「Eメールとチャットの良いとこ取り」RedKixが1700万ドルを調達

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これまで、多くのスタートアップがEメールに変革をもたらそうとしてきた。なかにはSlackのように、私たちの仕事のあり方を変えるようなサービスが生まれることもあった。だが結局のところ、今でもEメールは盛んに使われているし、コミュニケーション・ツールを会社全体で有効活用するためには、皆が同じプラット・フォームを選択しなければならないという問題がある。

本日、RedKixはプライベート・ベータ版の公開と、シードラウンドにおける1700万ドルの資金調達の完了を発表した。Slackなどのコミュニケーション・ツールの利点と、シンプルで皆が使っているというEメールの利点を組み合わせた同社のサービスが著名な投資家たちの興味を引いた結果だ。同社の出資者には、Salesforce Ventures、Wicklow Capital、SG VC、Oren Zeev、Ori Sasson(VMwareの出資者でもある)などが名を連ねる。

シードラウンドのスタートアップが1700万ドルもの資金を調達することはめずらしい。しかし、RedKixの共同創業者兼CEOのOudi Antebiは、複雑なテクノロジーを必要とする同社のサービスを実現させるためには、この規模の支援が不可欠だったと語っている。

 

これまでにも、「Eメールの再発明」というビジョンを掲げてきた企業は多く存在する。では、彼らとRedKixとの違いはなんだろうか?RedKixは既存のEメール・アカウントをベースに動作する(現状では、Microsoft Exchange、Office 365、Google Appsのアカウントに対応している)。そのため、連絡する相手がRedKixを利用していようとなかろうと、相手のEメールアドレスさえわかればRedKixを通じたコミュニケーションが可能になるのだ。

仮に相手側もRedKixを利用していた場合には、既読の通知、タイピング中の通知、ユーザー間のリアルタイム・メッセージングなどの機能を利用することができる。その一方で、RedKixを利用してない相手には通常のEメールが送られるのだ。つまり、RedKixを利用することによって、通常のEメールが即席のチャットルームでの会話へと様変わりするというわけだ。

RedKixを使って、Eメールのような件名ありきのコミュニケーションができるのはもちろん、Slackのチャンネルでの会話のようなサブジェクト・レスなコミュニケーションをすることも可能だ。この機能もまたEメールをベースに構築されており、Eメールでいうところのメーリングリストにあたる、グループ・メッセージングを利用することもできる。

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現行のバージョンのRedKixは、同社が実際に欲しいと思っていたサービスを体現したものだとAntebiは話す。「Eメールでのコミュニケーションにリアルタイム性を取り入れることは、大きなチャレンジでした。用途別のインボックスなどがその例です」。

RedKixは企業での利用を想定されている。そのため、企業にすでに存在するEメールのセキュリティやその保持に関する企業方針にサービスが適応できるように配慮されている。「私たちのサービスは、とてもITフレンドリーなサービスです。RedKixは既存のEメールサービスと完全に調和するのです」とAntebiは話す。加えて、同サービスのエンタープライズ版では、企業がサービスの機能を制御できるツールも提供する予定だと話した。

コアとなるプラットフォームが完成した今(初期のベータ版ならではのバグは時々発生するが)、RedKixが視野に入れているのは、Slackも力を入れるサードパーティ・サービスとの統合だ。

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Antebiはその例として、JIRAのサービスと連携した機能の初期デモを見せてくれた。これに加えて、RedKixはChromeプラグインの開発にも着手している。このプラグインを利用することにより、あるウェブサイトにメッセージを貼り付けることが可能になる。そうすることで、そのウェブサイトを開いた状態で同僚とコミュニケーションを取ることができるという。

現在はベータ版であるRedKixのデザインはすでにスタイリッシュであり、Eメール・サービスに似たデザインをもつため(むしろ、RedKixも基本的にはEメール・サービスなのだが)、RedKixに初めて触れるユーザーでもストレスを感じることはないだろう。

RedKixはブラウザで動作するアプリだが、OS X/MacOSとWindowsのユーザーはデスクトップ・アプリを利用することもできる。今後数週間のうちにモバイル版のアプリもリリースされる予定だ。

RedKixの従業員は現在27名であり、そのほとんどはイスラエルを拠点としている。

パブリック・ベータ版の公開は秋の終わりごろを予定されている。その頃になれば、RedKixの料金体系も決まっていそうなものであるが、Antebiは、基本的なサービスは無料で提供し、追加的な機能は有料で提供するという形をとる可能性が高いだろうと話している。

私は常に、「Eメールの再発明」と謳うコミュニケーション・サービスには懐疑的だ。しかし、RedKixを利用するためにユーザーが自身の環境を変える必要はなく、同僚がRedKixを利用していなかったとしてもサービスのメリットを十分に受けられる事を考えれば、他の同種のサービスと比べた成功の確率は格段に高いだろう。RedKixは、近いうちにEメールがこの世から消え去ることはないと賭けたのだ。そして、過去を振り返ればそれは正しかった。私がこのアプローチに反対する理由もないだろう。

RedKixのクローズドβテストへの参加はここからできる。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Twitter /Facebook

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TechCrunch Japan

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