インドのレイヤー2ブロックチェーン「Polygon」への投資をVCが検討中

Sequoia Capital India(セコイア・キャピタル・インド)、Steadview Capital(ステッドビュー・キャピタル)をはじめとする数多くの投資家が、Ethereum(イーサリアム)互換ブロックチェーンネットワークを構築、接続するためのフレームワークを運営するPolygon(ポリゴン)へのトークン購入を通じた出資を検討している、と本件に詳しい3つの筋から情報を得た。

投資家らは5000万から1億5000万ドル相当のトークンを購入しようとしている、と匿名を条件に情報筋は言った。この種のトークン取引では一般的だが、投資家はコインをやや割引された価格で購入できる(過去1カ月間のMATICの平均価格に対して20%割引、と私は聞いている)。

交渉は進行中のため、条件は変わるかもしれない。先週は誰からもコメントがなかった。

Polygonは以前Matic(マティック)の名前で知られていた会社で、最も人気のあるレイヤー2ソリューションとしての地位を確立してきた。同社の時価総額は140億ドル(約1兆5900億円)以上で、1日に750万件以上の取引を処理し、数千の分散型アプリが高額な手数料を払うことなくEthereumを決済レイヤーとして使用することを可能にしている。

Polygonは、Aave(アーベ)、Sushi Swap(スシ・スワップ)、Curve Finance(カーブ・ファイナンス)といった代表的優良プロジェクトを擁し、最大級のデベロッパーエコシステムを作り上げてきた(一部のレイヤー1のブロックチェーンと比べても引けを取らない)。

画像クレジット:Polygon

この数年、南アジア市場の著名ベンチャーキャピタルの支援を受けることに苦闘してきたインド拠点のPolygonにとって、1件の投資が同社に対する投資家の認識を変えるだろう(インドの多くのVCも、数四半期前までWeb3分野を積極的に追いかけていなかったことも注目に値する)。さらにPolygonは、弱気サイクルの際に初期出資者の一部が資金の返還を求めたという事例が少なくとも1件ある、と状況に詳しい人物2名が言っていた。

同社はいくつかの投資家に資金を返還し、生き延びた。「それはPolygonチームのテーマの1つです。彼らの忍耐強さはレベルが違います」と元従業員の1人は言った。

Polygonは2021年、起業家で投資家のMark Cuban(マーク・キューバン)氏の支援を受け、Ethereumの支配が続くことに期待する何十というサイドチェーンやロールアップネットワークの1つとして、Polkadot(ポルカドット)やMulticoin Capital(マルチコイン・キャピタル)とA16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)の出資を受けているSolana(ソラナ)など、多数のレイヤー1プロジェクトがひしめく中、この生まれたばかりで急成長中のデベロッパー・エコシステムでの成功を伺っている。

2021年、暗号資産ポッドキャストのBanklessで、Polygonの共同ファウンダーであるSandeep Nailwal(サンディープ・ナルワール)氏は、現在のWeb3デベロッパーエコシステムはEthereumを中心に回っており、ネットワーク効果はなくならないと期待していると語った。同じポッドキャストでナルワール氏は、もう1人の共同ファウンダーであるMihailo Bjelic(ミハイロ・ビェリック)氏とともに、Polygonは今後も提供サービスをさらに拡大してブロックチェーン基盤を作っていくつもりだと語った。

画像クレジット:Polygon

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Nob Takahashi / facebook

拡大する企業のサイバーセキュリティにおけるデータ管理問題に対処するMonadのプラットフォーム

Monad(モナド)は、さまざまなセキュリティツールからデータを抽出して接続するためのプラットフォームを企業に提供するクラウドセキュリティのスタートアップ企業だ。同社は、Index Ventures(インデックス・ベンチャーズ)が主導したシリーズAラウンドで1700万ドル(約19億円)の資金調達を実施し、ステルス状態から脱した。

Monadが設立された背景には、企業のサイバーセキュリティにおいてデータ管理の課題は拡大しているという確信があった。企業は切断されたログやデータベースの中から、サイロ化された大量の情報を理解して解釈しようするからだ。Monadのセキュリティデータプラットフォームは、企業がセキュリティツールからデータを抽出した後、そのデータを任意のデータウェアハウスに一元化し、データの正規化とリッチ化を行うことで、セキュリティチームがシステムやデータを効果的に保護するために必要な洞察を得られるようにする。

「セキュリティは基本的にビッグデータの問題です」と、Monadの共同設立者であるChristian Almenar(クリスチャン・アルメナー)氏はいう。「顧客は、DevOpsチームやクラウドエンジニアリングチームがアプリケーションを迅速に構築するために必要とするセキュリティデータに、合理化された方法でアクセスできないことが多く、セキュリティやコンプライアンスに関する最も緊急性の高い課題にも対処できません。このセキュリティデータの課題を解決するために、我々はMonadを設立しました。顧客のセキュリティデータをサイロ化されたツールから解放し、任意のデータウェアハウスを介してアクセスできるようにします」。

Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)が主導したシードラウンドから12カ月後、Sequoiaも出資した今回のシリーズAラウンドにより、Monadの資金調達総額は1900万ドル(約21億円)となった。この資金によって、Monadはセキュリティデータクラウドプラットフォームの開発規模を拡大することができると述べている。

Monadは2020年5月、セキュリティのベテランであるクリスチャン・アルメナー氏とJacolon Walker(ジャコロン・ウォーカー)氏によって設立された。アルメナー氏は以前、サーバーレスセキュリティのスタートアップ企業であるIntrinsic(イントリンシック)を共同設立した。同社は2019年にVMware(ヴイエムウェア)に買収されている。ウォーカー氏はOpenDoor(オープンドア)、Collective Health(コレクティブ・ヘルス)、Palantir(パランティア)で、CISO(最高情報セキュリティ責任者)やセキュリティエンジニアを務めていた。

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(文:Carly Page、翻訳:Hirokazu Kusakabe)