レビュー:ライカX-Uは値の張るアドベンチャーカメラ

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何ごとにもはじめがある ― ドイツの名門カメラメーカー、Leicaにとってさえ。それは同社初の、水中撮影可能な防水カメラだ。これを可能にするために、いくつかの妥協はあったが、最終的に ― 殆どすべてにおいて ― ライカならではの仕上がりだ。

レビュー機の価格:Leicaの正規販売店で3295ドル

基本仕様

  • 16.2 メガピクセル CMOS APS-Cセンサー
  • Leica Summilux 23mm f/1.7 ASPHレンズ(35mmカメラの35mm相当)
  • 3″ TFT LCDモニター、解像度約92万ピクセル
  • 11点コントラストベース・オートフォーカス
  • 5枚/秒の連続撮影
  • シャッター速度、30秒~1/2000秒
  • ISO 100~12,500
  • 1080p HD ビデオ、30fps
  • 水中で利用可能
  • 1600 mAh バッテリー
  • 質量 22.4oz/635g

使用記

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私の個人的なライカカメラの体験は、Qに遡る。次がSLで、私はこのドイツ製カメラの品質に何か抵抗できない魅力を感じた。画像にも美的にも。実は、私のライカカメラ体験は10年にも満たない3年だが ― そもそも私は19歳 ― 他のフルフレームあるいはクロップセンサーカメラを経験したことのある人なら、誰でも違いが〈わかる〉だろう。

しかし実際のところ、X-Uはライカコミュニティーに対するサービスである。このブランドのファンにとってこの種のカメラは存在していなかった。

とはいえ、Leica X-Uはあなたの一眼レフやミラーレスの代わりにはならない。事実、他のどのカメラの座を奪うものでもない ― これは、防水、防塵機能を備えた一種のアクションカメラである。

オートフォーカスとシャッターも最速ではなく、実際それは私を悩ませるX-U唯一の欠点だ。また、ビューファインダーがないためフォトグラファーの目は3インチのスクリーンに限られる(光学アクセサリーをお薦めする)。さらにはこの価格で4Kに対応しておらずフルフレームカメラでもないので、まさしく特殊なアイテムと言えるだろう。この種のカメラを必要とするためには、よほどプール撮影が好きでなくてはならない。

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さて、X-U本来の使い方 ― アドベンチャー/アクションカメラ ― となると、私はライカカメラとしての短所にずっと寛容になる。しかし実際のところ、X-Uはライカコミュニティーに対するサービスである。なぜならこのブランドのファンにとってこの種のカメラは存在しなかったからだ。しかし裏を返せば、それ以外の人たちにとってX-Uは「単なる高価なカメラ」であり、おそらくそれは間違っていない。

ともあれ、下の作品はすべてX-Uで撮った(サイズ以外)未加工の写真だ。

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画質は、X-Uが実はLeica X Typ 113を防水ケースに入れたものと考えるとすばらしい。焦点位置の正確な調整はできないが、オートフォーカスが働くとすばらしい画像を作る。X-Uのオートホワイトバランスも殆どの状況で有効だ。

35 mmは常にちょうどいい焦点距離であり、液晶の撮影グリッドを使うとフレーミングも楽だ。

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ビデオは別の話だ。このカメラは静止画の方がずっと向いているので、次のジャック・イヴ・クストーになろうとする必要はない。私はたまにしかビデオ機能を使わない。1080p、30フレームでとりたてて良いところもないからだ。

総評

20160606_115100X-Uに最終判決を下すのは難しい。スペックから見て高すぎるカメラだが、品質、耐久性、およびブランドが、様々な場面でX-Uを救っている。

開けるのが困難なバッテリー、私の好みよりも遅く感じるオートフォーカスシステム(マニュアルフォーカスはない)、そして小さなバッテリーは、必要以上に売るのを難しくしている。OlympusやPentaxの同等製品は何分の一かの値段で買える。

もちろん、アドベンチャーカメラのライバルたちに、あの「ライカ感」はない。しかし改めて言うが、そもそもX-Uからフル装備のライカは感じられない。それでも、これは重宝するカメラだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

完全防水のKindle Paperwhiteは確かに便利だ

従来から大きく進化した利便性をもたらすデバイスが登場すると、その便利さに目がいってしまって改善ポイントを見逃してしまうこともある。Kindle Paperwhiteが、まさにそのケースに当てはまるのではないだろうか。Amazonが世に出したこのデバイスを上回る電子書籍リーダーというのは、まだ存在しないように思う。但し、ビーチで突然の大波におそわれたような場合は少々やっかいだ。普通の本であればしわになっても読めなくなるということはなかったが、Kindleはもしかすると動かなくなってしまう。Kindle Paperwhiteに残された最期の欠点を改善しようと動き出したのがWaterfiだ。

Waterfi版Kindleも、外見的には本家版となんら変わりはない。ノーマルのKindleと同じ感じで、ただ、ほんの少し重量が増しているだけだ。タッチスクリーンの動作も、もとのものと変わりない。外見的にはほとんど変わらない中、Waterfiの加工が施され、完璧な防水加工となっているのだ。真水でも海水でも、ともかく200フィート以上の深さに時間無制限で耐え得る。

間違いのないように強調しておくと、備えているのは防滴機能ではなく防水機能だ。たとえばスキューバダイビングにでかけ、海の底に腰を落ち着けながら『海底二万里』を読むことができるわけだ。これはちょっとした「経験」になり得るかもしれない。もう少し現実的な話をするならば、たとえば風呂に入りながら読書することができる。さらにカリブ海のリゾート地のプールサイドバーで、水濡れなど心配せずに読書することができる。出かけていく時間が気になるなら、裏庭で子供用のビニールプールをふくらませて、そこで読書に勤しむことももちろんできる。

防水機能を確認するため、シャワールームに持ち込んでみた。シャワーヘッドの真下にもっていかない限りは普通に使うことができた。シャワーヘッドの下に持って行くと、シャワーによる水流をタッチ操作だと誤認識してしまうのだ。また、水を入れた容器に沈めて3日間放置してもみた。取り出した後でも、なんの変化もなくきちんと動作した。もともとバッテリー寿命も長い製品なので、水の中に1ヵ月間おいておいても、きっとまだ読書に使うことができるだろう。Kindleの収納場所に困っているという人がもしいるのなら、トイレのタンクの中にしまっておくこともできる。読書はトイレでと決めている人がいれば、まさに一石二鳥の収納場所だと言えるかもしれない。

電子デバイスを防水にしても、それが必要となる環境で使ったりしないのではないかという話もある。もちろん、そういうデバイスもあるだろう。しかしKindle Paperwhiteは旅行やビーチにも持ち出されることの多いデバイスだ。これを防水化するのは確かに有益なことだと思う。価格はWi-Fi(広告掲載版ではない)版で239ドル99セントとなっている。3G版は299ドル99セントだ。現在の最安値と比べると120ドルも余計に払うことにはなる。しかしそれでKindleがスーパーKindleに生まれ変わるのだ。得られる便利さを考えると、考えて見るに値する金額ではないだろうか。

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(翻訳:Maeda, H