スーパーボウルのテレビCMで注目を集めたテック系企業はApartments.com、Mobile Strike、そしてAmazon

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第50回の記念大会となったスーパーボウルのテレビ中継では、テック企業も多く広告を出稿していた。一般のひとびとに企業ないしブランド名の知名度拡大をはかるものも多かったように思う。ただし利用者の広告閲覧状況のトラッキングも行なっているTiVoのデータによると、エンゲージメント率でトップ10に入ったテック系企業の広告はApartments.comただ一社であったようだ。

この「Moving On Up」と題されたCMは、放映直後から議論を巻き起こしもした。Lil WayneとJeff Goldblumを使ったこの広告は全体で7番目のエンゲージメント率を獲得したのだとのこと。1位にはDoritos、2位にMountain Dew、そして5位にはPepsiなど、一般家庭に馴染みのブランドが入ったなか、なかなかの検討であったとは言えるかもしれない。

このApartments.comのCMはすなわち、スーパーボウルに出稿したテック企業CMの中で、もっとも見られたものであるわけだ。ただしTMZの記事にもあるように「人種差別的である」という議論もまきおこした。すなわちLil Wayneが、かつて奴隷農場を経営していたジョージ・ワシントンのために料理をしているようなシーンがあるからだ。

CMの閲覧ランキングについては、約3万名のTiVo利用者から匿名にてデータを集め、それを1秒1秒分析して視聴率の計算を行ったものなのだとのこと。「早送り」でCMを再生した人などはのぞき、あくまで通常速度で再生して閲覧された回数を比較している。

CM放映時間中で、他と比べてどれだけ高い視聴率を記録したかということで人気CMのランク付けを行ったそうだ。

ベスト10入りは伸ばしたものの、Apartments.com以外では、シュワルツェネッガーを採用して500万ドルを投じたMachine ZoneのMobile StrikeのCMも、テック系では2位となる注目度だった。

テック系の第3位は、Amazonの接続型スピーカーのEchoおよび搭載されているバーチャルアシスタントについてのCMだった。Echoを扱うCMはいくつか公開されてはいるが、Amazonとしてスーパーボウルに広告を出すのは初めてのことだった。

ペイパルの「There’s a New Money in Town」も、テック系のCMとしては4位となった。

テック系CMの順位リストを下に掲載しておこう。

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ずっとスーパーボウルを見ている人の中には、「今年はGoDaddyはどうだったんだろう」と思っている人もいるかもしれない。実は今年は出稿しないことにしたのだそうだ。これまでの広告に対する一部の反論が原因ではなく、ブランド知名度も上がってきたことから、さらなる大型CMは必要ないと判断したのだと言っている

テック系広告の上位5つを掲載しておく。

    • Apartments.com
    • Machine Zone
  • Amazon Echo
  • PayPal
  • Squarespace

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(翻訳:Maeda, H

スーパーボウルCM:コカコーラをコンピューターにこぼすと何が起きる?!


君はあのコカコーラのスーパーボウルCMを見たか?

そう。インターネットのせいで機嫌の悪い人たちの合成写真で始まり、切れ目なくTronスタイルのデータセンターへと場面が移ると、そこで男がサーバーの上にコークをこぼしてしまう。さて、これは悪いニュースになると思うだろうが、違う!すべてがストップする代わりに、コカコーラとポジティブ感情の奇妙な組み合わせが全員のパソコンに溢れ、何もかもが素晴らしくなる。

正直なところ、これがテクノロジーのしくみを100%正確に表現しているのかどうか定かではない。それでも、これは新たな興味深いソーシャルメディアキャンペーンだ(コカコーラはTwitterでも宣伝している)。このMake It Happyウェブサイトで説明されているように、ネガティブなツイートを見つけて、それにハッシュタグ #MakeItHappy をつけて返信するのが決まりだ。するとコークが「ツイートから作ったハッピーなアートをプレゼントする」。

これがコカコーラと何の関係があるのか?私にもわからない。そもそもポジティブはネガティブより良いものなのか?そうとは限らない、と私は思う。そして、これが本当にインターネットをもっとポジティブにするか? たぶん違う。

とは言え、このアートには思わずほほえんでしまう。特に、他のスーパーボウルCMのとめどない寒々しさの後では。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


2015年スーパーボウル、ソーシャルで最も注目された広告はP&Gの#LikeAGirl

Patriots vs. Seahawksで行われた2015年のスーパーボウルも幕を閉じた。そしてスーパーボウル中継中に流されたCMについての評価もまとまりつつあるようだ。CM業界でも大人気のスーパーボウル時間枠は膨大な数の視聴者の視線を集め、広告主にも最高度の注目が集まることとなる。こうした中Adobeは、スーパーボウル広告についての「ソーシャルバズ」効果を測定し、Facebook、Twitter、Tumblr、Instagramなどといったソーシャルサイトで最も人気を集めた広告を発表した。

Adobeは自社で運営するマーケティングクラウド・ソリューションであるAdobe Socialを使い、Twitter、Instagram、Facebook、YouTube、Tumblr、Flickr、Reddit、Foursquare、Google+、Wordpress、VK、Disqus、Metacafe、Dailymotionなどにあらわれた400万ものメンションを分析してベスト10の選定を行なっている。

選定にあたってはメンション数、他の日と比較したスーパーボウル当日の盛り上がり方、言及者のセンチメント、広告の効率性(spend efficiency)、および世界的に見たリーチ率などが考慮に入れられている。

そうした選考基準に基づいて上位となったのが以下のものだ(記事下にベスト10リストを掲載している)。中でもProctor & Gambleの「#LikeAGirl」がトップになった。メンション数は40万を超え、さらにセンチメントの評価でも高いスコアを獲得した。Adobeの発表によれば、メンションの84%が賛意ないし興味を示すものであったとのこと。

広告は既に見た人も多いかもしれないが、女性の社会的地位の向上(エンパワーメント)を狙ったものだ。「#LikeAGirl」(女の子らしく)という表現をばかにした意味でなく、より賞賛の意味を込めたものにしようと狙っている。思春期のうちに失われてしまい、二度と取り戻されることがなくなってしまうことの多い「女の子の誇り」をきちんと考えてみようと世に問うているわけだ。

形式的な面をみても、確かにこの広告はソーシャルメディアで高く評価されやすい要素を持つということができるだろう。タイトルからしてハッシュタグであるし、「#LikeAGirlという言葉の意味を“素晴らしい”という意味にしよう」(Let’s make #LikeAGirl mean amazing things)というのも、わかりやすい表現だ。

もちろん、女性を商品の飾りとして扱うCMが多い中、Proctor & GambleのCMは内容的にも「進化」であると評価することができるように思う。

ちなみに世界規模での広まりという意味では日産のCMがナンバーワンであるようだ。このCMに関するバズの55%以上が米国以外のものであるとのこと。さらに、他の日との比較で最も伸びているのは「Avocados of Mexico」となったようだ。通常の日と比べて3,000%の増加となったらしい。

ところでAdobeは、今年のスーパーボウル広告をまとめて「父親の年」としている。なるほど、トップ10のうち3つが、父親に関するものとなっている。

トップ10リストを以下に掲載しておこう。

1. #LikeAGirl
2. Avocados from Mexico
3. Dove Men Care
4. eSurance
5. Clash of Clans
6. Squarespace
7. Nissan
8. Toyota
9. Loctite
10. Anheuser Busch (Budweiser and Budlight)

広告も見てみたいという人のために、下にすべて掲載しておこう。

1. P&G’s (Always) “#LikeAGirl”

2. Avocados from Mexico

3. Dove Men Care

4. eSurance

5. Clash of Clans

6. Squarespace

7. Nissan

8. Toyota

9. Locite

10. Anheuser Busch (Budweiser and Budlight)

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(翻訳:Maeda, H


スーパーボウルのCMは、ネットで早く公開するほど効果が高い(Visible Measures調べ)

今日スーパーボウルを見る人は、真新しいはずのCMが、妙に見慣なれて感じるかもしれない ― 多くのCMが事前にインターネットでその一部あるいは全部を先出ししているからだ。

ビデオ広告および分析のVisible Measuresによると、同社のチームはスーパーボウルCMを2010年から観察しており、この戦略を取る企業は年々増えているという ― 2010年は13社、2011年27社、2012年34社、昨年は42社だった。(Visible Measuresによると今年CMを事前公開した会社は30社だが、これは先々週半ばのことなので最終的数字はさらに大きくなるだろう)。

要するに、広告主はこのゲームを単に月例キャンペーンの一部として扱っており、ネットユーザーの重要性は年々高まっている。ノースウェスタン大学のマーケティング教授、Tim CalkinsはNew Yorker誌にこう伝えている:「重要なのはスーパーボウルで勝つことではない、月全体で勝つことだ」。

昨年スーパーボウルCMは、インターネットで計3.7億回閲覧された。Visible Measuresによる(ゲームの1ヵ月後に測定)。そして、早くCMを提供した広告主が勝っている、と同社のデータは示している。

Visible Measuresは、YouTube、Daily Motion、Metacafe、Vimeo等のサイトを対象に、各ヒデオのウェブ全体における「真のリーチ」を追跡していると言っている。ブランドが事前にCMを流すと、そうでないブランドよりも真のリーチが著しく高まる ― 両者の差異は2012年には最大の600%まで上り、昨年は200%に下がった。おそらくネットで注目を集める競争が激化したためだろう。

一例としてVisual Measuresが挙げたのが、SamsungのCM、”The Big Pitch” で、このヒデオはスーパーボウル放映以前に870万回も閲覧され、1ヵ月後の合計は3350万回だった。そして今年、BudweiserのCM、”Puppy Love“(下に貼ってある)は、ずでに2670万回表示されている ― 最終カウントはかなりの数になるだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook