マーケティング分析ツール「マゼラン」を提供するサイカが4.5億円を調達

クラウド型マーケティング統合分析ツール「XICA magellan(サイカ・マゼラン、以下マゼラン)」を提供するサイカは1月24日、INTAGE Open Innovation Fund、NTTドコモ・ベンチャーズ、アイ・マーキュリーキャピタル、そして既存投資家のDraper Nexus Venturesを引受先とした第三者割当増資により、4億5000万円を調達したと発表した。

マゼランは、インターネット広告、テレビCM、交通広告といったさまざまな広告の効果を、オンライン・オフラインを統合して評価・分析することができるツール。広告予算の最適な配分案が提示され、費用対効果の改善が期待できる。2016年9月に正式リリースされてから、1年あまり。国内の広告宣伝費ランキング上位100社(東洋経済オンライン記事による)のうち、1割の企業に利用されているという。

今回の資金調達発表と同じ1月24日には、導入・運用工数が軽減する機能や、分析の制度改善を簡易化する機能などを追加した、マゼランの新バージョンを提供開始している。

サイカは2012年の創業。2013年11月に開催されたTechCrunch Tokyo スタートアップバトルでは、マゼランの前身となる、素人でも使える統計分析ツール「adelie」(現在はサービスを終了)でマイクロソフト賞を受賞した。これまでに数回の資金調達を実施しており、直近では2016年3月に、電通デジタルが運営するファンド、Draper Nexus Venture Partners Ⅱ、アーキタイプベンチャーズの3社から資金調達を行っている。

サイカでは今回の資金調達を機に、マゼランの機能拡充と、販売拡大のための人員やマーケティング活動の強化に投資していく、としている。

素人でも使える統計分析ツールのサイカが2億円調達

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専門知識不要で使えるクラウド統計分析ツールを手がけるサイカは15日、総額2億円の資金調達を実施したと発表した。同社は2013年10月、企業が持つデータに潜む関連性を見つけられるツール「adelie」を公開。売上という「成果」に対して、CM放映回数、チラシ配布枚数、天候などの「要素」が、お互いにどのように影響したのかを自動抽出してくれる。

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例えば、アパレル販売メーカーが導入した場合、CM放映後に売上が100万円アップ、チラシ配布週に売上が10万円アップ、天候は売上と無関係……といったことを分析。これによって、経験の裏付けや盲点の発見、未来の予測ができるようになるわけだ。

通常、統計分析をするには専用ツールだったり、成果と要素の関係を読み解く専門家が必要。一方、adelieは企業が持て余すExcelデータをインポートするだけで、相関するデータを自動抽出するのが特徴。ヤフーやリクルート、GUなど40社以上が導入している。

営業マンの「行動の効果」を数字で表す

2014年1月には米Salesforceなどを引受先として、1億円の資金調達を実施した。以降、Salesforceのクラウド型営業支援ツール「Sales Cloud」と連携し、営業マンの行動データに基づいて最適な行動を提示するツール「Rockhopper」を開発。今月リリースした。

Rockhopperは、セールスパーソンの「行動の効果」を数字で示す営業支援ツール。例えば、家電量販店向けにルートセールスする企業が導入した場合、「売場作成」「商談」「店頭での接客」などの行動と、それに費やした時間をプルダウンメニューから入力する。これにより、「売場作成は1時間につき800円の効果」「接客は成果への影響なし」といったことがわかる。

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Rockhopperの利用イメージ

 

セールスパーソンにとって、活動記録を逐一報告しようとすると、本業が圧迫されてしまうことも少なくない。Rockhopperは行動記録に最適化したインターフェイスを採用したことで、日々の報告業務の負担を軽減。すでに導入した大手電機メーカーでは、行動データの入力率が23%から97%にも上がったのだという。

現場で記録されたデータは、アプリ上で一覧可能。営業マネージャーは分析結果を見ながら改善点をアドバイスできる。アプリ上で「ノウハウを学ぶべき営業マン」と「ノウハウを教えるべき営業マン」をリコメンドし、マッチングする機能もある。

今回調達した資金は主に、Rockhopperの開発に投入。エンジニアや、adelieやRockhopperを導入した企業向けのサポート要員も増やす。増資に伴い、リードインベスターを務めたDraper Nexus Venture Partersに在籍する倉林陽氏がサイカの取締役に就任している。倉林氏はSalesforceの元日本投資責任者。サイカとしては、ベンチャー経営やSaaS事業の知見を得る狙いがあるようだ。

サイカは2013年11月に開催したTechCrunch Tokyoのスタートアップバトルに登壇し、マイクロソフト賞を受賞している。

統計分析ツール「xica adelie」のサイカ、セールスフォースなどから1億円調達

専門知識がないビジネスパーソンでも使える統計分析ツール「xica adelie(サイカアデリー)」を提供するスタートアップのサイカは1月30日、セールスフォース・ドットコム、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、アーキタイプベンチャーズの3社を割当先とする総額1億円の第三者割当増資を実施した。これに伴い、セールスフォースのPaaS環境「Heroku(ヘロク)」を利用し、クラウド型営業支援(SFA)ツール「Sales Cloud」と連携した統計分析アプリケーションを提供する。

xica adelieは、企業が保有する多様なデータの中に潜む関連性を見つけるサービス。例えば、売上という「成果」に対して、CM放映回数、チラシ配布枚数、天候、曜日などの「要素」がどのように影響するかを検証する。具体的にはCM放映2週間後に売上が100万円アップ、チラシを配布した週に売上が10万円アップ、天候は売上と無関係……といったことを分析し、各要素が「いつ」「どれくらい」成果に影響するかを数値化できる。従来こうした分析には統計の知識を持つ担当者や専用ツールなどが必要だったが、xica adelieは、これを誰にでも使えるツールとする。

xica adelieのイメージ

今回の資金調達によりサイカは、セールスフォースのユーザー向けアプリマーケットプレイス「Salesforce AppExchange」を通じて、Sales Cloudと連携した新たな統計分析ツールを提供していく。サイカは昨年11月に開催したTechCrunch Tokyoのスタートアップバトルに登壇し、マイクロソフト賞を受賞している。

サイカ代表取締役CEOの平尾喜昭氏