。

リンクビルディングはSEO界隈でもよく議論される内容の一つであり、リンクが順位に影響を与えるという事実は、驚くべき内容ではない。

自身のサイト、もしくはページに向けられたリンクを獲得するために、何ができるだろうか。

GoogleのWebマスターガイドラインにも記載されているとおり、他者がリンクを貼りたくなるような優れたコンテンツを作成する必要がある。独自性があり、有益なコンテンツだ。

リンクを貼ってくれる可能性のあるユーザーに、あなたが作成した優れたコンテンツを知らせよう。Eメール、ソーシャルメディアでのプロモーション、古典的な方法では有るが、電話をかけるという手もある。

コンテンツの質が良ければ、ジャーナリスト、ブロガー、インフルエンサーなど、関連性のあるリンクを貼ってくれる可能性がある者たちもいる。

さらに多くのアイデアが必要であれば、我がサイトのリンクビルディングガイドの記事を読んでいただきたい。

2.順位

作成したコンテンツへの自然検索経由でのトラフィックを得るためには、Google、Bing、そしてその他の検索エンジンの検索結果の目立つ場所(=上位)の順位を獲得しなければならない。

そのため、順位はSEOの重要な指標と言えるわけだが、その重要性はかつてほど高いわけではない。

実際、順位に対し必要以上に注力してしまうことは、初心者にありがちなミスと言える。

なぜだろうか。

検索結果のパーソナル化、検索結果0位(強調スニペットなど)、広告スペース、ローカルパックの表示など、広範囲に渡る要素が絡んでくるからだ。

簡単に言うと、特定の検索キーワードの順位を正確に測定することが非常に困難になっているのだ。

それでは、順位はどの程度重要なのだろうか?

答えは、「”とても重要”とは言えない」となる。

自然検索からのトラフィック、インプレッション、クリック率などのその他の指標と組み合わせて考えなければ、順位はそれほど意味を持たない指標なのだ。

そのため、あなたは検索キーワードと関連する順位の両方を把握する方法を理解しなければならない。

もちろん、SEMrush、Searchmetrics、Mozなど、有償の順位測定ツールを使う手もあるが、必要な指標はほぼGoogle Search Consoleで確認できる。

確認方法(特定のコンテンツの指標を見る場合を例に挙げる)は、Search Consoleにアクセスし、左側のサイドバーの「検索結果」をクリックすればよい。

フィルタを追加したい場合は、「新規」をクリックする。

グラフの下部にある表の「ページ」タブをクリックすれば、特定のURLで絞り込むことができる。

URLを入力すれば、そのコンテンツが検索結果に表示される際のキーワードを確認することができる。また、表内のキーワードをクリックすれば、選択した期間におけるそのキーワードの順位推移を確認できる。

必要であれば、順位で絞り込むことも可能だ。

順位自体は、それ単体では主要な指標にならないことが多い。

しかし、他の指標と組み合わせた際の、検索キーワードのデータの威力を甘く見るべきではないだろう。

3.自然検索からのトラフィック数(Google vs Bingのトラフィック)

おそらく、順位よりも重要な指標は、そのコンテンツが得た自然検索からのトラフィック数だろう。

そのページが読まれた数は、あなたのビジネスへのコンバージョンを発生させる可能性そのものである。

多くの場合、自然検索からのトラフィック数は重要な指標の一つとなるだろう。過去のデータとの比較を含め、単純に推移を測定するだけでなく、将来的に改善するためにはどうすればよいのかを常に考えるべきだ。

検索キーワードのデータと組み合わせることにより、戦略の意思決定における強力なデータとなる。

幸運にも、自然検索からのトラフィックを特定するのは非常にわかりやすい。

Google AnalyticsとGoogle Search Console(Bing Webmaster Tools)にアクセスすればよいのだ。

まずは、特定のコンテンツの検索からのトラフィックが、他のチャネル(広告、ソーシャル、リファラ)と比較し、どの程度積み上がっているかを確認しよう。

Google Analyticsにアクセスし、「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ」の順にクリックする。

ここでは、サイト全体のデータを確認できる。また、最も高いパフォーマンスを出したページや特定のURLのデータを確認するためにアドバンス検索を行うこともできる。

データを見たいページをクリックし、セカンダリディメンションで「参照元」をクリックする。

こうすれば、選択した期間における参照元ごとのトラフィックを確認することができる。

ここで重要なことは、自然検索からのトラフィックを他のチャネルと比較することだ。

セカンダリディメンションで「参照元/メディア」を選択すれば、他の検索エンジンとの自然検索のトラフィックを比較することもできる(例:Google vs Bing vs Yahoo)。

4.自然結果のクリック数、インプレッション数、クリック率

自然検索のトラフィック数は、それ自体では、「そのサイトやページが検索からのトラフィックをどのくらい獲得したか」しか表していない。検索キーワード、潜在的なトラフィック数、クリック率などは含まれていないのだ。

(特に順位データを含めることにより)特定の検索キーワードに関わるデータを収集することで、今後の成長などに対する判断を下せるようになる。

一般的には、下記の項目を指標とする場合が多い。

  • インプレッション数は多いが、クリック数が低い(CTRが低い)。
    CTRを高める施策が必要とされる。
  • インプレッション数は低いが、クリック率は高い。
    インプレッション数を高めるために、他のキーワードを対象としたコンテンツの最適化が必要とされる。

重要な決定を下すためのデータが必要とされ、そのデータから導き出されたアクションを行う。トラフィック数だけで判断するべきではない。

「ユーザーは検索結果に表示されているあなたのサイトとどう関わっているか」「なぜクリックが発生しているか」といったデータと向き合うのだ。

こうしたデータを取得するためには、Search Consoleにアクセスし、検索結果の順位を反映させた絞り込みを行う。

左側のサイドメニューに表示されている「検索結果」をクリックしよう。

下記のようなデータが表示されるはずだ。また、「新規」をクリックすることで別の絞り込みを行うこともできる。

「ページ」をクリックすれば、特定のURLで絞り込むことができる。

調査したいページのURLを入力すれば、インプレッション数、クリック数、クリック率とともに、検索キーワードのデータが明らかになる。

Bing Webmaster Toolsでは、Search Keywords Report(キーワード検索レポート)を使用することで、どのキーワードで検索結果に表示されているかがわかる。また、クリックがBing、もしくは、Yahooで発生しているかも確認できる。

これらのデータは、レポート&データタブ内で確認が可能だ。

5.オーガニックのコンバージョン率

多くのSEO施策の目的が、訪問客からのコンバージョンを獲得することだ。達成が難しいコンバージョン(例:ECサイトでの購入)、比較的容易に達成できるコンバージョン(例:ブログでのEメール購読)、または、その間にあるものなど様々だ。

そのため、自然検索からのコンバージョン率を計測することは重要と言えるだろう。コンバージョン率は、「目標に対し予め設定していた行動を取った訪問客の割合」となる。

この指標により、コンバージョンがサイト全体、または特定のコンテンツにおいてどの程度積み重なっているかを計測することができる。また、コンバージョン率が低ければ、改善箇所の特定にもつながるだろう。

まず取り組むべきことは、コンバージョンとして何を計測すべきかを知ることだ。すでにGoogle Analyticsで目標を設定し、計測を始めているかもしれない。

しかし、コンテンツマーケティングの目標という場合には、サイト全体の目標と比較し、より深い洞察が必要とされる。

計測すべき指標が売上、リード、Eメール登録、ページ滞在時間(熱心なユーザーの滞在時間が他のユーザーと比べて長ければ、リマーケティングリストに追加することが可能だ)などのいずれであれ、Google Analyticsに設定されていれば、特定のページにおけるコンバージョン率の把握はたやすい。

※備考:目標の設定が済んでいない場合、こちらのヘルプ記事をまずは読んでいただきたい。

目標の設定が完了している場合、コンバージョン率を計測したいページは次の手順で確認できる(集客>すべてのトラフィック>キャンペーン>オーガニック検索キーワード)。

この設定で、ランディングページに絞り込むことができる。

さらに、確認したい目標で絞り込む事により、各種データと目標を確認できる。

6.モバイルのランキング

Googleがモバイル・ファースト・インデックスへの注力を進める背景もあり、自身のサイトがモバイル検索に最適化されているかを把握することは、これまで以上に重要となっている。

その結果、サイト全体で計測している指標も、デバイスの種類ごとに分けて把握する必要がある。

モバイルの順位においては、該当のコンテンツのモバイルとデスクトップの両方のパフォーマンスを理解することが重要だ。より多くのビジビリティ(検索結果上での露出)を獲得するために必要な改善策なども見えてくるだろう。

繰り返しとなるが、モバイルの順位を計測するためも、有償のツールを使用することを検討してほしい。

しかし、Google Search Consoleでも、これらの指標は計測可能だ。

左側のサイドメニューの「検索結果」をクリックしよう。

下記のページが開かれるはずだ。また、「新規」をクリックすることで別の絞り込みを追加できる。

「ページ」を選択すれば、特定のURLで絞り込むことができる。

ここで表示されているデータは、サイト全体で表示されているデータと同じ項目となる。

そして、「新規」から「デバイス」をクリックしよう。

ここで、モバイル、タブレット、デスクトップ(もしくはそれぞれの比較)を選択できる。

絞り込みを設定すれば、特定のデバイスの各キーワードにおける平均順位を確認できる。また、クリック数、インプレッション数、クリック率などの指標も確認できる。

7.モバイル検索のトラフィック数

モバイルファーストの時代においては、自然検索のトラフィックがどこから来ているかを理解することが重要だ。デスクトップからだろうか。モバイルからだろうか。

こちらを把握するため、Google Analyticsのデータをデバイスごとに振り分ける方法を学ぼう。

幸運にも、その方法は非常にシンプルだ。「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ>セカンダリディメンション>デバイスカテゴリ」と選択していく。

測定したいURLを入力すれば、モバイル、デスクトップ、タブレットのデバイスごとに割り振られたトラフィック数を確認できる。

サイト全体のデバイス別のデータを確認したい場合は、「オーディエンス>モバイル>概要」と選択すれば良い。

8. Accelerated Mobile Pages(AMP)

この領域は少々複雑だ。

Accelerated Mobile Pages(AMP)は、モバイルデバイスにて、コンテンツをほぼ一瞬で表示させることを可能とする技術である。つまり、ユーザー体験とエンゲージメントの向上が期待できるのだ。

2年以上前に、GoogleはAMPをモバイル検索に導入した。そして、マーケターがこの技術について理解する必要性も生まれた。

これまでに紹介してきた指標をAMPページでも計測したいと思うはずだ。しかし、AMPページの場合、そのままではGoogle Analyticsでは計測することができない。

Google Analyticsで計測するためには、 AMP Analyticsタグをモバイルページに設定する必要がある。

また、「アナリティクスでデータが収集される仕組みとその用途を開示するとともに、こうしたデータの収集や使用をユーザーが無効にできる」設定をしなければならない。

さらに、AMP Analyticsは下記の項目のみ、測定可能となる。

  • ページデータ:ドメイン、パス、ページタイトル
  • ユーザーデータ:クライアント ID、タイムゾーン
  • 閲覧データ:参照 URL、ユニーク ページビュー ID
  • ブラウザデータ:画面の高さ、画面の幅、ユーザー エージェント
  • インタラクション データ:ページの高さ、ページの幅
  • イベントデータ

多くのコンテンツマーケターにとっては十分な項目だろう。AMP Analyticsタグについてのドキュメントはこちらだ。

実装が完了すれば、AMPページと非AMPページでトラフィックを比較することができる。

前提として、Google AnalyticsはAMPのデータをデータソースディメンションに送信する。これらは絞り込みのために使用され、特定のビュー内で、AMPと非AMPページの分析が可能となる。

AMPページの成功のために必要なことは、技術的なエラーを発生させないことだ。

公式のAMPページのバリデーターを使用し、作成したAMPページを確認しよう。また、SEMrushの機能を使用すれば、一括の確認も可能だ。

9.ページスピード

Googleはページスピードをランキング要素として使用する場合もある。

しかし、サイトスピードに関わる指標は、非常に複雑だ。

わかりやすく区別してみよう。

  • サイトスピードは、サイト内の特定のサンプルページのページスピードである。
  • ページスピードは、ページのロードスピード、もしくは、特定のページのファーストバイトにかかる時間である。

ページスピードが早ければユーザー体験も良くなるため、Googleはランキング要素として扱うと考えることができる。

また、スピードが遅いページは、割り当てられたクロールバジェットがあるため、多くのページがクロールされない可能性があることも理解しておくべきだ。

幸運にも、GoogleはPage Speed Insightsというツールを提供しており、このツールを使用すれば、ページスピードを容易に計測することができる。

このツールにURLを入力すれば、モバイル版とデスクトップ版の両方で、様々な指標を確認できる。また、最適化の方法やページスピードを改善するためのアドバイスも提供される。

最近では、ChromeのUser Experienceレポートからのデータも含まれている。大量のデータを一括で確認したい場合は、SEMrushのSite Auditの機能を使用しよう。

10.クロールエラー

クロールエラーは、検索エンジンが特定のURLをクロールしようとしたが、実際にはクロールできなかった場合に発生する。

一般的に、クロールエラーは、Googleボットが「行き止まり」に出くわすことを意味する。リンクをたどってページに到着したがクロールが叶わなかったという状況であり、解決すべき対象となる。

基本的に、Googleはクロールエラーをサイトエラーか、URLエラーかに分けている。前者はサイト全体の適用(つまり、クロールできないということ)になり、後者は特定のURLにおける問題となる。

サイトエラーの原因はDNSかサーバーのエラーである場合が多く、URLエラーは404に関連した場合が多い。

どのような形であれ、クロールエラーは修正の対象とすべきだ。そのため、定期的な観測が必要とされる。ありがたいことに、Google Search ConsoleもBing Webmaster Toolsも、クロールエラーのデータを提供してくれている。

また、Screaming Frog SEO SpiderやSitebulbといったデスクトップツールを使用する方法もあるだろう。

しかし、デスクトップツールは不便な点もあるため、SEMrush Site AuditやRyteといったクラウドベースのツールのほうが良いかもしれない。

Google Search Consoleでは、「カバレッジ>除外>クロールエラー」とクリックすることで確認できる。

Bing Webmaster Toolsでは、レポート&データセクション内のクロール情報レポートで確認できる。

11.インデックス状況、インデックス数

おそらく、SEOの指標で最も多く見落とされている指標は、サイトのインデックス状況だろう。

検索エンジンがインデックスをしようとする(もしくは、すでにしている)URLを把握するために必要な指標だ。

この指標を確認することで、インデックスに関わる問題への対処方法を判断することができる。検索エンジンを誤ってブロックしているのか、絞り込み機能やクエリパラメーターによる重複ページによるものなのか、などが例として挙げられる。

インデックス数は徐々に増えていく傾向が理想だ。サイトの成長速度に併せて、インデックス数も増えるといった具合である。

もし、インデックス数が突然下落したり、急激に増えたりした場合などは、要因調査が必要だろう。

自身のサイトのインデックス状況を確認するには、Google Search Consoleにアクセスし、「以前のツールとレポート>クロールの統計情報」とクリックすればよい。

ここでは基本的なデータも高度なデータも両方確認することができる。ロボットテキストによってブロックされたURLの把握も可能だ。

12.タイトルとディスクリプションの重複

おそらく、SEOの最も基本的な要素は、それぞれのページに独自のタイトルとディスクリプションを設定することだろう。

しかし、大規模サイトを運営している場合、見過ごされてしまう要素でもある。

サイト全体のすべてのページに独自のタイトルとディスクリプションを設定していても、時が経つに連れ、重複が発生してしまう可能性がある。

そのため、この問題がSEOの潜在的な問題となる前に、チェック体制を整備しておくことが重要となる。

幸運にも、重複したタイトルとディスクリプションを把握するためには、Google Search Consoleを活用すればいい。この問題を解決するためには、単純に重複した内容を書き換えればいいのだ。

Googleが検知している重複したタイトルとディスクリプションを把握するためには、Search Consoleに行き、「検索の見え方>HTMLの改善」をクリックすればいい。
(旧Search Consoleの機能なので、現在は使用不可)

重複したタイトルとディスクリプションが検知されていれば、下記のような表が表示されるだろう。

理想は、上記の表がすべて0と表示されることだろう。その状態は、問題が何も発生していないことを意味しているのだ。

13.滞在時間

近年、SEO界隈で最も活発な話題は、滞在時間についての話題だろう。検索者が検索結果に戻る前に、そのページにどれくらい滞在していたかを測る、ユーザーに基づいた指標である。

直帰率と滞在時間、それぞれ単体で使用すべきかどうか、迷われる方も多いはずだ。実際は、それぞれを組み合わせて使用するほうが良い。

また、オープンなデータでない点も、フラストレーションが溜まる原因となっている。Google AnalyticsやSearch Consoleを使用しない限り確認することができないため、改善の余地もなくなってしまう。

基本的には、ユーザーが多くの時間をサイト内で過ごし、関わりを深め、直帰しなければ、それらは検索エンジンに対しサイトの品質が高いというシグナルを送ることになる。

セッション時間が短く、直帰率が高く、関わりも薄いサイトとはどんなサイトだろうか。品質の低いサイトではないだろうか。そして、その予測は正しい。

ここで覚えておくべきことは、今まで以上に、ユーザーをベースとした指標はSEOにとっても重要になっているということだ。可能な限り、分析と改善のために時間を費やすべきだろう。

滞在時間という指標が良い状態であれば、一般的に、SEOのパフォーマンスも良くなることを意味している。指標として利用するのは難しいかもしれないが、滞在時間と直帰率はサイト全体と特定のページの両方で測定することができることは忘れないでいただきたい。

Google Analyticsにアクセスし、「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ>URL」とクリックしていこう。純粋な滞在時間ではないが、平均の直帰率よりも低く、平均ページ滞在時間よりも長いページを注視しよう。

今のところはこの確認方法がベストであり、滞在時間を測る指標としては助けとなるだろう。

結論:SEOの指標の把握は重要である

SEOの指標はあらゆるコンテンツマーケティングの施策を成功させるために重要であることを理解しよう。

SEOに注意を向けなければ、コンテンツのポテンシャルを最大限に活かすことが難しくなる。それは、価値のあるトラフィックとコンバージョンの可能性を失うことを意味しているのだ。

しかし、それと同時に、SEOの指標はコンテンツマーケティング施策に取り組むにあたり、考慮すべき指標の一つにすぎないことも理解するべきだ。

ソーシャルでの共有数、コンバージョンの指標、エンゲージメントの指標などにも注意を向ける必要がある。

SEOは、コンテンツマーケティングの施策における一部分にすぎないが、重要な一部分でもある。また、施策の基礎となる場合も多いはずだ。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Top 13 SEO Metrics to Track Content Performance & Engagement」を翻訳した内容です。

どちらかと言えば、SEOに馴染みの少ない方向けの記事でした。

しかし、SEO担当者にとっても、コンテンツチームが見落としがちな指標として、有益な情報であったと思います。以前と比べ、SEOの各施策がもたらす効果というものは見えづらくなっていると感じます。

そんな状況である中、確認すべき指標はきっちりと追いかけるべきであると、改めて考えさせられる記事でした。

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