PivotalのサーバーレスパッケージPivotal Function Serviceはマルチクラウド+オンプレミスのハイブリッド対応

Pivotalはエンタープライズのデベロッパーのためにオープンソースのツールを作る企業だが、これまではなぜかサーバーレス方面の部位が欠けていた。しかし本日(米国時間12/7)からそれが変わり、Pivotal Function Serviceと呼ばれるプロダクトがアルファでローンチした。

Pivotal Function Service”は、Kubernetesベースの、マルチクラウドのファンクションサービスだ。この新しいサービスを発表するブログ記事によるとそれは、「あらゆるクラウド上のすべてのワークロードを単一のプラットホームで支える」というPivotalのビジョンの一翼を担うことになる。

Pivotalのサーバーレスで、オープンソースであること以外におもしろいのは、クラウドネイティブでオンプレミスでもクラウドでも使えることだ。そのためのKubernetesベースでもある。しかしそれは、控えめに言っても、ふつうではない。

これまでのやり方では、AmazonやGoogle、Microsoftなどの大手クラウドプロバイダーが、あなたが必要とするインフラストラクチャを尋ね、そしてその会話が終われば、あなたはその後インフラストラクチャのことをまったく考えなくてよい。計算とストレージとメモリに関することはクラウドプロバイダーが扱い、あなたはファンクションを動かすだけで、ほかにやることはない。

Pivotalはこれと同じことを、どのクラウドサービスでもできるようにする。またそれを、オンプレミスでもできるようにする。奇妙に感じる人もいるかもしれないが、PivotalのOnsi Fakhouriによれば、顧客はオンプレミスでもクラウドでも同じ能力を求めている。“サーバーレスの重要な価値として、インフラ(サーバーなど)の稼働状況を気にすることがゼロになる、とよく言われるが、でもオンプレミスでサーバーレスプログラミングをいろいろ探求してみたいという顧客も、ときどきいる”、と彼は言う。ただしもちろん、サーバーレスのプログラムでそんなことをやりたければ、十分なリソースを確保しなければならない。

この新しいパッケージには、ファンクションを作ってデプロイして管理するための重要な部位がいくつか揃っている。ネイティブなイベント機能により、リッチなイベントトリガーを構築でき、必要な機能を何でも呼び出せる。しかもそれらの機能が、Kubernetesベースの環境に収まっている。企業がハイブリッド方式を選んで、オンプレミスとクラウドの両方にまたがるイベントをシームレスに管理できるためには、このことがとりわけ重要だ。

Pivotalのやり方のアドバンテージは、それがどんなクラウドでもオープンなプロダクトとして動くことだ。これに対してAmazonやGoogle、Microsoftなどのサービスは、それぞれ彼らのクラウドでしか動かない。オープンソースのFunction as a ServiceをやるのはPivotalが初めてではないが、同社はそれを、もっと使いやすい形で提供しようとしている。

サーバーレスは、仕事をするサーバーがないという意味ではない。むしろそれは、デベロッパーがサーバーを特定しなくてもよい、必要なインフラを整えるのはクラウドプロバイダーがやる、という意味だ。しかしオンプレミスのシナリオでは、ITがそれらのリソースを揃えなければならない。

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GoogleのサーバーレスプラットホームCloud Functionsが一般供用を開始

Cloud Functionsは、Googleのサーバーレスプラットホームで、AWS LambdaやMicrosoftのAzure Functionsと、もろに競合する。今日サンフランシスコで行われたCloud Nextカンファレンスで、このプラットホームの一般供用が発表された。

GoogleがCloud Functionsを発表したのは2016年だから、長いベータだ。感じとしては、Googleはサーバーレスに、AmazonやMicrosoftほどのリソースを投じていなかったのではないか、と思われる。AWSやAzureはそれに対し、サーバーレスに大きく賭けている。また、サーバーレスの導入や利用、管理、デバッグ、セキュリティなどを助けるスタートアップも、このところ増えている。

Googleのプロダクトはベータを抜けるとSLA(サービスの品質の保証)が付くが、Cloud Functionsもそうだ。ただし一般供用といっても、当面はアメリカとヨーロッパのリージョンのみだ。

Googleは今日、これまでのようにGoogleが単純にホストするクラウドプラットホームのほかに、エンタープライズ向けにハイブリッドクラウドを提供するGoogle Cloud Servicesを発表した。そこでユーザーがCloud Functionsをセルフホストすることはできないが、Googleは、サーバーレスアプリケーションを動かしたい企業にはKubernetesを自己のデータセンターで動かすことを勧めている。…実はぼくも、‘サーバーレス’という言葉が好きじゃないけどね。

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AWSがサーバーレスのデータベースサービスAurora Serverlessをプレビューで立ち上げ

Amazonのクラウドコンピューティング部門AWSが今日(米国時間11/29)、連続的なデータ処理を必要としないようなリレーショナル・データベースを、容易に、安く、そして手早く立ち上げるサービスを発表した。そのAurora Serverlessと名付けられたサービスは、その名のとおりAWSの既存のデータベースシステムAuroraを利用しており、いわばサーバーレスでイベントドリブンなコンピュートプラットホームのデータベース版だ。

そのもっとも巧妙な仕組みは、データのストレージと処理が分離していることだ。Aurora Serverlessのユーザーは処理に対してのみ支払うが、もちろんそのときはストレージも仕事をしている。ただしその費用は比較的安い。

このサービスは、計画では来年のどこかの時点でプレビューを脱し、そのときにより詳しい情報を共有する、という。

目下Aurora Serverlessはプレビューのみだが、一般公開されたらデベロッパーはサーバーレスのリレーショナル・データベースにオンデマンドでアクセスでき、データベースのプロビジョニングを自分でやる必要がない。しかもスケールアップ/ダウンが、必要に応じて簡単にできる。ユーザーは、データベースを実際に使用した秒数に対してのみ支払う。これまでは、データベースを使おうと思ったら、データベースサーバーと称するマシンを動かす必要があった。Aurora Serverlessでは、そこらのことをすべて、AWS自身が楽屋裏でやってしまう。



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サーバーレスアプリケーションの周辺にもスタートアップエコシステムが育ちIOpipeは$2.5Mのシードを獲得

今や、サーバーレスアプリケーションが大いにもてはやされている。コンテナのことをどこかへ置き忘れて、AWSのLambdaやAzureのFunctionsのようなサービスに夢中になってる企業もある。そこで当然ながら、これらのサービスのまわりに自然発生的に新たなエコシステムが育っていく。今日(米国時間8/14)ベータを脱(ぬ)けたIOpipeは、AWSのLambdaサービスのアプリケーションの、オペレーションを助けるプラットホームだ(現状はもっぱらモニタリングを提供)。

シアトル生まれの同社は今日、250万ドルのシードラウンドを発表した。主な投資家はMadrona Venture Group, NEA, そしてUnderscore VC、全員、インフラストラクチャの分野で経験豊富な連中だ。

IOpipeの協同ファウンダーAdam Johnson(CEO)とErica Windisch(CTO)も、この分野のベテランで、以前はDockerやMidokuraにいた*。AdamはMidokuraの最初の社員、EricaはDockerのセキュリティチームを作った。両者は最近、Techstarsのニューヨークの育成事業を卒業した。〔*: 関連記事

IOpipeの基本コンセプトはきわめて単純明快、Lamdaで動くアプリケーションのインサイトをデベロッパーやオペレーションのチームに提供することだ〔今はオペレーション主体〕。そのほかのサーバーレスプラットホームにも、今後対応していく。ユーザーは、得られたインサイトに基づいて、バグをつぶしたり、メモリリークを直したりしていく。このサービスを有効にするためにデベロッパーがやることといえば、使用するサーバーレスのファンクションをIOpipeのコードでラップするだけだ。するとそれらのファンクションの一般的な性能測度がダッシュボードにリアルタイムで表示される(右図)。このサービスはサードパーティサービスの呼び出しも計測するから、AWSのS3やDynamoDBなどに関しても、いろいろ分かる。

Johnsonによると、同社の顧客はスタートアップとエンタープライズの両方を含む。これはもちろん、Lambdaの顧客の構成を反映している。“毎週、おーこの会社もLambdaを使ってるのか、という意外性の経験をする”、と彼は言う。1年前はアーリーアダプターがほとんどだったが、その後はLambdaを実験的に使う企業がどんどん増えて、そのプラットホーム上でプロダクションのワークロードを動かしている企業すらある、ということだ。

同社は今、社員が8名だが、新たな資金で緊急に増員が行われるだろう。今後の計画としては、機能をもっと増やすことと、現状のプラグインアーキテクチャを活かして、今後は今のオペレーション偏重から、デベロッパーにも直接奉仕する方向へと、機能を多様化していきたい。“これまで力を入れてきたのは、モニタリングのための最初から決まっているような機能集合を実装することで、もっぱら、アプリケーションのスケーラビリティと安定性を確認することを重視してきた”、とJohnsonは語る。しかしそのプラグインアーキテクチャにより、今後機能を増やしていくことが比較的容易にできる。

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‘サーバーレス’のブームに乗り遅れなかったTwilio Functionsはデベロッパーがサーバーのことを忘れて通信アプリケーションを書ける

デベロッパーに通信APIを提供しているTwilioが今日(米国時間5/25)、Twilio Functionsというものを立ち上げて、世に言う“サーバーレス”プラットホームの仲間入りをした。FunctionsもAPIの一種だが、これを使うとデベロッパーは、サーバーの運用とかインフラストラクチャの管理、スケーラビリティなど低レベルの問題をすべて忘れて、自分のイベント駆動アプリケーションの構築に専念できる。

Twilioの今日の発表声明でプロダクト担当VP Patrick Malatackはこう言っている: “コードは書くことはクリエイティブな仕事だから、たとえばクラウドを利用する通信アプリケーションを作るデベロッパーや企業は、顧客がそれから得る体験に集中すべきであり、サーバーの管理に時間と精力を取られるべきではない。通信の未来を築くのはデベロッパーの創造力であり、Twilio Functionsはそれを支える。これを利用するデベロッパーの仕事ぶりを見るのが、今から待ち遠しい”。

というわけで、インフラのメンテナンスやスケーリングに煩わされることなくデベロッパーは、一連のファンクションを使って自分のコードをTwilioのプラットホーム上で動かせる。たとえばそれは、新たにSMSのメッセージが来るたびに何かをするアプリケーション、だったりするだろう。具体的には、デベロッパーはJavaScriptでコードを書く。するとTwilioはそのコードをNode.jsの標準的な環境で実行する。そのNode.js環境は、Twilioのインフラ上にある。

率直に言って、“サーバーレス”は、ぼくのあまり好きくないバズワードの筆頭だ(“ハイパーコンバージド”と肩を並べるかな)。たしかにそれは、サーバーなどのインフラを抽象化してデベロッパーの念頭から消し去ってしまうけれども、プログラミング上の重要な含意は、それよりむしろ、入ってくるイベントに対応してコードの実行がトリガされる、イベント駆動型のプログラミングである、という点にある。

このイベント駆動モデルのもうひとつの約束は、計算機資源の使用料を、実際に使ったぶんだけ払えばよい、ということにある。たとえばTwilio Functionの場合は、最初の10000リクエストは無料、その後は1リクエストごとに0.0001ドルだ。リクエストに(==イベントに)応じて、静的ファイルをサーブしてもよい。その場合も、最初の10000リクエストは無料、その後は1回につき0.0001ドルだ。

これらすべてを動かすのがTwilio Runtime、そこにはヘルパーライブラリやAPIのキー、構成済みの諸資産、デバッグツールなどがある。

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ゲームインフラを”サーバレス”に―、名古屋のワンダープラネットがGS2に出資

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日本のスタートアップ界隈にはゲームを作ったり配信するパブリッシャーは多いが、ゲーム開発に必要な開発ツールやインフラ系サービスを作ろうというスタートアップは珍しい。

2016年9月に名古屋で設立されたばかりのスタートアップ企業「Game Server Services」(GS2)は「サーバレス・アーキテクチャー」とか「FaaS」(Function as a Service)と呼ばれる設計思想に基づいたゲーム開発者向けインフラサービスを近日β版として提供予定という。そのGS2が今日、同じく名古屋でスマホ向けネイティブアプリ・ゲームを開発・運営するワンダープラネットから数百万円規模のシード出資を受けたことを明らかにした。

ワンダープラネット自身も2012年創設の名古屋拠点のスタートアップ企業で、これまでグローバル・ブレイン、ユナイテッド、ジャフコ、LINE Game Global Gateway、ニッセイ・キャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、JAIC-ブリッジ、みずほキャピタルなどから12億円以上の投資を受けている。当然ワンダープラネットはゲームシステムの開発・運用を行っているが、今後は自社タイトルでもGS2を導入する予定があるといい、今回のGS2への投資では事業シナジーも見込んでいる。

GS2への出資と同時にワンダープラネットは、同じくスマホ向けゲーム開発プレイネクストジャパンの全株式を取得して100%子会社することも発表している。買収額は数億円前半とみられる。ワンダープラネットは2013年から2016年に社員数が8倍の63人になるなど急成長している。自社開発の新作として、LINEとの提携による大型タイトルをリリースも直前という。

サーバ→クラウド→コンテナ→サーバレスという時代の流れ

「サーバレス」は2015年夏頃から技術者たちが注目している比較的新しい技術アーキテクチャだ。もともとはAmazonがクラウドで始めたAWS Lambdaが発端となっている。当初オンプレミス(会社のサーバルームにサーバを置くこと。スタートアップなら机の下だ)やデータセンターに設置したサーバーを使って提供してきたサービスやアプリケーションは、徐々に仮想化という技術でクラウドやコンテナへ移行。物理サーバーと切り離された運用単位となってスケーリングやアプリのデプロイ(配備)が容易になってきた。とはいえ、クラウドのIaaSやコンテナを使っていると、サーバOSの保守、管理、運用というサーバ管理が必要となる。

それに対して、Amazon Lambdaでは、すでにクラウド上にあるデータなどに対して、ある操作を実行せよという「関数」のように実行できる。1つ1つの実行時間は短く、Amazon Lambdaでは5分以内に実行が終わることが前提となる。そこにはもはやサーバという概念はない。これがサーバレスという形容矛盾のような用語の由来だ。

そうすると何が良いか?

もはやサーバ(インスタンス)を意識する必要はないし、利用したいタイミングで利用した分だけ課金という柔軟なサービス利用が可能となる。ゲーム開発であれば、事前にヒット具合を予測してサイジングしたり、ヒットしたタイミングでインスタンスを増やすといったような運用管理が不要になる。GS2では、小さなゲームタイトルだとサーバエンジニアを雇わずにサービス継続が可能だとしている。

これはプログラミングでも同様だが、相互依存しない複数の関数を組み合わせてシステム全体を設計すると、個々の機能の独立性が高まることから並列実行することが可能となる。またシステム内部の相互依存部分が減ることで人間のエンジニアにとっても自明性が高まるというメリットがある。分散可能ということは関数はどこで実行しても良いので物理的分散によって耐障害性もグンと高まることが期待できる。

ゲームインフラに特化したサービス

GS2が提供するサービスはBaaSやmBaaSと似ているようにも見えるが、ユニークなのは、ゲーム専用にAPIとSDKを用意していることだ。SDKや詳細な技術ドキュメントはここにあるが、現時点で利用可能なサービスを以下に引用してみよう。

・GS2-Auth
GS2-Auth は GS2 のサービスを利用する上で必要となるアクセストークンを発行するサービスです。あらゆるサービスを利用する前に、GS2-Auth を利用してアクセストークンを取得し、そのアクセストークンを利用してサービスを利用することになります。

・GS2-Identifier
GS2-IdentifierはGS2内のサービスで利用される認証システムを提供します。GS2-IdentifierはクライアントIDとクライアントシークレットという2つのトークンを発行します。これら2つのトークンを合わせてGSIと呼びます。GSI毎にどのAPIにアクセスしてもいいか許可する設定をする機能も備わっています。

・GS2-Matchmaking
マルチプレイヤーゲームを実現するために必要なマッチメイキング機能を提供します。「誰とでも」「カスタムオート」「パスコード」「ルーム」の4種類のマッチメイキング方式を用意しており、様々なニーズに応えることができます。

・GS2-Realtime(Beta)
マルチプレイヤーゲームを実現する際に必要となる通信パケットの中継サーバ機能を提供します。これによりWebSocketを利用したリアルタイム性の高いマルチプレイヤーゲームを待ち受けポートのルーティングなどの問題を高度な技術を要すること無く回避し、実現することができます。

・GS2-Ranking
スコアやクリアタイムを競うようなゲームでのランキングを実現するための機能を提供します。プレイヤー数が数億人単位になったとしても、自分の順位の取得や、とあるスコアを取得したとしておおよその順位を予測する。といった高度な操作を高速に実行することができます。

・GS2-Inbox
メールボックス機能を実現するための機能を提供します。メッセージ開封時に指定したURLに通知する機能などがあるため、通知を受けた際にアイテムを付与することでプレゼントボックスとしてサービスを利用することもできます。

・GS2-Stamina
ゲームをプレイするために必要なポイントであるスタミナ値を管理する機能を提供します。マルチデバイスで同一アカウントを利用した際に、同時にスタミナの消費を行うことで不正に2回プレイする。というような不正行為が行えないよう衝突判定などが実装されています。

・GS2-Timer
指定した時刻に指定したURLにアクセスを発生させる機能を提供します。この機能を利用すれば指定した時刻にアカウントBANを解除するような実装をcronジョブのような原始的な方法を利用しなくても実現できます。

・GS2-Watch
GS2-WatchはGS2で提供しているアプリケーションのモニタリングサービスです。GS2-Watchを利用してメトリックを収集し、条件に従ってアラームを出すこともできます。

・GS2-Notification
GS2-NotificationはGS2で発生したイベントを予め指定したメールアドレスや、URLに通知するサービスです。GS2内のサービスの状況を確認できるGS2-Watchと組み合わせると、サービスの利用状況に応じてアラートを出すことができます。

ちなみに上記サービスは基本的にAWS上で動いているが、統計情報提供のバックエンドには一部GCPのBigQueryを採用するなど異なるクラウド・インフラを使っているそうだ。

かつてゲームエンジンをゲーム開発各社が独自に開発していた時代がある。それがやがて汎用ゲームエンジンを用いた開発にシフトしたように、サーバシステム開発でも、こうした汎用機能セットによって各社のインフラ管理運用を代替していく、というのがGS2の狙いだ。

GS2を創業した丹羽一智CEOはセガ、任天堂出身でゲーム開発、サーバ一ステムの設計・開発業務に従事していたが、サーバレスアーキテクチャに惚れ込んでGS2を創業。今後、家庭用ゲーム機向けの開発者たちもスマホ市場へなだれ込むと見ていて、そうした「一軍レベル」の開発者たちにないサーバ運用の知識を補完するようなサービスを提供していきたいと話している。

GS2のサービスは1時間で数円からという価格で提供を予定しているといい、12月中にもサービス公開するそうだ。

開発のサーバーレス化を助けるServerlessがシードで$3Mを調達、ただしサーバーレスはサーバーが動かす

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Serverlessはデベロッパーたちに、彼らがAWS Lambdaや、今後のMicrosoft Azure FunctionsGoogle Cloud Functionsなどを利用して、なるべく容易にアプリケーションを書けるためのフレームワークを提供する。同社は今日(米国時間10/12)、Trinity Venturesがリードするシードラウンドで300万ドルを調達し、そのフレームワークがベータを終了したことを発表した。

Serverlessという社名の起源でもあるサーバーレスという流行(はや)り言葉は、一種の誤称でもある。このサーバー‘レス’という考え方は、実際のインフラストラクチャが抽象化されていて隠されている、という意味であり、そのためにデベロッパーは自分のコードを、通常はLambdaのようなイベント駆動の計算サービス(compute services)へ、単純にデプロイできるのだ。そしてそれらのサービスがそのコードを、イベントにトリガされて実行する。でもそのコードはもちろんすべて、AWSのサーバーの上で動くのだ。

でも、今では名前がひとり歩きしていて、ServerlessのファウンダーでCEOのAusten Collinsも、エンタープライズやスタートアップがこの新しい計算モデルをより容易に利用できるためのフレームワークを作れる、とひらめいた人たちの一人だ。“まず、これはおもしろい、と思ったし、サーバーレスのプラットホームを動かすためには大量のサーバーが必要だから、本当は正しくない言葉だけれど、デベロッパーたちが待ち望んでいたものを言い表す、とてもぴったりの言葉だ、とも思った”、とCollinsは語る。

Serverlessを創る前のCollinsはAWSのコンサルタントで、アプリケーションの開発とデプロイをもっとはやくやりたい、と願う企業がとても多いことを痛感していた。“Lambdaに着目したのも、そのためだ”、とCollinsは述べる。彼がとくにLambdaを気に入った理由は、AWSのそのほかのいろんな機能を、容易に併用できることだった。複雑なアプリケーションを小さなパーツに分割して、それらがAPIで連結する、いわゆるマイクロサービス方式の開発が関心を集めるようになり、保守的な大企業ですら今では、Lambdaのようなプラットホームを利用して開発サイクルをスピードアップしたい、と望んでいる。

Serverlessは、スタートアップやデベロッパーのプロダクトの市場化を助けるHeavybitの育成事業から巣立った。StripeやPagerDuty、CircleCIなどもその同類だ。同社の社員は今12名、Collinsの計画では今回の資金を、フレームワークの開発を担当するデベロッパーの増員と、AWS以外のクラウドコンピューティングサービスのサポートに充てたい、という。

ただし、まだ決まっていないのが収益化の方法だ。Collinsは今検討中だ、と言うが、オープンソース企業によくある、有料コンサルティングサービスとか、有料の特殊機能などが妥当な線かもしれない。このような企業の収益化に関しては、HeavybitとTrinity Venturesの両方に、良い知恵があるはずだ(Trinityは前から、Dockerや類似のデベロッパー企業に投資している)。

GitHub上で同社のプロジェクトは11000あまりのスターをもらい、ユーザーの中にはCoca-Cola Companyのような有名企業もいる。つまり、サーバーレスという言葉はまだ若いのに、このフレームワークに対する需要と関心は、すでに確実に存在している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))