AlexaがWolfram Alphaの知識エンジンにアクセスして質問に答える

知識ベースは、Amazon AlexaがGoogle Assistantに比べて後れている分野だった。検索エンジンなどを抱えるGoogleの知識の膨大な量に、太刀打ちできるところはあまりない。でも、手始めにWolfram Alphaなんか、いいかもしれない。このアンサーエンジンは多様な分野のデータや質問への答を作成編纂して提供するが、主な分野は数学と科学だ。

今週からアメリカのAlexaユーザーは、Wolfram Alphaの情報にアクセスできるが、完全な展開には数週間から数か月かかるらしい。以下は、AlexaからWolfram Alphaに訊(き)ける質問の例だ:

Alexa, what is the billionth prime number?(10億番目の素数は何か?)
Alexa, how high do swans fly?(白鳥はどれだけ高く飛べるか?)
Alexa, what is x to the power of three plus x plus five where x is equal to seven?(xが7ならx3+x+5はいくつか?)
Alexa, how fast is the wind blowing right now?(今現在の風速は?)
Alexa, how many sheets of paper will fit in a binder?(バインダーに何枚の紙が入るか?)
Alexa, how long until the moon rises?(あと何時間で月が出るか?)

Wolframは多様なソースから情報を取り出す。自分自身のWolfram Mathematicaのほかに、Crunchbaseなどサードパーティのソースもある。またAlexaも、iMDB, AccuWeather, Yelpなどさまざまなサイトからの情報で自分の知識ベースを作っている。たぶん彼女にとっていちばん重要なのは、Wikipediaだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Wolfram Alphaがランダムに数学の問題を出して、解き方を一歩々々教えてくれる

数学や科学を勉強している人は、複雑な方程式を解くツールとしてWolfram Alphaをよくご存知だろう。でもそれは、カンニングのためには便利でも、必ずしも学習を助けてはくれない。そこで今日(米国時間10/18)Wolfram Alphaは、学習者のための新しいサービスWolfram Problem Generator立ち上げた。それはこの“計算機処理による知識エンジン(computational knowledge engine) ”が、逆立ちをしたようなサービスだ。

Problem Generator(問題生成機)はWolfram Alpha Proの正規ユーザが利用でき、ランダムな練習問題を作って、その解き方をWolfram Alphaが一歩々々支援する。

今現在Generatorは、6つの科目をカバーする: 算術、整数論、代数、微積分、線形代数、統計学。問題の難度は、小学生レベルから大学の微積分のレベルまでの数段階、指定できる。同社の今日の発表声明によると、小中学校レベルの問題はCommon Core Standards*に準拠している。〔*: 全国共通学力基準, 英文Wikipedia日本語参考記事。〕

ツールの使い方は単純だ。ユーザ(児童生徒学生、教師、…)が科目と難度(初等、中等、高等)を指定すると、システムが問題を生成する。

Wolfram Alphaによると、解答を読むにあたって同社の自然言語処理システムを利用し、どんな書き方でも理解に努める。だから“すべての学習者が自分なりのやり方で学習し自分を表現できる”、ということだ。これがたぶん、このサービスのキモだろう。これまでにも類似のツールはいろいろあったが、答えを書く形式が厳しすぎるので、不正解になっても、本当に間違えたのか、書き方のシンタックスが不正だったのか、どっちか分からないことが多い。

答えを三回提出して不正解だったら、Wolfram Alphaが解き方をステップバイステップで教えてくれる。またProblem Generatorは、教師が多項選択式の試験問題(そのままプリント可)を作るためにも使える。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))