第36回スペース・シンポジウムは新型コロナウイルスの影響で開催延期に

米国時間3月30日から4月2日に開催される予定だった第36回Space Symposium(スペース・シンポジウム)は、新型コロナウイルス大流行の影響により、正式に延期された。新しい日程に関する予定は発表されておらず、Space Foundationの主催者は今後の日程について関係者と協力し、次のステップは「追加発表する」と伝えている。

コロラド州で開催されるこのイベントは宇宙業界、政府、そして一般の宇宙コミュニティの有力メンバーが一堂に会する宇宙に焦点が当たる最も重要なイベントになるだろう。今週初めに世界保健機関(WHO)によってパンデミックだと公式に定義されたCOVID-19こと新型コロナウイルス感染症の現状を考慮すると、イベントの延期は驚くものではない。

Space Symposiumがイベントを延期したのは当然の判断だが、主催者がリモート会議やバーチャル会議への変更ではなく、「スケジュール変更」を選択したのは興味深い。年に1回のイベントで得られるメリットの多くは、優秀な参加者同士が直接顔を合わせたり、偶然会うことで得られるもだ。そのような意味でも、今回の決定は最も理にかなっている。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹Twitter

ザッカーバーグ氏がFacebookによる新型コロナウイルス感染症への取り組みを詳しく説明

マーク・ザッカーバーグ氏は、Facebookならびに彼が家族で運営する非営利団体のチャン・ザッカーバーグ・イニシアチブが、COVID-19として知られる新型コロナウイルス感染症と、病気に関する誤ったウイルス情報の広がりに対応するために行っていることの概要を、米国時間3月3日夜の早い時間に投稿した声明の中で説明した。

Facebookの対応は、3つの分野に焦点を当てている。正確な情報の提供、誤まった情報報をくい止めること、そして研究のためのデータ(これはFacebookが提供する普通のデータだ)提供である。

Facebookは、正確な情報を提供するために、そのプラットフォームで新型コロナウイルスに関する情報を検索するユーザーに対して、自動ポップアップを介して世界保健機関(WHO)または地元の保健当局サイトへの訪問を提案する。また、情報に関するそうした通知は、世界保健機関が人から人への感染の事例を報告した国にいる、すべての人のニュースフィードに自動的に挿入される。

「進行中の状況を考慮して、私たちは保健省やWHO、CDC、そしてユニセフなどの組織と協力して、新型コロナウイルスに関するタイムリーで正確な情報を入手できるよう協力しています」とザッカーバーグ氏は述べている。「私たちはWHOに対して、新型コロナウイルス対応に必要とされる無料広告枠と、それに相当する支援も提供しています。また、他の組織に対しても、広告クレジットのかたちで多大な支援を提供していますし、必要に応じて追加の支援を提供するために、グローバルな健康の専門家たちとも緊密に協力します」

Facebook上での誤った情報の拡散を止めるために、ザッカーバーグ氏は、グローバルな健康機関によって疑義のある虚偽情報と陰謀説をFacebookから排除し、怪しげな治療法を売り込むことで大衆の不安を煽るような広告を出すアカウントをブロックする、と書いている。

最後にそしておそらく最も議論になる内容として「人々が私たちのサービスを使って、アウトブレイクを封じ込めるためのより広範な努力に、どのように貢献できるかにも目を向けています」とザッカーバーグ氏は書いている。「研究者たちは、ウイルスがどのように拡散しているかをよりよく理解するために、モビリティデータや人口密度マップを含む、集計され匿名化されたFacebookデータをすでに利用しています」という。

匿名化されたデータに誰がアクセスできるのか、ユーザーがそのデータを使用して何を行えるのか、またはウイルスからの脅威が和らいだあとに、どれくらいの期間アクセスが可能なのかという点について、Facebookがどのようにコントロールしていくのかについての疑問は残されている。Facebookは、この記事公開に間に合うタイミングではコメントを返していない。

チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブも、病気の拡大を食い止めるための医学的努力を支援している。ゲイツ財団と協力することで、2つの組織から資金提供を受けた研究者たちは、数日でCOVID-19を引き起こすウイルスのゲノム配列を完全に特定することに成功し、ウイルスに感染した人々の特定が容易になった。

また同じチームは、他の科学者たちがまた別の病原体の場合でも全ゲノムを研究できるようにするIDSeqツールの公開バージョンを作成した、とザッカーバーグ氏はいう。

チャン・ザッカーバーク・イニシアチブが設立資金を提供した医学研究センターのBiohubは、体内のさまざまな細胞タイプをマッピングする細胞アトラス(地図)の開発にも取り組んでいる。一部の研究者は、このアトラスを使用して、新型コロナウイルスが肺をどのように損傷させるかを研究し、ウイルスによって引き起こされる肺の損傷を抑える可能性がある治療法を、特定し評価しようとしている。

「人々の孤独感を和らげ、助け合うためにできることはまだまだあります。そして今後数週間でみなさんと共有できるアイデアにも取り組んでいますが、現時点ではアウトブレイク自体の広がりを遅らせることに焦点を当てています」とザッカーバーグ氏は述べている。「多くの人が困難に向き合っています。私は、病気の人も隔離された人も、そうした人たちの友人たちや家族も、そしてもちろん、いつでも流行の最前線にいる医療従事者のみなさんのことも気にかけています。近いうちに、より多くの進捗情報をお知らせします」

原文へ
(翻訳:sako)

WHO、「ゲーム障害」を疾病と認定

正直なところ「ゲーム障害」という言葉は、いら立った親たちが作り出した造語のように聞こえる。しかし、堂々巡りの議論の末、この用語は世界保健機構(WHO)によって認定され、国際疾病分類の最新版に加えられた。

発表された分類によると、新たな障害には以下の3つの主要な兆候がある。

  1. ゲームをすることへの抑止力の欠如(開始、頻度、熱中度、継続時間、終了、環境、など)
  2. ゲームの優先度が、他の生活上の興味や日々の活動を上回る。
  3. 悪影響が見られるにもかかわらずゲームへの没頭が継続あるいは激化する。

上記の症状にはWHOが定義したギャンブル障害など類似の依存症と共通点がある。

「常習行動に起因する障害は個人的機能の苦痛あるいは干渉に関わる認識可能で臨床的に有意な症状であり、依存性物質の使用によらない反復的報酬性行動の結果発症する」とWHOは書いている。「常習行動に由来する障害には、ギャンブル障害やゲーム障害があり、オンラインおよびオフラインいずれの行動も含まれる」。

普遍的症状であるかのように思われるかもしれないが、WHOの定義によるゲーム障害の有病率は「極めて低い」と同機構は指摘する。WHO委員のVladimir Poznyak博士は CNNのインタビューに答えて、「世界数千万人のゲーマーは、たとえ激しくゲームに没頭している人であっても、ゲーム障害患者として認定されることはないだろう」と語った。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook