Apple、iPhoneのカメラでフル解像度毎秒30枚の撮影ができるアプリのスタートアップ、SnappyLabsを買収

Appleはファウンダーがたった1人で運営しているカメラ・テクノロジーのスタートアップ、 SnappyLabsを買収したという情報が入った[アップデート:2014/ 1/5 太平洋時間9:15am:Appleはこの買収を確認した] 。

SnappyLabsのファウンダー、John Papandriopoulosはめるボルン大学から電気工学の博士号を得た技術者で、彼の発明したテクノロジーにより、SnappyCamはフル解像度でiPhoneのカメラで毎秒20コマから30コマの画像をフル解像度で撮影することができる。

私がSnappyLabsに何か異変があるのに気づいたのは「SnappyCamが突然App Storeから消えSnappyLabs‘のすべてのウェブサイトが停止した」という通報を受けたためだ。この情報源はその後「SnappyLabsはAppleに買収された」と報じてきた。情報源によれば、同社に関心を寄せていたのはAppleだけではなかったもようだ。買収の金額などの詳細はまだ分からないが、Appleに問い合わせ中だ。

[アップデート:2014/ 1/5 太平洋時間9:15am:AppleはSnappyLabsを買収したというこの記事の内容を確認した。Appleは声明で次のように付け加えている。「Appleは時折小規模なテクノロジー企業を買収してきた。 通例、われわれはこうした買収の目的や将来計画について説明しない」

SnappyLabsの価値はPapandriopoulosの撮影テクノロジーのブレークスルーにあるはずだ。このようにハードなテクノロジーを持つ非常にリーンなチーム(たった1人だ)を買収するのはAppleのこれまでの戦略に合致している。

PapandriopoulosはiPhoneのカメラで静止画の高速連写を可能にするSnappyCamをApp Storeで1ドルで販売してきた。私が7月に紹介記事を書いた後、Papandriopoulosは「SnappyCamは9カ国で有料アプリのトップにランクインした」と知らせてきた。この売上のおかでPapandriopoulosはベンチャーキャピタルに頼ることなく運営を続けることができたものと思われる。

Papandriopoulosは7月、私の取材に応えて「離散コサイン変換に関してインスピレーションが閃いた。それによってJPG画像フォーマットを事実上まったく新しいものに改良できた」と語った。現在は削除されているブログ記事でPapandriopoulosはこう説明している。

まずわれわれは高速な離散コサイン変換(DCT)のアルゴリズムを研究した。次いでARMのNEON SIMD コ・プロセッサのアーキテクチャに最適化された新しいアルゴリズムの開発に成功した。最終プロダクトは1万行の手動で最適化されたアセンブリー・コードと2万行の低レベルCコードとなった。ちなみにSnappyCamのアプリは5万行弱のObjective Cコードからなる。

JPEG圧縮は(上記の)DCTと ハフマン・ロスレス圧縮という2つの部分からなる。われわれは素晴らしく高速なDCTの実装に成功したが、するとハフマン圧縮がボトルネックとなった。のの部分については、われわれはARMプロセッサのアーキテクチャに最適化され、高度にチューンされたセンブリー言語のプログラムを書いた。

Papandriopoulosを会社ごとスカウトすることに成功したのでAppleはこのテクノロジーをiPhoneだけでなく、iPad、Mac、MacBookのカメラに自由に組み込むことができるようになった。カメラはスマートフォンにとってもっとも重要な機能の一つだから、フル解像度で高速バースト撮影モードが提供できることはライバルに対して大きな強みとなる。.

ちなみにPapandriopoulosは以前サンフランシスコで行われたあるパレードでiPhoneに扮装したことがある。Appleにとってまさに適材といえるだろう。

SnappyLabsについては私の紹介記事を参照

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


科学の大躍進:SnappyCamは毎秒20枚フル解像度写真を撮る

iPhoneの標準カメラアプリは、実はかなり遅く、1秒に8メガピクセルの写真を3~6枚しか撮れない。しかし、SnappyCam 3.0を使えば、フル解像度の写真を1秒に20枚撮ることができる。これは同アプリの発明者による離散コサイン変換JPEG技術のおかげだ。秒間20フレームといえば、コマ撮りアニメやエクストリームスポーツの悲惨な衝突場面を捕えるのに十分な速度だ。

SnappyCamの価格は0.99ドルで簡単に連続写真を撮ることができる。その中からお気に入りを選ぶか、一種の「ライブ写真」スライドショウとして前後にめくりながら見ることもできる。コラボ写真共有アプリのEverlapseのようだ。そんなアニメーションのサンプルがここや下で見られる。右のコントロールバーにマウスをかざして右向きにコマを進めることができる。

John Papandriopoulosは電子工学の博士号を持ちSnappyCamを2年間開発してきた。彼はこれを、地球最速のスマートフォンカメラと呼ぶ。iPhone上で撮影プロセスをスピードアップし、バッファーし、画像を圧縮するしくみを学習するうちに、事実上JPEG画像標準を再発明した。目標は? 大型のプロ用デジタル一眼の連続撮影パワーを、ポケットの中に押し込むことだ。

Sanppy Cam version 2は、そこそこ・・・速かったが、画質を犠牲にしなければならなかった。秒間20枚を3メガピクセルでした撮れなかった。そして先週、Papandriopoulosは「ユリイカ」の瞬間を迎えた。いくつかの複雑な数学アルゴリズムとiPhone 5のデュアルコアプロセッサーを活用することによって、8メガピクセルの写真を毎秒20フレーム撮れるようになった。

Papandriopoulosはこのスピードについて「何だか信じられない。実際これはハードウェアの上限だ」と語った。

スピードを比較してみると、SnappyCamはiPhoneの標準カメラの4倍速く、Samsung S4の7.5枚/秒と比べても2倍の速ただ。Papandriopoulosは、他のFastCameraCamera Awesome、およびCamera+のようなスピード目的のiOSカメラアプリは画質を下げることが多く、30フレーム/秒で撮るには0.3メガピクセルの切手サイズまで落とし、フル解像度では4コマ/秒程度しか撮れなj

SnappyCamは最新iPhoneオーナーのためだけではない。iPhone 4Sでは8メガピクセルで12fps、5メガピクセルなら15fpsが得られる。これはフル解像度で3.3fpsしか実現できないSamsung Galaxy S3よりずっと速い。

こうした科学によって、ポートレイトのベストスマイルを選んだり、バッティングを見直したり、愛犬が跳びまわるところを捕えること等々が可能になる。現在Papandriopoulosは、SnappyCamで作ったインタラクティブアニメをエクスポートしてFacebookで共有できるようにする機能を開発中だ。

Instagramが日々の生活の中にアートを見出すのを助け、Vineが瞬間を捕らえさせてくれるように、SnappyCamは、世界をスローモーションで見せてくれるかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)