Apple Watchのロック解除バグを修正するiOS 15アップデート提供開始

Apple Watchでロックを解除するようにiPhoneを設定し、最近iPhone 13にアップグレードした人は、ソフトウェアのバグで、この機能を継続して使用することができないかもしれない。ただし、すでにありがたいことに修正プログラムが登場しているので、それをインストールすれば「Face ID」に頼る必要はない(もちろんパスコード入力の必要もない)。最新のiOS15アップデート(iOS 15.0.1)が登場している。変更履歴によると「iPhone 13モデルで『Apple WatchでiPhoneのロック解除』が機能しなかったことがある問題」のバグ修正が行われている。

Appleは2021年初めにwatchOS 7.4でApple Watchでのロック解除機能を追加し、外出中にマスクをしていてもiPhoneに簡単にアクセスできるようにした。この機能は、その後のiOSとアップデートで壊れ、修正するために別の無線パッケージが必要だった。Appleは最近、iPhone 13の一部のモデルでこの機能が動作しないことを認め、近日中に解決策を提供すると述べていた。iPhone 13は9月24日に販売が開始されたばかりであり、少なくともこの問題は早期に発見されたといえるだろう。アップデートが数日後に行われたのは良いことだが、ここ数カ月の間に同社がこの機能に関して抱えていた問題を見るのは興味深いことだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のCherylnn LowはEngadgetのレビューエディター。

画像クレジット:AleksandarGeorgiev / Getty Images

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(文:Cherylnn Low、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップルがiPhone、Macなど全端末でセキュリティアップデート、政府機関も利用するというNSOのゼロデイ脆弱性を修正

Apple(アップル)は、すべてのiPhone、iPad、Mac、Apple Watchに影響を及ぼす、新たに発見されたゼロデイ脆弱性のセキュリティアップデートを公開した。この脆弱性を発見したとされるCitizen Labは、ユーザーに対して直ちにデバイスをアップデートするよう呼びかけている。

テクノロジーの巨人Appleは、iPhoneおよびiPad向けのiOS 14.8、ならびにApple WatchおよびmacOSの新アップデートにより「積極的に悪用された可能性がある」とされる少なくとも1つの脆弱性が修正されるという。

Citizen Labは、ForcedEntryの脆弱性の新たな痕跡を発見したとしている。この脆弱性は、バーレーンの活動家の少なくとも1人が所有する「iPhone」をひそかにハッキングするために使用されていたゼロデイ脆弱性の利用に関する調査の一環として2021年8月に初めて明らかにされた。

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8月、Citizen Labは、ゼロデイ脆弱性(企業が修正プログラムを提供するまでの期間が0日であることから、このように名づけられた)は、AppleのiMessageの欠陥を利用しており、イスラエルの企業であるNSOグループが開発したスパイウェア「Pegasus」を活動家の携帯電話に送り込むために悪用されたと発表された。

Pegasusは、政府機関の顧客に対してターゲットの個人データ、写真、メッセージ、位置情報など、そのデバイスにほぼ完全にアクセスできるようにする。

この脆弱性は、当時最新のiPhoneソフトウェアであるiOS 14.4および5月にリリースされたiOS 14.6を悪用していたため、大きな問題となった。また、この脆弱性は、AppleがiOS 14に搭載した「BlastDoor」と呼ばれる、潜在的な悪意のあるコードをフィルタリングすることでサイレントアタックを防ぐはずの新しいiPhone防御機能を突破していた。Citizen Labでは、AppleのBlastDoor保護機能を回避できることから、この特別な脆弱性を「ForcedEntry」と呼んでいる。

Citizen Labによる最新の調査結果によると、サウジアラビアの活動家のiPhoneに、当時最新バージョンのiOSを実行していたForcedEntryエクスプロイトの証拠を発見した。研究者によると、このエクスプロイトは、Appleのデバイスがディスプレイに画像を表示する際の弱点を利用しているという。

Citizen Labによると、このForcedEntryエクスプロイトは、これまで最新のソフトウェアを実行していたすべてのAppleデバイスで動作するという。

Citizen Labは、米国時間9月7日に発見した内容をAppleに報告したとのこと。Appleは、この脆弱性(CVE-2021-30860)のためのアップデートを公開した。Citizen Labは、ForcedEntryの攻撃はNSO Groupが行ったものだと確信しており、これまでに公表したことのない証拠を挙げている。

Citizen Labの研究者であるJohn Scott-Railton(ジョン・スコット-レイルトン)氏は、TechCrunchに対し、iMessageのようなメッセージングアプリは、ますます国家によるハッキング活動の標的となっており、今回の発見は、メッセージングアプリのセキュリティを確保する上での課題を明確に示していると述べている。

Appleはコメントを控えている。NSOグループは、我々の具体的な質問への回答を拒否した。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップルが最新iOS 15のベータ版をすべての人に公開、開発者アカウント不要

iOS、iPadOS、watchOSの未来を垣間見ることができるチャンスだ。Apple(アップル)は先日、iOS 15iPadOS 15、watchOS 8の最初のパブリックベータ版をリリースした。これらのリリースは、iPhone、iPad、Apple Watch用OSの次期メジャーバージョンとなる。開発者向けベータ版とは違い、これらのベータ版は誰でもダウンロードすることができる。99ドル(約1万1000円)の開発者アカウントは必要ない。ただし、ベータ版であることをお忘れなきよう。

同社はまだ、2021年秋にiOS 15、iPadOS 15、watchOS 8の最終バージョンをリリースする予定だ。しかし、Appleは夏の間、数週間ごとにベータ版をリリースするという。できるだけ多くのバグを修正し、多くのユーザーからデータを集めるには良い方法だ。

いつものように、Appleのパブリックベータは、デベロッパーベータのリリースサイクルに従っているようだ。Appleは米国時間6月30日、iOSとiPadOS 15の2回目のデベロッパーベータもリリースしている。つまり、最初のパブリックベータは、2回目の開発者用ビルドとほぼ同じビルドのようだ。

ただし、忘れてはいけないのは、ベータ版をメインで使っているiPhoneやiPadにインストールしてはいけないということだ。問題はバグだけではない。一部のアプリや機能の中にはまったく動作しないものもある。稀なケースだが、ベータ版ソフトウェアによってデバイスが壊れて使えなくなることもある。また、iCloud上のデータが失われることもある。十分な注意を払って欲しい。

余分なiPad、iPhone、Apple Watchを持っている人のためにダウンロード方法をお知らせしよう。インストールしたいデバイスからAppleのベータ版ウェブサイトにアクセスし、設定プロファイルをダウンロードする(watchOSベータ版の場合は、iPhoneからダウンロード)。この小さなファイルは、パブリックベータ版へのアップデートを、通常のソフトウェアアップデートと同様に行うためのものだ。

ファイルがインストールされたらデバイスを再起動し「設定」(または「Watch」)アプリにアクセスする。アップデートが表示されるはずだ。2021年9月になると、デバイスは自動的にiOS 15、iPadOS 15またはwatchOS 8の最終バージョンにアップデートされ、設定プロファイルを削除できるようになる。

iOS 15における最大の変更点は、新しいフォーカスモードだ。「Do not disturb」に加えて、さまざまなモードを設定することができる。通知を受け取りたいアプリや人を選び、何をしているかによってフォーカスを変えることができる。例えば「仕事モード」「睡眠モード」「ワークアウトモード」などを作ることができる。

新しい天気予報アプリ、「マップ」の地図の更新、SharePlayを搭載したFaceTimeの改良版など、全体的に多くの新機能が用意されている。また、Safariも一新されている。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:iOSiOS 15iPadOSiPadOS 15watchOSAppleベータ版OS

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(文:Romain Dillet、翻訳:Katsuyuki Yasui)

今秋リリースのアップルのwatchOS 8にマインドフルネスと呼吸追跡の機能

読者のみなさんは2021年のWWDCではwatchOSの大きなアップデートは発表されないと思っていたのではないだろうか。Apple(アップル)のウェアラブルの出荷台数はiPhoneほどではないが、Apple Watchはスマートウォッチ市場を完全に独占していて、同社にとってかなりの成功となっている。

誰も驚きはしないだろうが、同社はマインドフルネスによりフォーカスしたアプローチを取っている。まだCalmやHeadspaceといったサービスに取って代わるものではないものの、自分に向かい合ってより意識することをユーザーに促す、待ち望まれていた新しいアニメーションが人気の呼吸機能に加わる。

また、これまではバックグラウンド機能だった呼吸トラッキングも、長期的なトラッキングやノーティフィケーションなどでwatchOSのエクスペリエンスの前面にくる。

もちろん、新しいフェイスなしにはwatchOSアップデートとはいえない。Appleは写真がロックスクリーンとしてうまく収まるよう、ポートレートモードをフェイスに加える。Watch Photosアプリも新しいレイアウトとなり、ウォッチからMailやMessagesといった同社のアプリへ写真を共有する機能も加わる。

Fitness+にも大量の新しいコンテンツが加わる。ここにはAlicia Keys(アリシア・キーズ)、Lady Gaga(レディー・ガガ)、Keith Urban(キース・アーバン)といったアーティストのワークアウト向けのものが含まれる。太極拳やピラティスもサポートするワークアウトのリストに加わる。

そして最後に、しかしもちろん多くの人にとって最後ではないが、watchOSはGIFをサポートするようになる。ベータ版が2021年7月から提供され、watchOS 8は今秋正式に展開される。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleWWDC 2021WWDCwatchOSApple Watchマインドフルネス呼吸

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

WWDC 2021で期待される発表は?iOS 15、iPadOSリニューアル、もしかしたら新Macも

あらゆることを考え合わせると、Apple(アップル)は2020年、非常に洗練されたバーチャルWWDCを開催した。Microsoft(マイクロソフト)やGoogle(グーグル)のような他の企業がよりライブ感のある(あるいはライブスタイルの)体験を選択したのに対し、Appleは、スムーズなドローン撮影と巧みなトランジションを駆使して出演した幹部たちを引き立てた。そして最初の1年を経て、同社がどのように新しい境地に達するか見ものだ。

キックオフからニュースを提供するWWDCの基調講演はいつも大盛況だが、今回もその例に漏れず、さらに多くの新情報が発表される可能性が高い。iOS / iPadOS、watchOS、macOS、tvOSなど、開発者向けの標準的なアップデートに加えて、このイベントで新しいハードウェアが発表される可能性もある。

いつものようにライブでニュースをお伝えしていくが、今回はライブブログを復活させる。ライブニュースをさまざまな方法でフォローすることが可能だ。イベントは、太平洋標準時6月7日(月)午前10時(日本時間6月8日午前2時)に開始される。

YouTubeのライブストリームはここで見ることができる。

例年通り、このイベントではiOSが最大の目玉となる。なんといっても、Appleは他の何よりも多くiPhoneを販売しているからだ。2020年には特に、同社の最新5Gデバイスが低迷するモバイル市場に救いの手を差し伸べた中でその傾向が強まった。

少なくとも最初の段階では、iOS 15はAndroidの最新バージョンほど過激なアップデートには見えない。しかし、今日から6月7日の朝までの間に、多くのことが起こり得る。(少なくとも今のところ)最重要課題は通知機能のアップデートのようだ。報道によると、モバイルOSの新バージョンでは、睡眠中、仕事中、運転中などのステータスに応じてカスタマイズ可能な通知が提供されるとのこと。

また、iOS 15には、新しいアクセシビリティ機能が多数追加されると考えられている。

画像クレジット:Apple

さらに大きなニュースは、待望のiPadOS 15へのアップデートだろう。最新のiPad Proのレビューではこの古いソフトウェアが問題となっていたが、iPadOS 15は、タブレット端末用のOSをモバイルOSからさらに遠ざけるための重要なステップになりそうだ。現在のiPadOS 15は、ほとんどの意図と目的においては、iOSをタブレット向けにスケールアップしたものとなっている。

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まだ詳細は明らかになっていないが、ホーム画面はウィジェットを含めて大幅にアップデートされる予定だと言われている。これにより、大きくなったホーム画面をより有効に活用できるようになると思われる。また、新しい通知機能やiMessageの大幅な改良など、iOSの新しいアップデートも行われるはずだ。

Big Surで行われた大規模なオーバーホールの後、macOS 12はより小さな波となることが予想される。ここでのビッグニュースは、ハードウェアかもしれない。噂では、Appleの超高速M1チップがアップデートされると囁かれている。M1X(現在の呼称)は、14インチと16インチの新型MacBook Proと一緒に登場する可能性があり、そうなればAppleのラップトップ製品ラインのハイエンドとローエンドの間に、ようやく少しだけ日が差すことになる。

画像クレジット:Brian Heater

また、今のところ情報が少ないものの、watchOSも大きなアップデートの時期に来ているように見える。特に合併したばかりのGoogleとFitbit(フィットビット)と競合しているAppleにとって、新しい健康機能は確実な賭けだろう(最近発表されたSamsungのアシストはいうまでもない)。

そして、最も興味をそそられるミステリーがhomeOSだ。求人情報ではこの謎のOSが参照されていたが、これは単なるタイプミスかもしれない(その後、求人案件では「HomePod」に変更された)。

画像クレジット:Apple

噂のまとめということで、より大きなものにつながるかもしれない可能性を指摘しておく。これは、既存および近々発売されるAppleのホーム製品と連動するように設計された、より統合的なホームオペレーティングシステムだと思われる。おそらく、tvOSともう少し密接に統合するものだろう。長期にわたる噂の中心にあるのは新しいApple TVデバイスだが、これまでのところ、その点は確認されていない。

他には、新しいMac Miniの噂もある(ただしこちらは、2020年末にリフレッシュされたばかりだが)。また、Beats Studio Budsに関する噂も興味をそそられる。LeBron James(レブロン・ジェームズ)が未発表のハードウェアを身につけているのを見れば、人々は話題にせざるを得ない。しかしAppleは従来、Beatsチームに独自の発表を任せ、このような大きなイベントはAirPodsのような自社ブランドのオーディオ製品のためにとっておくことを選んできた。

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カテゴリー:イベント情報
タグ:AppleWWDC 2021WWDCiOSiPadOSMacMacBook ProApple M1watchOShomeOSOSバーチャルイベントApple TVmacOS

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがiPhoneやiPad、Watch向けにゼロデイ脆弱性に対するセキュリティアップデートをリリース

Apple(アップル)はハッカーによる活発な攻撃を受けているiPhone、iPadおよびApple Watch向けに、セキュリティ脆弱性を修正するアップデートをリリースした。

このセキュリティアップデートiOS 14.4.2およびiPadOS 14.4.2としてリリースされており、iOS 12.5.2などの旧機種に対するパッチも含まれている。さらに、watchOSも7.3.3にアップデートされる。

Appleによると、この脆弱性はGoogle(グーグル)のProject Zeroのセキュリティ研究者によって発見されたもので、ハッカーによって 「積極的に悪用された」 可能性があるという。このバグは、 すべてのAppleデバイスのSafariブラウザーで利用されているブラウザーエンジンのWebKitに存在する。

誰がこの脆弱性を積極的に悪用しているのか、また誰が被害者になったのかは不明だ。Appleはこの攻撃が少数のユーザーを対象としたものなのか、より広範なものなのかについては明らかにしなかった。同社が積極的な攻撃を受けて、脆弱性を修正するためにセキュリティのみのアップデートを実施したのは(我々が調べた限り)これで3回目だ。Appleは6月に入り、WebKitに存在する同様の脆弱性に対するパッチをリリースした。

今回のアップデートは早めに適応するのが望ましい。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:AppleiOSiPadOSwatchOSゼロデイ脆弱性

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:塚本直樹 / Twitter

Apple Watch Series 6ファーストインプレッション、血中酸素計測機能と新バンドソロループに注目

実際のところ、私は新しいApple Watchの完全なレビューにまだ取り組んでいる最中だ。本稿執筆投稿の時点では、私はまだ24時間未満しかこのデバイスを触っていない。正直に言うと、従来はアップルのイベント後のプレススクラムの中で、これまでよりもはるかに多くの時間を検証に割いていたので、今回の記事を完全なレビューと呼ぶのは抵抗がある。レビューを予定しているどんなデバイスでも、良質な時間を過ごすことが重要であり、ウェアラブルにとってそれは特に重要だ。

スマートウォッチという言葉を快適に使えるようになるまでには、スマートウォッチが生活の一部になっている必要がある。私はこれまでwatchOS 7をSeries 5にインストールして多くの時間を過ごしてきたので、OSとデバイスの間にある重要な違いのいくつかについては安心して議論することができる。

Apple Watchのデザイン言語は、長年にわたっていくつかの微妙な審美的な改良を加えながら、プロダクトラインの寿命を通して多かれ少なかれ一貫している。アップルがこれらの製品を何台販売してきたか、そして同社がこの分野をいかに支配し続けているかを考えると、なぜ同社がデザインを大幅に変えないのかは理解できるだろう。製造中止になったSeries 5と共通のDNAを多く持つ、低価格のApple Watch SEにとってはその価値は2倍になるかもしれない。

デザイン言語は変わっていないものの、ケースカラーにはいくつかの新色がある。従来のシルバー、スペースグレイ、ゴールドアルミニウムに加え、ブルーと新しい(PRODUCT)REDが加わった。アップルが私に送ってきたのはブルーで、正直なところ微妙で深い色合いにはちょっと驚いている。ほとんどの照明では、派手な色合いというよりも青みがかって見える。ほとんどのユーザーにとっては、それがベストなのかもしれない。深い青はどんな環境にもマッチしそうだ。一方、(PRODUCT)REDの実物はiPhoneの同色に近い色みだった。

そして、本当に目立つことを望むなら、さまざまな種類のバンドがある。これは依然としてApple Watch専用になっているが、現時点では市場には多くの選択肢があり、品質は別としてサードパーティーの選択肢も多い。正直なところ、1週間ほど経って破れたもので最近ひどい目にあったサードパーティー製バンドもあるのだが。今回追加されたバンドの中では、おそらく「ソロループ」シリーズが最大の注目で、バックルやマジックテープなどがまったくないのが特徴だ。

ソロループとブレイデッドソロループの2つの主要なスタイルとたくさんの異なる色があるが、私はどちらかというと編み込まれたブレイデッドソロループが好きだ。今回登場したものは私の好きな布バンドによく似ているが、少しデザインが異なる。価格は、ソロループが5280円(税別4800円)、ブレイデッドソロループが1万780円(税別9800円)。

ちなみに私は、ストレートなシリコンモデルは好きではないし、ゴム状シリコンバンドのファンになったこともない。一方でソロループは伸縮性に優れており、12種類のサイズの中から自分に最適なサイズを選びたいと思う。自宅で計測して注文することもできるのだが、近くのアップルの直営店が営業しているのであれば、店舗でサイズ調整したほうがいいだろう。

ハードウェア面でのSeries 6の最大の追加は、血中酸素(血中酸素飽和度)センサーだ。アップルは同機能を提供する最初のスマートウォッチメーカーではないが、新型コロナウイルスの感染蔓延の中で、より多くの人々がこのような数字に注目している。

【Japan編集部追記】血中酸素飽和度は、血液中の酸素の量を示す。正常値で99~96%。体に疾患があったり体調不良などを起こしていると数値が低下する。医療機関などで人差し指や中指に挟み込んで利用するパルスオキシメーターを同様の機能を提供するが、医療機器として認定されているかどうかは別問題。なお、日本国内では現在のところ医療機器としては認定されておらず、あくまで健康と運動の状況を自己把握するための目安だ。

この新しい血液酸素センサーは、Apple Watchの文字盤の裏にある4つのLEDクラスターと4つのフォトダイオードで構成されている。完全に再設計されたバッククリスタルに組み込まれたこの新しいセンサーは、「血中酸素」アプリと連動して血中酸素濃度を測定する。検査はバックグラウンドで行われるが、アプリを使って手動で計測することもできる。計測には約15秒かかるが、手の動きの量やバンドの締め具合や位置など、正確な計測には注意点がたくさんある。実際に私は何度か繰り返して計測しなければならなかった。

アップルは、血液中の酸素濃度が実際に何を意味するかについて、もっと状況に即した情報を提供してくれれば素晴らしい。私が思うに、大多数の人々は何が健康レベルを構成するのかを知らない。とはいえ、ずっと歩くのは難しいし、健康状態のレベルは個人差があり、アップルは人を診断しようとは考えていないだろう。しかし同社は、健康モニタリングに関して新型コロナウイルスについて何度か言及している。

Apple Watchは初期の研究にも参加していたようだが、残念ながら明らかな理由から新型コロナウイルスへの感染を確認することはできない。むしろ、ほかのバイタル機器と同様に、潜在的な健康問題を早期に発見することができるだけだ。なお、廉価版のApple Watch SEはECG(心電図)モニタが搭載されていない点には留意してほしい。

新Apple Watchシリーズの発表と、これまでのハンズオンで一番残念だったのは、バッテリー寿命があまり変わっていないことだ。私は今回アップルが、新しい睡眠トラッキングと同時に大きなアップグレードを発表することを本当に望んでいた。バッテリー容量がアップしなかった代わりに、アップルはユーザーは寝る直前か、朝にApple Watchを充電することを提案する機能を搭載した。就寝前に充電が必要な場合、watchOSが警告をポップアップ表示するのだ。

バッテリーについては、初期の段階ではわずかにアップグレードしたとの報道もあったが、公式発表では寿命は18時間でSeries 5と同じだ。私はこの記事を書いている時点で約8時間半のために時計を着用しているし、セルラー回線も利用して残量は74%になっている。アップルによると「Series 6が搭載するS6プロセッサは前モデルよりもバッテリー効率がいい」としている。また前モデルに比べてより速く充電できる点には注目だ。約90分でフル充電になるので寝る前に満タンにしておくこともできる。

Fitness+サービスは悲しいことに少し待たなければならないが、睡眠トラッキングとフィットネス機能の詳細については楽しみだ。私は時計のベルトを下にしてひと晩使ってみた。どうやら私は7時間31分寝たようです。それは今週の、TechCrunch主催イベントDisrupt 2020と、アップルの新製品ラッシュの疲労によるだろう。これまでのところ追跡はかなり基本的なものだが、時間がたてばもっと充実した情報が提供されるだろう。いまのところ、iOS側の新しいベッドタイム機能に加えて、ベッドでの時間と睡眠時間に制限されている。もちろん、一晩の心拍数も随時計測してくれる。

【Japan編集部追記】Fitness+のサービスは、Apple Watchですでに測定可能な、心拍数、消費カロリー、走行速度、走行距離などのさまざまな健康データに基づいて作られている。このサービスには、iPhone、iPadまたはApple TVで見ることのできる数多くのワークアウトビデオが入っている。ユーザーがビデオを開始すると、Apple Watch側で対応するワークアウトアプリが自動的に動き出す。サービスは、オーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、英国、および米国で今年中にスタートするが、日本での提供は未定となっている。

watchOS 7で導入された手洗い機能はそれなりに機能するが、バスルームの音響やシンクにはまだ多くのバリエーションがあり、指の間で石鹸がつぶれる音を聞いているときでも問題になることがあった。私の場合は、バスルームのシンクに少し問題があったのかもしれない。

しかし、洗面所で手や皿を洗うと15秒のカウントダウンが自動的に始まったのはうれしかった。「ヘルスケア」アプリでは、手洗いの平均時間や1日あたりの回数など、時間の経過に伴う指標を収集してくれる。予想されるのは奇妙なことだが、アップルが指示するタイミングは最高だった。

これまでのところ、Series 6はApple Watchの飛躍的な前進ではない。しかし、アップルがユーザーの健康について真剣に取り組んでいるのは評価できるポイントだ。Fitness+が利用可能になったときにハードウェアを見直すのは素晴らしいことだ。

Series 6は、40mmサイズのセルラー版が5万9180円(税別5万3800円)から、GPS版の40mmサイズが4万7080円(税別4万2800円)からで発売される。一方、SEも40mmサイズのセルラー版が3万8280円(税別3万4800円)、GPS版が3万2780円(税別2万9800円)からとなっっている。旧モデルで併売されるSeries 3はGPSモデルのみで、38mmサイズが2万1780円(税別1万9800円)からとなっている。

完全なレビューは、新しいApple Watchを実際に長期間使用したあとだ。

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アップルハードウェアイベント

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(翻訳:TechCrunch Japan)

日本時間9月16日午前2時開催のアップルのハードウェアイベントに期待すること

2020年が普通の年だったら、今ごろはiPhoneのイベントが開催されていただろう。しかし今年はさまざまな点で普通ではない。米国太平洋夏時間9月15日午前10時(日本時間9月16日午前2時)にアップルのハードウェアイベントが開催されることになっているが、そこでiPhone 12を目にすることはおそらくないだろう。

アップルは長らく待ち望まれていた5G端末の発売について、少なくとも部分的にはサプライチェーンの問題のために数カ月も遅れていることをかなり率直に認めている。ということは、同社はそれほど遠くない将来に別のイベントを計画していることになる。

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我々はこれまでのサムスンのイベントで見てきたように、各社は新型コロナウイルスの感染蔓延で各種イベントをバーチャルに移行したことで、より多くのイベントを開催することについて少し大胆になっているようだ。

そういった状況を踏まえると、今回のイベントでの発表が期待できるのは、Apple WatchやiPadなど、iPhone以外でアップルの屋台骨を支える製品のアップデートだろう。ほかには、サブクスリプションのバンドルサービスやAirPodsシリーズのラインアップ追加などの可能性もある。

まずは、その中でも最も有力なものから紹介していこう。

Apple Watch

画像クレジット:Brian Heater

「Time Flies」(タイムフライ)という今回のイベントのスローガンは、我々が次期Apple Watchのいくつかの情報を得ていることを前提としているかもしれない。watchOSの最新バージョンの新機能のいくつかをうまく組み合わせることで、我々が待ち望んでいるものをかなり明確に描き出すことができる。

Apple Watch Series 6は、今回のイベントの目玉になりそうだ。新モデルの最大のニュースの1つは、実はある機能がなくなることだ。Series 6では、すでに公開されているwatchOS 7の機能で明らかになっているように、フォースタッチ(感圧タッチ)がなくなる確率が高い。もちろんこれには理由があり、フォースタッチ機構をなくせば時計をスリム化するのに役立つ可能性がある。もしくはそのぶん、バッテリー容量を増やすことができる。

watchOS 7には睡眠計測機能が追加されているため、ユーザーが就寝時にもApple Watchをバッテリー切れの心配なく装着できるように、アップルはデバイスを長持ちさせる方法を見つける必要がある。ユーザーが眠っている間の省電力機能は既にいくつか搭載されているが、より大きなバッテリーを搭載することで大きな違いを生み出し、アップルが他社との競争力を維持するのに役立つだろう。

また、アップルは健康管理の改善に注力し続けるだろう。それは長らくApple Watchの成功のカギとなっている。今回期待される機能としては、SpO2(動脈血酸素飽和度)トラッキングが挙げられる。いわゆるパスルオキシメーターのように血液中の酸素レベルを追跡するスマートウォッチはすでに存在しているが、自宅で健康状態を記録することがますます重要になってくる現在、Apple Watchがこの機能を搭載してもおかしくはない。

ほかにも廉価版モデルが登場する噂もある。具体的には、199ドル前後で販売されているSeries 3を置き換えるたモデルになるようだ。この製品は、新型コロナウイルスの感染蔓延でユーザーが手ごろな価格でヘルストラッキングを始めている現在の需要にかなり応えるものになるだろう。とはいえ、廉価版となる新モデルはデザイン的にも機能的にもそれほど洗練されてはいないだろう。

iPad

画像クレジット:Apple

イベントでは新しいiPadも登場するようだ。最有力候補はiPad Airで、現行モデルは2019年3月に登場している。噂では、次期モデルのiPad Air 4は、ベゼルが大幅に縮小され、Touch IDが搭載された電源ボタンがデバイスの上部に移動するらしい。そのほかの機能としては、10.8インチディスプレイや、LightningポートからUSB-Cへの切り替えなどが考えられる。

その他

WWDCで発表されたすべてのOS、すなわちiOS、macOS、watchOS、tvOSは今週中にベータ版がリリースされるはずで、これらもイベントで紹介されるかもしれない。とはいえ、iPhoneのイベントが別途開催される可能性もあるので、なんともいえない。

またアップルは「Apple One」を発表するかもしれない。これは、Apple TV+やApple Musicなどの同社の主要なサブスクリプションサービスのいくつかをセットにした製品だ。バンドルサービスには、Apple ArcadeやApple News+のほか、iCloudストレージが追加される可能性もある。

長年噂されている「探す」アプリと相性のいい、忘れ物防止タグの「Tile」のようなデバイストラッカー「AirTags」も発表も考えられる。このハードウェアを使えば、「探す」アプリでiPhoneなどと同様に、AirTagsを装着したカギや財布などを簡単に見つけられるようになる。さらには、AirPods 3やAirPods Pro 2、そして待望のオーバーイヤーヘッドフォンのAirPods Studioが発表される可能性もある。

アップルハードウェアイベント

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Apple watchOS 7をプレビュー

パブリックベータ版が届いた

Apple(アップル)が提供するオペレーティングシステムの中では、watchOSは最も影の薄い存在だ。 macOSが近年で最大の改修を受けるこの1年は、その傾向がますます強くなるだろう。概して、スマートウォッチのユーザーは新しいハードウェアセンサーの追加などに着目する傾向があるため、Apple Watchのソフトウェアは見過ごされがちだ。そんな中で、米国時間8月10日、数多くの重要な新機能と共にwatchOS 7のパプリックベータ版が公開された。どうやらAppleはスマートウォッチメーカーのリストの頂上に君臨していることに、安心しきってはいないようだ。

実際、Appleは特にHuawei(ファーウェイ)やSamsung(サムスン)といった海外勢による競争の激化を目の当たりにしている。おそらく、ソフトウェアの更新だけでは、スマートウォッチへの懐疑論者を引き込むには十分ではないだろう、しかしそれに加えてハードウェアのアップデートや低価格モデルに焦点を合わせる戦略を組み合わせれば、同社の優位な地位を保持する役には立つ。

今回のアップデートには、新しい手洗い支援機能、サイクリングナビ機能、新しいトレーニング機能などが含まれているが、中でも重要なのは数々の睡眠追跡機能が取り込まれたことだ。この最後の機能は、間違いなくWatchへの追加が最も要求されていたものだ。また同時に、Appleが競合他社に比べて遅れをとっていたカテゴリだったという意味で、それは同社にとって譲れない線だった。しかし、必要なハードウェア技術が不足していたからではない。今回提供される睡眠追跡機能は、既存のデバイスにすでに搭載されているセンサーとも連動し、多くのサードパーティソリューションとも組み合わせることができるものだ。

画像クレジット:Brian Heater

それは、Appleが今年後半に投入予定のWatch 6に、追加の睡眠追跡ハードウェアを導入しないという意味ではなく(実際追加される可能性は高いようだ)、これまでもっとも要求が多かった機能が、過去のシリーズ5,4,そして(2017年後半に発表され市場で200ドル(約2万1200円)ほどで取引されている)3のWatchで使えるようになるということだ。

睡眠追跡機能は多面的なものだ。もちろん、その中心となるのは標準的な追跡機能で、加速度計を使用してユーザーが眠りに落ちたタイミングを判断する、この中にはノンレム睡眠に入ったときに遅くなる呼吸の変化などの、微妙な手がかりも含まれている。得られる情報はまだそれほど詳細なものではないが、睡眠時間や心拍数などの重要な情報が含まれていて、それらはすべてAppleのHealthアプリに保存される。

パズルの最も目立つピースの1つはSleep Mode(スリープモード)だ。このモードに切り替えると、WatchがDo Not Disturb(起こさないでください)モードに入って、すべての通知がオフになり、手首が持ち上げられてもWatchのスリープが解除されなくなる。デジタルクラウンを回すことで一時的にモードは解除されるが、ユーザーが眠りに落ちると再びSleep Modeに切り替わる。

なんといっても、この機能はバッテリーを節約するのに役立つはずだ、それはAppleが睡眠に対して真剣になるにつれて、一層重要な課題になるだろう。Appleの説明によれば、現在Watchのバッテリーは18時間もつということだが、昼と夜の両方の追跡に使用したい場合には、これは問題となる。シリーズ6の注目点の1つはバッテリー容量の拡張だが、その一方で起床時には充電リマインダーがポップアップして、外出する前に充電するように促すようになる。また、就寝前に充電レベルが30%を下回った場合にも警告が行われる。

もう1つの大きな要素は、睡眠目標と、就寝時刻ならびに起床時刻を設定できるSleep Schedule(スリープスケジュール)機能だ。デフォルトでは、これは8時間に設定されている。これは、私自身の経験では少々長過ぎるように感じられるが、それが目標点なのだろう。Wind Down(ワインドダウン、鎮静)機能は、瞑想アプリやサウンドスケープなどを使って他のデバイスから離れて眠る準備をするようにデザインされた、就寝前活動の時間枠を設定できる。一方、Wake Up(ウェイクアップ、起床)機能は、iOSのベッドタイムアプリからサウンドを借用し、触覚フィードバックをアラームとして使用する。もしユーザーが設定した起床時刻の30分前に既に活動を始めていた場合には、Watchは目覚ましをキャンセルして一日の活動を始めるのかどうかを尋ねる。

画像クレジット:Brian Heater

手洗い機能の追加は、全くの偶然だ。以前の記事でも述べたように、この機能はAppleが長年取り組んできたものであり、たまたま誰もが手を清潔に保つべきこのタイミングに登場することになっただけだ。この機能はデフォルトではオフになっており、ユーザーが有効にする必要がある。オンにすることで、アニメーション化された泡の数で20秒のカウントが行われ、その時間中ずっと洗い続けることで、ちょっとしたお祝いの音が鳴る。

加速度計が感知する手の動きと、流水と石鹸の音を聞き取る内蔵マイクの組み合わせによって、手洗い動作が検出されて、自動的に機能がトリガーされるようになっている。どうやら手洗いの検出は驚くほど複雑のようだが、この機能は今回のベータバージョンでは、とても良くできている(まあ皿を洗っている時にときどき「偽陽性」で手洗いとして検出することもあったが)。

もう1つの重要な追加機能は、家に着いたときにポップアップするように設定できる手洗いリマインダーだ。これもまた、現在世界中で猛威を振るっている伝染性が高い感染ウイルスの時代に嬉しい追加機能だ。現段階では、独立した手洗いアプリは存在していないが、記録機能がヘルスアプリに直接組み込まれているため、履歴を後から参照することが可能だ。

新しくOSによって追跡されるようになったワークアウトのタイプは4種類存在している。それらはダンス、コアトレーニング、筋力トレーニング、そしてストレッチやその他のワークアウト後のアクティビティを含んだクールダウンの4種類だ。Appleは、Watchをより完全なフィットネストラッカーとして位置付けようとしているので、これらの追加機能は以前のものよりも多少詳細なものになっている。対応するiOSアプリも再設計され、すべてのアクティビティが1つのビューに統合されている。

また今回もいつも通り、新しいウォッチフェイスが追加されている。たとえばChronograph Pro(トップ画像)は、距離測定タキメーターから着想を得たデザインを採用している。私の好みからすると少々ごちゃごちゃしているが、決して見栄えの悪いデザインではない。またX-Largeはこれとは逆方向のものだ。画面の中央に大きくデジタルの時間表示があるだけだ。また、SMSを介して友人とウォッチフェイスを共有できる機能も加わった。

画像クレジット:Brian Heater

ところで最もクールな追加は、あまり時間をかけずに行われた以下の機能かもしれない。他のオペレーティングシステムと同様に、watchOSには翻訳機能が備わっている。Siriを呼び出して翻訳を依頼し、アラビア語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、日本語、韓国語、ブラジルポルトガル語、ロシア語、中国語(北京語)から言語を選択する。単語を話すと、Watchが翻訳結果を音声で読み上げ、画面に表示する。そして、全く異なる文字体系を持つ中国語のような場合には、テキストは中国語とアルファベット表記の両方で表示される。

このプロセスには多少追加の操作が必要だが、昨年のアジア旅行中に携帯電話を相手に手渡したり戻したりを何度も繰り返した誰かさんには、間違いなく役立つ機能だ。特に、自分の電話を本当に誰にも手渡したくないときには役立つ。

その他の機能も名前だけでも挙げておこう。

  • Apple Mapsのサイクリングナビ
  • ヒアリングヘルス/ノイズ指標の改善とヘッドフォンの最大音量を制御する機能
  • iPhoneからインポートされるSiriショートカット

watchOS 7の最終バージョンは今秋にリリースされる予定だ。

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(翻訳:sako)