ガートナー、世界スマートフォン販売台数の減少を初めて報告

ここ数年、世界のスマートフォン販売状況は絶好調とはいえないが、Gartnerの最新データによると、同社のアナリストが追跡を始めて以来初めての減少を記録した(ただし、減少を指摘したアナリストは以前にもいた)。

Gartnerによると、2017年Q4のエンドユーザーに販売されたスマートフォンは4.08億台で、2016年Q4より5.6%減少した。

同社によると、スマートフォンメーカー第1位のSamsungは対前年比3.6%減だった。Apple iPhoneの売上は5%減ったが市場シェア第2位は確保した。

GartnerはQ4売上の減少には主要因が2つあると言っている。ひとつは多機能電話からスマートフォンへの買い換えが遅れていることで、これは高品質で「超低価格」なスマートフォンがないことが理由だ。もうひとつは、スマートフォンオーナーが高級モデルを買って長期間使用するようになり、買い換えサイクルが長くなったためだ。

AppleのQ4実績は、同社の新しい最高機種iPhone Xの提供が遅れたために、iPhone 8と8 Plusという別の新機種への買い換えが低調だったことの影響も受けた。iPhone Xの供給の遅れは、部品の不足や生産能力の制約によるところもあった。

Gartnerは、Appleが2018年最初の四半期で、遅れを取り戻すと見ている。看板機種の流通サイクルは正常に戻っている。

また、SamsungもGalaxyの最高機種を発売するQ1に売上を伸ばすとGartnerは予想している。

2017年通年ではSamsungの市場シェアは20.9%、Appleは14.0%だった。

極東市場

先月、Canalysのアナリストは中国の年間スマートフォン出荷台数が初めて減少したことを報告した。中国は飽和する欧米諸国に代わり数年間にわたってスマートフォンの成長を支えてきた。しかし、さすがに中国の消費者たちも財布の底が尽きてきたようだ。

ただし中国のOEMメーカーは依然として伸びている。そしてGartnerによると、トップ5中の中国メーカーの市場シェアは、2017年に4.2%増加したが、SamsungとAppleのシェアは変わっていない。

スマートフォンメーカーのうち、中国のHuaweiとXiaomiの2社だけが、Q4に積極的にシェアを拡大し、ホリデー四半期の販売台数はHuaweiが7.6%、Xiaomiが79%伸ばした。

Gartnerは、Huaweiが同四半期に新機種を発売して製品ラインの魅力を高めた努力を躍進の要因に挙げた。また、Xiaomiの「競争力のある」品揃えが新興のアジア太平洋市場での成長を加速し、中国でのシェア回復にも貢献したと言っている。

Huaweiは世界のスマートフォンメーカーランキングで3位をキープし、2017年は通年シェア9.8%を獲得してAppleとSamsungとの差を縮めている。

Overall, Gartner says total smartphone sales exceeded 1.5 billion units in 2017 — a year-on-year increase of 2.7 per cent.

2017年全体では、スマートフォン総販売台数は15億台を超え、対前年比2.7%増だった。

OSプラットフォームでは、GoogleのAndroidが2017年にリードを広げ、全市場の86%、前年比1.1%だった。iOSは14%だった(「その他のOS」カテゴリーは存在しないに近い0.1%へと縮小した)。

そして世界最大のモバイル展示会、MWCを間近に控え、Androidベースの新しい端末が出てきそうだ —— Samsung、NokiaブランドのHMD等々が控えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、iPhone 6効果で2014年Q4スマートフォン販売台数がSamsungを上回る


2014年をスマートフォン売上が10億の大台を超えた年とするなら(正確には12億台、携帯電話全体では19億台)、第4四半期は、Samsungが2011年以来初めて部門世界1位の座を奪われた四半期として記憶されるだろう。本日(米国時間3/2)Gartnerは、2014年通年および第4四半期のスマートフォン売上データを公開し、時の王者がAppleであることを示した。

Q4のスマートフォン総売上台数3.675億台の中で、iPhoneは7500万台を売り、Samsungの7300万台を上回った。両者の差はさほど大きくないように感じるが ― 割合にして0.5%の違い ― 二社が逆転したことの意味は大きい。

1年前、SamsungはAndroidベースのGalaxyラインを筆頭に8300万台を売ったのに対し、Appleはわずか5000万台だった。Samsungの市場シェアはこの1年で10ポイント下がった。そしてiPhone 6の発売で様相は変わった。

2014年Q4世界スマートフォン販売台数/メーカー別(×1000台)

会社名 2014年Q4台数 シェア (%) 2013年Q4台数 シェア (%)
Apple 74,832 20.4 50,224 17.8
Samsung 73,032 19.9 83,317 29.5
Lenovo* 24,300 6.6 16,465 5.8
Huawei 21,038 5.7 16,057 5.7
Xiaomi 18,582 5.1 5,598 2.0
その他 155,701.6 42.4 111,204.3 39.3
合計 367,484.5 100.0 282,866.2 100.0

Source: Gartner (March 2015) *Lenovoの数値には、LenovoおよびMotorolaの携帯電話が含まれる。

「Samsungはスマートフォンシェアの維持に苦闘を続けており、2013年の第3四半期が絶頂だった。この下降傾向は、Samsungの利幅の大きい高級スマートフォンユーザーのシェアに大きな圧力がかかっていることを示している」とGartnerの主席アナリスト、Anshul Guptaは書いている。

事実、利益は携帯端末メーカーの業績を測る重要な指標だ。Strategy Analyticsの分析によると、AppleはQ4のスマートフォン利益の90%近くを占めている。

同四半期、他に大きな動きを見せたのはLenovo、Huawei、およびXiamiだ。Xiaomiは前年同期から売上台数を3倍以上に伸ばし、Q4の1860万台は、Huaweiの2100万、Lenovoの2400万台に迫る勢いだ。しかし、3社を合わせても、SamsungやAppleのシェアに及ばない。

2014年通年のデータを見ると、Samsungの問題が、Appleの2つのiPhone 6モデル発売の打撃を受けた直後に始まっていることがわかる。Samsungは年間3.076億台の端末を売り24.7%のシェアを確保したのに対し、Appleは1.914億台、15.4%だった。

2014年世界スマートフォン販売台数/メーカー別(×1000台)

会社名 2014年台数 シェア (%) 2013年台数 シェア (%)
Samsung 307,597 24.7 299,795 30.9
Apple 191,426 15.4 150,786 15.5
Lenovo* 81,416 6.5 57,424 5.9
Huawei 68,081 5.5 46,609 4.8
LG Electronics 57,661 4.6 46,432 4.8
その他 538,710 43.3 368,675 38.0
合計 1,244,890 100.0 969,721 100.0

Source: Gartner (March 2015) *Results for Lenovo include sales of mobile phones by Lenovo and Motorola.

ではSamsungが再び逆転するためにはどうすればよいか。Gartnerは、より独自なアプローチが必要だという。それはAppleや、Xiaomiのように改変Android端末に取り組んでいるOEMと同様だ。

「Appleが高級機市場を支配し、中国メーカーが益々質の高いハードウェアを低価格で提供する中、Samsungがユーザーを引きつけ、ハイエンド市場で長期的差別化をはかるとすれば、Samsung独自のアプリ、コンテンツ、およびサービスのエコシステムを強化するしかない」とGartnerの調査責任者、Roberta Cozzaは書いている。

もちろん、これはもう聞き飽きた話だ。何年も前からSamsungやHTC等のOEMは、Androidの “mee-too” 製品ではなく差別化した体験を提供する必要があると言われてきた。しかし、Tizenや企業向けセキュリティーシステムのKnoxなどを開発したものの、Samsungがまだこの種の戦略に本気で取り組んでいないと思われることは、Galaxyラインが未だにスマートフォン戦略の中心にあることからもわかる。

これは市場にけるAndroidの牽引力が非常に強いことも理由だ。2014年、AndroidのOS別端末台数のシェアは80%を越え、10億台以上に達した(他のアナリストのデータとも一致している)。

これは、消費者の間でAndroid OSの定着率や親密度を高めるだけでなく、Androidアプリのエコシステム全体が、Google PlayストアやGoogle自身が開発するネイティブサービスに依存していることを意味している。GoogleのAndroid実装から離れれば、それらのサービスからも離れることになる ― 克服不可能ではなくても多大な努力と時間を必要とする挑戦だ。

他のオペレーティングシステムをAndroidと比較すると、成長しながらもシェアは縮小している。AppleとWindowsは、台数ではそれぞれ1.91億台と3500万台へと増えているもののシェアは落ちている。BlackBerryは減少を続け、ついにスマートフォン全体のわずか0.6%、800万台となった ― 前年は1000万台だった。

2014年世界スマートフォン販売台数/OS別(×1000台)

OS 2014年台数 シェア (%) 2013年台数 シェア (%)
Android 1,004,675 80.7 761,288 78.5
iOS 191,426 15.4 150,786 15.5
Windows 35,133 2.8 30,714 3.2
BlackBerry 7,911 0.6 18,606 1.9
その他 OS 5,745 0.5 8,327 0.9
合計 1,244,890 100.0 969,721 100.0

Source: Gartner (March 2015)

Appleの実績を地域別に見ると、中国の売上は56%増、ようやく大画面ファンを取り込んだ米国では88%増だった。

「Appleの強力なエコシステムと新しいiPhone 6/6 Plusは、iOS内での買い換えを強く促進した。加えて、大画面を望む新規ユーザーに対してはAndroidの強力な代替を提供した」とGartnerは書いている。

携帯電話市場全体を見ると、別の興味深いトレンドが見られる。現在スマートフォンが年間12億台販売されている一方で、多機能電話(フィーチャーフォン)市場も依然として大きく、2014年には7億台が販売された。そして、Samsung、Apple、およびMicrosoft(Nokiaの多機能電話を含む)を別にすると、他の端末メーカーはほほ横一線に並んでいる。

そして「その他」が全販売台数の33.5%を占め、最大のカテゴリーとなっている ― この業界のロングテールぶりを明確に示している。「2014年に伸びていない地域は、日本とヨーロッパ西部だけで、それぞれ2.8%および9.1%減少した」とGartnerは指摘している。

2014年世界携帯電話販売台数/メーカー別(×1000台)

会社名 2014年台数 シェア (%) 2013年台数 シェア (%)
Samsung 392,546 20.9 444,472 24.6
Apple 191,426 10.2 150,786 8.3
Microsoft 185,660 9.9 250,835 13.9
Lenovo* 84,029 4.5 66,463 3.7
LG Electronics 76,096 4.0 69,094 3.8
Huawei 70,499 3.8 53,296 2.9
TCL Communication 64,026 3.4 49,538 2.7
Xiaomi 56,529 3.0 13,423 0.7
ZTE 53,910 2.9 59,903 3.3
Sony 37,791 2.0 37,596 2.1
Micromax 37,094 2.0 25,431 1.4
その他 629,360 33.5 587,764 32.5
合計 1,878,968 100.0 1,808,600 100.0

Source: Gartner (March 2015) *Results for Lenovo include sales of mobile phones by Lenovo and Motorola.

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


昨年秋(9-11月)はiPhone 6/6 Plusの爆発的な売れ行きがAndroidのシェアを食った

【抄訳】

Appleのいちばん新しいiPhone、iPhone 6と6 Plusは、昨年秋のiOSスマートフォンの売上を押し上げ、ライバルのAndroidプラットホームのシェアにやや傷をつけた。市場調査企業Kantar Worldpanel ComTechの報告書が、そう述べている。

Kantarの最近12週間のスマートフォン売上データは、2014年の9、10、11の三か月が対象で、そこではAndroidが2013年9月以来初めて、合衆国におけるシェアを失っている。

Appleの初めての大型機iPhone 6と6 Plusが出たのは9月だから、その数字はそれほど意外でもない。Androidにはファブレットと呼ばれる大型機が前からあるが、この時期にはAndroidユーザの一部もiPhoneの初めての大型機に‘浮気’したのだろう。

Appleの新製品発表サイクルはかなり長いから、やっと新製品が出たときの消費者の欲求の爆発が大きい、とも言える。つまりAndroid機の売上が横ばいないし微増であっても、Apple製品のこの新製品爆発期にはiPhone新型機の売上台数が異常に大きくなり、したがってシェアの計算ではAndroidがやや落ち込む、という結果かもしれない。もちろん、新型iPhoneを待ち焦がれていた人たちが、この時期にAndroidに乗り換えることはありえないから、Androidのシェアを押し上げることはない。

Kantarによると、AndroidからiOSへの乗り換えは一貫してほぼ18%に安定している。だからこの時期、AndroidからiPhoneへの乗り換えが新製品ブームでとくに大きくスパイクしたわけではない。

Kantarの数字では、Androidは合衆国市場でも依然として支配的ではあるが、そのシェアは前年同期比で2%落ち込んでいる(50.4%→48.4%)。そして、iPhone 6/6 Plus新発売時期のこの時期においてiOSのシェアは4.3%伸びて47.4%に増えている。AndroidだけでなくWindows PhoneやBlackberryのシェアも同じ時期に微減しているので、新型iPhoneの新発売時期における爆発的売上の、インパクトの大きさがそこからもうかがわれる。

【後略】(ヨーロッパでも同傾向)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))