「女子中高生の2人に1人が使っている」動画共有サービスMixChannelがマネタイズ開始

先日ご紹介したスマートフォンアプリ向けの動画広告プラットフォーム「FIVE」。ユーザーの操作で動画広告を表示・非表示できる作りはすごかったのだけれども、今回紹介するのはその記事で少しだけ触れたDonutsの10秒動画共有サービス「MixChannel」での動画広告の話だ。Dountsでは、「MixChannel プレミアム動画広告 powered by FIVE」の名称でMixChannel上で動画広告を展開。マネタイズを本格化させる。

MAUは380万人、月間再生回数は5億回に

MixChannelは2013年12月のスタート。サービスを担当する福山誠氏は、ランチを軸にしたマッチングサービス「ソーシャルランチ」を手がけるシンクランチを上村康太氏(現在はグロービス・キャピタル・パートナーズのベンチャーキャピタリスト。福山氏と上村氏はもともとグーグルで一緒に働いていた)とともに創業。同社のM&Aにより2012年12月にDonutsに参画した。

「Instagramが注目を集めた2011年くらいから、『画像の次は動画だろう』と思っていたし、周囲でも『(動画ブームが)来るぞ来るぞ』と言われていて数年経った。だが2013年にVineが登場して短い尺で、オートプレイで動画を(無理矢理にでも)見せる、というサービスが登場した。それがある種の革命になったのだと思う。それで日本らしい動画サービスの開発を考えた」(福山氏)

さてそんなMixChannel、僕のような30代の人間なんかが知らないうちにぐんぐん成長。現在はMAU(月間アクティブユーザー)380万人、月間の動画再生回数は5億回。

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ユーザー属性を見ると10代が9割、男女比では女性は約8割という、とくに女子中高生に特化した大きなサービスになった。その仕掛け作りには、10代に人気の読者モデルに利用を促すような施策もしていたと聞くが、何より大事にしたのは「コミュニティ的な運用」だそうだ。

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「はじめから面白い動画があったわけでもないし、カップル動画(MixChannelで人気なのは、カップル動画とおもしろ動画だそう)をいきなりみんながアップする訳ではない。そこはコンテストを開催したり、象徴的なユーザーをプッシュしたりして、じわじわと女子高生の話題になるようなモノを集めてきた。スーパースターの投稿者がいるんじゃなくて、同世代の『可愛い』とか『面白い』が集まっている」(福山氏)

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今後の課題はアクティブ率や外部連携

MAUで380万人を達成しているが、同社の資料を見る限りその成長は鈍化しているようにも見える。だが福山氏は、「すでに10代の女子中高生をある程度カバーするようになった結果」だと語る。統計などを見ると年齢ごとの人口は10代で大体120万人前後。ユーザーの中心となる13 〜18歳の女性に限定すればざっくり360万人という規模になる。

福山氏によるとスマートフォンアプリだけのMAUでも150万人ということで、きわめてざっくりした計算にはなるが、「女子中高生の2人に1人が使っている」(福山氏)と言える状況だ。「一定のクラスタにリーチできるサービスにはなった。今後はどうアクティブ率を上げていくか、そしてどう外部のサービスと繋いでいくかを考える」(福山氏)

プレミアム動画広告とインフィード広告でマネタイズ

今回開始した動画広告は、MixChannelのトップ画面最上部に表示される。金額はグロスで250万円、100万再生(iOSとAndroidに配信。OS別配信には対応しない)となっている。実は3月にもリクルートグループが試験的に広告を導入しているそうで、「数字は申し上げられないが、いい結果を出している」(福山氏)という。今後はインフィード広告なども導入し、さらなる収益化を図るとしている。

投稿者:

TechCrunch Japan

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